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ミステリの祭典

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斎藤警部さんの登録情報
平均点:6.68点 書評数:1448件

プロフィール| 書評

No.188 7点 カシノ殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2015/07/15 11:51登録)
‘Je suis .. ’ ってヴァンスが気障なフランス語を喋ってるのかと思ったら .. ‘重水’だったか!
後半六作に属する中篇(のような長篇)ですが、これが存外面白くて得した気分w 上品ぶっちゃいるがB級サスペンスの良さがある。
事情あって「ケンネル」とぶっ続きで読んだんで、その余韻の勢いも多少手伝ったかも知らんが。。 いや、やっぱりサスペンスの持続が読ませるポイントだったと思う。終始ざわついた雰囲気もいい。短時間一気読みでした。


No.187 7点 殺人名簿
島田一男
(2015/07/14 13:14登録)
夏こそ島田一男、この短篇集も快調な飛ばしっぷり。
どんな内容だったか、こちとらウッスラ忘れちゃったけどさ、
ちょっと残酷な、キツめの話が多かったかな。
勿論、それがイイんだけどさ。

地獄河岸/拳銃と香水/刑吏/殺人名簿/奇妙な夫婦/魔女の檻
(春陽文庫)

表紙の女子(春陽文庫版)もなかなか魅力的だよ。


No.186 8点 沈黙の函
鮎川哲也
(2015/07/14 11:51登録)
ははん、こりゃ鮎さんが古いレコードや歌曲の薀蓄を世に向け語りたくて書いたな、と思って読んだものです。たまたま私もその方面は興味がありましたし、ロシア語を習った事があり文字の読み方は知っておりまして、ましてそこに殺人事件が絡むとなればこれはもう面白くない筈がありません。いや、鮎さんの文章と小粋なトリック等々あってこそですけどね。 小ぶりな作品ですが、悪くありません。 個人的に高得点です。


No.185 8点 遠い接近
松本清張
(2015/07/10 02:22登録)
(ネタバレ有り)
戦争、というより徴兵、というよりその両者内部に息づく不誠実な実態への憤り響き止まぬ、魂こもったサスペンスドラマ。 不当なきっかけで自分を戦地に送り、最終的には家族全滅のきっかけを作った張本人を終戦直後の日本で捜し出し復讐を遂げるまで、主人公は諦めません。 ただ、本当にその張本人に全ての罪を被せたものかと言うと、そいつは最初のドミノを倒しただけの役回りなんだからかなり違う気がするんですけど、罪に対応する罰を与える相手は実際のところそいつしかいないわけでね、主人公がそのへんの齟齬に気付いているのかどうか、葛藤の描写はありませんけれど、国家さえ超えた巨大人間社会の蠢きが一個人に偶然もたらした甚大過ぎる悲劇、やり場の無い怒りの空回りは絶望的に切ない、切な過ぎて無茶な個人的制裁を研ぎ澄ますのに歯止めの効かせようも無いなんて。。

終結部、主人公があっと言う間に当局から追い詰められる数ページの、じりじり喰い込んで来るスリルは清張さんの真骨頂、毎度のことながら目を瞠ります。
しかし、安川って悪役というか憎まれ役が妙に魅力的で困った(笑)。 が、こいつも最後はあっさり殺されちまうんだもんなぁ~

「廣島なら、都会と違って爆撃も無いし安全じゃろ。」
「朝鮮は内地と違って戦争のセの地も無いわ。」


No.184 9点 獄門島
横溝正史
(2015/07/09 13:28登録)
相撲で言う心・技・体の充実を感じる作品です。

読んでみると、意外とあっさり爽やかな口当たりに驚かれる方も多いのでは。

それにしても、島の雰囲気が最高にいいですよね。。。 (住みたくはありませんけど) 


No.183 4点 交換殺人
フレドリック・ブラウン
(2015/07/09 13:03登録)
(ネタバレ気味)

見え見えでもいいからドンデン返しよ来てくれ! と願いつつ読んだんだが。。 
ドタバタするばかりでカタルシスの無いラストでした。 ブラウン先生もこんな”落ちる”本書いてる時間あったらSF短篇かショートショートの名作を一篇でも多く、世に放り投げて欲しかった。。 

とは言えご本人が好きだったんだろうなあ、こういうの書くの。


No.182 5点 3、1、2とノックせよ
フレドリック・ブラウン
(2015/07/09 12:54登録)
(最後の方ネタバレ)
『痴漢』と呼ばれる人物の押入り強姦殺人事件が連発する中、博打好きで女好きなクソ駄目オヤジが自業自得でがんじがらめの夜の街を彷徨うシーン中心の前半はちょっと退屈。 知恵遅れのヒーローかと思われた街の新聞売りが登場してから物語は活気を呈し、何人かの脇役達も(チョイ役達まで)男女共に存在感たっぷりの動きを見せる。このへんの描写は流石だね。 さて借金返済等々で進退窮まったクソ駄目オヤジは徐々にトチ狂った行動をとり始め、そうしているうち酒場で『痴漢』らしき人物に出くわすが。。 ハーフハッピーエンドとも見える皮肉なエンディングの余韻はともかく、『痴漢』の正体がまさか主要登場人物の誰でもなかっただなんて! そりゃ意外だよ肩透かしもいいとこ!! ま往年のそういう流儀の変質者(サイコ)スリラーって事なんですかね、でもこりゃミステリの流儀じゃないよな。やはりFブラウンさんは短篇の方が、それもSFの方が本領発揮出来るんじゃないでしょうか。(その割に長篇ミステリのラインナップがやたら目立つんですが)


No.181 8点 さよならドビュッシー
中山七里
(2015/07/09 11:58登録)
略して「さよッシー」か。
(以下、途中からネタばれ気味)
音楽の美しさの描写に半端でない臨場感があり、楽器を扱う肉体感覚にもリアリティがある。 火傷やリハビリのくだりは本当に痛々しい。 物語の紡ぎ出しがスムーズだなぁ~~  と思って読んでたら、まさかの!! 火災事故で一人生き残りって設定あまりにベタ過ぎて逆に疑いもしなかったよ~ そしてあまりに堂々たる青春小説ぶり、音楽小説ぶりも大きなミスディレクションでしたね。 陳腐なトリックだけど見せ方が良かったね。


No.180 5点 盲目の理髪師
ジョン・ディクスン・カー
(2015/07/09 06:58登録)
題名に惹かれ、とてもとても若い頃手にしたもの。ごちゃごちゃドタバタしているばかりでしたが、、船上のざわざわした雰囲気は愉しめましたし、謎解きも驚きは特に無いものの雰囲気勝負でまずまず。 高い評価こそ付けられませんが、良い想い出の一作です。


No.179 3点 アラビアンナイトの殺人
ジョン・ディクスン・カー
(2015/07/09 06:51登録)
長いのは構わん、博物館という舞台装置も魅力だが、何しろ話が複雑すぎる上に詰まらんから読めないこと読めないこと! 頑張って結末に辿り着けば犯人は意外な人でも何でもないし、残念でしたお疲れ様! 構成の凝り様には新味があって、目次だけ眺めるには何やら愉しそうなんだけどね。。。 カーなのに、変に真面目に走っちゃった感が有る。 大きなこけおどしが欲しかった。


No.178 10点
F・W・クロフツ
(2015/07/08 08:02登録)
とてもとても若い頃、玉砕承知で手に取りました。クロフツでは4冊目でした。
ところがですね、読み始めてみると豈図らんや、このさっぱり子供向きでなさそうな地道な捜査の物語が面白くて面白くて、予想外のスピードで読み切ってしまった次第! 捜査は地味でも犯罪そのものは派手(特にそれが樽の中から露見する冒頭シーン)で動きもダイナミックでスケール大きい、というのが助けになったのかな。 とても頭のいい樽の動かし方はクールなパズルの様でありながらそこには必ず海の匂い、鉄と油の匂い、微かながら屍体の匂い、、が生々しく付き纏うのが堪らない。やっぱり小説描写が上手いんだな。 名作中の名作と思いますよ。「黒いトランク」という忘れ形見も残したね。きっと再読するだろうなあ。


No.177 8点 秘密パーティ
佐野洋
(2015/07/08 07:08登録)
暗闇の中、卑猥な映像が映し出されて始まる、男女入り乱れた怪しいパーティー。。その中で一人の女性が殺害されるが、参加者の中に政治家がいた事もあり、事を小さく収めるため病死という扱いに。ところがその「インチキ」を脅迫する者が現れた。。
若い時節に読み、その結末に うぁっ! となった忘れ得ぬ作品です。


No.176 7点 大密室
佐野洋
(2015/07/08 06:59登録)
舞台がけれん味に溢れた表題作は、漆黒の闇で音も響かない完全密封の部屋(音響機器会社の実験室)に閉じ困られた男女、片方は屍体で発見され。。と始まる企画色の強い特異な密室モノ。 他にも、殊更に探偵小説の何らかの古典的テーマ、一人二役とか変装とか怪奇心霊現象とか、を現代社会(もうかなり昔ですが)を背景に仕立て直したりナニしたりして強力な個性を備えた六つの現代ミステリ小説群。ブラックユーモアの度合いも強い、興味津々の短篇集。

大密室 / 温かい死体/ 別人になる / 汚れた手 / 完璧な賭け / 妻の肉を喰った…
(徳間文庫)


No.175 6点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ
エドワード・D・ホック
(2015/07/08 00:09登録)
主人公の風貌通り、サラっとヒョロっと爽やかに謎が解けて行く。が、物足りない感じがしないのは何故だろう。やはりそれなりに深い謎と深い解決がずらりと並んでいるからか。好きな雰囲気の短篇集だ。ゆったりした田舎町で次々と起こる不可能犯罪。。(って。。。) 
さてすっかり忘れていましたが、本シリーズは老医師サム・ホーソーンが若い頃の探偵譚を若者に語って聞かせるという、まるで半七捕物帳みたいな形式だったんですね~
シリーズ番外篇「長い墜落」も、何だか熱いぜ。


No.174 5点 亜愛一郎の狼狽
泡坂妻夫
(2015/07/07 23:56登録)
詰まらないと言うのは違うが、ぬるいね! スリルが無いよ!!
主人公が、変人は変人でも愛され変人というか、実生活で近くにいても全然オッケーなキャラクターってのがね、言わばゆるキャラみたいでね、それがストーリー全体に伝わって、緊張感を消してしまうのかな。
でもまあこういうのもあってこその泡坂さんなのでしょう。 推理クイズ集だと思えば、ちょっと悪くない。 

ただ「ホロボの神」の真相は、ちょっと胸に来るね。


No.173 4点 動く家の殺人
歌野晶午
(2015/07/07 18:39登録)
面白かった「長い」、詰まらなかないがもう一ひねり欲しかった「白い」と来て、、 「動く」はただただ青臭い文章ばかり鼻についてちょっと不快。 つまり、外観はともかく内容で魅了ないし納得させてくれる代物、ではなかったということ。 とは言え4点くらいはキープ。 このぎりぎり大崩れしない信頼感は重要。


No.172 5点 白い家の殺人
歌野晶午
(2015/07/07 18:32登録)
「長い」はなかなか良かった。。 それなりの期待を持って望んだこっちは若干の肩透かし。でも詰まらないって事もありません。 本格ミステリへ向かう筆者の意気込みが買えますね! 


No.171 7点 長い家の殺人
歌野晶午
(2015/07/07 18:29登録)
青臭くて嫌いな類の文体にも関わらず、このお話は面白かったんだよなぁ~ 何がそんなに良かったんだろう? 大胆過ぎる一本勝負のトリックか? 「マリ」の目くらましか?? 


No.170 8点 渡された場面
松本清張
(2015/07/07 06:57登録)
旅荘にて、中堅の小説家が残した捨て原稿。小説家はその後死亡し、原稿の中身は作家志望の青年にちゃっかり盗用される。 青年の小説は同人誌に載り、盗まれた部分の内容が、ある疑惑を呼び、ある手掛かりを紡ぎだし、物語は大いに躍動する。。
文壇の生態をちらりと絡め、旅情たっぷりに展開する魅惑的サスペンス。 過去犯罪と現在の犯罪の立体交差ぶり、そのインターチェンジぶりが見事。 短い小説だが充実の噛み応え。


No.169 7点 不安な演奏
松本清張
(2015/07/07 06:39登録)
エロテープと来たか。。 悪くない権力筋覗き見サスペンス。 愉しく読める一冊。

ところでこの本の題名を見るといつもファン・ダリエンソというアルゼンチンタンゴのアーティストを連想します。その人の演奏が不安定なのではなく、語呂が似ているので。 

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