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ミステリの祭典

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ミステリ初心者さんの登録情報
平均点:6.16点 書評数:416件

プロフィール| 書評

No.136 6点 ギリシャ棺の秘密
エラリイ・クイーン
(2018/11/30 19:39登録)
 ネタバレをしています。※無駄に長い書評をしてしまったため、大幅に短くしました(笑)。

 後半までは、容疑者一人一人を除外していく行為をを楽しめる最高のフーダニットでした。私は何度も読み返し、容疑者がいなくなってしまう事態になり、困りました(笑)。
 解決編を読んだ時は、悪い意味で衝撃でした(笑)。いや、そりゃこの犯人ならば出来るだろう・・・と思ってしまいました。警察まで犯人に含めると、作中全ての登場人物のアリバイ検証をしなくてはならず、本能で犯人候補からはずしていましたね。ただ、この犯人ただ一人にしか犯行ができなかった点は非常にフェアだと思います。好みの話になってしまいますが、フーダニットにおける意外な犯人やどんでん返しは相性が悪いなぁと再認識しました。

 


No.135 7点 夜よ鼠たちのために
連城三紀彦
(2018/11/21 11:41登録)
 ネタバレをしています。

 どの話も、長編でもおかしくないレベルのどんでん返しやミスリードを含んだ短編集でした。非常に面白かったです。

 ただ、1冊の本としてみた場合、推理小説としての質が似ている話が多かったです。
 また、すこしだけ暗い話が多いですね。これはただの好みの問題ですが。


No.134 5点 死びとの座
鮎川哲也
(2018/11/18 06:37登録)
 ネタバレをしています。

 メイントリックと、プロローグによるミスリード部分がよかったです。

 不要に思える登場人物や、話、場面がコロコロかわる・・・など物語の核心に迫るまでが長く、非常に読みづらかったです。読了まで時間がかかりました。何が謎なのが終盤まではっきり見えず、考えながら読むことができませんでした。

 ちょっと好みではありませんでした。


No.133 6点 99%の誘拐
岡嶋二人
(2018/11/16 00:16登録)
 ネタバレをしています。

 今読んでもまったく古さを感じず、一気に読み終えました。

 今日では、キーボードで打った文字などを合成音声でしゃべらすことは、ゲーム実況動画などでよく目にします。"アスカ"の音声が、私の頭の中では、例の声で再生されました。これを80年代後半?で書いていたとは・・・。(私はパソコンについてド素人のため、もしかしたら全くの別物かもしれませんが)

 生駒慎吾の、ダイヤを回収する手段は天才的で、ハッとさせられました。

 慎吾誘拐事件の動機や意外さにかけていたことは、やや不満でした。あとは、どんでん返し的要素に乏しく、その意味では地味でした。


No.132 7点 朱の絶筆
鮎川哲也
(2018/11/13 01:11登録)
ネタバレを含みます。

 良いトリックでした。暗闇祝言の朱の印のトリックは何度も考え、わかったときは快感でした。また園田を毒殺したトリックもなかなか面白かったです(無目的殺人も起こる可能性がありますが)。本全体として、共犯が無いというところが取っても気に入っています。

○以下、好みでは無い部分。
・第一部が長いわりに、本編とはあまりかかわりが無いように思えた。最初、A~Gの主観に名前が無いため、そこに大きなトリックがある期待した。
・めぐみ殺しが成功するとは思えない。
他にもこのようなトリックを知ってますが、犯行現場と思われる部屋に突入するときは犯人が残っていないか注意して見るもんじゃないですか?
・千恵子殺しは難易度が高い。なんとなく想像は出来たものの、絶対に殺せるものですかね?
・警察が無能すぎる。
いる意味がないレベル・・・ッッ あと、毒がどこについていたかぐらいは言えやw

 フーダニットとしてではなく、アリバイ崩しものとして満足です。


No.131 7点 名探偵はもういない
霧舎巧
(2018/11/07 19:28登録)
ネタバレをしています。

 いろいろな仕掛けと、問題点をわかりやすくしている書き方が好ましい作品でした。いい伏線やミスリードがありつつ、時間をかけて謎を検証するのも楽しめると思います。

 自分は、ある程度は真相に近いものを推理しましたが、福永が殺人(事故に近い?)を犯せたと思えず、完全には推理できませんでした。狂人という言葉が作品で使われていましたが、あるところでは下僕のようで、あるところでは殺人し、あるところでは敬虔なクリスチャンで、やや作者に都合がよいキャラクターだと思いました。

 偽エラリー・クイーンを出すために登場人物紹介をだせなかったのでしょうが、わざわざそれを書いたことで別の何かを期待してしまった感じがありました。偽探偵要素はなかなか面白いですが、登場人物紹介のくだりは不要かもしれません。

 ちょっと点数に困っていますw また変更するかもしれません…


No.130 4点 リアル鬼ごっこ
山田悠介
(2018/11/04 14:38登録)
ネタバレをしています。

 文庫版です。さきほど押入れを整理していたら、この作品が出てきました。映画などで有名?で、聞いたことのあるタイトル名だったのですが、読んだことはありませんでした。数時間で読み終えるほど読みやすかったです。

 だれもが知っている"鬼ごっこ"とサスペンス要素が合わさり、独特な世界観に惹かれました。またテンポが良く、すいすい読めました。

 以下、好みでは無かった部分
・王様があっけなく死ぬ。なぜああなったのかとか、もうちょい知りたかった。
・五百万人を殺すのはさすがに現実的じゃない。死体はどうするのか?
・本筋をあまりかかわらない話が多い。伏線ともミスリードともに薄かったです。どんでん返しがほしかったです。

 じいは、捕まえた佐藤さんを裏で改姓し、王様を欺き、クーデターをする・・・という結末の妄想をしました。じいにはがっかりです。教育役がじいならば、じいが一番の元凶ですね。
 また、王様は佐藤姓であるが名前や年齢(最後に出る)が伏せられていて、ここにトリックがあると期待しました。が、特にそういうことも無い・・・。王が佐藤である必要も無かったと感じます。

 設定がよかったけど、うまく広げた風呂敷をたためなかった印象。出落ち感がつよく、どちらかというと短編に向きだと思いました。


No.129 6点 スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001
アンソロジー(国内編集者)
(2018/11/04 11:46登録)
 押入れを整理していたら出てきて、書評をしていないことに気づきました。いろいろなタイプの短編があり、枠にとらわれない選出が東野さん的な感じがします(それほど知っているわけではないけど)。
 サボテンの花と双子の家が、特に頭に残っていました。


No.128 6点 碆霊の如き祀るもの
三津田信三
(2018/11/03 18:04登録)
ネタバレをしています。

 このシリーズは好きです。雰囲気がとても良く、すいすいページが進みます。また、今回は密室4連発であり、豪華です! いつもの多重解決→どんでん返しもあり、いままでの流れが踏襲されています。

 竹林宮の密室による餓死は好きです。偲との会話でヒント(もはや答え?)で気づきましたが、面白いですね。しかし、腕に縛り後など残らないものでしょうか?
 物見櫓のトリックも、自分は好きでした。人形的なものを使ったとばかり思っていたのですが、死後硬直は盲点でした。過去に、死後硬直を利用した作品を見ていたのに・・・ 死体が無いのもミスリードですかね。

以下、好みで無かった部分
・結局、四つの怪談に、何かしらの解決がなかったのは少し残念。竹林は途中会話にあった狼か何かかと思いましたw 
・リレーの様な殺人で、笹舟の理由も納得ですが、一人による犯行のほうが好み。
・絶海洞のトリックはいまいち・・・。
・他殺に見せかけた自殺→密室は嫌い。
・ラストのお決まりのホラー要素は、なぜか怖さを感じなかった。ラストの展開によって、ゲンヤの推理が破綻するようなものを期待していた。過去作品のように。

 同シリーズの過去作品に比べ、ホラー要素や意外な犯人や大どんでん返しの面でスケールダウン感は否めません。ただ、大掛かりな仕掛けがないため、逆に本格度が上がっている気もします。


No.127 6点 インシテミル
米澤穂信
(2018/10/31 16:26登録)
ネタバレをしています。

 この本を読む前に、テレビで映画をみてしまいました。しかも、ラストシーンだけを中途半端に見てしまった。かなり残念なことをしました。なので、中途半端にネタが割れた状態で読みました。

 設定がよく、引き込まれました。だれがどの凶器を持っているのか?を考えるのがたのしい。クローズドサークルはやはり楽しい。
 自殺の使い方がうまい。うまくミスリードされました。
 関水の自分の凶器の偽装が天才的。日数がたたないうちにあれだけのことが出来るとは。結城がメモランダムを見つけたとき、"タイプライターで打ったような"という記載があり、それを見逃してしまって悔しい。主人側が、凶器の偽装をさせるためにあえてワープロを用意させているのだと思うと、漫画のライアーゲームを思い出します。思えば、毒殺と薬殺は被っていて怪しいかったです。
 より多くの利益を出したいときは自分で殺し自分で暴くのが効率が良い、というのは盲点でした。ルールの裏をついていて、これまたライアーゲーム的です。

以下、好みでは無かった部分。
 実験的にも、小説的にも、最初の自殺はどうか? 関水のように、殺人してでも金が必要な参加者を募ったほうがよかったのでは。それとも、あまり殺人する必要が無い人のクローズドサークルでの行動を実験しているのか? さらに、自殺者が主人側の意図しない自殺の仕方をしてしまっている。これを推理するのは難しい。
 なぜはじめに全員の凶器を金庫に入れようとしないのか?(これは、護身用に取っておくということも考えられるが)
 急にIQが下がってしまう安東w

 続きがあったら買いますが、結城は次回の実験に絶対に出ないでしょうね・・・
 ごめんなさい岩井。僧正読んでいません・・・海外古典作品は翻訳が古くて読みづらくて(自分の読解力不足)。


No.126 6点 そして扉が閉ざされた
岡嶋二人
(2018/10/28 23:41登録)
ネタバレをしています。

 ほぼ事故のようですが、主観犯人に近い?タイプで、犯人が犯行に気づいていないパターンは面白かったです。誰一人、完全に真相を知る人物がいないのがミソで、それによってあれこれ考えて話し合う構図が成立するところは今まで見たことが無く、読了後2週目をみても面白いです。
 勘違いしている共犯者が2人いて、偶然に偶然が重なっているため、やや強引な印象がありますが、話として良かったです。


No.125 6点 パノラマ島奇談
江戸川乱歩
(2018/10/27 11:19登録)
ネタバレをしています。

 角川ホラー文庫の、江戸川乱歩ベストセレクション⑥のパノラマ島綺譚です。石榴も収録されていました。

○パノラマ島綺譚
 人見の作った人工楽園の描写が、なにかすごく不気味に感じられました。最後、人見の爆散自殺を前にしても、あまり騒がなかった楽園の人たちにも、妙に恐怖を感じました。
 その一方で、過去に見た江戸川乱歩の短編よりかは狂っている度合いが低く、割かし主人公もまとも(?)に思えました。また、私の読解力が低く、人工楽園の世界もどの程度頭の中で映像化できたかわかりません;; 

○石榴
 個人的には、こちらのほうが好みでした。話の展開的には、旅館で知り合った猪股という紳士は"谷村"か"琴野"だと予想しましたが、結局はっきりとはわかりませんでした。自分の存在を消すために用意したトリックは面白かったです。実は途中、絹代が2人を殺した展開もあるのかとも思いましたw



No.124 6点 水族館の殺人
青崎有吾
(2018/10/25 23:29登録)
ネタバレをしています。

 前作に続いて、非常に読みやすかったです。本格度?の高い犯人当てもにくわえて、アリバイ崩しの要素も加わりました。

 評価の点数に迷いました。自分は犯人当ての解決編を読むときは、あたっていてもいなくても楽しいことが多いのですが、今作はいまいちピンときませんでした。それは自分の読解力の低さからくるもので、例えると、ウィキペディアの数学の定理の項目や物理学の項目ページを見ているときの理解できない感じと同じでした。そんな未熟な人間が、この作品を評価していいものやら;; 

 お蝶婦人的なキャラがでてきて、物語とどう絡んでくるか(天馬とも関係がありそうな描写)たのしみでしたが、そのまま終わって残念でした。たぶん、次あたりに出るのでしょうね?


No.123 7点 赤い密室 名探偵星影龍三全集(1)
鮎川哲也
(2018/10/23 17:51登録)
ネタバレをしています。

 全体的に満足度の高い短編集で、大満足でした。
①呪縛再現
 長編バージョンのあの作品を読んでいるので、ネタは割れた状態でした。長編よりもすっきりしていて、こちらも好きです。
 星影龍三短編集なのに、鬼貫警部にこてんぱんにされていて、顔真っ赤シーンは楽しいやらかわいそうやらでした。
②赤い密室
 卑怯なところの無い、納得感のある密室もので好きです。換気孔から死体の部位を入れたこと、胴体を棺を使って入れたことはなんとなく想像できたのですが、新聞の問題だけさっぱりわかりませんでしたw 一番単純なことが盲点でした。
 星影の台詞の"犯人がなにも密室にする必要が無いのに、わざわざ密室犯罪を作り上げている。言ってみれば作者が密室トリックを思いついたから、それを誇りたいために密室小説を書くのが大部分さ。"が強烈ですねw
③黄色い悪魔
 これって、星影の台詞の"密室にする必要が無い密室"じゃないですか?
④消えた奇術師
 読んでいると、すぐトリックがわかったのですが、トリック自体結構好きです。
⑤妖塔記
 他の作品と違って、怪奇小説っぽい雰囲気がある・・・? 鳴神の嘘話だったということですが、そのあとすぐ死んでしまったのが皮肉ですね。
⑥道化師の檻
 トリック自体はすぐにわかったのですが、これはかなり面白かったです。本来は共犯が嫌いな私ですが、全員が共犯でないと成立しないところがいいですね。

 文を短くしようとしたのに、まただらだら無駄なことを書いてしまいました。


No.122 7点 キングを探せ
法月綸太郎
(2018/10/17 20:30登録)
ネタバレをしています

 最初から最後まで騙されっぱなしでした! よく考えると、複線やミスリードがたくさんあって、楽しめました。
読んでいくと、自然にキングがあると勘違いしました。ラストのページの、アリは王がいないのくだりも、かなりセンスがあると思いました。

 妃名子の死が、他殺に見せかけた自殺で、そこがポイントだろうとは思いましたが、それいじょうのことは何もわかりませんでした。
また、4人が偽名をつかっているため、それを利用した叙述トリックの類も妄想しましたが、作者の手のひらで踊らされました(勝手に踊っただけかも…)


No.121 5点 白馬山荘殺人事件
東野圭吾
(2018/10/16 20:09登録)
ネタバレをしています

 非常に読みやすく、読了までさほど時間はかかりませんでした。密室の謎は、マジックのようで楽しめました。ただ、暗号解読の件は好みではありませんでした。長編にしてはすこし地味な印象があります。5にしました。

 私は最初、叙述トリックの類かと妄想しました。登場人物紹介の書き方が独特で、名字だけあるいは"マコト"や"ナオコ"など文中の表記と違うのがみそなのかな~と思いましたが、全然ちがいました。


No.120 7点 密室殺人ゲーム2.0
歌野晶午
(2018/10/05 19:19登録)
ネタバレをしています。

 長い停電のときに読んだためか(多分関係ない)やたら面白く感じました。 

 前作もそうでしたが、ザンギャ君の殺人が面白かったです。被害者の娘が脈を確かめるところまでいったので、結構きわどいと思いますがw
 次に、コロンボの問題も面白かったです。普段、密室殺人と見せかけての自殺は嫌いな私ですが、設定が生きていてよかったです。ただ、殺す対象を顔写真付きで予告や、コロンボの受け答えが一方通行(コロンボのキャラがミスリード?)なことから、自殺であることがうすうす予想できてしまいました。土嚢がどうとか、細かい点は一切わかりませんが。
 頭狂人のアリバイトリックは、なぜか前作も今作も気づいてしまいまた。なんとなく映像を使わせたこと、被害者をコントロールできる立場の人間が犯人であることなど。
 aXe?の問題は、自分にはよくわかりませんでしたw
 教授の癒し系問題の発展型問題を頭狂人が出していましたが、どっかでみたことあるな~と思ったら、近いものを同作者が書いていましたね。

 そういえば、前作頭狂人は自爆して死んだぽいですが、他人を巻き込んでしまっていますね。直接爆弾を取り除こうとしたのでしょうか?
 あと、前作教授は死んでいない…?ので、最後のページは教授なのでしょうか??


No.119 7点 鳴風荘事件
綾辻行人
(2018/10/05 19:03登録)
ネタバレをしています。

 自分の好みの作品でした!
 かなり熱心に読み直し、響の言っていた"犯人がだれもいない"状態まで推理することができました。しかし、犬アレルギーのミスリードにひっかかり、犯人を特定できず。悔しいッッ
 読者と作者の勝負を楽しめる、本格度の高い良い作品でした! 館シリーズよりもこっちの続編を書いてほしいのですが…w 

 難癖をつけるとすれば、ペンキの香りで発作が起きることが若干想像しづらかったです。


No.118 7点 法月綸太郎の冒険
法月綸太郎
(2018/09/15 17:27登録)
ネタバレをしています。

 かなり面白かったです。死刑囚パズルが一番好きで、そのまま順番に好きです。カニバリズムと緑の扉は過去に読んだことがあります。

 前の3作は、動機の部分も納得が行くというか、変わっていて良かったです。
 死刑囚パズルにもっと肉付けし、デビュー作にすればよかったのでは・・・?と思うほど。
 黒衣の家は、少年犯罪者のテスト?の話を思い出しました。

 後の4作から沢田さんがでて雰囲気が軽くなり、とても読みやすかったです。
 ただ、50円20枚の謎については、解かれてなかったのが残念でした。他の作家の方の同テーマの小説を集めたアンソロジーがあるようなので、そっちも気になります。
 過ぎにし薔薇は・・・は個人的にいまいちでした。


No.117 6点 日本殺人事件
山口雅也
(2018/09/08 23:37登録)
ネタバレを含みます。

 設定に個性があって読みやすく、楽しめました。ギャグだけでなく、ちゃんとした本格推理小説としてもよかったです。

 侘の密室は、私の脳では理解できませんでした。あと、"日本に行った事のない、偏った知識の作者によって書かれた日本が舞台の小説"という設定を、トリックかロジックか叙述かなにかしら組み込んであるかと思いきや別にそういうことがなかったのは残念でした。

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