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ミステリの祭典

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日本殺人事件
トウキョー・サムシリーズ

作家 山口雅也
出版日1994年09月
平均点5.93点
書評数15人

No.15 5点 斎藤警部
(2021/04/02 18:50登録)
気持ちは分かるが。。ピリっとしねえなあ。 決して詰まらない本ではないんですが。。 結局この『趣向』がミステリ根幹にほとんど影響しないなら、もっとタガが外れた様に多方向へ、メタパロディ的にふざけ切ってくれりゃあ良かった。ノタリのエスカペシュでキュッとやりたいねえ。。ってが。。 まああの「セップク」の話は、現代日本にもその風習が残っているというファンタジー前提あってこそのトリックなんだろうが、他はその点、必ずしも。。 「お茶」の話はなかなか真相が深かったし、「廓」の話も意外な人間関係に引っ張られるトリックが光ったけど、何ですかね、このおふざけ趣向と上手く噛み合ってなくて、結果ミステリとしてトータルの面白さ減のような。。甘味だけのエピローグもミステリ魂が宿ってない。まあプロローグでモータウンのレアなシングル掘り出すとこは良かったです。

No.14 6点 ミステリ初心者
(2018/09/08 23:37登録)
ネタバレを含みます。

 設定に個性があって読みやすく、楽しめました。ギャグだけでなく、ちゃんとした本格推理小説としてもよかったです。

 侘の密室は、私の脳では理解できませんでした。あと、"日本に行った事のない、偏った知識の作者によって書かれた日本が舞台の小説"という設定を、トリックかロジックか叙述かなにかしら組み込んであるかと思いきや別にそういうことがなかったのは残念でした。

No.13 6点 名探偵ジャパン
(2017/07/25 20:18登録)
冒頭の「作者が翻訳した」「原作者が頑なに世に出るのを拒んでいた」という設定が叙述的な仕掛けになるのか? と思い読み進めましたが、別に何もありませんでした。あの思わせぶりな記述は何だったのか。続編で秘密が明かされるのでしょうか。
題材にはとても惹かれるものがありましたが、事件自体が少し地味で、せっかくの面白いネタを扱いきれていないと感じました。

No.12 5点 谷山
(2014/09/29 01:03登録)
米米CLUBのファンクフジヤマを髣髴させるような勘違い日本の描写自体は面白いのですが、各事件のトリック自体は別にこの世界じゃなくても成立するものばかりなのが個人的に惜しいです。この作者特有のセリフ回しとかギャグとかは楽しいのですが。

No.11 7点 アイス・コーヒー
(2014/06/21 18:19登録)
日本推理作家協会賞を受賞。パラレルな現代日本が描かれる作者らしい挑戦的な作品だと感じた。
『薔薇の名前』を思わせるプロローグの設定からして胡散臭い。そして肝心の事件、真相に至ると…嫌いな人にとことん罵倒されるタイプの作品だろう。
連作中編の形態をとっているようだが、どの作品も目新しいトリックはない。また、著者の『生ける屍の死』のように特殊設定を応用したロジックなども登場しない。一見、駄作に思えるかもしれない。しかし、本作の見どころはそこではない。各々の事件の背景にある「日本人的な事情」こそがメインテーマなのだ。
詳しくは書かないが、山口氏は現代において失われつつある日本人のアイデンティティを、本格ミステリという形で表現している。題名通り、それぞれのストーリーは日本でしか成り立たないであろう「日本殺人事件」。極端な世界観だからこそ見えてくるものがあるのだ。
そういう意味で、発想の勝利ともいえる一冊だ。

No.10 7点 メルカトル
(2013/08/23 22:31登録)
再読です。
現代の日本、しかしそこは、人力車が走り、廓が存在し、スーツを着た侍が日本刀を帯びているという、とんでもない世界だった。
この物語は作家山口雅也が古本屋で見つけた、外国人が書いたミステリを翻訳したという、一風変わった設定となっている。
だから、日本は日本でもパラレルな、しかし確かな現実感を伴った世界である。
そうした舞台で起こる、3つの古来から伝わる日本文化に関わる殺人事件を、トウキョー・サムという外国人私立探偵が解決する。
それぞれ面白いが、特に最終話はなかなか凝っている。両腕を切断された花魁から始まる「花鳥風月」連続殺人事件はトリックに新味はないものの、じっくり読ませる良く出来た本格ミステリではないだろうか。
愛とは何か、花魁にとっての愛とはどんなものなのかを読者に問う問題作でもある。

No.9 6点 シュウ
(2008/12/18 00:31登録)
Samuel Xという外国人が書いた作品を山口雅也が和訳したという設定の作品なのですが
ただの外人が書いたにしてはいわゆる「誤解された日本」の様子が妙に詳しく細か過ぎるし的を得ている部分も多いので、
何かの叙述トリックかと疑っていたのですが特にそんなことはありませんでした。
ミステリとしてはあまり出来が良くないのですが、作者独特のギャグセンスが楽しくコメディとしては充分楽しめました。
でもせっかくだし日本の様子はもっとはっちゃけてた方が面白かったと思うんだけどな。

No.8 3点 なの
(2004/10/06 17:13登録)
私にはちょっと合いませんでした。
一発ネタのような『勘違いニッポン』を延々描写されても困ってしまいます。
一話だけなら笑って終わりなんですが・・・。
流石に『死人が自分で動いてた』ってのは呆れるばかり。

No.7 6点 ギザじゅう
(2004/03/17 19:35登録)
「日本」の言葉から想像する「日本的」なものを強調して描いたアイロニカルなパロディ(っぽい作品)
これが本格かどうかという意見も尤もではあるが、やはり本格として扱うのも間違いではないと思う。
ジャポネスクな雰囲気の歪んだ世界の歪んだ論理を描くというのは山口雅也の持ち味であり、「論理」というものがその世界に応じて姿を変えているとするなら、これも立派な本格だと思う。
しかし、この作品内の「ニホン」が歪んで見えるのは、今の「日本」こそが歪んでいるからだと思ったのは私だけか?

No.6 3点 高桑敏裕
(2002/09/05 15:47登録)
せっかくのパラレルワールドの舞台にしたんだから、それを生かしたトリックを書いてほしかった。設定が面白いだけで、ミステリとして読むとちょっと。

No.5 8点 ao
(2002/06/21 03:38登録)
本書はSamuel Xの日本観であり推理小説観を通して見る世界であり、このパラレル設定においては≪論理的≫かどうかは問題ではない、と思う。面白いです。

No.4 8点 フレディ
(2002/04/03 14:55登録)
 いやーこんなの大好きです。頭の良いバカ話ってカンジですかね。

No.3 7点 ryz
(2001/11/07 03:57登録)
これは楽しむ本ですね。エンターテイメントの世界です。トリック云々を言い出すと辛い作品でしょう。ナンセンスギャグって言ってもいいかもしれん。ある意味パタリロのようだ。

No.2 4点 tenkyu
(2001/09/15 01:19登録)
・・・駄目だ。私には面白さが理解できん。
何がいいのだ、幽霊だぞ、幽霊。
論理と一番程遠いところにいる幽霊が犯罪に絡んでるんだぞ。
・・・やっぱ、理解できん。

No.1 8点 すー
(2001/04/04 21:41登録)
この本が妙に売れた記憶が有る。どーしてやろ?面白いけど、一般受けはせんやろ。

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