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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.55点 書評数:309件

プロフィール| 書評

No.229 7点 君のクイズ
小川哲
(2023/06/10 15:50登録)
私も時々家族でテレビ視聴するのですが、
早押しクイズとは、
相手より早く正確に知識を動員して、
論理的に結論を導くもの、、、
と、主人公同様に考えておりました。
テレビの前では割りと答えられるので
父ちゃん知識凄いだろーと。

この価値観の転換と、
0文字押しミステリーの謎解きだけで
200ページ一気押し。
借りて二時間で読了、
息子に渡す。
息子もすぐ読み始めました。
リーダビリティーの極致。
人生の深淵等の深みはありません笑


No.228 7点 アノニマス-コール
薬丸岳
(2023/05/28 13:14登録)
元警察官の娘が誘拐された。
誰が、何のために?
徐々に見えてくる警察機構の隠蔽体質。
合わせて見えてくる主人公の真実。

薬丸岳が好きです。
社会派としての味わいは
他ほどほど濃くはないですが、
すらすら楽しめました。


No.227 7点 刑事弁護人
薬丸岳
(2023/05/14 14:49登録)
社会派として薬丸岳が好きです。
被告のワイダニットで押す作品。
弁護士として信念も背景もある
二人の主人公が魅力的で、
ハードカバー500ページ越でも
ぐんぐん読めました。
扱う話題が小児への加害と
重いものがありますが、
登場人物の葛藤が丁寧に描かれています。
最後の加納母に対する二人の有り様は、
やりすぎとテーマのギリギリの所で
評価の分かれる所かもしれません。


No.226 7点 天国への階段
白川道
(2023/05/07 12:35登録)
私の前の5人の方が、
高評価でしたので読みました。
書評通りミステリーとしての
要素はかなり薄いです。
主人公をめぐる人間模様を描いた、
三代に渡る物語。
復讐、権力、愛憎、親子など、
盛りだくさんで描かれています。
最後、桑田が柏木に何を語るか、
いよいよクライマックスか!と思って
読みました。
400字原稿用紙×2000枚以上!
読みやすいですが、
目が疲れました。
GWだから長編に挑戦、、、


No.225 5点 雷神
道尾秀介
(2023/04/30 11:14登録)
道尾秀介作品が好きなのですけど、
此方はいまいち刺さりませんでした。
雷に関する地形に由来する気象学は
興味深いですし、
親子の認識のずれもなるほどと
思いますが、
何か一連の大きな人間ドラマとしての流れが
理解力に乏しく入って来ませんでした。
道尾秀介ならもう少し前のものが好みです。


No.224 8点 方舟
夕木春央
(2023/04/23 17:58登録)
皆さんの評価が高い理由と、
自分の読後感を合わせて考えます。
本書未読の方は目を通さない方がよいでしょう。

まずたった300ページで荒唐無稽寸前の設定を
納得させる筆力が高い。
無駄なページがない。

次に探偵の謎解きに収まらない
登場人物の心理描写と
その人称の扱いがうまい。
最後は探偵は消えちゃうので。

そして、勿論反転の切れが素晴らしい。
直前に試されている事が、
後から悔いても戻れない
人の性を描き切っているので、
あれ以外の展開はないといえます。


挿入される図もシンプルでよいです。

タイトルも哲学的です。
人は自らを生かすために
選別する生き物、それは
生の本能とも言えるのではないでしょうか。
みんなで助かれ!
と思われる方もいるでしょうが、
犯人から逆算するとこの展開が
より必然性を帯びるでしょう。

最後に、この作品が将来
古典的名作に成りうるか、
ということを考えます。
現代の社会的背景を切り取っているか、
人間の本質を描き切っているか、
そのことを鑑みて、、、
私には第一の点だけがマイナスで
この点数です。
偉そうな物の言い様ですが、
私見お許しください。


No.223 7点 invert II 覗き窓の死角
相沢沙呼
(2023/04/23 07:32登録)
ここまでの評価で私を含め、
7人連続7点という安定の作品。
読んでいて常に
ビジュアルが立ち上がる
そういう点では名作。
作品の切れは前二作が勝る
と感じますが、
描写がドラマ的漫画的で
スラスラ読めます。
主人公の翡翠の家族関係が
最後少し書かれていますので
次回作品も期待します。
翡翠は古畑任三郎的な行動をとりますが、
キャラとしても似てるかも。
※それにしても相変わらず本文横に打つ
、、、、、、強調する点が多いなあと。


No.222 7点 どちらかが彼女を殺した
東野圭吾
(2023/03/29 11:36登録)
東野圭吾の殺したシリーズ
謎解き第一弾
お風呂で二時間一気読みして
上がってから早速
どちらかが犯人だろうと
文庫の袋とじをカッターで開いていたら
息子は袋とじの文化を知りませんでした。
開いちゃった文庫を譲ろうと思います。
袋の中は明快に解答があるわけでなく、
ヒントだったのではっきりカタルシスは
得られませんでしたが、
文庫の体裁を含め内容もエンタメとして
大変お勧めできます。
しかし深みも人間の描写も求める方には
お勧め致しません。
また、袋とじという古きよき文化を
継承しつつ、今日の読者がネットで
犯人を確かめる欲を抑えられないという
構造もまたこの作品の毒が効いていて
東野圭吾っぽく思うのです。


No.221 6点 運命の八分休符
連城三紀彦
(2023/03/05 11:03登録)
人を待つ二時間で一気読み。
同じ男性を主人公とする連作5作品。
個人的には紙の鳥は青ざめてが一番
構図が全て反転する所は最盛期の名作を思わせるできでした。
しかし連城作品の五指に入るかといったら
難しいかも。
何を求めるかによりますが、
本短編集は、雰囲気も登場人物も
饒舌で軽めかなと感じます。


No.220 8点 希望の糸
東野圭吾
(2023/03/04 13:30登録)
ミステリーの技巧はさほどでなく、
文体も連城作品等ほど流麗でなく、
状況設定も確率高いものではなく、
しかしこうして読後感が高い故は、
自分が親であり、また子でもあるからでしょう。
親子のつながりはよく糸に例えられますが、
本作品では、様々な糸が織り成す人間模様が、
書き込まれています。
東野圭吾氏も還暦なんですね。
テーマは年月と共に変遷するのですね。


No.219 6点 七つの危険な真実
アンソロジー(出版社編)
(2023/02/26 12:11登録)
アムネスティインターナショナルに賛同し、
印税の半分が寄付されるそうです。
既存の短編を集めた物ですが、
著名な方ばかりなので水準は低くないです。
個人的には乃南アサと宮部みゆきの作品が
さすがと思わせる物でした。
赤川次郎も雰囲気ありました。
ただ、後少しで7点。
タイトル通りでなくて残念。


No.218 7点 白鳥とコウモリ
東野圭吾
(2023/02/25 21:13登録)
東野圭吾は読ませます。
更にこの作品はサイト内94作品中4位の高評価。
好みに差はあれど良作なことは納得。
WhoもWhyも強引に反転させず、
地道な捜査や気付きから成るのが好ましい。
刑事物として
社会問題物として
罪と罰をテーマに
被害者の遺族と加害者の家族が絡み合う
人間がよく書けている作品
500ページ一気読みでした。
清洲橋通り、清澄白河、隅田川、
城東の描写がまた刺さるんですよ。


No.217 5点 小さな異邦人
連城三紀彦
(2023/02/25 12:19登録)
連城作品はたくさん読みましたが、
相対的にはいまいち。
生涯の時間軸をX
クオリティーをY軸にすると、
右肩上がりの人っていないのでは。
山形の頂上が何回か来る方もいますが。
最期の短編集としたらまあ読めますが、
やはり相対的に他の作品が凄いので。


No.216 6点 屍人荘の殺人
今村昌弘
(2023/02/19 21:30登録)
鮎川哲也賞受賞作
オカルト+本格
大学生のサークルのノリが懐かしく
(しかし2017年の割りにかなり古い感じ
六人の嘘つきな大学生-
浅倉秋成の30年前位)、
途中に挟まる語呂合わせの
登場人物暗記法が秀逸。
しかし本格と●●ビってどうなんでしょう。
私の一作前の書評が
天使の登場する『カラフル』で好みでしたが、
個人的にゾ●●にしっくりこなかったです。
クローズドサークルのためだけではない
意味深い存在にしていますが、
私には刺さらなかったというだけです。
バ●オ●ザ●ドとかやっていた人には
よいのかも。
Who、How 、Why 全て網羅する力作なのに---

もうひとつ。 、、、、、、、
種明かしで文に点を打ち過ぎのきらいあり。


No.215 8点 カラフル
森絵都
(2023/02/18 18:25登録)
300ページ足らず2時間程度
人が死に、
最後に反転する、
これはミステリーで登録して
いいですよね。
森絵都さんの作品全般が好きで
個人的な嗜好お許しください。
魂の仮住まい先で人生を再び生きる、
そんな主人公が見つけるものは?
私たちの生きる意味って---を
とらえ直すよい機会かも。
ちなみに最近流行りの
chatGPT に、
人生をとらえ直す感動作を思考させたら
5つ目にカラフルが挙がったんですよ笑
そんなchoiceもありと思う。私考です。


No.214 6点 ガーディアン
薬丸岳
(2023/02/18 15:19登録)
中学生の世界に見え隠れする
自警団ガーディアン
主人公の教師、秋葉がその真意に
迫れるか?
学校現場に関係する生活を送る者なら
何か感じるものがあると思います。
錦糸町が舞台で夏目が少し登場するのも
よかったです。


No.213 7点 ブレイクニュース
薬丸岳
(2023/02/05 16:19登録)
無駄にグロテスクでない、
辛い世界を書いていても、
読後感には希望がある
薬丸岳作品が好きです。
全7話がそれぞれ今日的なネット問題や
社会的問題を書いでいます。
一話の中でも反転があり、
最終作品に向かって主人公の
真相と生き直しが進む構成がよい。
自戒の念をこめて、
令和に生きる全ての人が
一度は読んでと
書き記しておきます。


No.212 6点 独走
堂場瞬一
(2023/01/29 15:40登録)
ミステリーでないですが作者が登録されていたのでお許しください。
スポーツをしている人
スポーツをしていた人
スポーツに携わる人
スポーツノンフィクションが好きは人にお勧め。
もちろんこの小説はフィクションですが、
スポーツを国是と捉える役人が、
最終盤に価値観を揺さぶられるのは
ミステリーではないですが
反転物として気持ちよく読めるし、
何よりがちで体を動かしている身としては
大変共感できる点です。


No.211 6点 マザー・マーダー
矢樹純
(2023/01/14 21:30登録)
連作の前半は
人間の悪い所が目立つ作品が続き、
つらかったのですが、
後半からミステリー感がしっかり出てきて
フーダニット物としても反転が効いていて
よかったです。
読後感は心地よくはありませんが---


No.210 8点 サクリファイス
近藤史恵
(2023/01/08 04:02登録)
おそらくこのサイトに書き込みを始める前に
読んだ作品。
自身がロードに関わり、
グレッグ・レモン
マルコ・パンターニの頃から
ツールドフランス等に親しんでいたら、
これ以下はないかな。
反転もきちんと納得できるので。
近藤氏の取材力に感心します。

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