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ミステリの祭典

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サクラ咲く

作家 辻村深月
出版日2012年03月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 8点 take5
(2025/08/03 20:37登録)
表題作を含む3つの作品が、
少しずつリンクする短編集。

『約束の場所、約束の時間』
中2が主人公で、初掲載は
進研ゼミ中学二年生講座で、
『サクラ咲く』
中1が主人公で、初掲載は
翌年の進研ゼミ中一講座で、
『世界で一番美しい宝石』
高校生が主人公で、又翌年
雑誌に掲載されたものです。

この順番で発表されて、この
順番で収録された事が大切。
主人公は各々が戦っています。
その戦いを美しいと思います。

私に辻村作品が刺さる理由が
本作品ではっきりしました。
後書きのあさのあつこさんが
簡潔明瞭に解説しています。

(以下引用)
だから、驚愕するのだ。
辻村深月という作家の闘争に。
人の生の根本にある死と謎と
哀しみと不条理、そして、希望を
見詰め続け、刻み続ける膂力は
逞しく、眩しい。
(引用終わり)

表題作のミステリー、手紙の
主は誰だろうと、誰かを求め
誰かとつながっていく静かな
歩みに心揺さぶられました。

No.2 5点 風桜青紫
(2015/12/20 02:06登録)
ジュブナイルって広告で出てると、こんなスイーツストーリーも普通に楽しんで読めてしまう(笑)。三話の韓流顔の先輩がわりと辻村的な嫌な男。主人公たちが「あんたキモいよ」とやり返すのはなかなか痛快。これ読んだオタク男子たちが胸をはって生きれるようになりゃいいと思います(最近は不良でもラブライブやるらしいけど)。

No.1 6点 白い風
(2014/12/22 22:57登録)
3編の短編小説でしたが、2作目の「サクラ咲く」が本にメッセージをはさみ遣り取りをするちょっとミステリー仕立てでしたね。
巻末をみると初出は進研ゼミの『中一(中二)講座』だったんだね。
この世代にはより共感ができそう。
辻村作品らしく2作目、3作目にも最初の「約束の場所・・・」のキャラが出てきたのも楽しめました。

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