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ミステリの祭典

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蜜蜂と遠雷

作家 恩田陸
出版日2016年09月
平均点9.00点
書評数1人

No.1 9点 take5
(2025/07/30 09:42登録)
久しぶりに身体に染み入る読書体験でした。

若手ピアノコンクールを舞台に、人間の才能
運命、そして音楽とは何なのかを描き切る、
帯に作者渾身の最高傑作とあります。看板に
偽りなし。最高傑作だと思います。私には。

塵、明石、亜夜、マサル、それぞれの音楽が
あり、またそれぞれの葛藤そして関わりの中
大きな変化進化がある。私が改めて思うのは
音楽のもつ力もそうですが、それを描き出す
小説の力です。小説ならシベリウスも描ける
バルトークも描ける、「春と修羅」も描ける
頭で鳴らせるんですよね。読者各々の音楽が
鳴らせる小説の力。ミステリーでないから、
登録されてはいても書評がないのでしょう。
しかし、ここに登録してくださった方には、
心より感謝申し上げます。
有難う御座います。


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