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ミステリの祭典

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kanamoriさんの登録情報
平均点:5.89点 書評数:2432件

プロフィール| 書評

No.372 6点 『禿鷹城(ガイエルスブルク)』の惨劇
高柳芳夫
(2010/05/25 20:20登録)
ドイツの古城を改築したホテルでの密室殺人といったコード型ミステリの趣向はいいんですが、登場する人物が類型的で魅力がなく、せっかくの舞台背景をいかせきれていない感じです。
密室トリックは複雑で面白かったですが、この年の乱歩賞受賞作「アルキメデスは手を汚さない」と比べて、斬新さに欠けるのは否めないです。


No.371 6点 「心の旅路」連続殺人事件
中町信
(2010/05/24 23:19登録)
”心の旅路=記憶喪失”がテーマの初期長編ミステリ。
お約束の温泉は今回は水上温泉で、殺人目撃者がショックで記憶喪失になるという都合のいい設定。
例によってアレ系の仕掛けがあって、他にもいろいろ盛り込んでいますが、「作者のひとり合点が多すぎる」(乱歩賞選考委員、松本清張)に同感です。でも好きなんですよね、こういう仕掛けが。
「空白の殺意」というタイトルは本作のほうが合っている気がしますね。


No.370 4点 攪乱者
石持浅海
(2010/05/24 22:50登録)
反政府組織の末端メンバーの男女3人が社会不安を醸すべく実行する数々のミッション。
連作形式で、次々と社会撹乱活動が描かれていますが、これがしょぼい。それぞれの任務の真の目的が秘されているのがミステリとしての趣向ですが、作者のロジックが客観的に受け入れられるか微妙だと思いました。


No.369 5点 悪党パーカー/エンジェル
リチャード・スターク
(2010/05/24 22:24登録)
悪党パーカーシリーズ、復活の第17弾。
前作から23年ぶりにシリーズの続編が出て、心躍る思いで読んだ記憶があります。原題は"Comeback"。
後書きに曰く「パーカーの往く世界は暴力に満ちたお伽の国」というとおり、時代は変わってもパーカーは変わっていなかった。


No.368 7点 悪党パーカー/殺戮の月
リチャード・スターク
(2010/05/24 22:13登録)
悪党パーカーシリーズの第16弾。
シリーズ第1期の最終作で、質量ともに今までの作品を圧倒しています。これで打ち止めにする予定だったはずで、グロフィールドをはじめ過去の仲間が勢ぞろいし、遂に地元ギャングと決着をつけます。
ある理由によってパーカーが激昂するシーンが読みどころでしょう。シリーズ最高傑作だと思います。


No.367 6点 悪党パーカー/殺人遊園地
リチャード・スターク
(2010/05/24 22:03登録)
悪党パーカーシリーズの第14弾。
今作は屈指の異色作と言えると思います。地元ギャングに追われ休業中の遊園地に逃げ込んだパーカーひとりのサバイバル戦。
全編にわたって、複数の敵との壮絶な死闘が繰り広げられ、パーカーが一人また一人と倒していく描写は圧巻で、活劇サスペンスの秀作だと思います。


No.366 6点 悪党パーカー/襲撃
リチャード・スターク
(2010/05/24 21:50登録)
悪党パーカーシリーズの第5弾。
今回の標的は山間の町全部。仲間を集め、計画を練って、襲撃するが、思わぬアクシデントが発生し・・・という恒例のパターンが本書で確立します。
俳優強盗グロフィールドの初登場作でもあり、節目の一冊といえると思います。


No.365 7点 悪党パーカー/人狩り
リチャード・スターク
(2010/05/24 00:56登録)
非情の犯罪プランナー・悪党パーカーシリーズの第1弾。
新旧シリーズ併せて20作出ている長寿シリーズの第1作は、本国出版が50年近く前というのが信じられないほど、いま読んでも新鮮な徹夜本です。
本書は妻と仲間の裏切り、刑務所脱獄、組織との戦いというパーカー自身の物語で、犯罪プランナーという側面が表れていないハードボイルドの趣が強い作品だと思います。
これを読めば、シリーズ全篇読破の欲求に駆り立てられるのは避けられません。


No.364 5点 怪盗ニック対女怪盗サンドラ
エドワード・D・ホック
(2010/05/23 23:13登録)
怪盗ニック・シリーズの連作短編集第4弾。
しばらく出版がとぎれて久々にでたシリーズですが、全篇ニックの商売敵の女怪盗サンドラ・パリスが絡むプロットになっています。シリーズ中期の作品集で、さすがに意外性を追求する姿勢はゆるくなっているように思います。
なかでは、レオポルド警部との共演「レオポルド警部のバッチを盗め」が個人的ベスト作品。


No.363 6点 怪盗ニックの事件簿
エドワード・D・ホック
(2010/05/23 23:01登録)
怪盗ニック・シリーズの連作短編集第3弾。
引き続き本書のテンションも下がっていません。恋人のグロリアにニックの正体がばれてしまうという展開があります。
個人的ベストは、その「昨日の新聞」でしょうか。極めつけの価値のない昨日の新聞が何故依頼人には盗む価値があるのか、その理由はなかなか予想外です。
すでに終演した芝居のチケットの盗難依頼「劇場切符の謎」もホワイダニットの秀作だと思います。


No.362 6点 怪盗ニックを盗め
エドワード・D・ホック
(2010/05/23 22:48登録)
怪盗ニック・シリーズの連作短編集第2弾。
本書もいろいろなヴァリエーションで楽しませてくれます。
ハウダニットとホワイダニットともに意表をつく「プールの水を盗め」と「聖なる音楽」、ニック自身が誘拐される「怪盗ニックを盗め」、 <赤髪組合>バージョンかと思わせる「何も盗むな!」などが印象に残っています。


No.361 7点 怪盗ニック登場
エドワード・D・ホック
(2010/05/23 22:24登録)
無価値のものだけを盗む怪盗ニック・ヴェルヴェットの連作短編集、日本で独自に編集されたシリーズ第1弾。
ホックの数多いシリーズ・キャラクターの中でもレオポルド警部とほぼ同数の約90編の作品に登場する看板キャラです。
このシリーズの肝は盗難方法のハウダニットよりも、依頼人は何故無価値のものを盗ませるのかというホワイダニットにあります。
ニックが事件に巻き込まれ、その理由を追求せざるを得なくなるプロットは最初は新鮮でしたが、パターンが限られているだけに元々マンネリは避けられないプロットかもしれません。
本書は第1作の「斑の虎」をはじめ、盗難理由が意外な「真鍮の文字」と「陪審員を盗め」、何を盗むか分からない「からっぽの部屋」など秀作がそろっています。


No.360 7点 なぎら☆ツイスター
戸梶圭太
(2010/05/23 21:40登録)
スラップスティック・ノワール小説。
東京ヤクザが紛失した大金を求めてド田舎で大騒動を巻き起こします。
とにかく役者が揃ってるというか、地元ヤクザ、暴走族のヤンキー、リストラ親父などのキャラが立ちまくりで、武闘戦&頭脳戦がスピード感あふれる筆致で繰り広げられる。
ハップ&レナードシリーズの日本版という感じで、発禁本扱い一歩手前の問題作(笑)。


No.359 5点 秘密パーティ
佐野洋
(2010/05/23 21:12登録)
小料理屋の一室で開かれた秘密パーティでの毒殺事件を扱った初期の長編ミステリ。
もみ消しを図る出席者たちに脅迫状が送られてきて・・・というプロットで、いつもながらスラスラ読めます。ある仕掛けによるどんでん返しを狙っていますが、現在どれだけの読者が騙されるか疑問です。


No.358 6点 銀杏坂
松尾由美
(2010/05/23 20:49登録)
金沢がモデルと思われる北陸の架空の街を舞台にしたファンタジー色の強い連作ミステリ。
一人の刑事が幽霊や予知夢、サイコキネシスなど不思議な事件ばかりに遭遇します。なぜ彼が担当する事件ばかりがそうなのか、最終話でその謎が解けますが、不思議な余韻を残す終わり方が秀逸だと思いました。


No.357 6点 朱夏
今野敏
(2010/05/23 20:32登録)
警視庁強行班の樋口警部補シリーズ第2弾。
今回は樋口の妻の誘拐事件が主題ですが、ミステリとしての落とし所はいたって平凡です。
この地味な警察小説シリーズの読みどころは主人公・樋口の人物造形かもしれません。上司や部下からは信頼されていながら自分に自信が持てない男という設定です。キャラとしては隠蔽捜査の竜崎と比べても等身大で、ときどき出てくる若者に対する説教くさい主張もオジサン読者の共感を呼びそうです。荻窪署の氏家との交情も定番ながら巧い演出だと思います。
警察キャラクター小説として、隠蔽捜査でブレイクする前段階の小説といったところでしょうか。


No.356 4点 少年たちの四季
我孫子武丸
(2010/05/23 18:59登録)
ジュヴナイル連作短編集。
夜中に引っ越してきた謎の男性と少年・少女が関わる事件が4編収録されていますが、著者はあまりこういったタイプの小説は得意ではないようです。
ジュヴナイル特有の瑞々しさが感じられませんし、ミステリの趣向としても平凡で、読みどころが見当たりませんでした。


No.355 4点 卑弥呼伝説
井沢元彦
(2010/05/23 18:41登録)
「マダム・ロスタンの伝言」のトレジャーハンター・永源寺峻シリーズの歴史ミステリ長編。
邪馬台国テーマと現代の密室殺人を絡ませていますが、古代史の謎解き、現代の密室トリックともにあまりぱっとしません。
手垢のついたテーマだけに、なにか斬新な発想を求めるのも酷というものかもしれませんが。


No.354 6点 密室球場
伴野朗
(2010/05/23 18:08登録)
初期のミステリ短編集。
中国などを舞台にした謀略冒険ミステリ系の作品が多い著者ですが、この短編集はバラエテイに富んでいます。
緩めの不可能トリックもの「密室球場」、安楽椅子歴史ミステリ「毛沢東-七月の二十日間」、国際謀略ミステリ「兵士像の涙」、地方記者もの「顔写真」、社会派クライムミステリ「やねこい奴」など。私的ベストは、結末に捻りのある「兵士像の涙」。


No.353 6点 花の復讐
日下圭介
(2010/05/23 17:50登録)
ミステリ第1短編集で、「黒い葬列」「雲雀はなぜ殺された」「花の復讐」「あじさいが知っている」「朝に散る」「蜂と手まり」の6編が収録されています。
ほとんどが、動植物の特殊な習性が隠された犯罪を暴くというパターンをとっていますが、読んで飽きません。ともに短編の名手と言われた石沢英太郎に似たテイストを感じました。

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