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ミステリの祭典

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マニアさんの登録情報
平均点:6.04点 書評数:169件

プロフィール| 書評

No.89 5点 誰彼
法月綸太郎
(2008/02/29 20:14登録)
新興宗教、脅迫状、過激派ゲリラと自分好みの展開で途中まではとても楽しめた。しかし、事件の推理が始まってからは目まぐるしい仮説の連続で正直着いていくことができない場面もあった。それでも、次々に新事実により仮説が覆されていくのは逆に快感でもあったかな。真相は少しインパクトに欠けるような感じがした。

嫌いじゃないけど、自分は綸太郎に事件の依頼はしたくないかな(笑)


No.88 10点 犬神家の一族
横溝正史
(2008/02/26 22:51登録)
未だにこの大傑作を超える作品には出逢えないでいる。それほど自分にとって偉大な作品。

戦後間もない旧家を舞台にした遺産相続を巡る殺人というベタな展開だが、全く古臭く感じない。それよりも、立て続けに起こる血なまぐさい見立て殺人と、立て続けに明らかになる衝撃的な新事実に、戦慄を感じながら頁をめくったのを覚えている。

そして、クライマックスの「大団円」を読んだ時の、感動とおぞましさから出た鳥肌・・・。

映画も傑作だけど、小説のおどろおどろしさには敵わない。


No.87 6点 猫丸先輩の推測
倉知淳
(2008/02/24 21:25登録)
6つの短編の真相はどれも「ふーん」で済まされるものだった。

しかし、退屈せずに楽しく読めたのは名(?)探偵猫丸先輩のミステリアス&チャーミングなキャラの成せる業か。飄々としながら鋭い視点で謎を解き、爽やかな読後感を与えてくれて好印象!


No.86 2点 密閉教室
法月綸太郎
(2008/02/21 22:38登録)
読み終わった後の感想は???だった。真犯人・動機が最期まではっきりせず曖昧なまま、自分的には全く消化不良のまま終わってしまった感じ。しっかりとした唯一無二の解答を求める自分にとっては到底納得しかねる結末でがっかり。

登場人物も学園物の割に全然高校生らしくないのもなぁ・・・。


No.85 8点 消失!
中西智明
(2008/02/18 00:58登録)
大仕掛けにして奇抜なトリック中心の為、賛否両論ある作品。自分は見事に騙されたので『賛』かな。

前半~後半の奇妙な雰囲気、後半以降の息もつかせぬどんでん返しの連続に「何が何やら分からない・・・??」と思って読み進めると、最後の最後にさらなるどんでん返しで奇麗に着地!お見事と言うしかない!作者のこの作品に賭けた意気込みと費やした苦心に賛辞を送りたい。あっぱれ!

ただ、一つだけどうにも納得できない点がある。自分の読みが浅いだけかもしれないが・・・確かこれに関する説明は無かったはず。犯人限定に関係ないしネタバレになるから書かないけど。


No.84 6点 鳴風荘事件
綾辻行人
(2008/02/16 00:15登録)
文庫で約470ページ、正直ここまで長くする内容でも無いと思う。
それでも、明日香井兄弟は個人的に好きだし、理系嫌いな自分にとっては深雪にも親近感を持てて、ストーリー自体はまぁまぁ楽しめたかな。

解決編の論理の展開は見事だった。難解な物理トリックは無いので数字嫌いの人も安心。


No.83 4点 殺人方程式
綾辻行人
(2008/02/11 21:39登録)
決してつまらないわけじゃない。ストーリー自体は楽しめたし、双子探偵にも好感が持てた。

でも、あのモロ理系の物理トリックは個人的にダメだ・・・。数式をひっぱり出されても理解できない!ああいうのを出して「ほら、分かったでしょ!」と言われても困る・・・。

「館」「囁き」以外で、綾辻の違った作風に触れられるということで少し甘めの採点。


No.82 8点 悪魔が来りて笛を吹く
横溝正史
(2008/02/09 09:04登録)
まず、ミステリ以前に読み物とし出色の作品。物語全編を通じて、金田一耕助が感じるどす黒い悪意が嫌というほど伝わってくる。どこか狂気めいた登場人物たちも魅力的で物語世界に読み手を引き込んでくれる。
そして、厭というほどドロドロとした人間の内面を思い知らせれる解決編!『悪魔が来りて笛を吹く』という曲の真相が明らかになるラストの戦慄!一気に読める!

天銀堂事件の真相はちょっと拍子抜けしちゃったかも・・・。
それでもやっぱり傑作。


No.81 5点 雪密室
法月綸太郎
(2008/02/06 01:21登録)
トリック一発勝負にしては、密室トリックは大したことない。
問題になっている人間錯誤の件はちょっとなぁ・・・説得力が弱い気がする。

それでも、ストーリー自体はシンプルでそれなりに楽しめた。勧善懲悪(?)のラストは良かったかな。

余談だが、香織が持ってたぬいぐるみの「ぐりもお」は某RPGゲームの「モーグリ」がモデルなのでしょうか。


No.80 8点 厭魅の如き憑くもの
三津田信三
(2008/02/03 22:24登録)
表紙の帯の「民俗ホラーと本格ミステリーが、驚天の結末に禍々しく結晶する!」という煽り文に偽りなし!!

因習にとらわれた閉鎖的な村、対立する2つの名門旧家
それぞれの陰謀を胸に蠢く登場人物と怪異な事件
憑き物筋の旧家に伝わる陰気な祭祀と過去に起きた不可解な事故(!?)
巫女、憑座、山神様、蛇神様、ナガボウズ、厭魅
生霊、神隠し・・・舞台設定にこれ以上何を望もうか!雰囲気、ストーリーともに秀逸な傑作。

ただ、賛否分かれる叙述の件に関しては自分も分かりづらいと感じた。伏線を指摘されてもピンとこなかった。少し残念・・・。

原書房のミステリーリーグの刀城シリーズは表紙のイラストが美しい!


No.79 6点 禍家
三津田信三
(2008/01/30 00:39登録)
戦慄のホラーミステリ!
こてこてのホラーの中に、ちゃんと伏線を張り、しっかりとミステリもしている。「呪われた家」というありきたりのテーマだが、おどろおどろしい恐怖感、スリル、ホラーに付きものの思わせぶりなラストと堪能できた。

ただ、犯人は注意して読んでればすぐに分かるね。その辺はもっと工夫できたかも・・・。あと、伏線張りと伏線回収は上手いと思ったが、真相は予想の範囲内でありきたりだったかな。


No.78 6点 凶鳥の如き忌むもの
三津田信三
(2008/01/28 01:46登録)
雰囲気は文句なし!
あくまでも本格ミステリを基盤に、民俗学とそれに纏わる怪異譚を絡めておどろおどろしい演出を醸し出せるのが三津田さんのホラーミステリの魅力でしょう!

しかし、メインの人間消失トリックは論理的に納得できたけど、現実的にはどうかなぁと。こういう発想は確かに凄いけど。

ホラー分が少々足りなかったのが少し残念。


No.77 5点 マリオネットの罠
赤川次郎
(2008/01/27 03:43登録)
フェアかアンフェアかで賛否両論ある問題作。
自分も結末には納得しかねる感じがあった。「お前かよ!」って・・・。伏線もあるにはあるが、流石にアンフェア感は拭えない。

しかし、物語全体を駆け抜ける疾走感は好感が持てる。単なる量産型作家になってしまった作者の、初期の意欲的な問題作として評価できる。


No.76 9点 八つ墓村
横溝正史
(2008/01/27 00:26登録)
落ち武者の祟り、津山事件、古い因習の残った山村、名家の後継ぎ問題、洞窟、一癖も二癖もある登場人物などなど・・・雰囲気を楽しむ自分にとってはまさに満漢全席の様な作品。
雰囲気だけでなく、導入⇒起⇒承⇒転⇒結のストーリー展開もバランス良く秀逸!

決して色褪せることのない傑作!!


No.75 6点 乱れからくり
泡坂妻夫
(2008/01/23 00:36登録)
「乱れからくり」という題名の、ぴったりそのものズバリなところに感心!犯人、トリックにそのテーマが行き届いて丁寧に作られている感じ。解決編はワクワクしながら読めた。

でも、からくり玩具の蘊蓄が多すぎてクドイ感じがして、興味のない自分にとって読むのが苦痛な場面もあった。


No.74 8点 しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
泡坂妻夫
(2008/01/20 20:34登録)
もう何も言うまい!!
とにかくこの文庫本に隠された秘密、そもそも作者がこの文庫本を書くにいたった経緯を知った時の衝撃をただ
そう!ただ味わってみてほしい。

あくまでストーリー自体は普通だが仕掛けは凄い。胡散臭さ溢れるキャラも魅力的で、間違いなく傑作!


No.73 4点 生首に聞いてみろ
法月綸太郎
(2008/01/19 18:24登録)
期待はずれ。
無駄に長く、内容もよくあるサスペンスで、切断された石膏像の首の謎も気付いてしまった。殺人事件が起こるまでのストーリーをもう少しコンパクトにすれば退屈しない展開になったかも。

しかし可哀そうな被害者、悲惨な遺族、無念な探偵と謎解き~ラストは見どころあり。


No.72 6点 邪馬台国はどこですか?
鯨統一郎
(2008/01/16 00:38登録)
相当昔に読んだ作品のため細部までの記憶はないが、歴史好きなため興味深く読めた。
さらっと読める感じで、「そういう解釈もできるか!」とか「それはないだろ!」と納得、つっこみながら楽しめた。

本格的なミステリに疲れた時に、一息つくために流し読みするには調度いい感じかな。


No.71 5点 ネジ式ザゼツキー
島田荘司
(2008/01/14 22:26登録)
相変わらずスケールの大きな展開&トリック
前半のタンジール蜜柑共和国についての謎解きは面白かったが、後半のネジ事件の展開ははっきりいってそんなに楽しめなかったし、会話ばかりの文章は読みづらくもあった。

それでも、不可解な謎の数々を最後に1つのストーリーにまとめてしまうのは流石!


No.70 7点 13階段
高野和明
(2008/01/12 04:19登録)
冤罪の死刑囚の無罪を晴らすため、元刑務官と傷害致死の罪を犯し仮釈放中の主人公がコンビを組んで再捜査するという結構スリリングなストーリー展開。

死刑制度に関する記述も豊富で興味深かった。序盤から何かを隠していそうな主人公・・・。それがラストの二転三転する展開につながっていく流れは爽快。

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