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ミステリの祭典

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禍家
家三部作

作家 三津田信三
出版日2007年07月
平均点5.88点
書評数8人

No.8 7点 みりん
(2023/07/13 23:28登録)
これは面白い!
両親を亡くした主人公が祖母と引っ越しするが、なぜか近所の反応がおかしい上に怪異が主人公の身に降りかかる。その現象を探るべく街の歴史から調査していく主人公とヒロインだが…………
純然たるホラーとして読みましょう

No.7 8点 Tetchy
(2015/08/23 00:15登録)
2階の自室に入るにはひたひたと彼に迫る得体のしれない足音を振り払わなければならない。
祖母が留守の時に家に帰れば、祖母の部屋からどこまでも伸びる蛇のような老人の手が襖から伸び、キッチンへ逃げ込めば首の無い四つん這いの女性の死体が徘徊する。風呂に入れば赤ん坊のような物が彼を湯船の中に引きずり込もうとする。
他の部屋に入れば死んだと思われた父親が現れ、幼き頃と同じように絵本を読んでくれたかと思えばいきなりおぞましい嗚咽を洩らし、首から鮮血を飛び散らす。

そんな家に住みながら、主人公は祖母のことを思って引っ越そうと云わない。恐怖に襲われながらもそれを受け入れ生活を続ける彼の心の強さは只者ではない。それは祖母と2人暮らしと云う決して裕福ではない家庭環境故に引っ越したばかりの家からすぐに引っ越すための新しい物件探しや、財政的にも苦しいという背景があるためなのだが、そんなことを小学校を卒業したばかりの少年が考えるのが奇妙なおかしみを与えている。

特筆すべきは冒頭に登場する恐怖を煽る小久保家の老人の意味不明な言葉の数々が調べるにつれて次第に意味を帯びていき、彼の家に纏わる忌み事の真相に繋がっていく。これはホラーでありながら、その因果を解き明かす過程はミステリそのもの以外何物でない。

この次々と起こる怪奇現象と近所に残る忌まわしい事件、そして一家殺害事件を起こした狂える学生と、ホラーのおぜん立てを十二分に死ながら、ミステリとしてのサプライズも提供するこのサービス精神の旺盛さ。彼は最初から本格ミステリの心をホラーの土壌に立つ作家だったのだと認識させられた。

No.6 3点 NAP
(2012/02/13 22:47登録)
やたらコワイ。途中で断念したけど、呪われそうで頑張って読んだ。笑
ホラーです。

No.5 5点 シュウ
(2008/10/18 01:27登録)
なんで主人公の少年は怖い思いしてんのに、なかなか人に打ち明けないんだろう。特におばあちゃんに相談できない理由に納得出来なかった。
あと町の様子がかなり分かりにくいので地図を載せて欲しかったな。
前半はかなり退屈だったけど後半はまあまあ楽しめた。ただ犯人の動機がなんだかよく分からなかった。

No.4 5点 おしょわ
(2008/10/05 20:40登録)
刀城言耶シリーズまでとはいわないけど、さすがにもうひとひねり欲しかった。

No.3 5点 いけお
(2008/04/09 01:42登録)
軽い感じだがバランスはいいと思った。

No.2 8点 猫こねこね
(2008/02/27 18:56登録)
ホラーなのにかな~り笑えます。
主人公が常人なら発狂しかねない怪奇現象に遭遇しつつ、
「禍家」から引越ししない理由とか・・・

No.1 6点 マニア
(2008/01/30 00:39登録)
戦慄のホラーミステリ!
こてこてのホラーの中に、ちゃんと伏線を張り、しっかりとミステリもしている。「呪われた家」というありきたりのテーマだが、おどろおどろしい恐怖感、スリル、ホラーに付きものの思わせぶりなラストと堪能できた。

ただ、犯人は注意して読んでればすぐに分かるね。その辺はもっと工夫できたかも・・・。あと、伏線張りと伏線回収は上手いと思ったが、真相は予想の範囲内でありきたりだったかな。

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