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ミステリの祭典

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あびびびさんの登録情報
平均点:6.33点 書評数:669件

プロフィール| 書評

No.109 1点 デイン家の呪い
ダシール・ハメット
(2010/04/30 18:36登録)
途中で話が終わったのかと、目次を見た。もともとつまらない話なのに、また別の展開が始まって投げだしてしまった。

そういう意味では点数をつけられないのかも知れないと思い、再読。しかし、一向に話は進まず、登場人物が増えるだけでまったく興味が湧かなかった。

作者自身、この作品は「思い入れがない」と言っているらしい。


No.108 7点 不連続殺人事件
坂口安吾
(2010/04/30 11:12登録)
純文学の坂口安吾が楽しんで書いているような本だなと思った。読んだのは20年以上前だが、いま思えばそのトリックはアガサクリスティのあの本と同じではなかったかと思う。

確か、当時誰かの批評でそんな事を書いていたような気がする。


No.107 8点 警察署長
スチュアート・ウッズ
(2010/04/30 11:01登録)
地方の名士が自分の企業を根付かせるために街づくりを始める。人口が増え、警察が必要になり、綿作り農家を見切った男が「警察署長」になった。署長といっても最初はひとりだけのスタートである…。

そこから始まる壮大な物語。その時代に起こった殺人事件が50年を経て解決されるストーリーは人種差別の問題なども絡み、その複雑さを改めて考えさせられる。


No.106 8点 初秋
ロバート・B・パーカー
(2010/04/26 14:56登録)
ある日、魅力的な女性が、別居している夫の元にいる息子を取り戻して欲しいという依頼をする。その夫の愛人をマークし、難なく夫の家を探し当てた探偵・スペンサーは、絶妙な駆け引きで息子を取り戻すが、その息子は、夫婦間の意地だけで存在する無気力人間だった。

スペンサーはその少年を「誘拐?」し、双方のさまざまな妨害工作を切り抜け、その少年の生きがいを一緒に探す。感動的ハードボイルドで、なかなかの力作だ。


No.105 5点 警告
パトリシア・コーンウェル
(2010/04/18 18:08登録)
毎日検屍体が届けられる犯罪王国のアメリカ。その中には異常な犯罪者も当然存在する。

その苦悩と戦う女性検屍局長のケイ。今度はフランスから異常者がやってきた。その男は、フランスを牛耳る犯罪組織の息子で、これまでの殺人は親によって保護されてきたという…。


No.104 7点 リメンバーミー、オールウェイズ
セイモア・シュービン
(2010/04/08 12:23登録)
三人の親友がいて、若いころ看護学校の研修生と羽目をはずして遊んだ。月日は流れ、主人公は作家に、そして他の二人は弁護士、会計士と出世してその友情は続いていたが、ある日弁護士が拳銃で顔を吹き飛ばされて死亡する。

当時、三人とも偽名を使って遊んでいたのだが、ある女からその偽名で呼ばれる電話が掛かってきて、その時の誰かの怨恨であることを知り、それから捜索が始まる…。

なかなか良くできたストーリーで、意外性もあり、面白かった。


No.103 8点 私刑
パトリシア・コーンウェル
(2010/04/02 14:48登録)
いわゆる検屍官シリーズの最高峰ではないかと思う。一番ミステリ的要素が多く、連続殺人鬼との対決は息を呑む。

舞台は真冬のニューヨークだが、犯罪多発地域の舞台裏と言うか、その重苦しい人間模様がリアルで興味深い。


No.102 6点 警視の週末
デボラ・クロンビー
(2010/03/28 20:56登録)
作者はアメリカ生まれだが、イギリスの田舎が好きで、移住したらしい。とことん、アガサ・クリスティを意識したのではないか?と思うのだが、これはあくまでも想像で…?

今回は警視ダンカンの恋人であるジェマ警部補が親友とスコットランドのウィスキーの蔵元へ旅をする。そこで起きた殺人事件を過去から掘り起こして、しかも現代の夫婦生活、子供の育て方などに言及し、無事事件を解決するが…。


No.101 7点 真犯人
パトリシア・コーンウェル
(2010/03/20 17:30登録)
すでに日本で900万部売れていると言われる検屍官シリーズ。そのせいか、ブックオフなどに安値であふれている。

そのシリーズの中で1,2を争う出来と言われるのがこの真犯人との評だったので購入して読んでみた。

検屍官局長のケイが寡黙で強情なため、連続する変死体事件の犯人とマスコミなどに叩かれるが、無二の親友である性格分析官、殺人課刑事らとともに、難事件を解決する。

今では検屍官が活躍するミステリは巷にあふれているが、それでもこの話は濃厚である意味、意外性にも富んでいた。次は「私刑」も読んでみたい。


No.100 6点 警視の休暇
デボラ・クロンビー
(2010/03/20 12:45登録)
スコットランドヤードの警視であるダンカン・キンケイドなる主人公が、多忙の合間にイギリスの片田舎にあるホテルで休暇を過ごす。

そのホテルで連続殺人事件が起こり、地元警察とギクシャクしながらも事件を解決する。

アガサ・クリスティの二番煎じのようなストリーだが、この設定はミステリ好きに好感をもたらす。結末は取ってつけたようなものだが、英米、ヨーロッパで支持されているのも分かるような気がする。


No.99 5点 死の接吻
アイラ・レヴィン
(2010/03/03 12:11登録)
23歳にデビュー作として世に出したという驚き。美貌の主人公が、お金持ちの女性を財産目当てに狙うストーリーだが、なんと3姉妹と関わる。

その3姉妹による3部構成になっているのだが、2部まではミステリらしい流れでワクワクした。ただ最後はわかり切った部分が多々あり、少しスピード感が鈍った。

しかし、常にランキング上位の名作にはちがいない。


No.98 5点 サイレント・ジョー
T・ジェファーソン・パーカー
(2010/02/26 00:01登録)
アメリカ探偵作家クラブ・長編賞を2度受賞している1作目の作品。赤ん坊のころに顔に硫酸をかけられ、顔半分が「怪物」の保安官補が、施設に来て貰い受けてくれた義父を殺害され、その謎を追っていく物語だ。

文庫で640ページと長いが、内容が伴っているだけに、飽きずに読み切った。ただ、どんでん返しはなく、淡々と物語が綴られていて山場は少ないが、保安官補で主人公のサイレント・ジョーが魅力的なな人物で、ついつい引き込まれてしまった。


No.97 7点 星を継ぐもの
ジェイムズ・P・ホーガン
(2010/02/15 12:23登録)
完璧にSFだが、主人公が自分の推理を述べるときにミステリの謎解きに似た雰囲気あり。

しかし、筆者の知識容量は作家というより、科学者、博士のレベル。実際そうではないのか?SFものだけに、壮大な物語だ。


No.96 7点 興奮
ディック・フランシス
(2010/02/07 13:35登録)
英国競馬の障害レースで不正レースがありそうだ…ということで氏素性の分からないオーストラリアの競馬関係者が見込まれ潜入捜査をする。

元ジョッキーという肩書きの作者だけにリアル感は当然だが、オーナーや厩務員の生活が浮き彫りにされておもしろい。ただ、事件解決後の主人公の行方が意外。そんな簡単に生活を変えられるのかどうか?


No.95 6点 深夜プラス1
ギャビン・ライアル
(2010/02/01 15:54登録)
あまり読書に興味がないころ、話題の一冊ということは知ってた。まだ本屋に並んでいたので買って読んでみると、ミステリ的な部分より冒険小説的な色が濃い読みものだった。

依頼人が相手側から罠にかけれら、婦女暴行の罪で国際手配をされている関係上パスポートが必要な飛行機は除外され、フランスの海岸からスイス国境の隣国、リヒテンシュタインまでカーチェイスをする訳だが、元傭兵の主人公がそれまでの経験と知識を生かして難関を突破する。

最後はやはりというか、おなじみのどんでん返しがあるわけだが、物語にスピード感があり読みやすいのは確か。


No.94 4点 死の蔵書
ジョン・ダニング
(2010/02/01 15:38登録)
主人公が本の蒐集に生きがいを感じており、ある事件を境に刑事をやめ、古本屋を開く…。

いろいろな本の値段が出てくるので海外文学に興味のある方はとてつもなく楽しい本だろうと思う。

古本屋になったものの、結局は刑事魂復活で事件を解決させるのだが、まあこんな展開もあるのかと…。


No.93 9点 Yの悲劇
エラリイ・クイーン
(2010/01/27 17:09登録)
xの悲劇とはまじ一味ちがう。xはあっさり系、そしてこのYはどろどろ系ではないか。しかし、どちらもおもしろい。

採点はこちらの方が低いようだが、自分にはその差が分からない。多分あるとすれば結末の不完全さか…。もう少し早く警察に犯人を示唆していれば…と凡人の私は思う?


No.92 8点 Xの悲劇
エラリイ・クイーン
(2010/01/23 13:59登録)
今は外国の名作といわれる復刻版ばかり読んでいるが、さすがに半世紀以上経過して残っているのだからどれも面白くないわけがない。

このXの悲劇も完璧である。最初犯人が指摘された時は「はあ?」と、虚を突かれたが、ネタばらし…(…の中に犯人がいると思うのは読者の勝手である)…なるほどと思った。少々強引な解説もあるが、長期計画と聞くとそれも納得できる。

こんな本を毎日読んでみたい。


No.91 6点 さらば愛しき女よ
レイモンド・チャンドラー
(2010/01/20 14:27登録)
長いお別れより2年前に発表されたらしい。その分、フィリップ・マーロウはより頑固であり、読む方がいらつくほど。状況描写も少しクドイ感じがする。

ここが原点だと思うが、いろいろな完成度から見て、「長いお別れ」の方がナンバーワンだと思う。


No.90 9点 長いお別れ
レイモンド・チャンドラー
(2010/01/20 14:24登録)
主人公であるフィリップ・マーロウのなんと頑固なこと。しかし人間を見る目はある。アメリカ探偵小説の見本的探偵である。
けっこう長い物語だが、途中で投げ出すことは絶対ない。場面が変わるごとに先の展開が楽しみになる。そして終盤はそこそこのどんでん返しあり…とさすが古典的名作。

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