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ミステリの祭典

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東京結合人間

作家 白井智之
出版日2015年09月
平均点5.43点
書評数7人

No.7 8点 みりん
(2023/10/15 17:06登録)
「白井智之、二十四歳。末恐ろしい書き手である」と綾辻せんせーが帯で賞賛しているが、なんか妙に腑に落ちる。こういうの好きそう。

【ネタバレあります】



プロローグから挨拶代わりの痛覚刺激型グロ描写。読んでるこっちもあそこがいてぇ。
ノーマルマンが2人だという前提から導かれるドミノ倒しロジックは発明的じゃないか?まあ…
大多数の作家がトリックのために特殊設定を作っているのに対して、白井智之は更なるグロを描写するために特殊設定を作ってるんじゃねぇかと疑っていた。が、著者の猟奇趣味で包み隠された奇想極まるトリック。まさに鬼畜設定パズラーにふさわしい。正直なんでこんなに評点が低いのか分からんくらい凄かった。まあ例によって私は1ミリも気付けませんでしたが、ミステリを読み慣れている方にはバレバレっぽいのが減点要素なのかな?乱歩の『孤島の鬼』のような不気味さもあって大変気に入りましたね。

結合人間のビジュアルに想像力を掻き立てられるが、文庫本表紙みたいに横に並んでいるのかな?だとすると身長が伸びるのはどういうことなんやろね。

No.6 7点 レッドキング
(2023/07/18 20:21登録)
第二作。なんたるBいやC級タイトル。SFパラレル設定いいことに、とんでもグロ描写( 綾辻「殺人鬼」か)のやりたい放題と思わせ、何気に、王道の孤島かつ密室物。それ以上に、なんちゅうNiceなロジック!・・SF縛りとは言え。
 ※ 「X」は犯人。6人(A・B・C・D・E・F)の中の2人が「X」。うち4人(A・B・C・D)の中で、もし、Aが犯人であれば、
  Bは「X」で、Bもまた犯人となるが、この場合、CもDも連鎖的に「X」となり、「X」は2人という前提が崩れる。
  よって4人の中に「X」はおらず、したがって、残りのE・F2人が「X」で、E・Fが犯人・・・素晴らしい。
こんな、ミステリ的感銘、麻耶雄嵩「木製の王子」逆家系図以来よー。しかも、惜しげもなくダミーに使い捨てて・・

No.5 2点 yoshi
(2016/03/11 22:01登録)
最初の設定だけで、結合によう人物消失トリックじゃあるまいなと思い、
まさかた思いながら、エログロ苦手だが我慢して最後まで読んだら、
そのまんまだったのでがっかり。
「人間の顔は食べづらい」の時も実は同じ感想。
あれもクローンを使った入れ替わりをやりたくて、クローンを食料にする世界を構築したという印象を受けたものだったが、今回も人物消失がやりたくて、セックスの代わりに結合が行われる世界を構築した感じ。

No.4 6点 虫暮部
(2016/02/01 10:35登録)
 この奇想は買いだ。ちゃんとミステリになっているし、面白かった。中学生が書いた小説みたいだと自虐的な台詞を登場人物に言わせているが、結合人間のヴィジュアル・イメージのおかげで一味違った絶海の孤島モノになっていると私は思った。しかし気持悪い。もう一度読めと言われても御免被る。

No.3 4点 abc1
(2015/12/06 10:38登録)
拉致した少女の目を潰すシーンなどは相当グロくて吐き気がした。
それを我慢して我慢して最後まで読んで、報いられたとは思えなかった。
もうこの作家はいいや。

No.2 5点 まさむね
(2015/11/07 21:57登録)
 うーん、「結合人間」という特殊設定を活かしたと言ってよいものかどうか、微妙です。序盤のグロさに嫌悪感を持つ方もいらっしゃるでしょう。最終的に本格度は高いと思うのですが、終盤の捻りも含めて、何かスカッとしない。
 作者のデビュー作「人間の顔は食べづらい」を超えることはなかったなぁ…という印象かな。

No.1 6点 メルカトル
(2015/10/10 19:41登録)
プロローグは手に汗握るほどグロい。そりゃもう、この先どうなるんだろうと心配になるほどえげつない。で、序盤は独自の特異な世界観を見せつけられて、なにこれ?と思いながらも、グイグイと引き込まれる。そして、なんだかんだで取り敢えず、一件落着的な感じですっきり。
さらにその後の展開が期待されるが、いわゆる孤島もので既視感アリアリ。どこかで読んだことある感が満載で、しかもやや退屈。結合人間やオネストマンといったネタが全然生かされていないではないかと憤慨してしまうのであった。
そしてエピローグ、ここに来てやっとなるほどと首肯できる解決が明示され、再度すっきり。 
全体としては、グロ+まったり+異様な世界+ちょっと意外なラストといった感じ。

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