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ミステリの祭典

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山伏地蔵坊の放浪

作家 有栖川有栖
出版日1996年04月
平均点6.70点
書評数10人

No.10 6点 HORNET
(2021/02/11 16:28登録)
 毎週土曜日にバー「えいぷりる」に集う常連たちに、山伏地蔵坊が、自身が関わった事件を語って聞かせるという形の連作短編集。事件の概要を山伏が語ったあと、常連たちが犯人を推理するパターンで、読者も同様に推理を楽しむことができる。
 有栖川氏らしいオーソドックスなフーダニットで、犯人・トリック当てクイズの体で楽しめた。

No.9 5点 虫暮部
(2020/10/30 17:19登録)
良くない意味で、普通。
「ローカル線とシンデレラ」……終電(午後九時台)に乗っていた車掌が翌朝八時に勤務している。凄いハード・ワークに思えるけどアリ?
「崖の教祖」……まともな教団かインチキか、はっきりしないところが味噌、と私などは思う。
「毒の晩餐会」……“多過ぎた”と言うのはどのような状態なのか。味見したわけでもなかろうに。そしてジョッキ。その状況では、たとえ洗ってあっても私なら怖くて呑めない。
「割れたガラス窓」……作中では触れられていないが、ガラスの破片が落ちた位置にズレがあり手掛かりになる筈。

No.8 7点 ボナンザ
(2019/09/15 23:40登録)
黒後家や三番館の線を狙った短編集。有栖川らしいロジックもあり、中々上質。作家シリーズよりも平均点は上だと思う。

No.7 7点 測量ボ-イ
(2018/11/25 12:54登録)
山伏が探偵という必然性は?ですが、アイデアは買います。
粒ぞろいの短編集ですが、ベストはやはり「毒の晩餐会」でしょうか。
氏らしいロジカルな作品です。

No.6 7点 ボンボン
(2016/11/17 21:29登録)
トリックは、まぁ普通に楽しめるとして、何といってもその外枠が面白かった。法螺話の可能性大である謎解き話を本当に法螺貝を脇に着けた山伏に語らせる冗談。それを分かりながらノリノリで付き合う聞き手たちの大人のお遊び。短編集だが、最終話でシリーズ終結を飾る納め方がちょっと素敵だ。
ちなみに戸川安宣氏の解説が超大作。

No.5 5点 まさむね
(2013/04/24 22:25登録)
 作者にとって比較的初期の短編集。ワン・トリックものの端正な短編が揃っており,個人的には好きなタイプですね。
 しかし,山伏のキャラが,その存在意義も含めて何とも中途半端。ちょっともったいない気がしましたね…ってことで1点減点かな。

No.4 8点 vivi
(2007/06/01 02:16登録)
どっしりと重いテーマに取り組んだ作品ではないけれど、犯人当てをゲーム感覚で楽しめる作品ですね。
ものすごいトリックも炸裂しているんですが、フェアといえばフェアです。
一番の名作は『毒の晩餐会』ですね。これは、ロジカルな作品で傑作だと思います。

No.3 5点 ギザじゅう
(2004/02/07 12:29登録)
山伏を探偵にというのは面白いが必然性とはいわないまでももう少し何かが欲しい気もする。
どの短編も一つのアイデアから組み立てただけといった感じが強く、どれも物足りない。安易な暗号やダイイングメッセージがないのは良かったものの、ロシアやブラジルと同じく短編としての悪い面(下手とも言える)が大いに出ている。さくっと読むぶんにはいいかも・・・。

No.2 9点 まさ
(2002/10/16 18:08登録)
まあ楽しめるほうですね。

No.1 8点 pon
(2001/07/24 03:28登録)
傑作。ただこのシリーズはだらだら続けて行くべき性質のもんだと思います。中途半端なケリの付け方は納得できないものがある。『黒後家蜘蛛』の線を狙ったんでしょうけど、日本のミステリ界では得難い味のある短編シリーズです。有栖川は「日本のクイーン」ではなく「日本のE・D・ホック」を標榜すべきではありますまいか。ずいぶん下方修正だけどさ。

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