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ミステリの祭典

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私の嫌いな探偵
烏賊川市シリーズ

作家 東川篤哉
出版日2013年03月
平均点4.75点
書評数8人

No.8 5点 mediocrity
(2019/08/08 06:59登録)
烏賊川市シリーズの短編集第2弾。作者は『謎解きはディナーのあと』ヒット以降は短編ばかり書いているようだが、このシリーズも短編化してしまっていたのか。前作は現時点で未読。

①『死に至る全力疾走の謎』
謎も解決もいかにもこのシリーズらしくて良い。ユーモアが上滑りしていない。ただ、準備段階の所で具体的にどうやったのかが今一つわかりにくい。文字で説明しにくいから省略したでしょ、東川先生。
②『探偵が撮ってしまった画』
これはいまいち。作中で使い古されたトリックみたいなことを言ってるが、まさにその通り。犯人を数人の中から絞る所が見どころか。
③『烏賊神家の一族の殺人』
イカのユルキャラ登場。内容も相当に緩いか。トリックはなんとなくわかるがそれをできた理由がわからなかった。読み進めると・・・そんなのわかるか!となること必定。
④『死者は溜め息を漏らさない』
鵜飼が珍しく文句なしの名探偵である。男子中学生がいい味を出している。
⑤『二○四号室は燃えているか?』
これも古典的なトリックぽいですがどうなんでしょうか。

ドラマ化されてたんですねこれ。全然知らなかった。原作を読む限り朱美はヤリ手の美女で、鵜飼と流平はパッとしないイメージを持ってたんだけど、ドラマは剛力彩芽、玉木宏、白石隼也か。うーん。いやなんでもないです。

No.7 6点 makomako
(2016/03/18 07:57登録)
 烏賊川シリーズは結構気に入っているのですが、これはまあ普通ぐらい。
作者も最近は売れっ子となり著作も大量に必要となったいるので多少ゆるくなっているのでしょうか。
 それでも本格としての体裁はきちんと保っている。まあユーモアミステリーでなければ怒るようなトリックもありますが。

No.6 5点 E-BANKER
(2016/01/19 22:24登録)
依然として大好評(?)の烏賊川市シリーズ。
その第七弾にして、「はやく名探偵になりたい」に続く第二短編集がコレ。
相変わらず鵜飼と朱美のボケ=ツッコミが冴える(!)のか??

①「死に至る全力疾走の謎」=タイトルからして何となく島田荘司の短篇「疾走する死者」を思い浮かべてしまう。恐らく作者もソレを意識してかいたのではあるマイカ? トリックも同系統だし・・・
②「探偵が撮ってしまった画」=写真に偶然写りこんでしまったひとりの人物をめぐる大騒動(?)。いわゆる“雪密室”を扱った作品だけど、まさかこの程度のトリックで終わらせる気か? と思ってたら・・・。鵜飼の骨董品のようなアレが皮肉な結果を導くのではあるマイカ?
③「烏賊神家の一族の殺人」=これはなんとも言えないノリ・・・。烏賊のユルキャラ探偵「剣崎マイカ」が鵜飼に変わって謎を解く! トリックはなるほど・・・烏賊だけにっていう奴ではあるマイカ?
④「死者は溜め息を漏らさない」=シリーズではお馴染みの舞台“盆蔵山”で起こった転落死。調査に向かった鵜飼&明美の前に現れた怪しい男と生意気な中学生。そして中学生が見たという死者から吐かれた“溜め息”の正体とは? これもまぁー緩い話ではあるマイカ・・・
⑤「二○四号室は燃えているか?」=これもまぁしようもないと言えばしようもない事件。プロットもかなり古臭いというか、他にネタはなかったんだろうかと思ってしまうのではあるマイカ・・・

以上5編。
うーん。もともと軽いタッチのシリーズだけど、本作は相当ユルイ。
何とかミステリーとしてのネタを絞り出して膨らませてみました・・・っていう感じにしかとれない。
本作はいつもの鵜飼=流平のコンビではなく、朱美をサブキャラとしたのが唯一のヒットか。

とにかく最近多作すぎるのが面白さ半減の原因だろう。
もう少し骨のある本格ミステリーを望む!(無理かもしれないが・・・)
(ベストは中味云々ではなく③。イカのユルキャラ探偵がとにかくツボ。再登場を求む!!)

No.5 3点 いいちこ
(2014/08/25 14:17登録)
近隣の図書館に蔵書があったので読破。
他の作品にみられるトリックの独創性やロジックのキレ味などが影を潜め、全体に小粒な印象。
著者本来のパフォーマンスが発揮されているとはいえない作品。

No.4 4点 mozart
(2013/09/26 18:56登録)
このシリーズとしてはギャグ度も「本格」度もイマイチかな。今後の朱美の「立ち位置」がどうなって行くのかちょっと「心配」だけれど。

No.3 5点 黒い夢
(2013/09/06 07:41登録)
おなじみの烏賊川市シリーズです。今回もドタバタしている感じがよかったです。謎に関してはそこまで印象的なものはありませんでしたが、深く考えずにサラッと読みたいときにはいいと思いました。

No.2 5点 kanamori
(2013/06/10 12:56登録)
烏賊川市シリーズの2作目の短編集。今作では助手の流平くんはチョイ役の登場で、鵜飼と探偵事務所ビルのオーナー朱美とのコンビによる5つの事件簿です。

ぬるいギャグと奇抜なトリックのコラボは健在で、”ターザンごっこ”とかパラパラ漫画といった脱力的なガシェットが作者らしい。ただ、前作と比べるとロジック展開にキレがないものが多いように思えた。
収録作のなかでは、アナログすぎる決め手が笑える「探偵が撮ってしまった画」が個人的ベストかな。

No.1 5点 まさむね
(2013/05/16 21:59登録)
 烏賊川市シリーズの短編集第2弾。いつもどおり本格としての体裁は堅持しているのですが,内容としては相当に軽めで小粒。正直,全体の出来栄えとしては,第1弾短編集「はやく名探偵になりたい」の方に軍配。
 とは言え,個人的にギャグ要素は嫌いではないし(合わない方にはとことん合わないと思いますが・・・),気軽にサクサク読みたい気分の場合には良いかも。
 それと,ある短編に登場する,「ゆるキャラ探偵(しかも烏賊がモチーフ!)」が結構ツボにはまりました。次作以降でも是非とも活用いただきたいなぁ…と,どなたか作者又は関係者の方に伝えてください(笑)。
 ちなみに,助手の流平クンの出番は少なめ。代わりに(?)朱美サンの出番が増大しています。

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