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ミステリの祭典

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闇の喇叭
ソラシリーズ

作家 有栖川有栖
出版日2010年06月
平均点6.38点
書評数8人

No.8 6点 よん
(2024/06/17 15:26登録)
物語の舞台となるのは探偵行為が違法となった世界で、少しでも探偵っぽいふるまいをした人間を容赦なく追い立てる探偵狩りなるものが行われている。
ミステリは様々なジャンルを組み合わせることができるが、この作品ではSFの世界では定番となったディストピアと組み合わせることで「こんな世の中でなおも探偵をやることの意義とは何か?」「探偵として求められるものは何か?」ということを描き出している。

No.7 4点 HORNET
(2014/02/16 18:01登録)
 探偵行為が罪になるという仮想設定のために、日本が北海道と分裂するという政治的な設定は必要か……?とも思うが……
 主人公=探偵役が女子高生ということで、学生アリスシリーズよりぐっと青春ミステリ的な雰囲気が強いと感じる。「氏らしい」という評価もここでの書評で多く見られるが、私としては新境地の開拓という印象の方が強い。で、結果として…今までの作風の方が好き。
 もともとあまりミステリに青臭い青春要素は求めない。それでも謎解きの方が濃ければまぁ気にしないのだが、肝心のそちらがこの作品ではちょっと消化不良。というか、面白いんだけど、このぐらいのトリックは短編向きではないか。
 「論理爆弾」を先に読んでいて、そっちの方が面白かった。

No.6 6点 まさむね
(2011/10/10 20:11登録)
 太平洋戦争末期,アメリカの原子爆弾の完成が遅れたために,ソ連が北海道までを占拠して…という設定。歴史SFかと思えるような始まり方で,ちょっと驚かされました。
 しかし,読み進めていくと,氏らしいミステリが展開されていきます。トリックも,個人的には好みの範囲内。青春ミステリとしての色も濃く,総合的にどう分類していいものやら。
 シリーズとして今後どのように展開していくのか,続編に期待します。

No.5 8点 smile66
(2011/02/27 23:39登録)
有栖川有栖らしいジュブナイルな本格ミステリ。
重い設定に対して明るいキャラクタ達に助けられるが、最後がああいうことになっている。

続編が書かれるらしいのでそちらに期待。

No.4 7点 makomako
(2010/11/28 18:40登録)
 これって北海道の人が読んだらどうかなと思う内容であるけれど、まずまず上手に出来ていると思う。ちょっとびっくりするようなトリックも盛り込まれているが本格物としてのインパクトとしては多少物足りないかな。
 この小説は完結しておらず当然続きがあるものと思われ、作中の人物に愛着が深まってくればもっと楽しめるはず。次の作品を期待しよう。

No.3 7点 虫暮部
(2010/10/15 10:36登録)
 戦争云々の書き方はやや紋切り型な気もするが、「こういうことを言っておきたいんや」という作者の思いは伝わって来たと思う。
 殺人事件の背景が、ラストで説明されるまでほとんど表に出てきていない点がイマイチ。

No.2 6点 kanamori
(2010/10/09 18:37登録)
戦後に北海道が独立し現在でも徴兵制度が継続している”もう一つの日本”を舞台にした青春ミステリ。
私的探偵行為が禁じられた世界で、隠れキリシタンの如く田舎で隠棲する探偵父娘がシリーズの主人公となる。本作は娘の高校生が級友とともに殺人事件に対峙する本格ミステリの側面が強いですが、余韻の残るラストといい青春ミステリとしても良く出来ていると思います。
版元があんなことになってしまいましたが、ミステリーYA!で出す必要もない作風なので、続けて第2弾を出してほしいものです。

No.1 7点 monya
(2010/07/19 19:03登録)
有栖のノンシリーズ物
太平洋戦争の終わりが「もし、こうなったら……」という架空の日本が舞台で、SFチックなミステリ。
トリック・事件自体にはあまりその設定は関係が無いが、上手い具合にストーリーには生かされていると思う
ラストは不覚にもうるっと来てしまった
有栖いわく「始まりの物語」
有栖川有栖にしか書けないミステリだ

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