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ミステリの祭典

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黄金を抱いて翔べ

作家 高村薫
出版日1990年12月
平均点6.30点
書評数10人

No.10 4点 いいちこ
(2015/12/07 16:44登録)
「リヴィエラを撃て」と同様に、各局面における描写が非常に詳細な反面、登場する組織・人物の背景・意図が明示的に語られない。
こうした点はプロットを追うに従って徐々に浮かび上がってくるのだが、それが読み難さに繋がっているのも間違いない。
また、本作がミステリではなく、犯行計画の立案・実行を通じた人間模様を描くことが主眼であるとしても、犯行は計画の緻密さとは裏腹に、極めてあっけないものでやや不満が残る印象

No.9 3点 斎藤警部
(2015/09/03 15:09登録)
琴線に触れずじまい。 所々、気を引く描写はあった。
折角の大型犯罪物語ですが、とうとう最後までわくわくしませんでした。 登場人物のキャラクターは巧みに書き分けられているし、格調高めの文体も素敵だが、それでもきっちり楽しめなかった。 
そのむかし旅先でふらっと買って読んだ本なので、それなりに良い想い出にはなっています。

No.8 5点 E-BANKER
(2010/10/17 22:39登録)
直木賞作家でもある作者のデビュー作にして、かつ日本推理サスペンス大賞受賞作。
銀行の地下に眠る「黄金」を狙う犯罪者グループが主役のコンゲーム的(?)・ミステリー。
ただ、ストーリーの3分の2は犯罪の「準備段階」に費やされ、特に幸田と北川を中心としたメンバー1人1人の背景やキャラクターを独特の筆致で浮かび上がらせています。
そのため、よくいえば「重厚でディテールに拘った作品」と言えますが、逆に「どうも読みにくい」印象が強く残り、同種のミステリーには欠かせない「スピード」や「疾走感」というものからは真逆の印象になってしまいます。
まぁ、これは「好み」の問題なので、どっちが優れているというべきものではないのですが、個人的に言えば、後者の読後感が強く残った作品になってしまいました。
ラスト、実際の強盗シーンが何か付け足しみたいになっているのも「勿体無い」と思います。

No.7 5点
(2009/09/16 18:37登録)
読みづらいほど精緻な描き方をしている。おまけに読んでいて緊張感を覚える。そんな作品でしたね。こういった男の世界を女流作家が、しかもデビュー作で描いたってことが最大の驚きです。もういちど、じっくりと読みたくなる作品です。

No.6 9点 Tetchy
(2008/01/19 23:28登録)
これがデビュー作かという驚嘆がまずあった。
そして強盗計画の緻密さに、「ここまで詳細に書くとやばいのでは!?」とまで思ってしまった。
ただし仲間達がどうも自分勝手すぎて、正直強盗チームとしては最悪の構成でしょう。
主人公の破滅型思考も強盗するという設定では相反するものだと思うのですが。
でもこの物語の重みの前ではそれらさえも納得させる熱がありました。

No.5 6点 こをな
(2007/11/15 10:59登録)
 序盤はかなり読みづらかったです。それを我慢して中盤までいくと慣れてきます。仲間がひどい目にあったり死んだりするのは悲しかった。でも渋い作風には惹かれるものがあって、他の作品も読みたいと思わせる。

No.4 8点 きゅーり
(2004/05/06 17:29登録)
話がノッてくるまですごい読みづらかったけど、ノればイッキだった。黄金を奪うシーンはメインじゃないのがおもしろい。

No.3 7点 kou
(2004/03/15 01:22登録)
物語の組み立てが抜群。人物に重みを感じさせるし、リアルという点では追従を許さない感じ。エンターテイメントとして真面目に向き合った作品だと思う。

No.2 9点 ろん
(2003/05/23 15:39登録)
高村氏特有の細かい描写が生きていて、人物像を掴みやすく、とても楽しめた一冊でした。男同士の世界を高村氏独自で描く術は、他の作品でも共通していますが、この作品の男同士の結びつきはとてもよかったです。
作品も、金塊強盗というものですが、ラストへ向けての時間経過と共に描写されている様は、緊張感あったとても面白かったです。

No.1 7点 アデランコ
(2001/05/01 00:44登録)
金塊強奪を計画した6人の物語だが、実行がなんかあっさりした感じがあった。
登場人物の描き方はよかったよ。

映画「レザボア・ドッグス」好きな人はいいかも。

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