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ミステリの祭典

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茨姫はたたかう
整体師探偵シリーズ

作家 近藤史恵
出版日2000年06月
平均点7.00点
書評数9人

No.9 6点 ことは
(2022/11/13 00:24登録)
前作同様、するすると読める。
シリーズ・キャラクターは、前作以上に魅力的で加点が高いが、謎と解決はやはりいまひとつ。するすると読めることと、でてくる重い設定や状況が、どうもアンバランスに感じられるのは、マイナス材料だ。
本シリーズより、ビストロ・パ・マルのような明るい話のほうが売れているのは(印象だけで数値情報はありませんが)、そういうところが大きい気がする。

No.8 6点 メルカトル
(2022/08/09 23:06登録)
書店員の久住梨花子はストーカーの影に怯えていた。ひとり暮らしのアパートの郵便受けが荒らされ不気味な手紙が投函されたのだ。仕事でもトラブルが起きたある日、腰に激痛が走り動けなくなってしまう。運び込まれた接骨院での“身体の声を聞く”整体師・合田力の施術をきっかけに、梨花子は臆病な自分と向き合うようになる。迷える背中をそっと押す、整体ミステリーの傑作!
『BOOK』データベースより。

近藤史恵はデビュー作である『凍える島』を刊行当時に読んで、あまりピンと来なかったのでこれまで興味が持てなかった作家です。たまたま古本で本書を見つけて、高評価を得ているのを確認して読んでみる事に。これは期待以上に面白かったと言っても良いでしょう。文章の読み易さ、各キャラの個性の立て方、料理をしたり食したりするシーンの味わい深さ、どれを取っても一級品だと思います。

物語は二つの全く異なるストーリーが並行して進行します。これがなかなか一つに合流せず、先が読めません。しかし、双方とも男女の心の揺れを見事に表現し、時に残酷とも思える描写があってハッとさせられたりもし、目が離せません。まさかこれがシリーズ物と思わず読んでしまいましたが、全然違和感はありませんでした。総合的に見て7点くらいの出来かとも思いましたが、何となく低刺激な感触がしたのとミステリとして弱かったので敢えてこの点数にしました。でも読む人が読めば高得点は間違いないでしょうね。
調べてみて驚いたのは作者の知名度と人気、そんな偉い先生とは思っていませんでした、正直。

No.7 7点 まさむね
(2022/07/11 23:26登録)
 前作「カナリヤは眠れない」の読み心地の良さから、早速シリーズ続編も入手して読んでみました。
 前作に引き続いて好印象。力先生をはじめ、登場人物たちの雰囲気が何とも好ましいのですよね。主人公の成長も好ましく、うまく言えないのだけれども、嬉しい気分で読み終えました。力先生のコトバも沁みる。このシリーズ、いいな。

No.6 7点 take5
(2022/07/09 13:53登録)
女性の著名な作家の表現する、
登場人物の女性の関わりが、
大変興味深く読めました。
サクリファイスのような世界とは
また違った近藤氏の筆力を感じる作品でした。
ミステリーとしては反転弱めですが、
力先生をはじめとする人物が魅力的で、
気持ちのよい読後感です。
文庫本で300ページありません。

No.5 6点 itokin
(2011/03/10 09:30登録)
1ヶ月前に読んだんだが頭に何も残ってない、その時は結構夢中になって読んだんだが・・・。所詮、私には、青春ミステリーは合わないんだな。

No.4 8点 VOLKS
(2008/11/25 18:11登録)
シリーズ1作目「カナリヤは眠れない」が面白かったので、こちらもすんなりと手に取ることが出来たが、こちらの作品の方が更に楽しめた。
ゲスト女性同士の絡みシーンでは「さすが女性作家」と思わせられ、小松崎氏の恋の悩みでは思わずエールを送りたくなり、肝心のストーリーも「スッキリ解決」が気持ちよかった。

No.3 6点 こもと
(2007/10/13 12:36登録)
 近藤氏は、女性が抱える不安や不満等、心理を描くのが上手い人だ。
 とりわけ今回の、自分をとりまく環境を不幸だと決めつけ、頑なだった梨花子の心が開いていくという、脆さが強さに変わるその瞬間が訪れたときには、私も梨花子と一緒に目が覚めた。
 脆く、傷つきやすく、すぐに被害妄想に陥りがちな女性に、『たたかって』欲しいと思った。 梨花子のように。

No.2 8点 テツロー
(2002/07/20 02:12登録)
 ストーカー問題の部分より、主役の、他人との付き合い方、距離のとり方、自分の周りの世界との接し方、これらの描写が少々身につまされるような感じだった。この問題は女性に限ったことではないと思う。
 ミステリの部分、犯人の豹変振りが変やなと思ったけど、イヤな奴が犯人やったし、力(りき)先生のロジックの披露もあったから、まあ良し。
 探偵チームと主役となる女性ゲストキャラとの、距離のとり方がいい感覚していると思う。それほど深く関わらず、と言って顔も会わさないまででは無い。探偵役を整体師にしたのは、大ヒットですよね。彼ら自身が抱えている問題についても、メインストーリーと遊離することなく、エピソードとして無理無く挿入されてると思う。

No.1 9点 由良小三郎
(2002/05/27 18:19登録)
体だけでなく心も直す整体師を主人公にした物語です。女性の生き方みたいなものがテーマで、こういうのが好きだというと気持ちわるがられそうですが・・・。女性たちへのお説教の部分がいいことゆうてるんですよね。

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