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ミステリの祭典

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空飛ぶ馬
円紫さんと私シリーズ

作家 北村薫
出版日1989年03月
平均点6.00点
書評数86人

No.26 8点 フリップ村上
(2002/09/26 20:45登録)
乗り切れなかった人には、心から「残念でしたね」と声をかけたい。
ぶっちゃけ、本作も発表以来十余年。当時ですら浮世離れしていた「わたし」という設定が、もはや完全な絵空事と化したといわれても反論は出来ない。
裏目読みをすれば《不惑を過ぎた高校教師(♂)が書いた娘へのラブレター》という創作意図も露骨に透けて見えるわけで、そんな臭気を感じて《うざい》《偽善》と感じる読者がいても、ちっとも不思議ではない。
けれども、人の本質なんて十年やそこらでそうそう変わるものではない。決して声高ではないが、地に足のついたゆるぎない人生肯定が、素直に心に響く可能性だって捨てたもんじゃない。未読のかたはぜひ、無心の状態でチャレンジして欲しい。
さて、そうはいってもこの作品、誰もが楽しめる娯楽の王道というよりは、もとより相性の良い一部読者がひっそりと愛読する類の物語。
推理文壇にてリマーカブルな位置を獲得している理由は
? 安楽椅子探偵って(英国での黎明期をのぞいて)実はそれほど存在しない。成功例はさらに少ない。
? 死体の発生しない《日常の謎》でミステリが成立するなど、本作以前には考えられなかった。
? 覆面作家ゆえの話題性もあった。
等々、歴史的な背景があることも、蛇足ながら追記しておきたい。

《円紫さんとわたし》シリーズ復権プロジェクト(電通案より抜粋)
「わたし」を眼鏡っ子という設定にして、イラスト付で講談社ノベルス化すれば、まったく違ったファン層に大々的にその魅力を訴求できるはずである。(嘘!)

No.25 1点 つか
(2002/09/26 05:39登録)
リアルじゃないんですよ、シチュエーションも主人公も文章も。この小説に共感できる人がいることが悲しいです。

No.24 10点 寝呆眼子
(2002/08/30 19:42登録)
読んだ当時、「目から鱗」的な作品でした。特に「砂糖合戦」は、精巧な作り物といった感じがします。ただ、円紫師匠の最後の一言は、蛇足ではないでしょうか。ワトソン役の「私」への風当たりが強いですが、あんな感じのコ、十数年前、学内にも普通にいそうな気もしましたが...

No.23 2点 さぶ
(2002/08/26 00:16登録)
あれは推理しているの?よくわからなかった。
本当にあれだけで、ゆきちゃんがどうとかわかるのか??もっとほかの事も言えるのじゃないの!!
とにかくよくわからない作品でした。
ファンの人吸いません。

No.22 2点 南村
(2002/08/23 22:02登録)
これは「ミステリ」じゃないでしょ。そう思ってよんでも
つまらなかった。文章も主人公も好きになれない。

No.21 8点 ギザじゅう
(2002/08/14 19:30登録)
評価がまっぷたつに分かれているけど、とてもよかったと思う。
中でも『砂糖合戦』が一番論理的でおもしろかった。
情景描写とかよく書けてていいね。

No.20 1点 まつや
(2002/08/01 23:08登録)
私の場合主人公に感情移入してしまうのだが、こんなに嫌悪感を覚えたのははじめて。ファンの方は怒るかもしれないけど、あえていうと「偽善」だよこれは。砂糖合戦の魔女の方がよっぽど人間らしくて好感が持てる。最後まで読むのが辛かった。

No.19 6点 流破
(2002/07/05 12:57登録)
年間300件以上の殺人事件に遭遇する浅見○彦とかと比べると肩の力を抜いて読めます。
でも、逆にこういうストーリは設定が難しいと思います。
事件を説明する円紫師匠が優しくて癒されます。

No.18 1点 ポトリス
(2002/06/09 00:40登録)
別に殺人が起きなくてもいいですが、「本格作家」と言われて読んでびっくり。何が起きるのかというワクワク感、クライマックスに近づく高揚感、爽快な読後感のいずれも全くなし。俺にとっては大ハズレだった。

No.17 10点 テツロー
(2002/06/06 01:06登録)
 下の方々の書き込みで「私」に対する評が厳しい事に、少々驚いた。いや、「砂糖合戦」のあの犯人(?)と比べてごらんなさい。悪魔に対する天使に見えません?(笑)それが無くとも、文学嗜好があって、寄席に自分で通える女の子なぞ、僕にとってはツボなのです。…どうでもいいことですけどね。

 ミステリとしては「織部の霊」の解決がまず見事だと思った。不可能興味の謎を解き明かすロジックが、一番上手くはまっていた。「砂糖合戦」に隠れて、あまり評価の対象になってないのが惜しい。もちろん「砂糖合戦」も良いし、収録作全て秀逸だと思う。
 何より、最初読んだ時は、普段読んでいるミステリとあまりに違う筆運び、情景描写に、素直に感動した。バックグラウンドに古典文学作品(落語の演目も含む)のペダントリーを散りばめているところが、心地良い感じがする。読んでもいない作品が多いが、それは関係無く、静けさを醸し出しているように感じるのが良いと思う。
 「日常の謎ミステリ」というジャンルで後に続く人々もたくさん輩出されているが、この作品集が今もやはりトップだろうと思う。

No.16 10点 alchera
(2002/05/13 23:54登録)
久々に読み返してみて、心から「やっぱりいいなあ・・・」と思いました。文章が美しい。やはり本をたくさん読んでいる人は違う。このシリーズ読むとなんでもないところで泣いちゃうんですよねー、琴線に触れるんでしょう。
でもミステリとして読んで認められないと言う人はいるだろうな、と思います。あえてミステリと分類する販売方法がちょっともったいないです。

No.15 1点 ごま
(2002/01/22 00:51登録)
評価が分かれるとは思いますが、私には合いませんでした。あんな女子大生ホントに居たら、殴ってやりたい。

No.14 8点 ミコ
(2001/10/11 15:32登録)
ミステリでありながら、読むとホッとするという不思議な作品。これで北村薫にハマッた。

No.13 8点 BEAN
(2001/09/21 01:36登録)
「日常の謎」を扱った本格の中では、他とは比べ物にならない。
必要以上に人物を中心にストーリーが描かれているが、それも北村薫の作風の良い点でしょう。

No.12 6点 ケイスケ
(2001/08/28 08:12登録)
「名作、名作」って思って読んだ為か、ちょっと・・・。
でも、ほのぼのしてよかったです。

No.11 8点 ぽん
(2001/08/12 01:01登録)
友人に勧められて読んだが、このタイプのミステリは初めてでした。こういう日常のありふれたこともミステリになるのかと目から鱗でした。

No.10 5点 pon
(2001/07/24 03:32登録)
ミステリのふり。俺なら幼稚園が開いてから、帽子をかぶって、園児と写真を撮るね。どうしてそれじゃいけない?

No.9 7点 tenkyu
(2001/07/03 01:54登録)
『砂糖合戦』は秀逸の一言。勿論他の短編も良作揃いの短編集。なんてった優しいっすよ。

No.8 9点 Nakatz
(2001/06/04 11:22登録)
それぞれの作品の配置が秀逸でしょう。最後に「空飛ぶ馬」で、「ぐっ」と
来ます。なんて優しいんだろう・・・。

No.7 9点 れん
(2001/06/02 18:01登録)
「赤頭巾」の後だっただけに、ラスト「空飛ぶ馬」の読後感が最高だった。「私」のような女子大生ほんとにいたら
イヤミだけど、頭が良い為に「かわいくない女」という前提で書かれてるからオーケー。

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