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ミステリの祭典

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掌の中の小鳥

作家 加納朋子
出版日1995年07月
平均点6.93点
書評数14人

No.14 6点 ボナンザ
(2020/09/22 10:39登録)
これは日常の謎系の短編集の中でも上位の内容だと思う。
ななつのこではややこなれていない感じがあったが、すっかり小説家として大成した感じ。

No.13 6点 白い風
(2013/08/28 21:13登録)
加納さんのお得意の日常ミステリーですね。
それに大人の恋愛が加わって小説としても楽しめました。
大きな事件などは起きないけど、推理自体はキレがありミステリファンの納得できると思う。

No.12 7点 E-BANKER
(2012/10/14 21:10登録)
1995年発表。「ななつのこ」「魔法飛行」に続く連作短編集。
「加納朋子らしさ」を堪能できる作品。

①「掌の中の小鳥」=本作品集の主人公の男性(冬城圭介)と女性(穂村紗英)が視点人物となり、2つのシーンが順に語られる。特に紗英視点でのお婆ちゃんの行動&トリックが心に残る。碁石の件は誰でも知ってるような気はするが・・・
②「桜月夜」=紗英の幼馴染みとの過去の事件に纏わる謎が主題。紗英が語る話の齟齬に瞬く間に反応する圭介だが、それを上回る「老紳士」の存在は・・・。ついでにバーテンダーまでねぇ。
③「自転車泥棒」=これは好編。ちょっとした伏線から事件(?)のからくりが明らかになる爽快感。これこそ短編の良さだろう。
④「できない相談」=またもや登場する紗英の幼馴染みと彼の仕掛けたトリック。トリック自体はよくある手だと思うのだが、使い方がうまい。
⑤「エッグ・スタンド」=本作の舞台となるバー「エッグ・スタンド」。今回は圭介がバーテンダーの泉さんへ悩み事を相談するという形式で進行。圭介の小学校の同級生が関係する事件を通じて、圭介と紗英を巡るラブストーリーもいい感じで・・・FIN。

以上5編。
いいね。これぞ作者にしか書けない作品世界だろう。
何より、人物の描き込み&造形が実に秀逸。読んでいるうちに自分が作品世界に迷い込んでしまってるような感覚。
ミステリー的に見ればどうかと思うのだが、日常の謎系の作品集の良さを詰め込んだ作品。

こういう作風が「嫌い」でなければ、一度手に取ってみては如何でしょうか。
(③④が実によい。他もまずまず。まっでも30歳超えたおっさんの読むものではないかも・・・)

No.11 4点 江守森江
(2009/08/16 12:12登録)
既読作品数が多い訳ではなく、違うテイストの作品を読んでいないだけかもしれないが「金太郎飴」状態的マンネリ感が拭えない。
しかも、肝心のミステリ部分も以前どこかで出会った気がするネタの寄せ集め感がある。
そのためか「ななつのこ」を読んだ時程の満足感は無かった。
そして、自分がミステリ読者として擦れてしまった事を痛切に感じてしまった。
そういった事から高評価出来なかった。

No.10 6点 ギザじゅう
(2004/11/28 16:46登録)
最初の一編は本格味が弱く、先が心配になってしまったが、それ以降はなかなか良く出来ていた。(特に「自転車泥棒」が)
 単なる連作かと思いきや、全作を通して「掌の中の小鳥」が描かれていたのには舌を巻いてしまった。日常というと北村薫を連想しがちだかが、北村薫とは違った別の視点が感じられた。

No.9 8点 なの
(2004/09/25 15:42登録)
事件らしい事件は殆ど起こらない『日常の謎』連作短編です。
加納さんらしい、とても暖かい物語で相変わらず読後感が爽やか。
紗英の魅力もさる事ながら、圭介の『自分はどこか欠けている人間』との思いに妙に共感。
きっと紗英はその隙間を埋めてくれるでしょう。

No.8 6点 884
(2004/01/13 23:38登録)
 相変わらず現在はすべて丸く収まってますね。少し普段より大人向けの加納朋子がここにいます。

No.7 8点 寝呆眼子
(2002/08/30 19:34登録)
下の方の書評通り、良質の「boy meets a girl」ミステリだと思います。個人的には「魔法飛行」の方が好きなのですが、加納さんの作品を人に薦める時には、こちらを選んでいます。

No.6 8点 AYABE
(2002/06/16 04:18登録)
ボーイミーツガールなところが好きだね。文章も相変わらずほっとさせるものだし。紗英最高

No.5 6点 okuyama
(2002/04/17 17:04登録)
まとまりが良く、軽ーーい感じで楽しめました。

No.4 8点 テツロー
(2002/04/06 23:57登録)
 「できない相談」は赤川次郎「三毛猫ホームズの追跡」、「エッグスタンド」はチェスタートン「奇妙な足音」を、それぞれ連想させるミステリでした。決してパクリという訳ではないが、何となく。
 それはともかく、全体的に「女心は分からん」と感じる小説だったと思います。僕が男だからで、女の方には別の意見があるんでしょうねえ(苦笑)。

No.3 6点 由良小三郎
(2002/01/18 20:12登録)
雰囲気のある文章で読みやすいのですが、いい連作というには、主人公たちの人間的魅力の点で若干のブレがあるような気がして、同じ名前の主人公が登場する短編集という気がするところが気に入らないのかも知れません。店の常連が、主人公たちの話を聞いて、謎を解明してみせるというのは、ありふれたパターンになってしまっていませんか。

No.2 9点 美来
(2001/08/03 11:21登録)
1作目と2作目以降のカラーがちがうので、最初、短編集かと思いました。とても良くできたムードのある作品。事件はすべて「語りだけ」で進み、解決されるのが楽しい。その「語り」のなかに、すべてが無意識に織り込まれているのね。女バーテンダー泉さんにあこがれ(^^)

No.1 9点
(2001/06/04 04:03登録)
二人の男女が惹かれあっていく過程などは読んでいてとても気持ち良かったです(^^)。
恋愛モノ好きかもしれない(笑)。
紗英のストレートな生き方がとても魅力的で好きです。

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