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ミステリの祭典

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伯母殺人事件
別題『伯母殺し』

作家 リチャード・ハル
出版日1957年01月
平均点6.00点
書評数9人

No.9 6点 クリスティ再読
(2018/12/03 22:36登録)
これ「トムとジェリー」みたいな話だな。ニート青年はいくら頑張っても伯母の手玉に取られっぱなしで、なんか情けなくなってくる....伯母さんあんた性格悪すぎるよ。
本作は「殺意」に学んで「ああいうものを書きたい」と思って書いた、というあたりがよく見て取れる作品なんだが、その分「殺意」には全然及んでいないようにも感じる。面白く読める、といえば読めるんだけどね。「殺意」のビクリー博士と妻ジュリアとの関係を拡大して書き直したようなものだから、トータルには「殺意」の影響作、ということでいいように思う。ま、わざわざ「三大」とまでする積極的な意義は感じないな。
「三大倒叙」という言い方すると、アイルズのもう一本の傑作だが「倒叙」の定義からは完璧に外れる「レディに捧げる殺人物語(犯行以前)」が霞むから、もう少しいい批評的枠組みがないものかな。

No.8 6点 あい
(2017/05/07 00:56登録)
ラストの展開は想像できたためあまり驚かなかった。事件部分が長すぎるため緊張感が続かなくて中だるみしてしまった。

No.7 6点
(2016/09/26 22:30登録)
久々に再読してみると、意外に倒叙していたんだなと思いました。ここで「倒叙」というのは、もちろんただ犯人の視点から書かれた小説ということではありません。それだけなら、たとえば本作の前年1934年に発表された『郵便配達は二度ベルを鳴らす』だってそうですし、その手の犯罪者の肖像を描いた小説はJ・ケイン以前にもずいぶんあります。ジャンルとしての「倒叙」は謎解きミステリを通常とは逆の犯罪者の立場から描いたものということなわけですが、ただ本作では、最終章で主人公がどんな犯行の証跡を残していたかということを語るのはソーンダイク博士やコロンボのような名探偵ではありません。読者にその結末を悟られにくくするためには、目次はない方がよかったでしょうね。
主人公のエドワードだけでなく、伯母もまたあまりお近づきにはなりたくない人物ですが、巻末解説によれば、そのような人物を描くのが作者の好みだそうです。

No.6 7点 斎藤警部
(2015/12/08 11:55登録)
粋な小品、私ァ好きだ。 三大の中では飛び抜けて締まった作品。 “倒叙”と単純に呼ぶのもナニですが。
味わいは長編というより中篇。珍重すべき古典。

No.5 6点 了然和尚
(2015/04/18 11:44登録)
一人称でニート青年の妄想的殺人計画となると、ライトノベルのような感じでした。(ライトノベルは読んだことないのですが)これが1935年の作品というのがすごいですね。翻訳1960年というのも古臭くない。オールドものらしく、本格的手がかりは少なからず混ぜられています。ユーモアを含んだ奇妙な味作品として佳作だと思います。

No.4 5点 蟷螂の斧
(2015/03/12 17:21登録)
アイルズの「殺意」、クロフツの「クロイドン発12時30分」と並ぶ、三大倒叙推理小説。倒叙ものの作品が少ない中で三大とは?と思いますが、”三大奇書”と同様で少ないから価値があるということでしょうか?。内容はシニカルなユーモア小説風です。こういった内容であれば短編のほうがいいような気がしました。サスペンスが好きなので、あまりのめりこむことができませんでした。お気に入りの点は、ラストの一行ですね(短編であれば高評価の部類)。

No.3 8点 ボナンザ
(2014/04/09 15:55登録)
三大の中では殺意同様皮肉なオチが有名。
ユーモラスで引き込まれる。

No.2 4点 ロビン
(2008/11/01 17:16登録)
三大倒叙物の一つ。
ああ、辛い。読むのが辛い。主人公にも腹が立つし、伯母や周りの人間にも腹が立つ。本来ならば、「ああ、この伯母は本当はいい人物だったんだなあ」と思わせたいのかもしれないけど、前半の主人公視点の部分を読んでいても、苛々とした気持ちにさせられるだけで、全然救いがない。やっぱり腹が立つ。まあ、これだけ感情を弄ばれたのなら、それだけ筆力があったってことなのかもしれないけど。
ちなみに、『伯母殺人事件』というタイトルが最大のトリックです。

No.1 6点 ElderMizuho
(2008/05/26 19:06登録)
素人の考える殺人計画と実行過程なんて突っ込みどころが多すぎる、という点を逆手にとって面白おかしく見せた小説
話し全体のタネは中盤には見えてきてしまうのが難点
というか初めからアレをアレしていた事にしてたほうが良かったと思う。
恥ずかしながらちょっと自分には痛い話でした

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