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ミステリの祭典

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ゼロの焦点

作家 松本清張
出版日1959年01月
平均点7.18点
書評数28人

No.8 5点 江守森江
(2011/03/03 06:50登録)
今度の日曜日にテレ朝で広末版映画の地上波初放送がある(毎度の事、映画館に足を運ばないので未見)
たまには映画を観る前に原作を読んでみよう!ってのはウソピョーン。
以前にドラマ版を何回か観てるし、中学時代に読んだ記憶もある。
当時はまだ童貞だったし男女関係(特に夫婦関係)に無関心な為ピンと来なかった(そんな印象のみ残っている)
いや〜再読したら思いの外楽しめてしまった。
もっとも、失踪した夫も《触らぬ神に祟りなし》で普通に新婚生活に没頭出来る努力をすべき(・・・・・・って、それじゃ作品が成立しない)だし、何故殺されなければならなかったのか理解不能な被害者が2人もいるし「サッサと警察に任せろよ!」的なラストの為のご都合主義まであって突っ込み所も沢山ある(結構アラ探しって楽しい)作品だった。
それでも2サス大好きな私なのでラストは絶賛して〆よう。

No.7 9点 seiryuu
(2010/11/07 15:23登録)
途中からなんとなく犯人がわかってしまったけど
ラストがうまくてじーんとしました。

No.6 7点 kanamori
(2010/07/29 20:34登録)
「東西ミステリーベスト100」国内編の15位は、清張2作目の登場。
夫の謎の失踪と妻の捜索行、さらには最後のクライマックス・シーンなど、プロットは多くの社会派サスペンスの追随作品を産み、もはや陳腐となってしまいましたし、犯行の動機も時代を感じます。
しかし、抒情的筆致による北陸の陰鬱な情景や主人公の心情描写は初期作品の中でも出色の出来だと思います。

No.5 6点 りゅう
(2010/04/12 06:17登録)
 戦後まもない時代の闇の部分に焦点をあてた社会派推理小説。
 文庫本の解説で、平野謙が本作品を犯人あてゲームのテキストとして検討しているのが興味深かった(松本清張は犯人あてを目的としておらず、ストーリーの展開上必要な最低限の人物しか登場させていないので、犯人あてゲームには不向きな作品だが。)
 謎を複雑にしているのは、行方不明となった人物のミステリアスな過去であって、犯人がこれといったトリックを使っているわけではない。
 相手のことを良く知らないまま結婚したり、警察や役場の職員が赤の他人に個人情報を簡単に漏らすなど、現在の常識から考えると不思議な箇所が多々あり、時代性が伺えた。
 小説としてみると、犯人の遺書を添えるなどして、犯人の心情を詳細に描写して終えるべきではなかったかと思う。

No.4 8点 STAR
(2010/02/26 15:59登録)
(ネタバレあり!)
松本清張生誕100周年記念で新装版が出ていたので、読みました。
日本の戦後混乱期から生まれている動機がうまく書かれていると思います。涙を誘います。
体を売っていた過去を人を殺してでも人に知られたくなかった犯人。最近は安易な理由で簡単に体を売ってしまう女性もいますよね。それを考えると悲しくなります。

次から次へと夫の過去が明るみになるのに、主人公の感情が書かれていないのが不思議。普通は怒ったり、傷ついたりすると思います。

No.3 8点
(2009/12/21 00:05登録)
今日2009年12月21日は松本清張生誕からちょうど100年目。というわけで、映画化・テレビドラマ化でもおなじみの代表作の評です。
作者らしい北陸地方の雰囲気を伝える叙情性あるストーリー展開ということでは、本作以上に有名な『点と線』よりも明らかに上だと思います。逆に論理的整合性では『点と線』に及ばないのですが。新婚早々の夫が金沢から失踪。不可解な失踪というのは、犯罪捜査のプロでない一般人が事件を探っていく立場になるきっかけとして自然です。そういう庶民的なリアリズムこそ、松本清張が重視したところでしょう。
失踪者の行方も失踪原因も全く不明なうちに、失踪者の兄が殺され、さらに…という筋の運びも興味を持続させてくれます。
そしてラスト・シーン、最後の1文がなんとも印象に残ります。「目を」「叩いた」ですからね、こういう表現を思いつくなんて、できそうでできないことでしょう。2時間ドラマの定番断崖ラスト・シーンのまさに原型であると同時に、追随者にはまねのできない厳しさが凝縮されています。

No.2 8点
(2009/05/15 12:44登録)
makomakoさんと同様、30年前に読み、数年前再読しました。なんど読み返しても受ける印象は同じです。
戦後の悲しさが全編を通して出ていて、その雰囲気は私の好みにピッタリです。
今年は生誕100年ということなので、清張をもう少し読んでみようかなと思います。

No.1 9点 makomako
(2008/08/30 18:28登録)
30年ほど前に読んだがいまでも最終場面は鮮やかに覚えている。人間の悲しさがそこはかとなく描かれていてすばらしい。

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