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ミステリの祭典

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七つの時計
バトル警視/別題『七つのダイアル』『七つの時計殺人事件』

作家 アガサ・クリスティー
出版日1956年01月
平均点5.25点
書評数8人

No.8 5点 虫暮部
(2023/12/07 13:54登録)
 冒険ごっこ、って感じ。死者が出ているにもかかわらずふわふわした若人達の言動。退屈のあまりロシアン・ルーレットが生まれた逸話を想起した。求婚が一番のサプライズ。この秘密結社の元ネタはGKC? とか勘繰り過ぎちゃいけないね。

No.7 5点 レッドキング
(2021/02/04 21:03登録)
題名からして本格もの?と期待させといて、読み始めたら「続チムニーズ館」で、まーたスパイ・秘密結社ものか、と辟易させながら、結局は、叙述・人間関係トリックものだった。多重に騙され、その分面白かったので点数1点オマケ。

※これで、アガサ・クリスティーの1920年代の全長編9作の採点修了したんで、
 私的「20年代アガサ・クリスティ」ベスト3(4)

   第一位:「ゴルフ場殺人事件」  
   第二位:「アクロイド殺し」 
   第三位:「七つの時計」
   同三位:「スタイルズ荘の怪事件」 

No.6 6点
(2020/03/17 22:53登録)
本作にも叙述トリックが仕組まれていることは、訳者あとがきなどで最初からわかっていたのですが、ナンバー7の正体には驚かされました。途中である登場人物に、セブン・ダイヤルズ組織について「なにもかも小説で百ぺんも読まされたことばかりだ」と言わせて、笑わせてくれるのですが、このオチには完全に騙されました。窃盗未遂事件の真相は見当がついても、それと組織との関係がうまく結びつかないままだったのです。
ただ、最初の死亡事件でマントルピースの上に並べられていた7つの目覚し時計の意味は、拍子抜けですし、上記ナンバー7の件も、意外ではあるものの、訳者あとがきにある「気持ちよくだまされた」という感じにそれほどならないところはあります。
なお、『チムニーズ館の秘密』の続編とも言われますが、話は全く別で連続性がなく、どっちを先に読んでもかまわないと思います。こっちの方がバトル警視が名探偵らしいです。

No.5 5点 nukkam
(2016/08/19 15:14登録)
(ネタバレなしです) 1929年発表の本書は「チムニーズ館の秘密」(1925年)の続編にあたる作品で、バトル警視をはじめ何人かの登場人物が共通していますので(前作とは独立した物語ですが)できれば前作を読んでからこちらに取り掛かるのを勧めます。スパイ・スリラー小説に属する作品ですが本格派推理小説の要素も十分に持っており、謎の組織「セブン・ダイヤルズ」の実体解明と殺人犯探しの両方でクライマックスが用意されています。ケイタラム卿親子が実に楽しいキャラクターぶりを発揮しています。

No.4 5点 斎藤警部
(2015/10/14 12:33登録)
眞犯人を記録的秒殺で当てた事以外、何も憶えてません。透けて見える様な叙述トリックでした。
読んでる間は割と面白かった筈です、青春サスペンスってな風情だけど、若くして殺されちゃっちゃあ人生もあったもんじゃないね。まぁ最後の反転はなかなかの物だけどね。何故かびっくりしないの。わざわざ人に薦めはしませんよ。題名で鮎哲の「五つの時計」を思い出す分0.14プラスしますが、四捨五入で6点まで行きませんね。

No.3 3点 クリスティ再読
(2015/10/13 21:22登録)
バトル警視その5。
本作わりと面白く読めた「チムニーズ館の秘密」の続編っぽい作品で、登場人物も5人くらい共通する作品だが...「チムニーズ」の好いところが続編のクセに全然なくなっちゃってる。

「チムニーズ」はこれでもか!と丁寧にミステリ的な伏線を引いて、バレても笑って許せる力感とスケールがあったけど、本作は悪馴れした感じのタダのキャラ小説。昔MGMの社是が「大きく正しく上品に」だった、という有名な話があるけど、この真相だとエンタメのキモである「大きく」が実現できないんだよね。「チムニーズ」は大甘のロマンスだけどしっかり「大きく」は押さえていたわけで、それがあるから「バレてもいいじゃないか」と笑って許せたわけだが、本作の真相は意外かもしれないが、ハッキリとショボい。これじゃ学芸会というものだ。

評者本作で一番面白かったのが、俗物官僚がヒロインの策の副作用で、ヒロインにプロポーズする勘違い。これじゃあ仕方がない...クリスティでも底辺に近い作品だと思う。

No.2 7点 あびびび
(2012/02/13 18:07登録)
クリスティ初期の作品らしいが、そんな香りが漂ってくる。セブン・ダイヤルという秘密の組織があって、その会議の秘密を暴こうと、怖いもの知らずの若き女性が戸棚の中に隠れて様子をうかがうシーンは苦笑するしかない。

しかし、最後はいつものどんでん返し。何も考えず、ノンストップで読んでしまうので、いつも作者の策略にはまってしまう。それがまた楽しく、次の作品が待ち遠しい。それにしてもなかなか犯人が当たらない。最近5冊読んで分かったのは1作だけだった。

No.1 6点 江守森江
(2010/01/03 20:38登録)
ポアロもマープルも登場しない青春冒険活劇だが、スパイ擬きな犯人だけでなく、正体不明な組織セブン・ダイヤルズ・クラブの七時(首領)当てと楽しみが2つある。
特にクラブと七時の正体はクリスティーらしい意外さで楽しい。
青春ドタバタ風味なドラマも楽しく観れる作品に仕上がっているので、其方から先に入っても良い。

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