ぼくらの時代 栗本薫 |
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作家 | 栗本薫 |
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出版日 | 1978年09月 |
平均点 | 5.22点 |
書評数 | 9人 |
No.9 | 7点 | 虫暮部 | |
(2023/01/26 13:07登録) これはミステリの形をした別の何かだと思うのである。だから、真相は物足りないけれど、それはたいした問題ではない。寧ろ時代を切り取るための必然。 理屈と膏薬は何処にでも付く、と言うとちょっと違うか。誰にでも何がしかの言い分があって、それが正しくはなくとも、これしかない! と成り立つ瞬間がある。栗本薫はそれをほじくり出すのが抜群に上手いので、ついついラストでグッと来てしまう。 本人の言う “美しさということを知っている人が書くのと、そうでないのとで決定的にちがってくる” とはそういうことかな、と思った。 |
No.8 | 5点 | ミステリ初心者 | |
(2018/12/13 19:53登録) ネタバレをしています。 自分にとっての栗本薫といえば、グインサーガです。120数巻は読んでいました(関係ない話ですいません)。 かなり文が読みやすく、すぐに読み終わりました。かなり意外な結末で、予想ができませんでした。 ただ、共犯者がかなり多く、自殺とその幇助?が結末だったため、そのためトリック的なものはなく(何でもできる)、あまり本格推理小説といった感じではありませんでした。 事件の中心人物の記述による、重要な部分を伏せて謎に見せるトリック(叙述トリック?)は、他にもたくさんあり、いまさら感があります。 この小説での一番の魅力は、自殺者たちの理由と、"ぼくら"の狙いだと思います。が、自分にはあまりハマりませんでした…。 あと、第一の自殺は自分で刺したんですよね? しかも一撃死ですよね? あれって、できるものなのでしょうか? 普通に考えると、あまりにも難易度が高い殺人だったため、"もしや自殺?"と一瞬頭をよぎったものの、"自分で背中をさせるわけがない"と思い、すぐ却下してしまいましたw こてこての本格が好きな私としては、密室が一番面白かったです。ただ、それも、犯人の意図しない密室でしたが。 |
No.7 | 3点 | あびびび | |
(2015/10/31 15:54登録) この世代を知っている者として、読まなければいけないと感じて手にしたが、動機と真相はもうひとつ共感できなかった。半分、クリスティーの「アクロイド殺し」のような手法だが、これも中途半端な感は否めなかった…。 22歳で「ガキ」と、はっきり区別できるのだろうか? |
No.6 | 5点 | ボナンザ | |
(2014/10/25 00:44登録) 今となっては彼らの時代だが、アイディアとしては悪くないし、時代性を濃く反映した良作だと思う。 |
No.5 | 7点 | wonda | |
(2014/05/16 20:42登録) 動機とか今の人に理解できるのだろうか? 某アイドル自殺より前に書かれた作品だけど、こんなことでああいう事態になるのは自分が読んだ80年代ではリアルに感じられた。 後に社会問題となった実際の一連の出来事で、この動機はアリと証明されることになる。 |
No.4 | 5点 | nukkam | |
(2013/02/12 21:29登録) (ネタバレなしです) 100冊を超すファンタジー小説の金字塔グイン・サーガシリーズを筆頭に400冊もの作品(評論やミュジカル脚本もある)を残した栗本薫(1953-2009)の小説部門第1号が1978年発表の本書です。小峰元の青春推理小説に影響を強く受けており、飄々とした若者描写が時に軽妙な雰囲気を演出しますが、謎解きは結構複雑に考えられており気を抜くと混乱します。とはいえ本格派推理小説としてはこの真相はお気に召さない読者もいるかもしれません(実は私もちょっと...)。動機の説明に力を入れており、この動機は色々と考えさせられます。 |
No.3 | 6点 | 測量ボ-イ | |
(2012/02/04 20:29登録) 主にSF作家として知られる氏の作品を読んだのは2作め。 これって、乱歩賞受賞作品なのですね。 前半の事件の真相は、まあ可能性の一つとして考えてはい ましたが、この解決だと「やられた!」感が薄くなるのが やや残念。 後半の密室は多分こうなんだろうなと考えていました。 主人公の若者が世代の違う大人達とのやりとりが描かれて いますが、この作品が書かれたとき(昭和53年)僕はまだ 中学生、でも今は若者に苦言を呈する刑事達の年齢になっ てしまっているですねえ。 時って残酷(苦笑) |
No.2 | 5点 | kanamori | |
(2010/08/02 17:27登録) 青春ミステリ、”ぼくら”シリーズの第1作で乱歩賞受賞作。 ぼく(栗本薫)ら学生ロックバンド仲間が、テレビ局でアルバイト中に殺人事件に遭遇。 軽妙な若者言葉で進行する物語は、当時新鮮ではありましたが、本格ミステリとしてはあまり面白味のない内容でした。 |
No.1 | 4点 | nobiinu | |
(2010/03/23 01:34登録) 私の生きてきた時代とはちょっとズレが大きすぎた。主人公が事件について記述しているという文章の形式もアンフェアな感じがした。真相にはそれなりに驚いたが、人が死んだと言うのにラストの爽やかさはちょっと・・・・・・ |