スマホを落としただけなのに 「スマホを落としただけなのに」シリーズ |
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作家 | 志駕晃 |
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出版日 | 2017年04月 |
平均点 | 5.50点 |
書評数 | 8人 |
No.8 | 5点 | バード | |
(2020/08/03 21:59登録) 現代人に強く刺さるタイトルが気になり、チャレンジした。 しかし感想は、タイトルから連想される以上のインパクトは無かった、というところ。ネットセキュリティ意識の低い人にサスペンス的な恐怖を与えるために、より恐ろしい事件にしても良かったと思う。 また、犯人による実被害(富田のスマホがランサムウェアでやられる)が出るまでに204ページも読まされ、微妙にテンポが悪いと感じた。この手の犯人が用意周到なのは当然だが、じれったい。加えて、進展の少ない警察の捜査にそこそこページ数を割いており、これもテンポ悪化の一因になっていた。 ただ、スピード感はいまひとつだったものの、次の展開を気にさせる筆力があり、総合的には悪くないサスペンスという印象。 |
No.7 | 5点 | E-BANKER | |
(2020/07/27 21:14登録) たまにはこういうはやり物(?)でも読んでみようかということで・・・本作。 第15回このミステリーがすごい大賞の最終選考作品。映画もすでに続編が!(何で?) 2017年の発表。 ~麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体がつぎつぎと発見され・・・~ これだったら、このミス大賞応募時のタイトル=「パスワード」の方がよかったな。 とにかく「パスワード」である。 今どきスマホのロックを「1111」とか誕生日で設定している奴なんているっていう設定がビックリ。 本作でも、スマホのセキュリティロックを外されたばっかりに、フェイスブックを乗っ取られるは、ヌード写真を盗まれるは、とにかくエライ事態に陥ることになる。 考えてみたら、なんて脆弱なセキュリティなんだろう。 確かに日常の我々の生活の中で、あらゆる個人情報が今やスマホの内部に握られていることになる。 それがどうだ! ちょっとした失敗でスマホを落としただけで、考えられる限りの不幸の連鎖・・・ いやぁー怖い、怖い。 考え直さなければならないな。いろいろと。 いやいや、前置きが長くなりすぎた。 「面白い」or「面白くない」でいえば、「面白い」に旗を揚げる。 もちろん瑕疵は満載。プロットも上滑り感タップリ。 でもまぁ、こういうのもアリかなと思う。 |
No.6 | 6点 | VOLKS | |
(2019/04/28 10:20登録) スマホ、落としちゃいけない! と、強く思いました(笑) とても怖かったです。 アングラ部分のアレコレなどは熟知していないので、実際にはどうなのかよくわからないけれど、少なくともこの小説の中では本当に怖い世界の第一歩です。 昔は、ネットは自宅のパソコンで、でしたが、今は、常に携帯しているスマホで、が常識。 今の時代に出てくるべきモノなんだな、と思いました。 面白かったので一気に読んでしまいましたが、これは映画の方が(文字よりも映像の方が、という意味で)より楽しめたかもしれません。 まだ観ていないので、そのうち観てみようと思いました。 |
No.5 | 5点 | HORNET | |
(2018/12/31 13:36登録) 現在映画になっている話題作で、知り合いも「面白かった」(本の方ね)と褒めるので読んでみた。 よいのはリーダビリティが高く、サクサク読めること。ものの半日で読める。物語の筋が無駄なく書かれている感じの展開なので、ずっと話が動き続けていて、だから「一気読み必至」と評価されるのだろう。 スマホ、アプリという、今や世に蔓延している現代的なツールを題材としているこうしたミステリは、出てきて然るべきモノだったのだろうと思う。たまにしか本を読まないような人でも手が伸びるような類のモノだと思うので、これをきっかけにミステリにハマってくれるといい。 ハッキングやらなりすましやらの仕組みはほとんどわからないが、謎の本筋はそういうメカ的なものではない、通常の仕掛けだったのでよかった。 ミステリの面白さとしては、平均的かな。 |
No.4 | 6点 | 蟷螂の斧 | |
(2018/12/02 15:57登録) (ネタバレあります。)スラスラと読め楽しめました。ただ、チグハグした点(印象)があります。一つは犯人像が失敗では?という思いです。当初、彼女と付き合ってみたいという犯人の思いからスタートします。その為に色々工作をするわけですが、実はサイコキラーであったということです。サイコキラーなら、さっさと彼女を拉致して目的を達成すれば?と思ってしまいます。本書の目的は、落としたスマホから徐々に秘密を覗かれていくという恐怖感を描くことにあると思います。そして読者はどのような方法で犯人は彼女を自分に惹きつけようとするのか?と期待するはずです。結局、犯人がサイコキラーなので、色々な工作が無駄であったような気がして残念でなりません。いわゆる犯人像に関するギャップです。もう一点は、彼女の秘密が明らかにされるのですがインパクトがありません。秘密が暴かれるのではないかという心理描写がもっとあれば、ラストのどんでん返しが生きてきたと思います。非常に勿体ないです。なお、北川景子さん主演で映画化(未観)されており、彼女をイメージしながらの読書となりました(笑)。 |
No.3 | 6点 | haruka | |
(2018/11/01 22:22登録) SNSによって犯人に追いつめられる過程はなかなかサスペンスフルで読み応えありました。真犯人がわかりやすいとか、警察の捜査がリアリティに欠けるといった欠点はあるんでしょうが、面白かったです。 |
No.2 | 5点 | 人並由真 | |
(2018/03/19 17:31登録) 中盤の展開上の重要な局面で、あまりにも大きな偶然が作用しすぎているんじゃないかと。つまらなくはないが、ありふれたサイコサスペンスという感じでした。悪い意味でマンガみたい、と言ったら、よくできた漫画やアニメに失礼か。 |
No.1 | 6点 | メルカトル | |
(2017/04/10 22:12登録) まず最初に書いておきたいのは、解説に関して。解説は五十嵐貴久氏が担当していますが、氏は本作をとんでもなく絶賛しています。そして革新的な、あるいは画期的な傑作と断言します。読者はこれを真に受けないほうが賢明だと私は思います。 構成はよくあるパターンを踏襲しており、これは過去のミステリ作品群を参考にしているのは明らかです。目新しいと言えるのは、フェイスブックからある人物を特定していく過程ですかね。それ以外は既視感ありありの使い古された手法で描かれた、むしろよくありがちな普通のサスペンスだと思います。 「志駕以前、志駕以降」というのは、あまりに過度な賞賛ではないでしょうか。本が売れれば何を書いてもいいというものでもないですよね。これではまるで志駕氏が綾辻や京極のような存在になると言っているようなもの。流石にそれはないでしょうよ。 まあしかし、それなりに面白い作品であるのは間違いないです。そこは認めますが、色んな意味でまだまだ未熟さが目立ちます。誤字が二か所、日本語の文法が間違っているのが何か所かありますし、文章も上手とは言えません。また、捜査陣の描き方が杜撰であったり、おかしな発言が見受けられたりします。 期待度マックスだっただけに、拍子抜けというか、やや残念な思いは拭えません。 |