皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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22821. | RE:RE:見立て殺人の理由の必然性について りゅうぐうのつかい 2018/06/18 18:24 [雑談/足跡] |
空さんへ 『犬神家の一族』、『獄門島』、『悪魔の手毬唄』、『りら荘事件』、『11枚のとらんぷ』は随分前に読んでいるので、残念ながら細部までは覚えておりません。 また、都筑道夫氏の評論は読んでいません。 「『ABC殺人事件』は横溝正史と似た考え方」と書かれているのは、殺人事件の連続性の示唆と次の事件の予告という意味でしょうか。 確かに、『犬神家の一族』は見立てに意外な理由があって、なおかつ、その理由が推察しづらいものなので、見立て殺人に理由があって成功している作品と言えるかもしれません。 密室のことを引き合いに出されていますが、確かにそうなんですよね。 密室も見立ても、作成するのに時間がかかるので、わざわざやる必要は本来ありません(密室の場合は結果としてそうなったという場合もありますが)。 さらに、密室の場合はその部屋の構造に詳しい人物であるというヒントを与えかねません。 密室殺人は、読者の興味を引くために作者が不可能状況を作り出して示すという作者側の意図で生まれたものであり、犯人側の意図で生まれたものではないと思います。 見立て殺人には理由が必要と言っている人は、なぜ、密室殺人でも理由が必要と言わないのでしょうか。 『ダブル・ダブル』は未読なので、近いうちに読んでみたいと思います。 |
22818. | RE:見立て殺人の理由の必然性について 空 2018/06/18 00:23 [雑談/足跡] |
りゅうぐうのつかいさんへ 見立て殺人ですか… 『犬神家の一族』の見立てには、意外な意味がありましたね。また見立てとはちょっと違うでしょうが、『ABC殺人事件』は横溝正史と似た考え方を小説構成に巧みに取り入れた例でしょう。これも見立てとまでは言えませんが、死体にトランプを添える『りら荘事件』。『11枚のとらんぷ』の見立て理由にはそれほど感心しませんでしたが。小説として成功しているかどうかはともかく、クイーンの『ダブル・ダブル』には、やはりこの作者らしい論理があります。 都筑道夫は『獄門島』を『悪魔の手毬唄』より必然性の点で高く評価していましたが、その理由は犯人が殺人計画を立てる状況を考えると、『獄門島』の見立ての方が、そんなことを考えてもさほどおかしくない設定だからのようです。この見立てを行うことによる犯人の損得勘定とでもいうか、主観的なものでもいいのですが、常識的に見て損の方が大きいだろうということになると、不自然ということになるかと思います。これは密室づくりなんかでも同じことが言えるでしょう。 |
22817. | RE:見立て殺人の理由の必然性について nukkam 2018/06/17 23:17 [雑談/足跡] |
> [ りゅうぐうのつかいさんのコメント ] これまでに見立て殺人に理由があって、成功している著名な作品があれば教えていただきたいのですが。 > りゅうぐうのつかいさんへ こんにちは。クリスティーが大好きなのでりゅうぐうのつかいさんの感想を楽しく読まさせてもらってます。見立て殺人とは面白そうなところに着目されましたね。まるで幽霊や呪いによって死んだかのような事件を扱ったジョン・ディクスン・カーのミステリーやコナン・ドイルの「バスカヴィルの犬」も1種の見立て殺人でしょうかね?小説に書かれた筋の通りに事件が起きるのも見立てと解釈するならエラリー・クイーンの「Yの悲劇」も堂々たる見立てですね。マイケル・イネスの「ストップ・プレス」は微妙。見立ての元が何なのかが具体的に伝わってないので(私の理解不足かもそれませんけど)。密室ならカーの「三つの棺」の密室講義を筆頭に色々な人が密室にする理由や手段について研究してるのをいくつか読みましたが、見立て殺人についてそういうのがあれば一度は読んでみたいです。あっそうそう、理由の必然性ですけど私はあまり気にしませんです。賛否両論ありそうな理由の方が捜査を混乱させるためという夢もロマンもない理由よりはいいですが(笑)。 |
22812. | 見立て殺人の理由の必然性について りゅうぐうのつかい 2018/06/17 17:14 [雑談/足跡] |
『悪魔の手毬歌』の最近の書評を見ると、本作品の見立て殺人に意味がないと書かれている人が続いていますが、「はて?」と大きな疑問を持ちました。 過去のこの作品の書評にあるように、この作品にはある意味、見立てに十分な意味があると思いますけど。 このサイトで一番評価の高い『そして誰もいなくなった』の方が、見立てに関しては全く意味がないと思います。なぜ、『そして誰もいなくなった』の方でそういう指摘がないのでしょうか? また、見立てのパイオニア的な作品である『僧正殺人事件』も見立てに何か意味があったでしょうか? どちらの作品も随分前に読んだので、私の勘違いかもしれませんが。 そもそも、見立てに理由が必要とは、どういうことなのでしょうか。 kanamoriさんが『獄門島』の書評で、「作者の”見立て殺人”は、もう歌舞伎などの古典芸能と同じ様式美の世界ですから、必然性の有無など関係ありません」と書かれているのが、個人的には一番しっくりくる言い分だと思いました。 見立ては、犯人の自己顕示欲であったり、美意識であったり、捜査のかく乱であったり、犯人の誤誘導であったり、その程度の理由で十分だと思いますけど。 逆に見立てに必然性があったりしたら、それが手掛かりになって逆効果であり、やる意味がないと思いますけど。 見立て殺人に理由が必要と書かれている人にお願いしたいのですが、これまでに見立て殺人に理由があって、成功している著名な作品があれば教えていただきたいのですが。 |