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37473. | RE:RE:おっさん様 「江戸川乱歩トリック論集」ご返信ありがとうございます ≪人並由真 人並由真 2024/12/30 02:40 [雑談/足跡] |
おっさん様 丁寧なご返信、ご説明ありがとうございます。 > ご指摘を受け、当方も記憶の奥底から浮かび上がるものがあり、書庫から一冊の本を探し出してきました。『刑事コロンボ⑫ 第三の終章』(二見書房 サラブレッド・ブックス 1974)です。このシリーズ第2期配本分は、巻末で、ホストの石上三登志氏が、毎回別なゲストと「コロンボ談義」を繰り広げる趣向で、この回に登場したのが、映画評論家の双葉十三郎氏でした。 この辺は全然知りませんでした! さすがおっさん様です! お話を伺うたびに、啓蒙されます。 しかし双葉先生、もはやその話題は自慢の持ちネタのようですね(笑)。 > 問題の作品は、邦訳の初出こそ『ミステリマガジン』1976年1月号ですが、じつは原作の初出は、本国版 EQMM の1953年2月号です。なので、「生前の乱歩の認識の範疇に関係ない」作品ではあったかもしれませんが、、厳密には、「まったく後年のもの」とは言えません。 ……あらら、そうでしたか。これは失礼しました。該当のHMMや河出文庫『ホームズ贋作展覧会』(たしかあの短編、これに入ってますよね)を探して引っ張り出すのも億劫で(汗)、ネットで短編の書誌データを調べましたが、原書の初出を見落としていたようです。比較的近作の、1970年代の向こうのオタクのミステリファンのパロディ作品と思ってました。 となるとおっさん様のおっしゃるように、確かに双葉氏が1950年代から原書で当該の短編を読んでいた可能性はあります。自部自身、最初にあの短編をHMMで読んだときには「あ、このトリックは!」と思ったものですが、いやはや、もしかしたらとんでもなくややこしい経路が、伏在している可能性もありますね……。 いや、ご説明ありがとうございました。 おっさん様からお話をお聞かせ願うたび、その深い含蓄のなかにいつも 多大に得るものがございます。今回もありがとうございました。 今後ともどうぞ宜しくお願い致します。 こちらこそ、どうぞ良いお年をお迎えください。 (他の本サイト参加者の皆様も。) 人並由真 拝 |
37469. | RE:おっさん様 「江戸川乱歩トリック論集」のレビュー拝見しました ≪人並由真 おっさん 2024/12/29 08:48 [雑談/足跡] |
人並由真様 コメントを有難うございました。 > との話題が出てきて、たぶん<殺人の後に(中略)する、あのトリック>のこと を言ってるのだと思います。 ハイ、その認識で間違いありません。 > で、<あのトリック>は、乱歩が「双葉十三郎から聞いたハーバート・ブリーンの何かの作品のトリック」と認識し、記述していたハズですが、実際はハーバート・ブリーン創意のトリックでもなんでもありません。 > あれは実は<双葉十三郎の思い付きで創作のトリック>です。 ご指摘を受け、当方も記憶の奥底から浮かび上がるものがあり、書庫から一冊の本を探し出してきました。『刑事コロンボ⑫ 第三の終章』(二見書房 サラブレッド・ブックス 1974)です。このシリーズ第2期配本分は、巻末で、ホストの石上三登志氏が、毎回別なゲストと「コロンボ談義」を繰り広げる趣向で、この回に登場したのが、映画評論家の双葉十三郎氏でした。 対談中、話題が、過去に双葉氏が制作に関わっていたTVドラマ「日真氏飛び出す」(1955年4月9日~1962年7月14日)に及び、あれは本格物だったということから、ドラマ用に双葉氏が考案したトリックの話になります。 双葉 それから、これは江戸川乱歩さんにも話したことがあるんですが、やはり密室のトリックで(中略)……これはボツになっちゃいましたが(笑)。 石上 なるほど(笑)。そりゃ奇想天外だ。 「日真名氏」のスタート時期は「類別トリック集成(1953・9~10)」の発表よりあとですから、矛盾しますが……長年温めていて乱歩にも喋ったことのある大ネタを、ドラマに使おうとして、結果、没になったということでしょうかね? 乱歩の中でどうしてハーバート・ブリーンと結びついたのかは謎です。 > あとそのトリックは「[実際はW・ハ××××××××]」のものと載ってるそうですが、その[実際はW・ハ××××××××]の該当作品は1970年代のもので(どの作品のことを言ってるかは、自分にもすぐわかります) 問題の作品は、邦訳の初出こそ『ミステリマガジン』1976年1月号ですが、じつは原作の初出は、本国版 EQMM の1953年2月号です。なので、「生前の乱歩の認識の範疇に関係ない」作品ではあったかもしれませんが、、厳密には、「まったく後年のもの」とは言えません。 邪推するなら、双葉氏の「認識の範疇」にあった可能性は、ゼロではありません。つまり、ミステリ好きの双葉氏が英語で問題の作品を読み、そのアイデアを自分のもののように語った(騙った)ケースです。まだ日本語版 EQMM なんてものが存在しない時代です(創刊は1956年)。この人の英語力は、説明不要ですよね。そして、余技の短編ミステリ実作で、ある海外長編(当時、未訳)のメイン・トリックを丸パクリした前科もあるわけで…… ま、止めておきましょう。真相は藪の中です。 ともあれ、このへんも踏まえた「注釈版 類別トリック集成」を完成できるのは、やはりシンポ教授をおいて他にないと思います(でも教授、今回、ゲラに目を通しても、編集者に何も言ってあげなかったのか……)。 悪口で終わるのは でも、本意ではありません。採点9点はハンパじゃないのです。 この『江戸川乱歩トリック論集』が「一読する価値のある新刊」であることは、全力で保証します。 いつか、人並さんほか、皆さまの書評が登録されることを、楽しみに待ちながら―― 少し早めの一言で、締めるとしましょう。 それでは、良いお年を! おっさん拝 > [ 人並由真さんのコメント ] > おっさん様 > > こんにちは、です。 > > 本日の「江戸川乱歩トリック論集」のレビュー 楽しく拝見しました。 > > 当該の文庫新刊はまだ手に取ってもいませんが(汗) > いろいろと含蓄のありそうな内容で読むのが楽しみです。 > > ちなみに > > @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ > あるいは、「たしかハーバート・ブリーンの作だったかと思う」という乱歩の文章に、わざわざ「たしかハーバート・ブリーンの作だったかと思う[実際はW・ハ××××××××]」と注をつけるのであれば、もっと踏み込んで、[実際はW・ハ××××××××。後年、乱歩自身も長編で試みる]くらい書いてもいい。このへんは、全面的にシンポ教授に監修してもらうべきではなかったか。 > > @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ > > との話題が出てきて、たぶん<殺人の後に(中略)する、あのトリック>のことを言ってるのだと思います。 > で、<あのトリック>は、乱歩が「双葉十三郎から聞いたハーバート・ブリーンの何かの作品のトリック」と認識し、記述していたハズですが、実際はハーバート・ブリーン創意のトリックでもなんでもありません。 > あれは実は<双葉十三郎の思い付きで創作のトリック>です。 > > というのは、日本語版ヒッチコックマガジンのどこかの号のコラムエッセイのなかで、小林信彦がブリーンの邦訳されている作品を全部読んだけど、該当例がない、そこで双葉本人にブリーンのどの作品ですか? と尋ねたところ、双葉が「実はあれはワシの創作じゃ」とタネ明かしされたという逸話が載っています。 > > あとそのトリックは「[実際はW・ハ××××××××]」のものと載ってるそうですが、その[実際はW・ハ××××××××]の該当作品は1970年代のもので(どの作品のことを言ってるかは、自分にもすぐわかります)、> あとそのトリックは「[実際はW・ハ××××××××]」のものと載ってるそうですが、その[実際はW・ハ××××××××]の該当作品は1970年代のもので(どの作品のことを言ってるかは、自分にもすぐわかります)生前の乱歩の認識の範疇に関係ない、まったく後年のもので、乱歩の発言の註釈に入れるのはオカシイんじゃないかあ、と思います。 > だってタマタマ、そこで話題にされたのと同じトリックが偶然に後年、創意されただけですよね? 「実際は」もクソもない。のちのちに無関係に新登場した作品じゃ。 > 要は、乱歩の生前の時点では、双葉十三郎の思い付きのバカミス風トリックのアイデア以外、どこにもそんなトリックを使った作品は「実際には」なかったのですから。 > > 以上、未読の人のネタバレにならないように、気を使うだけ使って書きましたが、こちらの言いたいことが伝われば幸いです。たしかに註釈のチェックの意味でも、一読する価値のある新刊のようにも思えてきました。 > > > 人並由真 拝 > > > |
37462. | ゴア大佐の推理- リン・ブロック 弾十六 2024/12/28 19:26 [雑談/足跡] |
翻訳が2024-03-24に修正されていることを今日初めて知りました!(私の感想文に追記しました) それはともかく真田啓介さんの 真田啓介ミステリ論集 古典探偵小説の愉しみⅠ〔増補版〕 フェアプレイの文学 真田啓介ミステリ論集 古典探偵小説の愉しみⅡ〔増補版〕悪人たちの肖像 が発売されてるじゃありませんか! 素晴らしいクリスマス・プレゼント! |
37459. | おっさん様 「江戸川乱歩トリック論集」のレビュー拝見しました ≪人並由真 人並由真 2024/12/28 18:11 [雑談/足跡] |
おっさん様 こんにちは、です。 本日の「江戸川乱歩トリック論集」のレビュー 楽しく拝見しました。 当該の文庫新刊はまだ手に取ってもいませんが(汗) いろいろと含蓄のありそうな内容で読むのが楽しみです。 ちなみに @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ あるいは、「たしかハーバート・ブリーンの作だったかと思う」という乱歩の文章に、わざわざ「たしかハーバート・ブリーンの作だったかと思う[実際はW・ハ××××××××]」と注をつけるのであれば、もっと踏み込んで、[実際はW・ハ××××××××。後年、乱歩自身も長編で試みる]くらい書いてもいい。このへんは、全面的にシンポ教授に監修してもらうべきではなかったか。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ との話題が出てきて、たぶん<殺人の後に(中略)する、あのトリック>のことを言ってるのだと思います。 で、<あのトリック>は、乱歩が「双葉十三郎から聞いたハーバート・ブリーンの何かの作品のトリック」と認識し、記述していたハズですが、実際はハーバート・ブリーン創意のトリックでもなんでもありません。 あれは実は<双葉十三郎の思い付きで創作のトリック>です。 というのは、日本語版ヒッチコックマガジンのどこかの号のコラムエッセイのなかで、小林信彦がブリーンの邦訳されている作品を全部読んだけど、該当例がない、そこで双葉本人にブリーンのどの作品ですか? と尋ねたところ、双葉が「実はあれはワシの創作じゃ」とタネ明かしされたという逸話が載っています。 あとそのトリックは「[実際はW・ハ××××××××]」のものと載ってるそうですが、その[実際はW・ハ××××××××]の該当作品は1970年代のもので(どの作品のことを言ってるかは、自分にもすぐわかります)、生前の乱歩の認識の範疇に関係ない、まったく後年のもので、乱歩の発言の註釈に入れるのはオカシイんじゃないかあ、と思います。 だってタマタマ、そこで話題にされたのと同じトリックが偶然に後年、創意されただけですよね? 「実際は」もクソもない。のちのちに無関係に新登場した作品じゃ。 要は、乱歩の生前の時点では、双葉十三郎の思い付きのバカミス風トリックのアイデア以外、どこにもそんなトリックを使った作品は「実際には」なかったのですから。 以上、未読の人のネタバレにならないように、気を使うだけ使って書きましたが、こちらの言いたいことが伝われば幸いです。たしかに註釈のチェックの意味でも、一読する価値のある新刊のようにも思えてきました。 人並由真 拝 |