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| 33836. | その後のルルタビーユの事 おっさん 2022/12/04 23:36 [雑談/足跡] |
人並由真様 、ことは様へ 横から失礼します。 お二人のやりとりを目にして、つい雑文を投じる気になってしまいました。 すでにご承知の内容かもしれませんが…… 旺文社文庫版『黄色い部屋の謎』(1979)の解説では、訳者の吉田映子(よしだ・あきこ)氏がルルタビーユ・シリーズを概観した文章を書かれています。興味深い 内容なので、ちょっと長めではありますが、抜き出してみます。 (ここから引用スタート)「黄色い部屋の謎」そして二年後の「黒衣の女(ひと)の香り」で、いわば自己の宿命との闘いに決着をつけたあとのルルタビーユは、まさに通俗映画のヒーローそのものになってしまう。(略)ニヒリストに狙われている将軍の依頼で政情不安のロシアにおもむく「ツアーに招かれたルルタビーユ」、“ヨーロッパの火薬庫”バルカン半島での活劇「黒い館」、そこで知った悲劇の名家の出、黒髪の美女イヴァーナとのロマンス「ルルタビーユの奇妙な結婚」、そして第一次大戦になると、数分以内に都市を破壊する遠隔兵器を発明した科学者が、ドイツに誘拐され、クルップ工場で脅迫下にそれを作らされているのを、ヴェルダンの戦線から呼びもどされたルルタビーユが、みごとに救出するという「クルップ工場のルルタビーユ」、愛妻イヴァーナが、助手をしている博士とともに殺され、陰謀の罠に落ちたルルタビーユが逮捕、投獄の憂き目にあう「ルルタビーユの犯罪」、その痛手から立ち直って、ジプシーの言い伝えにまつわる謎に挑む「ジプシーの群れのルルタビーユ」。以上ざっと紹介してみたが、そこには荒唐無稽な筋立てのなかで、あるときは愛国的英雄、あるときは大ロマンスの主人公となって、やみくもに動きまわるルルタビーユの姿しかない。(引用終わり) まあ、評価は散々ですが、実際にシリーズ全8作を読んだうえでの感想は、貴重だと思います。 ご参考まで(何をいまさら、でしたらスミマセン)。 それでは、お二人のますますのご健筆を祈念しております。 おっさん拝 |
| 33833. | RE:RE:RE:作品の追加~ことは様 ことは 2022/12/04 20:17 [雑談/足跡] |
人並由真さま 早い返信、さすがです。こちらは、確認頻度がすくなくて遅れてしまいました。 ルルタビーユの第三作目以降の長編も、最近の状況ならば、翻訳の可能性はありますよね。(私自身は、好みの作風とは違いそうなので、手にとるかは不明ですが……) 「黄色い部屋の謎」は大好きで、翻訳違いで3冊を保持しています。 「黒衣婦人の香り」も読みましたが、(昔の記憶ですが)あまり面白くはなかったですかねぇ。あ、ただ、昔の創元推理文庫「黒衣婦人の香り」の戸川さんの解説は、「黄色い部屋の謎」に触れていて、「黄色い部屋の謎」についての文章が実に読みごたえがありました。一度の価値アリですね。(人並由真さまは、もちろんお読みでしょうが)「黄色い部屋の謎」を読んだ人に(評価しない人にも)、広く読んでほしいですね。 翻訳状況は、確かに今は恵まれていますね。 若い頃にバークリーの「ピカデリーの殺人」の解説を読んで、「ぜひ読みたい」と思った、いくつものシェリンガムものも、既にすべて読めてしまいました。ありがたいことです。 では、今後の書評も楽しみにしています。 ことは |