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33875. | RE:ルルタビーユの事~弾十六さんへ 密なご調査 ありがとうです 人並由真 2022/12/11 05:32 [雑談/足跡] |
弾さんへ (そしておっさん様、ことは様、各位) こちらがちょっと思い付きで(まあ長年の関心事項ではあるのですが) お尋ねしたことに、本サイト内のあちらこちらから貴重な助言や 情報を戴き、感謝しております。 今回はわざわざ、フランス語の原語文化まで散策しての弾さんのご調査、 誠にありがとうございます。 ふむふむ。となると、これで、かなり具体的にそのクロスオーバー箇所の 該当箇所も絞られているわけですな。 となると、そのシェリ=ビビからみの興味だけ先に優先して ルルタビーユの第8長編だけ先に日本語になればいいなあ…… とも一瞬考えたりしましたが、まあ今後、ルルタビーユの未訳編の 翻訳が出るにしても、そんなシェリ=ビビがどーのこーので 第8長編が優遇されることはまずないでしょうし、個人的にも もし第三長編以降を訳してもらえるなら、それこそ順番に 全部、訳してほしいと思いますが……まあしばらくは夢想でしょうね(苦笑)。 とりあえずは、論創さんの数年前からの告知の、ルルタビーユの発掘新訳 まずは一冊(「水中の密室」とか仮題がついていたような……つまり 第何番目の長編だ?)を気長に待つことにしましょう。 名前が出たロカンボールの原作も、何らかの機会に、まともな完訳の形で いつか日本語になるのを待ちたく思います。 そーいや、今回の話題には全然関係ないですが 「このミス」の「隠し玉」コーナーによると、来年は ようやく『トレント自身』『オパールの囚人』などが読めそう…… と期待させられて、何度も結果的にダマされてきたので (版元も悪意などはなく、いろいろ事情はあるのでしょうが) まあ、当てにしないで、それでもひそかに楽しみにしています。 あと新潮文庫のヒッチェンズ(おお!)は、Twitterで だいぶ前に話題になっていた、ポケミスで出そびれた当時の翻訳原稿を 使うのでしょうが、コレも大いに楽しみ。 そのまま、未訳のジョー・セイダーものの一冊目が出ればいいなあ、 絶対に出ないだろうけど(涙)。 また長々とすみません。 改めまして、今回はありがとうございました。 今後とも、どうぞよろしくです。 (しかし、この一両日は、狭義のミステリジャンルとは あまり関係がないですが、特撮・アニメ評論家で 海野十三の研究家だった池田憲章氏の訃報が いきなり聞こえてきて、いささか気分がブルーです。) 人並由真 拝 |
33869. | ルルタビーユの事 弾十六 2022/12/10 08:28 [雑談/足跡] |
人並由真さま、ことはさま、おっさんさま(そして皆さま) おばんでした。 このサイトで『黄色い部屋』はまあまあ、『黒衣婦人』は全くダメな評価のルルタビユ(私は短め表記が好き)シリーズが、こんな形で盛り上がるとは意外でした。 私も楽しい会話に参加したいなあ、と思って、でも第三シリーズ以降を読んでみる気は全くしないのですが、今回はシェリビビ関連に絞ってフランス語Wikiや原文(シリーズ全作がWikisourceにあるので無料です!)にあたってみたら結構面白い情報が拾えました。 まずはルルタビユ(Rouletabille)シリーズの初出情報から。なお某Tubeにフランス1966年TVシリーズLE PARFUM DE LA DAME EN NOIR(全5回?、私は未見)がアップされていて、冒頭での発音を聞いてみると「ルルタビーユ」(ビにアクセント)でした… (あれ?ロカンボールRocambole(1964)もあるぞ。Cheri Bibiはどうだろう… 1974年TVシリーズのがあった!なんて時代だ!) (以下、訳題は旺文社版に準拠) #1 Le Mystère de la chambre jaune (初出: L'Illustration(週刊) 1907-9-7〜11-30) 『黄色い部屋の謎』 #2 Le Parfum de la dame en noir (初出: L'Illustration 1908-9-26〜1909-1-2)『黒衣の女の香り』 #3 Rouletabille chez le tsar (初出: L'Illustration 1913-8-3〜10-19)『ツアーに招かれたルルタビーユ』 #4&5 Rouletabille à la guerre (初出: Le Matin(日刊紙) 1914-3-28〜8-2(大戦勃発で中断) 連載再開1914-10-18〜10-24) 二分割し、第一部Le Château noir『黒い館』、第二部Les Étranges Noces de Rouletabille『ルルタビーユの奇妙な結婚』として出版(いずれも1916) #6 Rouletabille chez Krupp (初出: Je sais tout(月刊) 1917-9〜1918-3)『クルップ工場のルルタビーユ』 #7 Le Crime de Rouletabille (初出: Je sais tout 1921-10〜11)『ルルタビーユの犯罪』 #8 Rouletabille chez les bohémiens (初出: Le Matin 1922-10-4〜12-14)『ジプシーの群れのルルタビーユ』 で、シェリビビ関連の#8『ジプシーたち』なのですが、仏Wikiによると映画(10巻の連続活劇)と同時連載だったようだ。メディアミックスですね。 サブタイトル(小説では章、映画では1巻分)は以下のとおり(拙訳、適当です) 1 Le Livre des Ancêtres(祖先の書) 映画公開1922-10-13(金曜日) 2 L’Arrestation(逮捕) 映画公開1922-10-20 3 L’Instruction(指示) 映画公開1922-10-27 4 La Poursuite(追跡) 映画公開1922-11-3 5 La Page déchirée(破れたページ) 映画公開1922-11-10 6 L’Enlèvement(誘拐) 映画公開1922-11-17 7 À Sever-Turn(セヴァーチュルンで) 映画公開1922-11-24 8 La Pieuvre(執念のひと) 映画公開1922-12-1 9 Révélation(啓示) 映画公開1922-12-8 10 Le Retour(帰還) 映画公開1922-12-15 この中の4番目「La Poursuite(追跡)」にシェリビビが登場します。私はそこだけ読んだのですが、ネタバレは嫌なので、フチガミさまの「ルルーのもう一人のシリーズ・キャラクター、シェリ・ビビのエピソードが途中に出てくるのもご愛嬌だ」という表現がまさにピッタリ、とだけ言っておきましょう。 ル・マタン紙では、本作の連載に先立ち1922-9-12から映画とのタイアップ・キャンペーンをはり100000フラン(1922年仏物価指数基準で2022年1860万円)の懸賞で大宣伝、かなりの気合が入っています。懸賞クイズの中身はBNF(フランス国立図書館)のWebで公開されている当時のLe Matinを調べればわかるのでしょうけど、力尽きました… ちょうど100年前なんですね。この無声映画が見てみたいなあ… |