皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
|
Tetchyさん |
|
|---|---|
| 平均点: 6.73点 | 書評数: 1634件 |
| No.174 | 7点 | 死角に消えた殺人者- 天藤真 | 2008/02/03 22:05 |
|---|---|---|---|
| 今回の主人公令子にどうしても感情移入できなかった。
この令子の探偵ごっこにつき合わされている感じがどうしても拭えなかった。 とはいえ、冒頭の、関係のない4人の転落死、その事件を解決すべく結成される遺族会、そして一癖も二癖もあるいかがわしいそのメンバー、結末直前のどんでん返し、そして4人が同乗して死に至った経緯のコミカルさ、など正に天藤ワールドのエッセンスが詰まってはいる。 |
|||
| No.173 | 7点 | 炎の背景- 天藤真 | 2008/02/02 14:03 |
|---|---|---|---|
| ジェットコースター的逃亡劇でとにかく先の読めない話だった。
学生期のトラウマから女嫌いになったヒッピー青年と、同じく学生時代のトラウマから男嫌いになった赤軍派女性を逃亡のカップルに仕上げる辺り、心憎い。 でも最後の真相及び結末がどうにも消化不良。これは自分の好みの問題なのだろうけど。 |
|||
| No.172 | 9点 | 殺しへの招待- 天藤真 | 2008/02/01 13:55 |
|---|---|---|---|
| 巻措く能わず、とはこのことなのかと実感。
プロット自体は特に斬新ではなく寧ろ地味なのだが、設定や登場人物の動かし方に匠の技が効いていて、350ページ弱を思う存分、愉しませてくれる。 今回の目玉はやはり5人の男に送られた妻からの殺人予告状でこれがどの誰を指すのか判らないという点が面白い。 しかもこのあとの展開は予想外だった。 でも第3部はいらなかったんじゃないかなぁと個人的には思う。 |
|||
| No.171 | 9点 | 皆殺しパーティ- 天藤真 | 2008/01/31 23:20 |
|---|---|---|---|
| 題名のように7人もの死者が出るという虐殺劇。
狙われる主人公が筋金入りの色魔で大会社の社長であり、街の大権力者という読者に同情を許さない人物なのに、読後感は爽やかという天藤マジックが味わえる。 ちょっと題名がチープだけど、中身は濃いぞ! |
|||
| No.170 | 9点 | 鈍い球音- 天藤真 | 2008/01/30 23:08 |
|---|---|---|---|
| まず登場人物全てが魅力的。
次に最後の先の読めない展開。ベレー帽と髭を残して監督が失踪するという仰天の発端から次から次へと収拾がつかないくらいに事件は右往左往し、終章まで散らかりぱなしといった感じで読んでいる最中はどうなるの!?って不安になってしまったほど。 そして達者な筆捌き。ユーモアが滲み出るその文体は事件が陰惨なものであってもほのかに温かみを感じさせる。 昭和の時代のプロ野球界を舞台にしているので30勝投手とか出てくるのが時代を感じさせるけど、それもまた愛嬌でしょう。 |
|||
| No.169 | 4点 | 死の内幕- 天藤真 | 2008/01/29 23:01 |
|---|---|---|---|
| タンスに頭をぶつけて、そのまま死んでしまうというお昼のサスペンスみたいな安っぽい幕開けから始まる本書。
しかしそこからでっち上げた架空の犯人とまったく同じ風貌の人物が現れてしまうという天藤氏ならではの展開に期待したのだが・・・。 意外にすんなり真相へと至り、物足りなかった。 期待値が大きすぎたかなぁ。 |
|||
| No.168 | 4点 | 赤い館の秘密- A・A・ミルン | 2008/01/27 19:58 |
|---|---|---|---|
| 横溝正史が金田一耕助を創作するのにモデルにした探偵アントニー・ギリンガムが主人公の作品。
しかし、非常に牧歌的な中で物語が進むので抑揚がなく、名作といわれた本書を今読むと、単調な気がせんでもない。 『クマのプーさん』の作者がこんな探偵小説を書いていたんだと興味が湧いた人はどうぞ。 |
|||
| No.167 | 7点 | 陽気な容疑者たち- 天藤真 | 2008/01/25 22:59 |
|---|---|---|---|
| デビュー作とは思えぬほど卓越した文章。
密室殺人が起こるが終始のどかなムードで物語が展開するのがこの作者の人柄が表れていて、いい。 ただ真相は第1作目にして気負いすぎの感もあり。 でも登場人物全てが良くて、ホント「陽気な容疑者たち」だった。 |
|||
| No.166 | 10点 | 大誘拐- 天藤真 | 2008/01/24 23:38 |
|---|---|---|---|
| プロット、ストーリー、キャラクター、アイデア、どれをとっても超一級でしょう!
こういう面白い話をひょうひょうと書くこの作家の上手さにも感服。 まさに歴史に残る名作。 映画もよかった! |
|||
| No.165 | 2点 | カケスはカケスの森- 竹本健治 | 2008/01/23 13:28 |
|---|---|---|---|
| ゴシック風味のミステリだが、ちょっと合わなかった。
二人称叙述が効果を上げているとは思えてないし。 解説も駄作を必死に持ち上げようとして、苦しかった。 |
|||
| No.164 | 9点 | 狂い壁狂い窓- 竹本健治 | 2008/01/22 23:31 |
|---|---|---|---|
| とにかく怖かった、グロかったというのが第一印象。
やっぱ病院は怖いよ~! おまけに竹本氏がわざわざ想像力をかき立てる言葉を選んで書いているので更に倍! ホラーと思いきや、最後に論理的に落ち着くところが凄かった。 |
|||
| No.163 | 1点 | 将棋殺人事件- 竹本健治 | 2008/01/21 22:55 |
|---|---|---|---|
| 文章が合わなかったなぁ。
幻想小説風味の章と普通の章が交じり合っているが、なんとも奇妙な感じがした。 真相も今ではそう目新しい物でもないし。 今敢えて読む必要は無いのでは。 |
|||
| No.162 | 5点 | 神の火- 高村薫 | 2008/01/20 19:15 |
|---|---|---|---|
| 私もみなさんと同じくメインテーマの原発襲撃の動機がどうも弱すぎるように感じた。
単なる自己満足に過ぎないんだよね。 でもその道のプロしか知らない専門用語や、何でこういう男の愉しみ方が解るの!?と思う暇の潰し方など、この作家の頭はどうなっているのかと至る所で感嘆した。 |
|||
| No.161 | 9点 | 黄金を抱いて翔べ- 高村薫 | 2008/01/19 23:28 |
|---|---|---|---|
| これがデビュー作かという驚嘆がまずあった。
そして強盗計画の緻密さに、「ここまで詳細に書くとやばいのでは!?」とまで思ってしまった。 ただし仲間達がどうも自分勝手すぎて、正直強盗チームとしては最悪の構成でしょう。 主人公の破滅型思考も強盗するという設定では相反するものだと思うのですが。 でもこの物語の重みの前ではそれらさえも納得させる熱がありました。 |
|||
| No.160 | 7点 | 取引- 真保裕一 | 2008/01/18 22:51 |
|---|---|---|---|
| ろんさんと同じく、公取委としての物語をもっと読みたかったというのが本音。
それを期待したばかりに誘拐事件がメインになったことに終始違和感を覚えた。もっと柔軟でないといけないんだろうけどね。 ただマニラほかフィリピンの描写は素晴らしい。 これは今住んでいる僕が云うから間違いない! |
|||
| No.159 | 8点 | 連鎖- 真保裕一 | 2008/01/17 19:55 |
|---|---|---|---|
| デビュー作にしてこのクオリティと素直に驚きました。
しかも元アニメーターで、全然関係のない職業をしていたことに更に驚いた。 通常デビュー作ならば自分のよく知っている職業をテーマにして小説を書くものだが。 でも乱歩賞を意識したせいか、無理矢理物理トリックを放り込んだのがバランスを欠いているように思う。 でも上出来の一作。 |
|||
| No.158 | 4点 | 夜の分水嶺- 志水辰夫 | 2008/01/16 23:02 |
|---|---|---|---|
| 恋人達の権力からの逃走劇。
尾崎豊の歌みたいだが、結末はなんとも消化不良。 最後の1行はなんだろう? 年寄りの訓示みたいな感じがした。 |
|||
| No.157 | 2点 | 花ならアザミ- 志水辰夫 | 2008/01/15 23:45 |
|---|---|---|---|
| シミタツの作品にしてはあまり印象に残っていない。
題名は登場人物の1人の女性を喩えたものだが、そんなに魅力があったかどうか覚えていない。 作者も初の連載小説で上手くいかなかったと云っているようだ。 |
|||
| No.156 | 9点 | 行きずりの街- 志水辰夫 | 2008/01/14 23:32 |
|---|---|---|---|
| 私が日本にいない間になぜかブーム再燃していた本書。l
内容といえば田舎で塾を開業している男がかつての教え子=妻のために過去を捨てた街へ帰ってくる話。 男にとってこれほど都合のいいというか、本願成就の話はないのではないか。 しかし、シミタツはそれを極上の文章で読者の心に染入りさせる。 しかし21世紀のこの世においてなぜにこのストーリーがもてはやされたかは疑問。 |
|||
| No.155 | 9点 | 深夜ふたたび- 志水辰夫 | 2008/01/13 15:27 |
|---|---|---|---|
| 題名から見ても解るようにギャビン・ライアルの名作『深夜プラス1』の本歌取り作品。
したがって面白くないわけが無い! 確か記憶では主人公は元相撲取りではなかったかな? あと男と女の微妙な関係が心に残っている。 |
|||