皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
じきるさん |
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平均点: 6.79点 | 書評数: 260件 |
No.180 | 7点 | 私という名の変奏曲- 連城三紀彦 | 2021/06/20 19:03 |
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皆さんの書評にもあるように、トリック自体は長編を支えるには少し弱いと感じました。しかし、トリックを膨らませて不可解な謎・ストーリーを作り上げる構成力や、美麗な文章が醸し出すミステリアスな世界観は素晴らしいです。 |
No.179 | 8点 | 恋文- 連城三紀彦 | 2021/06/20 00:48 |
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直木賞受賞作。五木寛之氏の選評での「造花の美が時には現実の花よりリアリティを感じさせることがある」という言葉が、この作品を言い表していると思います。作り物のお話なのに、感情だけでなく五感にまで迫ってくるような素敵な味わいでした。
ミステリの要素は薄いですが、私は大いに支持します。 |
No.178 | 7点 | 夕萩心中- 連城三紀彦 | 2021/06/17 21:38 |
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悍ましさ極まった「花緋文字」が個人的ベスト。この後味の悪さが堪らないですね。思わず溜め息が溢れるような美しさの中に捻りの効いた結末を潜ませた「夕萩心中」、花の持つ性質を色鮮やかに生かした「菊の塵」も高クオリティ。流石は花葬シリーズ。
「陽だまり課事件簿」は……花葬シリーズとの落差にズッコケてしまったのは許して欲しいです、ハイ(苦笑) |
No.177 | 7点 | 変調二人羽織- 連城三紀彦 | 2021/06/17 21:27 |
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後の名作たちのような濃密な世界観はなくとも、技巧のトリッキーさと美文はデビュー作でも発揮されてますねぇ。
発想を小説に落とし込む技術は流石の一言です。 |
No.176 | 6点 | 亜愛一郎の狼狽- 泡坂妻夫 | 2021/06/17 13:09 |
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アイディアは面白いが、ドタバタ劇に振り回され、個人的には楽しみがやや削がれてしまった感があります。
「曲がった部屋」と「ホロボの神」は良かったです。 |
No.175 | 7点 | 空耳の森- 七河迦南 | 2021/06/17 12:58 |
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七河ファンならこれも必読でしょう。
細やかな伏線が心地良いですね。 |
No.174 | 9点 | アルバトロスは羽ばたかない- 七河迦南 | 2021/06/17 12:56 |
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痛みを伴う衝撃的な結末と、それを支える細部の丁寧な伏線。このタイプのミステリとしては非常に高いクオリティではないでしょうか。
世評に違わぬ傑作です。 |
No.173 | 7点 | 七つの海を照らす星- 七河迦南 | 2021/06/17 12:52 |
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個々の短編は標準レベルですが、連作の仕掛けは素晴らしいと思います。 |
No.172 | 8点 | 夜よ鼠たちのために- 連城三紀彦 | 2021/06/08 07:02 |
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連城の超絶技巧をこれでもかと味わえる短編集。
若干、技巧に走り過ぎるあまり空回りしているような部分はあるのですが、総合的に見れば良い作品だと思います。 |
No.171 | 4点 | ハサミ男- 殊能将之 | 2021/06/06 01:53 |
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ミステリの作りとしては丁寧だし読みやすい……が、仕掛けを看破出来てしまったからか、驚きは無かった。個人的にストーリーが退屈に感じられたのもマイナスでした。 |
No.170 | 5点 | 大誘拐- 天藤真 | 2021/06/06 01:44 |
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私の好みのエンタメからは外れているが、プロットや数字の計算などの作りは丁寧だと感じた。
ラストの落とし所も良い塩梅かと。 |
No.169 | 10点 | 宵待草夜情- 連城三紀彦 | 2021/06/01 23:31 |
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『戻り川心中』と双璧を成す、恐るべき短編集。溢れんばかりの濃密な情緒が持ち味です。
狂おしい愛憎が渦巻くお話ばかりですが、連城の手にかかればそれらが美しくも巧妙なミステリへと昇華されます。「花虐の賦」と「未完の盛装」が特に素晴らしいですが、その他の短編も逸品揃い。 隠れた名作的評価をされることが多いが、個人的には堂々たる最高傑作として推したいです。 |
No.168 | 10点 | 哲学者の密室- 笠井潔 | 2021/05/31 22:54 |
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著者のミステリ論を、重厚な衒学と共にミステリの血肉として一体化させた、非常に完成度の高い傑作。
読み始めは内容を咀嚼するのに精一杯でしたが、不思議な引力を持った小説なのか、気付けば作品世界に没頭しているような幸せな読書でした。 |
No.167 | 7点 | 薔薇の女- 笠井潔 | 2021/05/23 18:17 |
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笠井潔らしさは控えめだが、謎解き部分は良い。
そういう意味で、『サマー・アポカリプス』とは違った読み味だが楽しめた。 |
No.166 | 9点 | サマー・アポカリプス- 笠井潔 | 2021/05/23 18:09 |
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カタリ派や黙示録など宗教衒学が非常に重厚で、決して読みやすくはないものの、思想対決や二転三転するストーリーの展開と併せて楽しめる。ミステリとしても事件全体の構図や見立ての理由の処理が素晴らしく、コテコテの本格ガジェットも相まって陶酔感に浸れる。 |
No.165 | 9点 | バイバイ、エンジェル- 笠井潔 | 2021/05/23 18:04 |
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斬新な首切りの真相や端正なロジックなど、一個の本格ミステリとして優れている。
心情・情景描写が瑞々しいのも良い。 思想対決も小説としてのインパクトを強めており、圧倒された。作者の迸る熱気が感じられる、会心の一冊。 |
No.164 | 8点 | 王とサーカス- 米澤穂信 | 2021/05/23 17:50 |
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ジャーナリズムというテーマが、ストーリー・ミステリー部分とがっちり噛み合った完成度の高い傑作。
八津田の去り際の台詞や「敵の正体」の章は、特に強く印象に残った。 |
No.163 | 5点 | さよなら妖精- 米澤穂信 | 2021/05/23 17:35 |
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ミステリーとしては弱いが、辛く切ないラストが胸を打つ。 |
No.162 | 5点 | QJKJQ- 佐藤究 | 2021/05/23 17:31 |
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正直、私が好きなタイプの読み物ではなかった。
それでも、ぐいぐい読ませる筆力は流石だ。 |
No.161 | 8点 | 呪縛の家- 高木彬光 | 2021/05/09 16:23 |
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謎解き・トリック共に、この作者らしさが溢れていて楽しめた。
最終章のオチも効いてる。 |