皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
zusoさん |
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平均点: 6.17点 | 書評数: 284件 |
No.4 | 6点 | 砂漠- 伊坂幸太郎 | 2020/02/17 20:46 |
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東北の大学が舞台で、キラキラした風情の青春小説。
青春のカッコ良さよりも、カッコ悪さ、まの悪さ、取り返しのつかないことが書かれたりしていて、共感できる部分も多かった。 でも、ミステリとは言えないですよね。 |
No.3 | 6点 | ソロモンの犬- 道尾秀介 | 2020/02/14 20:23 |
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同じ大学に通う四人の男女を中心にしたある少年の死をめぐるミステリ。
秋内は、自転車便のアルバイトをしながら学校に通い、仲間と遊ぶ大学三年生だった。ある時偶然にも、知り合いの少年が犬の散歩中にトラックにはねられるという現場に居合わせた。だが、その事故は作為的なものではないか、という疑問が浮かび上がる。 舞台は夏の漁港町。同級生に片思いの若者が語り手をつとめている。そのため、随所に軽妙なユーモアが含まれていたり、主人公のほろ苦い想いが伝わってきたりする全体的に爽やかな雰囲気の物語。後半にはいると、人を食ったような仕掛けがあり、作者らしさを感じで満足した。 |
No.2 | 8点 | 死神の精度- 伊坂幸太郎 | 2020/01/31 20:44 |
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六編からなる短編集で登場する死神は、死の国の調査委員で、担当する人間が死ぬのにふさわしいかどうか、身辺調査をして情報部に報告するのが仕事。調査期間中には、ストーカー問題がおき、ヤクザの抗争に巻き込まれ、殺人事件の現場に居合わせ、恋のキューピッド役になり、自殺行につきあわされetc。
クラシックな密室殺人劇あり、昔のハリウッド映画を思わせるサプライズ・ストーリーありの各編は、大なり小なりミステリの骨格を保って、絶妙にリンクし、死神はいつもちょっとした探偵の役割を果たす。 構成を含めた作品的な巧みさで言えば、「死神の精度」「恋愛で死神」「死神と老女」の三編だと思うが、個人的には感動したこともあり、「死神と藤田」「旅路と死神」が好みです。 |
No.1 | 6点 | 季節はうつる、メリーゴーランドのように- 岡崎琢磨 | 2020/01/22 21:16 |
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「季節」にまつわる謎のお話。謎のことを「キセツ」と呼び、日常に潜んでいる謎を解き明かしながら物語は進み、最後には大きな謎を解く。その「謎」が魅力的。
またこの作品の魅力になっている「謎」はもう一つあります。人間の心です。人の感情というのもまた、私たちにはわからないもの。相手がどう思っているのか、または、自分がどう思っているのか。そういう人の心にも「謎」が潜んでいるものです。 この作品のもう一つのテーマは「片想い」です。相手に恋する主人公とヒロインの、「キセツ」を通した交感がこの本の主題になっています。恋愛と絡んだミステリ小説は昔からありますが、この作品ほどロマンスとマッチしている作品も少ないでしょう。 |