皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
八二一さん |
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平均点: 5.76点 | 書評数: 425件 |
No.85 | 8点 | 13・67- 陳浩基 | 2020/04/14 19:26 |
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各短篇、技巧を凝らした密度の濃い本格ミステリでありながら、それを逆年代に配置することで、現代香港社会をまざまざと活写する書きぶりは見事というほかない。 |
No.84 | 8点 | チャイルド44- トム・ロブ・スミス | 2020/03/30 20:36 |
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旧ソ連の政治体制をストーリーの中で巧みに生かし、サスペンスを盛り上げている。心身ともに凍り付かせる長大骨太なミステリ。 |
No.83 | 5点 | ポップ1280- ジム・トンプスン | 2020/03/30 20:34 |
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歪んでいながら妙に明るい。癖になりそうなブラックコメディ。 |
No.82 | 6点 | 神は銃弾- ボストン・テラン | 2020/03/30 20:33 |
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神無きアメリカの現状に対する作者の憤りが主人公ペアの言動を通じて読む者の心に突き刺さる。殺伐とした物語ながら、爽快感漂うラストが印象的。 |
No.81 | 4点 | 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活- 奥泉光 | 2020/03/18 18:48 |
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自虐な詩をうたっていないときのクワコーは、結構合理的。料理も美味しそうだし。クワコーも相当ですが、それをかすませる女子大生たちのキャラがすごい。 |
No.80 | 8点 | 鬼畜の家- 深木章子 | 2020/03/18 18:45 |
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タイトルからして「黒い家」を想起させるが、それも企みのうち。並々ならぬ仕掛けに満ちており、聞き込み調査というスタイルで炙り出されるグロテスクな犯罪劇を堪能できる。 |
No.79 | 5点 | 檻の中の少女- 一田和樹 | 2020/03/18 18:42 |
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IT社会に潜む新犯罪と、その罪を追う新たな捜査法を提示したハードボイルドミステリ。ラストで題名の仕掛けを読者に納得させるだけの筆力がある。 |
No.78 | 5点 | ムーンライト・マイル- デニス・ルヘイン | 2020/03/08 19:45 |
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パトリックとアンジー・シリーズの最終章。エンターテインメントで、重いテーマを突き詰めることの困難さと作者のこだわりの深さに感嘆。心に響く名台詞が多い。 |
No.77 | 7点 | 黄昏に眠る秋- ヨハン・テオリン | 2020/03/08 19:42 |
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現代ミステリとは思えない緩やかな展開ながら、意外性も十分。美しい風景と緻密な人物描写が堪能できる。これほど叙情的で、かつ素晴らしいミステリに仕上げ、家族について深く考えさせるとは見事。 |
No.76 | 6点 | スリー・パインズ村の無慈悲な春- ルイーズ・ペニー | 2020/03/08 19:39 |
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主役級から脇役にいたるまで、特に女性キャラクターの造形は秀逸。結ばれた感情がカタルシスへと導かれる。偉大なものにふれた、という感動に浸された。 |
No.75 | 7点 | 犬の力- ドン・ウィンズロウ | 2020/02/25 19:39 |
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壮絶なヴァイオレンス描写を詩的に語った空前絶後の犯罪文学。互いに噛みつき合う如き、血と暴力と進行に彩られた三つ巴の愛憎劇。圧倒的な筆力にねじ伏せられる快感を味わった |
No.74 | 5点 | 凍てついた墓碑銘- ナンシー・ピカード | 2020/02/25 19:35 |
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故郷への愛と、人間を見抜く確かな目と、それを存分に表現できる筆力が結集した作品。人間ドラマに読み応えあり。 |
No.73 | 5点 | 狼のゲーム- ブレント・ゲルフィ | 2020/02/25 19:32 |
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ロシア軍部とマフィアの間を行き来する血腥い男が主人公の暴力小説。一人称で感情表現を抑えた文章が魅力的。女のボディガードが素敵。 |
No.72 | 6点 | 夜明けのパトロール- ドン・ウィンズロウ | 2020/02/13 20:12 |
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悲惨な事件や登場人物たちの友情に入り込む亀裂に痛む読者の心が、あいだに海やサーフィンの描写がはさまれることで、浄化されていく。人生に必ず訪れる転機を描いた感動作品。 |
No.71 | 5点 | 探偵術マニュアル- ジェデダイア・ベリー | 2020/02/13 20:08 |
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めくるめくイマジネーションの妙。愛すべきキャラクター、怪奇で幻想的な世界観。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のころの村上春樹が書いたようなミステリ。 |
No.70 | 6点 | 死をもちて赦されん- ピーター・トレメイン | 2020/02/13 20:05 |
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古代ケルト、カトリックの派閥、高位の修道女と修道士のやりとり。すべてが興味深い。憶断と偏見を排し、知性と理性に従い、真相にいたる手続きをゆるがせにしないフィデルマのありようは、名探偵の鏡。 |
No.69 | 7点 | エステルハージ博士の事件簿- アヴラム・デイヴィッドスン | 2020/02/03 22:02 |
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強靭なユーモア精神に裏打ちされた、幻想味濃い探偵小説集。奇想天外とは、まさに本書のこと。とぼけた味わい、精巧なホラを堪能できる。 |
No.68 | 8点 | ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利- ロバート・バー | 2020/02/03 21:57 |
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自信過剰な名(迷)探偵が、犯人に、してやられるところが、むしろ愉快。とぼけていながら洞察の利いた秀作が中盤に並ぶ。風刺と軽身で、歴史に残るユーモアあふれる作品。 |
No.67 | 5点 | いたって明解な殺人- グラント・ジャーキンス | 2020/02/03 21:51 |
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B級臭漂うどんでん返しサスペンス。一見単純に見えてひねりをきかせたストーリー。悪人や病的な登場人物ばかりでいて読ませる。 |
No.66 | 3点 | 六つの手掛り- 乾くるみ | 2020/01/23 20:14 |
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短篇集としての荒さがみられる。トリックだけにしては少々魅力が無い。ラスト一行のためにある一作。 |