皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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レッドキングさん |
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| 平均点: 5.29点 | 書評数: 1014件 |
| No.594 | 6点 | ナポレオンの剃刀の冒険- エラリイ・クイーン | 2022/07/08 20:07 |
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| エラリー・クイーンラジオシナリオ集。元本は「殺された蛾の冒険及び他のラジオミステリ集」てな題で、そのうちの半分を我が国で独自に選集。
「ナポレオンの剃刀(冒険は略)」 列車内宝石強盗殺人。消失した宝石が車内に無い以上、唯一隠せた場所は・6点 「暗雲号」 遺産目当ての船内射殺事件。遺言録音に残るダイイングメッセージからのWho。3点 「悪童」 大家の女のヒ素毒殺事件。悪童甥っ子の悪戯のWhy。 7点 ※ウサギってヒ素に耐性あるんだ(ホント?) 「ショート氏とロング氏」 150、180cmの詐欺師コンビ。消失トリックは「あなたのお金を倍に」に及ばず。6点 「呪われた洞窟」 心霊研究家の足跡なき扼殺事件のHow・・あれしか、ないわな。8点 「殺された蛾」 ホテル部屋のガス殺事件。蛾の死骸からのWhoロジック。肝心の明り位置描写がない(~_~;) 5点 「ブラックシークレット」 稀覯古書店の三つの・・贋作と盗難と殺人ダイイングメッセージ・・事件。6点 「三人のマクリン」 恐喝女の刺殺事件。容疑者は老父母と倅の三人で、残されたコートからのWho。4点 で、平均して、6+3+7+6+8+5+6+4=45÷8=5.625、四捨五入して、6点。 |
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| No.593 | 5点 | 招かれざる客- アガサ・クリスティー | 2022/07/06 20:50 |
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| 殺人現場に予告なく現れた男。射殺された下半身不随の当主。妻・母・知恵遅れ異母弟・妻の愛人・看護婦・執事・・それぞれのワケありドラマ巻き込んで、Whoダニット解決が多重にツイスト展開したあげく・・ラストおちネタは、ちと、クド過ぎかな・・その直前で、招かれざる客=謎の未詳で留めた方が含蓄あった。
「女は強いものよ。男が殺人者でも気持ちは変わらない。でも、男の心ってのは脆く、女が人を殺したと知ると・・」 |
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| No.592 | 7点 | シャーロック・ホームズの功績- ジョン・ディクスン・カー | 2022/07/06 07:55 |
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| カーとドイルの息子による「ホームズ亜典外典偽典」
「七つの時計」 唐突に時計を破壊する男のWhy&サスペンス 3点 「金時計」 手巻き時計の巻き残り具合からの犯人Whoロジック 5点 「蝋人形の賭博者」 蝋人形館「地獄部屋」で、夜な夜なトランプをする人形たち 4点 「ハイゲイトの奇蹟」 傘に異常執着する男の、警官包囲網からの消失。傑作「唇の捩れた男」オマージュね。10点 「黒い準男爵」 曰くある旧館の食堂で、あり得ない位置から刺殺された軍人のHow 6点 「密閉された部屋」 LockedどころかSealed(密封された)完全密室。解明ロジックが見事。10点 全12話だが、残り6話はカーノータッチなので、どうでもいいや・・オマケして全体で7点 |
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| No.591 | 4点 | ねずみとり- アガサ・クリスティー | 2022/07/05 20:20 |
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| クリスティー戯曲のト書きの、なんという詳細さ執拗さ。台詞外の役者アクトにまで指示の支配を広げまくって。
戯曲家 vs 演出家・役者だけでなく、指揮者・演奏者に対する作曲家にも、いろんなタイプがあるだろうな・・とあまり関係ないことまで連想してしまった。ところで、この戯曲、中編「三匹の盲目のねずみ」と評価は変わらなかった・・が、舞台ロングラン記録に敬意を表し、点数オマケ付けちゃう。 |
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| No.590 | 6点 | 蜘蛛の巣- アガサ・クリスティー | 2022/07/03 18:04 |
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| 才色兼備で機知溢れるヒロインと、外交官の夫・傷心少女・貴族叔父・判事・秘書・警部・奇矯な中年女庭師が、殺人屍体隠蔽を巡るドタバタサスペンスを展開し、外交ドラマ・秘密文書謎解きまで巻き込んで、Whoダニットミステリ舞台がツイストし、鮮やかに収束する、面白い。 | |||
| No.589 | 3点 | ブラック・コーヒー- アガサ・クリスティー | 2022/07/02 17:50 |
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| 学者・教授がメインの戯曲二つ
「ブラック・コーヒー」 クリスティー処女戯曲。ブラック=毒入りのコーヒーてなブラックな標題なのね。 いかにもなダミーキャラともかく、” ~はポケットから錠剤を出して、コーヒーカップに入れ" なんて、当然に捻り伏線だろ思ってたら・・・逆に驚いた。3点 「評決」 亡命モテ男教授の観念の信念が、周りの女たちを不幸の渦に巻き込んで・・(採点対象外) |
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| No.588 | 4点 | ブラウン神父の醜聞- G・K・チェスタトン | 2022/06/29 23:12 |
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| ブラウン神父第五(にしてラスト)短編集。
「ブラウン神父の醜聞」 対決すべき「真」の背徳の為の「偽」の背徳の追放・・あんまり大したことない逆説。2点 「手早いやつ」 「手早い奴」って・・「描かなかった奴」ってだけじゃん。1点 「古書の呪い」 古本を開いた5人の連続消失事件。「すぐに開けてみましたよ、私は迷信家ではないので・・」 9点 「緑の人」 海軍人の水死と聞いて海を連想しない者とは・・2点 「ブルー氏の追跡」 桟橋小屋の周りをグルグル追いかけっこする加害者被害者が消失して・・4点 「共産主義者の犯罪」 社会的ダーウィン(資本)主義も共産主義も、カトリックの真の敵としての在り様は・・1点 「ピンの秘密」 労働争議脅迫状と自殺宣言のWhyが鮮やか。 流血物証と告知夢の価値転倒が見事。8点 「とけない問題」 剣で刺され、木に吊るされた老人の屍体。だが死因は刺殺でも絞殺でもなく・・4点 「村の吸血鬼」 寒村で妖婦として冷眼視されるよそ者の女。一年前の夫の死の真相は・・2点 で、全体平均で、2+1+9+2+4+1+8+4+2=33÷9=3.666‥、4点。 ※結論として、F・モーリアックや、O・S・カード等と同様に、作品はなかなか魅力的だが、その宗教(ま、イデオロギーやね)において、「価値観の敵」と言わざるを得ない奴だな、ギルバート・キース・チェスタトン。 |
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| No.587 | 4点 | ブラウン神父の秘密- G・K・チェスタトン | 2022/06/26 10:13 |
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| ブラウン神父第四短編集。 オープニング「ブラウン神父の秘密」、エンディング「フランボウの秘密」付き
「大法律家の鏡」 ” 検察のハゲ頭が被告人無罪の論拠となります・・” (^O^) 7点 「顎髭の二つある男」 幽霊瓜二つの変装姿で射殺された怪盗。遺したもう一組の変装具からのWhy 6点 「飛び魚の歌」 二人の人物の監視下「密室」より消失した奇貨宝飾品の謎。7点 「俳優とアリバイ」 ” 窓の外でなく、鏡の中を見る人間・・これこそが最悪の・・” 哲学者罵倒のオマケ付き 2点 「ヴォードリーの失踪」 喉を裂かれ不気味に転倒した笑い顔の死体で発見された館主。6点 「世の中で一番重い罪」 ” 一人笑いをする人間は、非常な善人か非常な悪人です・・” 5点 「メルーの赤い月」 インド聖者とルビー盗難と耶蘇教及び西洋人倫優越感誇示と。1点 「マーン城の喪主」 カトリック神父の対プロテスタント赦し度量合戦うっちゃり・・2点 で、全体で、7+6+7+2+6+5+1+2=37÷8=4.625 切り下げて、4点。 ※ネットり練り込んだチェスタトン饅頭コクあるが・・俗流ニーチェ学徒を罵倒し、基督教西洋倫理の捻くれた弁護にムキになり、対プロテスタント深甚対決に熱弁ふるうあたりが、チト興醒めやね。 |
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| No.586 | 5点 | ポンスン事件- F・W・クロフツ | 2022/06/21 18:31 |
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| 実証のみを支えに、ただただ真実のみに仕える探偵警官の、容疑者アリバイハント。驚き・外連味・ツイスト一切抜きの、ゆっタリとタルさを味わう古典・・と思いきや、車・列車・船・果ては飛行機まで総登場のチェイス追跡劇出て来て・・・オチに不思議な驚きが待ってた・・ちと、タルいが。 | |||
| No.585 | 5点 | まだらの紐 ドイル傑作集1- アーサー・コナン・ドイル | 2022/06/15 21:22 |
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| 「王冠のダイヤモンド」 「戯曲版:マザリンの石」ではなく、あっちがこっちの小説化とな・・戯曲の方が効果的。
「戯曲版:まだらの紐」 これは戯曲化だと。”おお、ヘレン、まだらの紐が・・” の、ヘレンでないのが残念。 「競技場バザー」「ワトスンの推理法修行」 ホームズロジック披露とそのパロディのショートショート。 「田園の恐怖」 アルプス善良民集落の連続殺人事件。うまく展開してたらサイコミステリ・・ 「ジェレミー伯父の家」 友人の招きで滞在した詩人の館。謎の家庭教師の女と秘書の正体は・・ ※「消えた臨時急行」「複数の時計を付けた男」は別収録にあり割愛。また草稿オマケ付き。※このサイトにお邪魔し始めた数年前、プロト「まだらの紐」と勘違いして単体採点として書込み、一度削除しており、今回改めての書込みです。 |
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| No.584 | 2点 | マラコット深海- アーサー・コナン・ドイル | 2022/06/14 18:03 |
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| うーん、深海怪獣たちのエヅラがねえ・・エビラ・ウニゴン(海老・雲丹の分際で人に食われず人を喰う)・アゴラ(提燈アンコウ怪獣)・マンダ(海竜の方ね)みたいなの・・何よりZ級大傑作「グリード」の化物深海獣みたいなの、ほしく・・ | |||
| No.583 | 3点 | ササッサ谷の怪―コナン・ドイル未紹介作品集1 - アーサー・コナン・ドイル | 2022/06/13 07:19 |
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| 「未紹介作品集」てことで、何か掘出し物あるか・・と僅かに期待したが・・「老兵の話」「幽霊選び」は面白かった。
「ササッサ谷の怪」 一つ目オバケ話から宝探し譚へ。 「アメリカ人の話」 葉ワタリ5m(メートル!)トゲ30cmの食虫植物怪獣の話。 「デカ骨」 豪州荒地の無骨な大男のお伽噺。 「我が家のダービー競馬」 19世紀英国牧草地の若き家族の浪漫話。 「老兵の話」 場末酒場の零落した老兵の戦場奇譚がツイストにエンド。まあ、面白い。 「紳士ジョー」 階級国家英国の労働者階級男のお伽噺。 「決勝の一発」 富裕階級の屋敷に入り込んだ半亡霊外国人の怪奇譚。 「スリル満点のクリスマスイヴ」 爆発物講義に誘拐された化学者のサスペンス。場所ネタ付いたら「技師の親指」 「幽霊選び」 旧屋敷に相応しい幽霊を求めた男に訪れた幽霊達の「営業プレゼン」 ・・面白いなあ。 |
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| No.582 | 5点 | クルンバーの謎- アーサー・コナン・ドイル | 2022/06/11 20:13 |
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| 「競売ナンバー二四九」 エジプトミイラのホラー話に、トリック暴露ミステリの解釈が並走して・・・
「トトの指輪」 これまた、エジプトミイラSFとトリック暴露ミステリの二重解釈が可能で・・・ 「血の石の秘儀」 古代ケルト宗教の狂信者に生贄として拉致された女のサスペンス。 「茶色い手」 まんまオバケもの。毎夜現れる右手の無い幽霊・・「手が違う~~」 「クルンバーの謎」 荒涼とした海岸の旧館に住まう元少将。老軍人が怯える印度からの来訪者とは・・・ ※ドイルには、チェスタトンの偏狭なキリスト教独善が感じられず、好感持てる・・ただ、あの鼻白むオカルト信仰が・・まあ、目つぶろうかな (採点は、第1・2・5編に。) |
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| No.581 | 7点 | ブラウン神父の不信- G・K・チェスタトン | 2022/06/09 20:47 |
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| ブラウン神父第三短編集。
「ブラウン神父の復活」 神秘否定の為の「神秘」援護をする論敵に、神秘尊重の為の「神秘」トリック暴露で返し・3点 「天の矢」 真の神秘は、神秘化される事なく顕れ・・ミステリ(神秘)トリックが暴かれるが如く・・4点 「犬のお告げ」 完璧な・・94%完璧な・密室の殺人。耶蘇教神父の多神教・汎神論へのイチャモンつき。9点 「ムーンクレサントの奇跡」 高層部屋から消失した男。移動不可能な場所で絞殺体で発見され・・9点 「金の十字架の呪い」 呪いのトリック・入代りネタやよし。犯人の設定がイマイチ・・6点 「翼ある剣」 ん、雪密室の元祖? 死体消失と合わせて一本、見事! 作者の耶蘇教独尊チトうざく・・9点 「ダーナウェイ家の呪い」 カー風オカルト源流? 暗い宿命を破る自由の言葉は「殺人」・・耶蘇教、ちと深い。6点 「ギデオンワイズの亡霊」 7点。(これで、「真相・ホームズ最後の事件」てなパロディやったら・(*_*; ※第3・4・6編の三短編はミステリ史上の「何か」なんだと思う(多分)。 ※ミステリ(神秘)が、「神秘」トリックの暴露であるように、真の宗教も、似非「神秘」の否定・・うーん、ブラウンてかチェスタトン、言いたい事は解るが、耶蘇教宣伝チトうざいぞ、「カラマーゾフ」レベルには遠いし。 |
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| No.580 | 6点 | ブラウン神父の知恵- G・K・チェスタトン | 2022/06/07 19:09 |
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| ブラウン神父第二短編集。
「ミスターグラスの不在」 言わば窮極の密室トリック、10点!・・「ミスったグラス」(^^) 「盗賊の楽園」 山間の花咲き満る「楽園」を舞台にした鮮やかなツイスト劇。7点 「イルシュ博士の決闘」 全ての様相が一つ残らず反対の二つというのは、結局のところ・・6点 「通路の男」 劇場楽屋の外通路で刺殺された女優。三人の目撃者が見た犯人像は全て異なり・・6点 「機器の誤り」 仮装と噓発見器に絡んだ人物誤認事件の顛末。5点 「カエサルの首」 必要とする人数は、自殺に一人、他殺には二人、では、恐喝には・・8点(これ、特許権かな) 「紫の鬘」 旧家「呪い」の暴露と「悪魔的な物」の氷解が、ミステリの解明に連動して・・7点 「ペンドラゴン一族の滅亡」 伝奇浪漫の伝誦と川孤島の奇塔の一族絶滅トリック。6点 「銅鑼の神」 殺人が見つからない真の状況とは、「誰もいない」場所ではなく・・5点(これも、まあ、プチ特許権) 「クレイ大佐のサラダ」 呪いの迷信と闘う男に仕掛けられたトリック。3点 「ジョンブルノワの奇妙な罪」 崇高にして自由な魂への劣等感を克服できなかった男の顛末。(採点対象外) 「ブラウン神父のお伽話」 頭と肩帯ニか所に弾跡を残し射殺された男。だが弾丸は1発だけで銃もなく・・6点 で、10+7+6+6+5+8+7+6+5+3+6=69÷11=6.272‥平均して、6点 |
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| No.579 | 7点 | invert 城塚翡翠倒叙集- 相沢沙呼 | 2022/06/03 18:01 |
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| ドジっ娘演出、霊媒演技をサブ武器に、犯人を追い詰める超ロジック探偵:城塚翡翠の中編三篇。
*「雲上の晴れ間」 ITネクラ男の水も漏らさぬ完全犯罪アリバイトリックの瑕疵を抉じ破るロジック。6点 *「泡沫の審判」 事故偽装・アリバイ vs 教室・軍手・スマホ・ハムスター・シャボン玉のロジック。6点 「ミステリは精緻なロジックを愉しむべきものよ。なのに「驚き」を求めるマニアばかり・・」って、おお、ヒスイちゃん 俺みたいな読者へのアンチ発言?・・て思わせといて、最終編、「驚きの驚き」で驚かしてくれた・・・m(__)m *「信用ならない目撃者」 証拠を残さない殺人者 vs 消せなかった証拠、目撃の反転ロジック・・・ というより何よりも、あのツィストエンドに驚いた・・ディーヴァーか。9点 ※ところで、最終編に出てくる女マジシャン、ひょっとして酉乃初の十年後? |
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| No.578 | 6点 | あやかし砂絵- 都筑道夫 | 2022/05/30 19:36 |
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| 江戸異形者ミステリ(魅筋点理!)、シリーズ第四弾。
・「張形心中」 江戸のエロ秘具に絡めた偽装心中。殺しの顛末や如何に・・判じ絵解き付き。3点 ・「夜鷹ころし」 連続夜鷹殺人・・江戸の切り裂きジャック・・事件の「環」や如何に・・犯人消失付き。7点 ・「不動の滝」 密室状態の寺の滝壺から消失した商家の内儀。事件の顛末や如何に・・7点 ・「首提灯」 別々に棄てられた首と胴。遊び人殺しのホワット顛末や如何に・・6点 ・「人食い屏風」 自作の虎画に「喰い殺され」た二人の絵師。見せかけたのは誰? それは、何のために・・6点 ・「寝小便小町」 夜の小舟で殺された枕探し女と、餌食の道楽息子。事件顛末は・・犯人消失付き。6点 ・「あぶな絵もどき」 江戸の醜聞紙バラマキ事件と容疑者殺しの顛末は・・5点 (3+7+7+6+6+6+5)÷7=5.7142…、で、全体で6点。 |
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| No.577 | 7点 | 間違いの悲劇- エラリイ・クイーン | 2022/05/27 15:07 |
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| エラリー・クイーン第七短編集。 て言っても、中編一とダネイがリーに送った長編プロットと、あとは・・おまけ
「動機」 小さな町で起こる連続殺人、文学少年ー酒場亭主ー権力老嬢・・被害者の「環」の構成が見事。8点 「結婚記念日」 毒殺のダイイングメッセージはポケットから取り出したダイヤだった・・3点 「オーストラリアから来たおじさん」 これ、もちっと真剣に考えれば分ったなあ!(>_<) 5点 「トナカイの手がかり」 そりゃ、その名まで来れば一目瞭然だが、そこまで至るわけないじゃん。1点 「三人に学生」 んなもん、知るか!(せいぜい、「すいへいりーべは~」にしてくれ)1点 「仲間外れ」 ん、odd? 「クリスティー」「クイーン」「カー」でならば、即座に四通りは出るぞ。 1点 「正直な詐欺師」 ん、5%? 今の我が国からみたら天文学的数字に見えるぞ・・3点 「間違いの悲劇」 愚者達を操るラスボス、利という近代的合理を超えた最古にして最新の動機。7点 あまりにもあんまりなので、全体点数は巻頭中編とラスト梗概に対してのみ。 |
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| No.576 | 6点 | マン島の黄金- アガサ・クリスティー | 2022/05/25 06:01 |
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| アガサ・クリスティー第十四短編集。 死後出版の拾遺集といったところらしい。
「夢の家」 死に至る夢、神秘という病、狂気への狂喜が禍々しいまでに美しく ・・(採点対象外) 「女優」 恐喝男へのトラップが、読者へのトリックへと側転し・・6点 「崖縁」 嫉妬と自我理想、抑制と嗜虐、心の地獄の縁を超えてしまった女。(採点対象外) 「クリスマスの冒険」 プディングが付いていない分、あの中編よりもタイトに。4点 「孤独な神」 地味な神像・・日本ならお地蔵さんかな・・に魅せられた孤独な男女の童話。(採点対象外) 「マン島の黄金」 これまた「黄金虫」。このてのやつは・・好みの分かれるところかな・・2点 「壁の中」 画家の男を廻る二人の女。信じ難いまでの献身と、捨身に至る程の支配。(オマケして)7点。 「光がある間は」 このてのやつは・・どうでもいいや。(採点対象外) 「クィン氏のティーセット」 短編にちょっとした年代記ぶち込んで、あのトリックネタ付いて・・4点 「白木蓮の花」 不倫においても妻としての義務においても、嫋やかな倫理を貫いた女。(採点対象外) 「愛犬の死」 老犬と暮らす困窮極まった女のお伽話。(採点対象外) 大半が採点対象ミステリに「非ず」の作品集。 「夢の家」は「翼の呼ぶ声」に次ぐ程に素晴しい。オマケして全体で6点。 |
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| No.575 | 7点 | グラン・ギニョール- ジョン・ディクスン・カー | 2022/05/23 05:31 |
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| ジョン・ディクスン・カー第八短編集(とは、言えないか・・) ※ミステリ評論付きが嬉しい。
「グラン・ギニョール」 密室付き処女長編「夜歩く」の前バージョン。読者への挑戦状(世界初らしい)付き。7点 その他、「悪魔の銃」(ホラー)、「薄闇の女神」(歴史浪漫)、「ハーレム・スカーレム」(?)は、採点対象外。 ※カーのミステリ四戒・・①探偵・使用人、②疑わしい人、③複数人、が犯人てのはダメ。④多重解釈エンドなし。 て、言ってる舌の根も乾かぬ内に・「が、傑作と呼ばれる作品では、そのいずれも破られてる・」って・・(*^_^*) |
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