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[ 本格/新本格 ]
首なし男と踊る生首
蜘蛛手啓司シリーズ
門前典之 出版月: 2015年03月 平均: 5.20点 書評数: 5件

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原書房
2015年03月

No.5 6点 レッドキング 2022/03/03 20:03
門前典之第五作。密室の廃屋に、斧を手にした首無し男と切断された生首が・・この手のトリック好物よ。
地面に転がってた生首が四日後に4m上空の竹にハヤニエ状態で・・のバカミストリック、もっと好きよ。

No.4 5点 虫暮部 2017/11/21 11:45
 “殺人計画書”の心理描写はまぁ楽しめた。密室トリックは漫画にすればまだ見映えがするかも。「だいたい人の顔って生首の状態では見ることはないだろう」という台詞には笑った。
 しかしそれ以外は、色々強引だし、文章も拙いし、あまり評価出来ない。島田荘司の失敗作、と言う感じ。ソレを言っちゃあオシマイよ?

No.3 5点 名探偵ジャパン 2017/07/08 16:25
偏重ともいえる物理トリックのオンパレードは、古き良き時代のミステリを彷彿とさせ、何だか懐かしい気持ちになりました。往年の島田荘司を見るような。
ただ、島荘との決定的な違いは、探偵、ワトソンのキャラクターの魅力にあります。蜘蛛手は「ただの変人」としか映らず、名探偵に必要な「愛され要素」が抜け落ちてしまっているように思います。これなら、変に変人設定は付けずに、普通の常識人にしておいたほうが無難だったような。

記述が、流行りの「一人称のような三人称」であることに加えて妙に固くて、ちょっと読みづらいという部類に入る文章でした。特に、結構な頻度で主語のない文章が入るため(一人称の記述であれば主語が省略されていても、それは記述者だとすぐに分かります)、「え? 誰のことを言ってるの?」と混乱する場面がありました。

No.2 5点 nukkam 2017/01/19 08:38
(ネタバレなしです) 2015年発表の蜘蛛手啓司シリーズ 第4作の本格派推理小説です。トリックメーカーの作者らしくトリックは複雑かつ豊富です。生首描写がそれほど生々しくないのはありがたいのですが全般的にもやもや感の強い展開で、一体どういう順番で何回首が出現したのか私の読解力レベルではなかなか理解できませんでした。26章の終わりでの自白も中途半端な印象です。

No.1 5点 kanamori 2015/04/26 18:14
嵐の夜、建設現場の資材置き場に入った宮村たちは、そこで大斧を振るう首なし男と生首を目撃する。さらに土砂崩れの修羅場の翌日、近くの古井戸の中で折り重なる複数の死体が発見されるに至り、宮村は、建築&探偵事務所の共同経営者・蜘蛛手を呼び出すが-------。

不気味な”首切り侍”の伝説や、大斧を振るう首なし男、消えては現れる生首など、豪快なバカトリックに支えられた、いかにも原書房のミステリー・リーグ双書らしい作品。
密室状況の首なし男の謎に関しては、偶然を多用したトリックで容認できるとは言い難いが、古井戸の中の三死体に施された工作の真相には感心半分、爆笑半分でなかなか面白いものになっている。おそらくこのアイデアが先にあって、被害者などの事件の構成が考えられたのではと思われる。
物語の合間に挿入された”殺人計画書”は、この種のミスディレクションが頻繁に使われている現状を考えれば、かえって作者の狙いが分かりやすくなってしまっているのが残念なところ。また、章ごとに視点人物が変わることで物語が前後し、展開がギクシャクした感じを受けるのも難点です。


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