皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ねここねこ男爵さん |
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平均点: 5.65点 | 書評数: 172件 |
No.7 | 4点 | 積木の塔- 鮎川哲也 | 2024/02/15 12:45 |
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ネタバレ気味です。
アリバイ作りの構想自体は素晴らしいのですが、ディテールに微妙な点が多いのが気になります。 特にスーツケースの件はどう言い訳しても絶対に相手は納得しないと思うのですが。意図せずそういう事態になりその場しのぎとしてならともかく、非常に頭が良いとされている犯人が気が強いと言われる相手に対してあらかじめ計画に組み込んでいたというのは苦しいかと。(この時代にそういうサービスがあったかどうかは分かりませんが)スーツケースは宅配便で自宅に送るという設定でも良かったのでは。第三者に乗車を目撃させているわけですから工作はそれで十分かと。 他にもちょいちょい「ん?」と思う点があり、この作者の他作品ほど細部に気を遣えていないように感じるのでこの点数で。 |
No.6 | 4点 | 沈黙の函- 鮎川哲也 | 2024/02/09 12:55 |
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この作者の作品の中ではイマイチかと思います
謎の設定は非常に魅力的なのですが、実際読んでみると「こうやってこうやったら一丁上がりでコイツが犯人じゃん」ってのがすぐに分かってしまいます 犯人が分かるから駄作、という意味ではないのですがあまりに単純すぎる&犯人の行動が明らかに不自然で浮いてるので… |
No.5 | 7点 | 黒い白鳥- 鮎川哲也 | 2022/08/07 11:31 |
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メインのアリバイトリックは正直平凡よりややマシといった程度なものの、周辺のディテールや補強アイデアが素晴らしい…というかそっちがメインなのかも
初読時小学生だった自分は「すごい作家と聞いてたけどこんなもん?」と失望した(のでこの作者を避けていた)のだが、一回りしてから再読すると凄さが分かった ただやはりメインの味の薄さからこの点数で |
No.4 | 9点 | 不完全犯罪 鬼貫警部全事件(2)- 鮎川哲也 | 2018/05/09 19:34 |
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間違いなく世界一のアリバイ崩し。
「五つの時計」の蕎麦屋はまさに真骨頂。 脳みそのどこらへんを使えばこんなミステリが書けるんだろう。 |
No.3 | 7点 | 碑文谷事件 鬼貫警部全事件(1)- 鮎川哲也 | 2018/05/05 21:06 |
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粒ぞろいの短編集。作者得意のアリバイもの中心に水準以上の話が多く楽しい。個人的に「1時10分」「誰の屍体か」がよかった。
「青いエチュード」は、こんな話ないかなとずっと思っていたものの具現化で少々驚いた。やっぱりみんな考えるんだなぁ。 また、「人それを情死と呼ぶ」の中編バージョンが読める貴重な本。 |
No.2 | 8点 | 人それを情死と呼ぶ- 鮎川哲也 | 2017/10/04 21:37 |
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時間、場所、人を一挙に誤魔化す離れ業のアリバイトリックとして有名な本作。それだけで必読かと。
松本清張が推理小説の非現実的な面をディスり手本を見せてやると執筆した「点と線」へのカウンター。 |
No.1 | 7点 | りら荘事件- 鮎川哲也 | 2017/09/21 13:35 |
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これでもかこれでもかと『推理小説によくある光景』を詰め込んだサービス精神旺盛トリック大盤振る舞いな作品。
『殺人現場に置かれたスペードのエース!』これですよこれ。 かなりたくさん殺されますが、一つ一つにそれなりに説得力を持たせてあるので違和感はなく楽しく読めます。 特に推理小説読み始めという人にものすごくおすすめ。 あと、初読時は「犯人を当ててやろう」とか思わず素直に楽しむことをすすめます。 (以下その理由 ネタバレ風味) フェアであることを念頭に置いて書かれているため、『連続殺人の現場に次々置かれるトランプの謎』をまじめに推理するとかなり早い段階で犯人が分かってしまいます。そうすると「ああ、だからこの場面を描くことでこいつが怪しまれないようにしているのか」と思ってしまい興ざめです。 |