皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ねここねこ男爵さん |
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平均点: 5.65点 | 書評数: 172件 |
No.10 | 7点 | 火の虚像- 笹沢左保 | 2024/10/03 18:22 |
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ネタバレ気味です。
さほど期待せずに読んだら結構面白くてびっくりした。 トリックに関しては賛否ある…というか否定派のほうが多いだろうが、とてもこの作者らしい。 犯人はすぐ見当がつくものの、自分は途中まで犯人も黒幕も2通りあり得ると思っていた。黒幕は予想と違っていたが、確かにこっちのほうがいい。 |
No.9 | 6点 | アリバイの唄- 笹沢左保 | 2024/02/10 22:05 |
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ネタバレ気味です。
おそらくミステリ史上屈指であろうほど金のかかったトリック。 読んでるときに思いついてはいたものの、「建物の外を見せないならワンチャンあるけど見ちゃってるからなぁ…」と却下。まさかそれを金の力で解決するとは思いませんでしたw この作者らしく非常にテンポが良く読みやすいし、アリバイ自体は非常に強固。楽しく読めました。 |
No.8 | 6点 | 結婚って何さ- 笹沢左保 | 2024/02/09 12:49 |
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素人探偵の推理力すごすぎ!
狭い範囲に都合の良い人間関係が集中している違和感はありますが、読んでいるうちは気になりませんでした トリックにも新規性はないものの使い方が上手で、特に密室は見事(多少の不確実性があり、さらに絶対に密室にする必要はなかったかもしれませんが) 2時間ドラマにしたら面白くなると思う |
No.7 | 7点 | 泡の女- 笹沢左保 | 2024/02/08 11:38 |
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ネタバレ気味です。
笹沢左保版「幻の女」ということで期待しましたが、死刑執行が迫る中懸命に調べても調べても手がかりがすり抜けていく…といったハラハラ感のある「幻の女」と比べて、状況がさほど深刻でもなくサクサク重要な情報が集まってくる本作はやや拍子抜けです。またメイントリック?は作者の他作品にも例があります(作者のお気に入りだったのでしょう)。 ただ流石の筆力で読ませるし、最後のどんでん返し(というか構造の変化)はお見事でした。個人的にはかなり好きです。 |
No.6 | 5点 | 招かれざる客- 笹沢左保 | 2024/02/08 11:25 |
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ネタバレ気味です。
笹沢左保氏特有の作風とは違った、古典的なトリックによる本格もの。 それだけにミステリを多く読んでいると色々見当がついてしまいますが、流石の筆力で読んでいるうちはそこそこ楽しめました。 ただあくまでそこそこなのでこの点数で。 アリバイトリックは鮎川哲也氏の作品にほぼ同じものがありますが(たまたま続けて読んだので混乱した)、徳間文庫版の有栖川有栖氏の解説によると、執筆時期からして独立して同じアイデアを思いついたということらしいです。 まったく独立に微積分を編み出したニュートンとライプニッツみたいなもんでしょうか。 ただ死体の発見が完全な偶然によるものであり、アリバイトリックを仕込んでいる以上適切なタイミングで発見させる必要があるはずなのでそこが瑕でしょうか。どこかで言及されるのかと思いきや何もありませんでした。 |
No.5 | 7点 | 霧に溶ける- 笹沢左保 | 2022/09/10 21:51 |
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ネタバレ気味です。
この構造ネタはあちこちで見かけるけれど、本作はその中でもっとも「自然」かと思います…特に動機面で。殺害方法も一つ一つ切り出してみるとシンプルでそこそこ実現可能性ありそう。とくに密室は秀逸。さらにそのすべてがこの作者らしさ全開 時間的余裕があまりなく一つ歯車が狂うとすべて瓦解しそうなことと、ここまで上手に背中を押してあげられるか?というのはありますが ただ前述の通り、この構造ネタは動機か実行技術面で「手段が目的化してる」的不自然さを拭えない作品が多いのに、本作は筆力もあいまってそこそこ納得できるように書かれています。読んでいる最中は全く別のことを考えていたので結構驚きました 読む価値ありありです。面白かった |
No.4 | 6点 | 他殺岬- 笹沢左保 | 2022/08/07 11:43 |
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初読時は「昼下がりの2時間ドラマにぴったりだなぁ」程度の感想だったが、時間を置いての再読時には評価爆上がりした
ごく狭い範囲に都合の良い人間関係が集中しているなど微妙な点も多いものの、メイン部分の出来と圧倒的なリーダビリティは評価していいと思う 一つだけ、誘拐されてから「実は他殺じゃないと都合悪いから他殺ってことにしよう」ではなく、その前に「本当に自殺なのか当時から疑問だった」的な文章を入れておくだけで不自然さがだいぶ減ったように思う |
No.3 | 8点 | 求婚の密室- 笹沢左保 | 2020/04/13 21:49 |
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少しネタバレ風味です。
中盤のメインである推理対決は人によってはやや退屈か。残りページ数からして真相が暴かれるはずがないというのは分かりきっているので…w 密室とその周辺の仕掛けがあまりにも素晴らしい。特に密室は唯一無二。どこかで見た評価だが、「人を殺さなくてはならないのなら、自分の手を汚さずに済ませるのが望ましい」というこの作者の作風が密室でも活きている。 この時代の日本の推理小説はトリックのためのトリックが多く、必然性は「探偵への挑戦」「犯人がミステリマニア」「密室だから自分は犯人じゃない」といったしょうもないこじつけばかりなのだが、本作はそのあたりを見事にクリアしている。 ダイイングメッセージなんて飾りです。 |
No.2 | 7点 | 真昼に別れるのはいや- 笹沢左保 | 2018/05/17 20:11 |
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非常に特殊なアリバイ工作。是非はともかく唯一無二。
この作者のアリバイトリックは率直に言えば玉石混交なのだが、筆力の高さゆえ異様な説得力を持つ。 入手はなかなか難しいかもしれないが読む価値はあるかと。 |
No.1 | 8点 | 暗い傾斜- 笹沢左保 | 2017/10/29 04:49 |
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サスペンスですかね。
笹沢左保氏はアリバイトリックの名手で、そのオリジナリティとバリエーションの豊富さ、トリックに説得力を持たせる筆力は群を抜いています。本作のメイントリックを自分は知っていて読んだんですが、それでも楽しめました。 作中の雰囲気も独特で良いです。 |