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名探偵ジャパンさん
平均点: 6.21点 書評数: 370件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.16 10点 忌名の如き贄るもの- 三津田信三 2022/07/06 08:52
 これこれ、これですよ! これこそ刀城言耶シリーズ、これこそ三津田信三。
 本作の肝は、ラストで明かされる「ホワイダニット」にあるわけですが、これが凄い。少なくとも私はこのホワイダニットを初めて読みましたし、「どこかに前例がある」という話も今まで聞いていません。あれだけ古くからあるものなのに、今まで誰もそれをミステリのホワイダニットの要素として使おうとしてこなかったとは。やはり三津田信三、目の付け所が違います。
 逆を言えば、大オチ以外はそれのための前座、みたいな読み方も出来てしまうわけですが、私はそれでも満足です。久しぶりにミステリで「叙述トリックに騙された」や「構成が巧み」といった以外の、「そういうことやったんか!」という正当な(?)驚き方をしました。

No.15 6点 碆霊の如き祀るもの- 三津田信三 2022/07/06 08:50
「刀城言耶シリーズ」の集大成、いや、完結していないのですから、別の言い方をすれば「最大公約数」的な、手堅くまとめた佳作という印象でした。
 ミステリとしてよく出来ているのは間違いないのですが、何かひとつ足らんのですよ。各事件のトリックを分割して短編集にしたほうが印象に残ったかも。
 シリーズもそろそろ息切れを起こしてきたかな? と余計な心配をしてしまいました。次作長編『忌名の如き贄るもの』を読むまでは……。

No.14 6点 どこの家にも怖いものはいる- 三津田信三 2017/08/07 20:30
同作者が「幽女の如き怨むもの」を執筆している期間に蒐集した、出所が不確かな話を掲載している。という設定で、冒頭に「ここに掲載されている話を御存じの方は、出版社までご連絡下さい」みたいな一文が書いてあるという徹底ぶり。こういう小技を効かせてくるところは、三津田ホラーの真骨頂。
メインのストーリーの間に挿入される「三津田パート」に、逐一「幽女の如き怨むもの」の執筆状況が書かれており、同作の宣伝も兼ねています(笑)
以下、少しネタバレ的記述。





全五話のストーリーにある「ミッシングリンク」を最後に三津田が見抜くのですが、「○○が全て同じ」というトリックが、「幽女~」のメイントリックと似ているのです。「事あるごとに『幽女~』を出してきていたのは、そのためだったのか」と、三津田の遊び心にほっこりしました。

No.13 6点 幽女の如き怨むもの- 三津田信三 2016/10/23 20:27
皆さんの書評でシリーズの異色作として位置づけられるのも納得です。
今までの刀城シリーズとは構成が全く異なり、本作で探偵刀城がやったことといえば、日記を読んで女将さんと話しただけ。これは刀城シリーズではなく、ノンシリーズとして出したほうがよかったかも?
とはいえ提示される謎はやはり魅力的です。戦前、戦中、戦後と十数年間に渡り、都合九回も人が身投げをした、もしくは未遂に終わったという、飛び降りのメッカと化したある遊郭の謎。その中に、戦前、戦中、戦後、同じ名前を継いだある花魁が常に絡んでいる。
最後に明かされる真相は、遊郭の風俗移り変わり的な資料小説の様相を呈していたところに提示されるというタイミングも手伝って、なかなかに驚かされました。「ああ、これはやっぱり本格ミステリだったんだ」という安堵も得られました。
ストーリー作品としては面白く、このボリュームにも関わらずぐいぐい読ませます。でもしかし、やっぱり「本格ミステリ」としては、ギリギリのバランスではないかと思います。

No.12 8点 百蛇堂―怪談作家の語る話- 三津田信三 2016/09/24 09:23
前作「蛇棺葬」の解説で作家の柴田よしきは、この二冊は「決して前編後編や上下巻というだけの関係ではない」と書いていました。
では何なのかというと、前作(という言い方は的を射ていないのですが)「蛇棺葬」は、本作「百蛇堂」のあまりに長大な作中作なのです。

前作と雰囲気は打って変わって、本作はいつものおなじみの「作家三津田信三シリーズ」の軽快な一人称の語りから始まります。この「作家三津田」の一人称の文は読みやすく、まるで目の前で語ってもらっているかのような分かりやすさで、すっと頭に入ってきて、私は大好きな文章です。
とある出版社のパーティーで三津田は、ある男を紹介され、彼の体験した恐ろしい話を聞くことになります。それが「蛇棺葬」で、この話は後に男の手により実際に原稿に書かれることとなります。この男こそ、「蛇棺葬」の主人公であった「私」です。

本作は「作家三津田シリーズ」の集大成といえる内容で、本作のテーマは「ホラー対ミステリ」です。「ホラー&ミステリ」は、まさに他の追随を許さない三津田の得意分野ですが、その二つの武器を打ち合わせてしまおうという、何とも贅沢な試みです。「マジンガーZ対デビルマン」です。

「ホラー対ミステリ」「因習対論理」「怪異対推理」この戦いに挑むのは、このシリーズで探偵役を務める飛鳥信一郎です。(三津田やもうひとりの友人、祖父江耕助も当然戦いに加わりますが)信一郎は密室からの人間消失の謎に明快な回答を披露しますが……

もうひとつ本作のテーマとなっているのは、「小説におけるホラー」です。
圧倒的に文章よりも映像のほうに分があるジャンルというものはあります。俳優が実際に五体を駆使するアクションだったり、空想ロボットなどのビジュアルが売りになるSFだったり、怪異を視覚的に見せられたり音で驚かせたり出来るホラーもそのひとつでしょう。
ここに三津田は「文章だけによるホラー」しかも「他の媒体では決して真似の出来ない形での怖さ」を見せて(読ませて)きます。

現実と虚構が折り重なった本作の拘りは徹底しており、それは最後の「主な参考文献」にまで及びます。
だからこそ、どうしても作中を跳び越えたメタ視点にならざるを得ない「解説」は本作には不要だったかなー? などとまで思ってしまうのです。(本作も担当した柴田よしきは、非常に楽しい解説を書いてくれたのですが)

No.11 5点 蛇棺葬- 三津田信三 2016/09/20 19:22
本作と続編『百蛇堂』からなるホラーミステリ巨編。
続編がある、と知らずに読んだら、最終ページに近づくに従い、「(残りページの厚みをチラ見しながら)おいおい、本当にあとこれだけで終わるのか?」と、非常な不安を憶えながら読んだであろうこと請け合いです。
三津田の作品は、「ホラー風ミステリ」と「ミステリ風ホラー」の二系統に分れるのですが、本作は恐らく後者です。「密室から人が消えた謎」といった、ミステリ要素に納得のいく回答は得られるのか?
書評は『百蛇堂』に続く!

No.10 6点 スラッシャー廃園の殺人- 三津田信三 2016/09/18 13:58
作者得意のホラー風ミステリです。
文章と登場人物の台詞などから、早々と作品全体に仕掛けられたトリックが分かってしまいました。
私はもう、この手のトリックには引っかかりません。過去に痛い目に遭っていますから。
とはいえ、本作においてのこのトリックは、ただ単に読者を驚かせよう、というメタ目的だけでなく、作中にもきちんとした目的をもって使われています。そこのところの工夫は、さすがだなと思いました。

気をつけて読めば、あまりミステリに造詣の深くない方でも、トリックに気付いてしまう可能性がありますので(トリックに気付くということは、フェアに書かれているということですので、決して悪いことではないと思います)「驚きたい」という方は、あまり深く考えずに一気に読んでしまうことをお勧めします。

No.9 8点 作者不詳 ミステリ作家の読む本- 三津田信三 2016/08/14 21:50
夏なのでひとつたまにはホラーでもと思い、書店で手にしたのがこの一冊。(文庫版では上下巻なので、正確には二冊なんだけど)

三津田信三といえば、「ホラーとミステリのスーパーハイブリッド」のキャッチコピーでお馴染みですが、本作は「刀城言耶シリーズ」とはまた違った形でのハイブリッドを見せてくれました。

「本に書かれたミステリの謎を時間内に解かないと怪異に遭い、破滅が待つ」という、極めて分かりやすいシチュエーションが緊迫感を煽ります。
作者同名で登場するワトソン役の三津田信三がタイムリミットが迫り焦る中、探偵役の飛鳥信一郎が自身も焦慮しつつも冷静に推理を働かせる場面など、名探偵の頼もしさがうまく表現されていて燃えます。
そして迎える、全ての謎を解き終えてからの「本」との最終決戦。最後の一行まで心休まるときはありません。

ジャンルはホラーですが、作中作のミステリはあくまで論理が支配する本格で、ミステリの短編集としても十分楽しめます。ベストを上げるなら、アクロバティックな(物理的という意味だけでなく)トリックでラストを飾った「首の館」か、一風変わったテイストの「娯楽としての殺人」(主人公の女子大生に萌えます)でしょうか。
「ミステリは好きだけど、ホラーはちょっと……」と思っている(かつての私のような)ミステリ好きの方に、ぜひともおすすめしたい作品です。あの「刀城言耶シリーズ」の三津田信三はミステリ好きのあなたを裏切りません。
本作は「忌館 ホラー作家の住む家」の続編に当たり、冒頭でもそれについて多少触れられているのですが、本作から読んでもまったく問題ありません。「忌館」のほうはホラー要素が色濃いため、ミステリ好きの方はやはり本作から読んだほうがよいでしょう。

No.8 7点 生霊の如き重るもの- 三津田信三 2015/08/07 11:03
刀城言耶シリーズ短編集第二弾。
・死霊の如き歩くもの
 この世ならざる怪異と、その正体である馬鹿馬鹿しいトリックのギャップが楽しい。

・天魔の如き跳ぶもの
 探偵刀城言耶のヒーロー性がよく現れた傑作。自分が引いて事が収まるなら、それでいい。何よりもまず被害者の身を案じ、しかし、悪には敢然とした態度を崩さない。本人がどう思おうが、刀城言耶はまぎれもない名探偵なのだ。トリックと、それにより派生した後始末など伏線も綺麗にまとまっている。

・屍蝋の如き滴るもの
 密室プラスアリバイ。ここら辺から、本シリーズ売りの多重解決が顕著になる。出来る? 出来ない? 出来るかも。運任せの博打ではない、確実な犯行方法が最後に現れてすっきりする。

・生霊の如き重ぶるもの
 表題作でもあることから、もっとも重厚な一作。とうとうドッペルゲンガーという西洋の怪異も登場。多重解決の先に待つちょっと切ない結末。

・顔無の如き覆うもの
 ちょっと無理があるように感じるが、当時の世相、市井の人々の意識などからすると、成立してしまうのだろうか。

 どの作品も、最後にあからさまに「怪異っぽいもの」の存在を匂わせて終わる。
 クロさんこと阿武隈川の滅茶苦茶なキャラ、父親のことを話されると表情が変わる刀城言耶など、お約束的キャライメージも確立してきた。
今後ますます期待されるシリーズだ。

No.7 7点 水魑の如き沈むもの- 三津田信三 2015/04/15 11:15
シリーズ最長編ということで、「間を置いたら中身を忘れる」と思い、休日を利用して一気に読んだが、初期作に比較して文章が格段に読みやすく、キャラクターも立ってきたこともあり、肩すかし的にすんなり読めた。
相変わらずトリックを設定(謎儀式)に組み入れるのがうまい。他の方の書評の通り、突っ込みどころは多々あるが、好きな作家(キャラクター)のひいき目かなぁ、私はあまり気にならなかった。
毎度おなじみ多重推理も今回は、「切羽詰まって、今ある手掛かりだけで見切り発車的にリアルタイムで考えながら推理を披露するしかない」という状況で説得力を持たせている。
結界、何かを見る力、など、あやふやな解答ではなく、超常的な現象ありきで話が進むようなところは気になったが。
ゲストキャラクター造形もしっかりしており、「がんばれ」と応援したり、「こいつ何だよ」と腹を立てたり、全編に渡って楽しめた。そして、数々の事件を経て成長した名探偵刀城言耶の頼もしさはどうだ。
全ての謎は明らかにされ、最後はハッピーエンド。これぞ本格ミステリエンタテインメントだ。

No.6 5点 凶鳥の如き忌むもの - 三津田信三 2014/10/06 15:42
今まで読んできた刀城言耶シリーズはどれも傑作揃いで、本シリーズに対する要求は自然とハードルが上がってしまう。そんな中で読んだ本書は、その高いハードルを越えるには至らなかったようだ。
トリックを成立させるために作者が作る舞台設定、人物設定をいかに自然に読者に納得させるか。刀城シリーズはそのさじ加減が絶妙なのだが、本作については少しやりすぎという印象を受ける。「そこまでやるかよ」と思ってしまったのだ。もちろんそのための、現代の風習、一般の常識が通用しない戦後の、しかも閉鎖的な地方という舞台設定は分かるが。
メイントリック自体も博打が過ぎるような。
しかし、今までの刀城言耶シリーズと比べて、という注釈付きでの評価のため、本作単体で読めば一般的なミステリの基準は軽々クリアしているといえる。
5点は辛いかなとも思ったが、数々の傑作を生み出してきた実績のある作者、三津田信三に敬意を表し、この点数にした。

No.5 5点 ホラー作家の棲む家- 三津田信三 2014/09/20 08:57
途中までは興味深く読めた。怪しい洋館、主人公にまとわりつく怪異、愛読者だという謎の人物。だがしかし、「これはホラーなんだ」と思い直すと、これらの怪異が合理的な理由で解明されるという流れにはならないだろうなと予想はつく。果たしてその通りで、うまくはぐらかされた。
途中に入る乱歩の蘊蓄も楽しく読めた。取材の成果を生かしたいがため、また、ページ数を稼ぎたいがために挿入される蘊蓄は嫌いだが、こういった内容とリンクした、ミステリと関連した読んで楽しいものなら歓迎だ。
刀城シリーズが好きで本作も読んでみたが、やっぱり私はホラーは合わないかな。

No.4 6点 密室の如き籠るもの- 三津田信三 2014/09/07 20:31
この作者の作風から、短編というのは想像し難かったが、一作一トリックをうまく怪異現象と取り合わせて完成させていた。シリーズ探偵刀城言耶の魅力も増してきて、読み応えのある短編集となった。

・首切の如き裂くもの
陰惨な過去の殺人事件、首裂きという残忍な殺害方法から、一気にアクロバティックな凶器消失トリックへ。あまりにギャンブルが過ぎるような気はするが、怪異とトリックのギャップが面白い。

・迷家の如き動くもの
いまひとつビジュアルがイメージしづらかった。登場の仕方、犯人との対決場面など、刀城のヒーローっぷりがかっこいい。こんなの刀城じゃない! と思ってしまう(笑)

・隙魔の如き覗くもの
個人的に一番よかった。アリバイトリック、被害者と殺人者との因縁など、テーマ性、本格テイストが最もあふれていたからかも。

・密室の如き籠るもの
本の半分を占める中編。被害者が見せた「凍り付くような表情」の真相がミソ。長編でおなじみの多重推理も、刀城のやさしさという形で見せる。

No.3 7点 山魔の如き嗤うもの- 三津田信三 2014/09/02 22:39
相変わらず骨太でド本格な作品を読ませてくれる。
無個性だったシリーズ探偵の刀城言耶も、山道を歩いている途中でビビる、親しくしていた関係者が殺され義憤にかられるなど、ちょっとヘタれだが心優しい青年というキャラが付いてきた。
これもシリーズ恒例となった多重推理については、最初の謎解き段階で、「どうせこれは間違った推理なんだろ」と思ってしまい、なおざりな読み方になってしまいがち。ただでさえ長い小説なのだから、今後何とかしてほしい。なぜわざわざ自分で間違った推理を最初に披露するのか、という疑問も。
とはいえ、よく作られた物語であり、犯人が猟奇的な行為をする意味も考えられているなど、ミステリとしては申し分ない。
刀城言耶のキャラが固まりつつあり、担当編集者との漫才のようなやりとりなど、コミカルな部分も出てきて、今後も目が離せない。

No.2 7点 厭魅の如き憑くもの - 三津田信三 2014/08/25 10:14
「首無~」の完成度が高かったので、シリーズ第一作から読もうと購入。
「首無~」がほぼ純粋な本格だったのに対し、こちらは随分とホラー要素が強い。刊行順からして、こちらが本来の作者の味なのか。
探偵、刀城のキャラがいまひとつ弱い。こういう人知を越えた怪異に挑むのであれば、作品の空気を和らげる金田一的三枚目か、いっそ知恵と力の象徴のような、明智、神津的超人にして、近代的探偵対前時代的怪異という対立を押し出したほうが盛り上がるのでは。
と思ったが、どうも作品のスタンスが、「怪異はないとは言い切れない」というぼかした立場のため、探偵を無個性にしたのはわざとなのかな、とも感じた。怪異のキャラより前に出るような三枚目探偵も、すべて人間の仕業と看破する科学の申し子のような探偵も邪魔なだけという考えなのかもしれない。あくまでこのシリーズの主役は、探偵でも犯人でもなく、怪異なのだ。

本作の舞台となる、因習に縛られ、それを盲目的に遵守する山村とそこに住む人々、科学捜査の発達していない警察、携帯電話・パソコンもない時代、というのは、トリックを成立させる上での、本格ミステリとして絶好の装置なんだなと改めて感じた。

No.1 9点 首無の如き祟るもの- 三津田信三 2014/08/18 00:24
過去の事件に発する呪い、閉鎖的な村、君臨する大家族、怪異現象、密室殺人、首なし死体。「本格ミステリの鬼」と自称する人たちが狂喜乱舞するような舞台設定が整い、さらに、村の全景図、二ページにも渡る人物表、現場構造図も挿入されており「もうお腹いっぱいです」といいたくなる、超ストロングスタイルのミステリ。
ハリウッド映画の三時間超え大作アクション映画を3Dで鑑賞したかのような満腹感を味わえた。

呪いや怪異に支配された風習や取り決め、奇妙な建築物などは、ぶっちゃけてしまえば、作者が考えたトリックを無理なく成立させるために作者自身が用意した、いわば自作自演なのだが、(この作品だけでなく、ミステリの舞台装置というのは、おしなべてそういうものだ)それにいかに説得力を持たせるか。いかに、「こんなやついねーよ(笑)」とか、「これは無茶苦茶だろ」という読者の声を封じるか。そこに作家の力量が問われるわけだが、この作品のそれは絶妙。「もうこれ以上やったらヤバい」というギリギリで、踏みとどまっている。
それに加え、「このトリックをやるためにこの設定を作ったのか」というのが分かったときに、「うまい!」となるか、「いや、ちょっと強引だろ」となるか。本作においては、「うまい!」と唸るしかないと思う。
他の多くの方も書かれている通り、ある最初の欺瞞が発覚することにより、次々に謎が解かれる展開は心地よく、昔懐かしパズルゲーム「ぷよぷよ」の大連鎖が決まったかのような爽快感を得られる。
ただ、最後の逆転に次ぐ逆転の展開は、「もう勘弁してくれ」と言いたくなったが。
突っ込み所がないわけではないが、それを補って余りある「驚異の首なし死体トリック」が味わえる。これは全てのミステリ好きに読んでもらいたい。

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名探偵ジャパンさん
ひとこと
絶対に解かなければいけない事件が、そこにはある。
好きな作家
有栖川有栖 綾辻行人 エラリー・クイーン
採点傾向
平均点: 6.21点   採点数: 370件
採点の多い作家(TOP10)
三津田信三(16)
綾辻行人(10)
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