皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
バードさん |
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平均点: 6.14点 | 書評数: 324件 |
No.14 | 5点 | 邪悪の家- アガサ・クリスティー | 2024/08/05 05:56 |
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(ネタバレあり)
良かった点と、イマイチな点がはっきりしていた。もう少し驚きのあるギミックが増えるor大技が仕込まれていれば6点も見えていた。 無難に面白いがそれ以上でもないという評価。 <良かった点> ・手紙宛先の誤認ネタ ・電報の伏線 ・探偵(真相を口にする役)を利用する事で読者を自然に騙せている点 <イマイチ点> ・フーダニット(結構似た構成の本を読んだことあり、ネタを読めてしまった。) ・キャラの人物像(クリスティにしては印象薄めなキャラ多数) |
No.13 | 4点 | ねじれた家- アガサ・クリスティー | 2023/03/18 12:02 |
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正直期待外れでした。犯人の意外性もそれ程だし、探偵役のきらりと光る推理の見せ場も無い。ねじれた家の人々の醸し出す人間の嫌な部分を観察して楽しむのが、本書の面白い読み方なのかな?
過去に4点を付けた『オリエント急行の殺人』よりは上だが、他のクリスティ既読作品よりは下という位置付け。 |
No.12 | 8点 | パーカー・パイン登場- アガサ・クリスティー | 2021/12/06 11:19 |
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始めの方は地味な話が続き物足りなさを感じたが、中盤以降は豊富なギミックが登場し読み応えアップ。終わってみれば非常に満足度の高い短編集だった。
ポアロ、ミス・マープルに比べると知名度で劣るが、クリスティが嫌いでなければ本書もぜひ読んでいただきたい。 <各話の書評> ・中年夫人の事件(5点) ほっこりする終わり方で好みだが、ミステリとして特筆すべき点は無し。パーカー・パイン氏の紹介的な話で、可も無く不可も無い出来。 ・不満軍人の事件(6点) 全てはパーカー・パイン氏の手のひらの上。オチは予想できる範囲だが退屈しない。 ・困った婦人の事件(6点) 本短編集の中でも後味悪めな話。悪党にこのままでは不幸になると忠告するも無視されるところに嫌なリアリティを感じる。ミステリ的な部分ではなくストーリーの見せ方が光る話だね。 ・不満な夫の事件(6点) オチが全て。自分的にはまあまあ。 ・サラリーマンの事件(5点) 悪くはないが、特にコメントする点も無し。 ・富豪婦人の事件(7点) まあ臭い話といえば臭い話だが、本作の如しシンプルな人情話?は嫌いじゃない。人間何が幸せかはいつも考えておかないとね。自分の稼ぎだとまだまだお金は必要なので、ライマー夫人のように割り切れないですが。 ・あなたはほしいものをみな持ってますか?(8点) 海の上という共犯者を使えない状況で宝石を盗むとなると作中の方法しか無いのだが、真相を上手く隠して面白くしていると思った。本短編集はこの話から一気にエンジンがかかったという印象。 ・バグダッドの門(8点) 犯人特定の方法が古き良き探偵という感じで大好き。小技の効いたいい短編と感じた。 ・シラーズの家(9点) 本短編集で一番好きな話。別の作家の長編でほぼ同じネタを見たことがあるが、あちらは早々にボロが出ているのに対し本作は短いページで見事にトリックを決めている。ラストに明かされる伏線も巧妙でアガサ・クリスティの実力を堪能できる素晴らしい短編。 ・高価な真珠(6点) 前三話の出来が良かっただけに少しトーンダウン。つまらなくはないが話の構成的にボケっと読んでても犯人が分かってしまうのが傷。 ・ナイル河上の死(4点) パーカー・パイン氏が旅に出てからの話の中でワースト。犯人の見通しも甘く、まともなトリックもないのでイマイチ。 ・デルファイの神託(9点) 露骨な伏線が張ってあるので正直オチは誰でも予想できると思う。その上でわずか20ページでこのトリックを採用し面白くまとめているのは見事。また、最後を本トリックのような変化球で締めるという短編集の構成も褒めたい。というのもラストにインパクトの大きい話があると短編集自体が強く記憶に残るからである。 |
No.11 | 5点 | NかMか- アガサ・クリスティー | 2020/11/24 23:34 |
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戦争敵国のスパイを暴くというスケールの大きい話だが、実態は老人や婦人方の毒にも薬にもならない会話が大部分で、病院の待合室を見させられてる感覚。つまり、冒険ものとしては案外地味目。
ストーリーがつまらないわけではないが、クリスティの人気作はここに更にもう一ギミック入るので、やはり少し物足りない。総合すると、本作はクリスティ作品に求める水準に対し及第点くらい。 |
No.10 | 8点 | カーテン ポアロ最後の事件- アガサ・クリスティー | 2020/03/27 11:23 |
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シリーズの締めに始まりの地、スタイルズ荘を選ぶとは・・・、ファンのツボを押さえた実に粋な計らいだね。
あの小憎たらしくも溌剌としていたポアロが老いと病で弱っている様子が象徴的だが、全体を通し暗めな雰囲気の本作。ヘイスティングズがポアロの手足となり捜査をするも、Xが巧みに暗躍し事態は好転しない。そして最後は・・・。 非常にやり切れない物語で読み終わってもスカッとしない、がこの構成がシリーズ物の最後特有の喪失感につながっている。作者の計算通りなのだろう。 ミステリ的に好みでない仕掛け(最後の犯人が〇〇〇)もあるが、それらを枝葉の問題に追いやる堂々の完結ではないか。点数は一ミステリとしての出来と、シリーズ最終作としての出来両方を考慮した。 |
No.9 | 7点 | アクロイド殺し- アガサ・クリスティー | 2019/12/15 10:40 |
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(ネタバレあり)
-------------------------------------------------------------------------- 「普段読むジャンルからは外れるので、クリスティはあまり読んでない。 せいぜい有名作(『そして誰もいなくなった』など)と数冊だけ。 そんな自分が言うと生意気で、角が立つかもだけど、『アクロイド』のストーリーは、事件が起き、探偵が地道に手掛かり集めて、最後に容疑者たちの前で推理するという、こてこてものすぎる。 探偵小説に慣れてる人にとっては、退屈なんじゃないかな。 どうせ当たらないだろうし、犯人が誰かは、そんなに考えずに読んだ。直感では少佐が犯人かと思った。(理由は、他の登場人物よりはまだ意外性があるかな~と思ったから。ひどい推量とは、自分でも思う(笑)。) でも、『そして誰もいなくなった』みたいに途中で死んだ人もいないし、誰が犯人でもそこまで意外性がないような、とか心配してたら・・・、最後にやられたよ。物語を語ってた、わたしが犯人!?こんなのあり!? 完全に意識外だったから、びっくりした後、色んな箇所を見直しちゃったよ。 意表を突くという、なぞなぞの本質を、小説形式でここまで表現できるんだな~と感心したね。 : : : : : というわけで、『アクロイド』凄く面白かったわ。 やっぱクリスティって凄い作家なんだね。」 私「うん、そーだね。でも、まだそれ読んでない・・・。」 友人「(゚∇゚ ;)エッ!?」 私「」 友人「」 -------------------------------------------------------------------------- 悲しい事件でした。 友人はSF、私はミステリと棲み分けていたので、まさか私がこれほどの有名作を読んでないとは思わなかったのでしょう。 本作は完全ネタバレをくらった作品の一つです。ネットでのネタバレは今も昔も自衛していますが、リアルで不意を突かれるとどうしようもない(笑)。 以上が、「『アクロイド』殺し」の顛末です。 (以下書評) 友人の意見と同じで、現代のファンからするとストーリーが退屈な気はする。また、仕掛けの性質上やむを得ないのだが、全体的にあっさりとした書きっぷりで、人間ドラマもそこまで盛り上がらず。結局、件のトリックが楽しめるか否かが、本作の評価を決めるのだろう。 よって、ネタバレ済み、再読時はそんなに・・・という本かと。種が割れていると、犯人が紡ぐあからさまな描写を探して、にやにやしながら読むくらいしかできないので。(まぁ、答え合わせのようなもので、それも楽しいっちゃ楽しいですが。) ただ、この手の作品の中では本書は圧倒的にフェアだと思うので、個人的には技巧を称えて加点したいっす。 笠井潔さんの解説(早川書房2003年版)の通り、本作の文章は犯人が手掛けた文章なのだから、極端なことを言えば、本文中に嘘があってもフェアなんですよね。 その中で、事件に関する嘘の記述は無く、かつ犯人特定パートの前に作中作であることのネタばらしまでするので親切すぎるくらい。 残念ながら、ネタバレ済みで読んだ私には評価不可なので、本音は「点無し」ですが、ネタバレせずに読んだらおそらく9点という気がするので、ストーリーの5点との間をとって7点としておきます。 |
No.8 | 10点 | ナイルに死す- アガサ・クリスティー | 2019/07/31 21:00 |
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傑作でした。久しぶりに満点です。(パチパチパチ)
クリスティの有名作を3つ挙げろ、と言われたら「アクロイド」、「そして誰もいなくなった」、「オリエント急行」かと思うが、私個人の好みでは本作品はこれらを上回った。 本作の良さは、"バランス"と思う。本筋を覆い隠すために、無関係な小噺も多くなりがちなミステリでは、謎を深くしようとし、読み物としてチグハグになることが多々ある。しかし、本書はミステリの命である謎の出来と小説としての話の展開、この両方がハイレベル。つまり謎を魅力的にしつつ、ストーリーを読ませる最適なバランスなのである。 メインの仕掛けは、見破れなかった。(おしい所まではいったが、サイモンがジャッキーを庇ってるパターンかと思ったぜ。)枝葉の謎(レイスが追う男やティムの役割など)は完璧に分かったんだがね。共犯ものは基本的に嫌いだが、本作品はその苦手を跳ね返す良さでした。 最後にストーリーについて。無駄なキャラにさくページはほぼなく、読みやすい上に、各キャラの立ち具合、エジプトの雰囲気などを非常に楽しめた。 |
No.7 | 6点 | 春にして君を離れ- アガサ・クリスティー | 2018/12/30 20:55 |
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楽しめた・・・のかなぁ。巻末の解説の言葉で書くなら、哀しい話と感じたねぇ。
暗いというか、哀しみが先行して、満足感みたいなのは皆無で、苦手なタイプの話だった。しかし苦手と思った私から見ても、この手の小説の中では非常にレベルが高いと思う。途中で一度真実に気づかせた上で、あの結末に落とすというのは、リアルというか、容赦がないというか・・・。作者の腕が光ったシナリオだね。 楽しくない小説なので、個人的な点数は2点引いて6点。(小説のレベルは8~9相当と思う。) |
No.6 | 6点 | ゴルフ場殺人事件- アガサ・クリスティー | 2018/11/22 15:14 |
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クリスティ作品の中では佳作といったところ。しかし今回の謎は、私にとってそれほど興味深いものでなかったので6点とする。(読んだ直後は6~7点位でどちらの点にしようか迷った。)
終わりから100ページ前くらいで明かされる、ルノー夫妻の元々の計画はポアロの誘導があったので当てられた。しかし、殺人の犯人はほぼ考える間もなく物語が動いてあっという間に終わってしまった。 本作は殺人犯を論理的に当てられる作品なのかどうか、分からない。探偵に言われりゃなるほどそうか、と思うが。 |
No.5 | 7点 | 白昼の悪魔- アガサ・クリスティー | 2014/11/09 14:26 |
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クリスティ作品の標準やや上くらい。最後の最後まで裏のある構成、完璧に当てるのはできなかった。最初の日焼けのくだりとか伏線はあっただけに悔しい。
登場キャラもかぶっている人が少なく読んでて混乱しにくかったのも好印象。比較的コンパクトにまとまっている良作。 |
No.4 | 7点 | ABC殺人事件- アガサ・クリスティー | 2014/01/29 10:12 |
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海外ミステリは多少読みにくくなりがちだがクリスティ作品は比較的読みやすい方だと思う。
この作品については自分は結構楽しめた、ただいくら暗示をかけても人間を操作するのには限界があるだろうと感じる人も多いと思う。そこは個人の感性ということになるから低評価の人の意見もわかる。 |
No.3 | 5点 | スタイルズ荘の怪事件- アガサ・クリスティー | 2013/10/28 13:09 |
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読んでから結構たってからの感想なのでざっくりと、クリスティの中では普通というかビックリ箱要素が低いというかで印象に残りにくい。というか比べられる作品が凄すぎる。 |
No.2 | 9点 | そして誰もいなくなった- アガサ・クリスティー | 2013/08/05 17:18 |
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個人的にはこれがクリスティの代表作だと思っている、多数の登場人物が全員死んだあと明かされる衝撃の真実。古典ミステリをオマージュしてある新本格ミステリが読まれるようになった現在において古典物は若干物足りなさを感じる場合もあるのだがそれでもこの作品は十分衝撃的だった。
これを基盤としてる綾辻さんの十角館の後に読んだがすっかりしてやられた思い出深い作品。 |
No.1 | 4点 | オリエント急行の殺人- アガサ・クリスティー | 2013/07/24 08:02 |
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名作相手に申し訳ないが低評価。
物語としては終始列車内での取調べで動きもなくひたすら淡々と進み起伏がないそれゆえどうしても退屈さを感じさせてしまう。それでもクリスティ作品なら期待できるとなんとか読んでいったが最後が・・・。 自分は〇〇ものは嫌いなのだがまさか一人以外全員〇〇とはね、これじゃ取調べなんて全部ただの茶番だし犯人当てもあったもんじゃないと思う。新しい試みといわれればそれまでだが自分には合わなかった。 |