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いいちこさん
平均点: 5.70点 書評数: 525件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.11 6点 消えた巨人軍- 西村京太郎 2021/09/16 10:42
「冒頭の掴みは最高だが、ディテールの検証が甘く、かつ末尾に至ってテンションが顕著に低下する」という本著者の全盛期に典型的に見られるタイプの作品。
本作も冒頭から不可能興味が否応なく募るのだが、捜査プロセスと、それに伴う時間の進行が物理的に破綻している点、知能犯として描かれている犯人の、考えられないような不用意な行動によって、半ば自供するような形で、真犯人と特定されている点等は、決定的な欠陥と指摘せざるを得ない。
アイデアの面白さ・奇抜さの貯金だけで何とか逃げ切った作品であり、6点の最下層

No.10 5点 華麗なる誘拐- 西村京太郎 2021/07/30 20:59
アイデアの独創性は抜群であり、その点は高く評価する。
しかしながら、プロットは平凡で、かつ著者の作品は総じてそのような傾向が強いが、実証的な検討を経ておらず、フィージビリティがまるでない。
その点を大きく減点してこの評価としたが、もったいない作品

No.9 3点 寝台特急(ブルートレイン)殺人事件- 西村京太郎 2021/01/04 10:49
これは厳しい。
正直に言って好意的に評価できる点がない。
特に犯人がこれほどに大掛かり、かつリスキーな犯行計画を策定してまで、寝台特急での犯行にこだわる合理的な理由が見当たらない点は最大の問題。
本作プロットの根本的な欠陥と言わざるを得ない。
犯人が初手から半ば特定されているにもかかわらず、犯人が唐突に自供を開始して真相が解明するというプロセスもいただけない。
3点の最下層

No.8 2点 新・寝台特急殺人事件- 西村京太郎 2020/11/17 17:44
E-BANKERさんの書評のとおり。
ミステリとは言えないし、サスペンスと解しても最低ランクの評価にならざるを得ない

No.7 6点 消えたタンカー- 西村京太郎 2019/07/30 19:47
タンカーの消失に秘められた真相は、サプライズこそ不十分であるものの納得性は強く、それがもたらすプロットの反転は鮮やか。
「赤い帆船(クルーザー)」と類似した、スケールの大きいハリウッド映画的なプロットではあるが、その点で本作の方を断然上と評価する。
ただ、タンカーの消失も連続殺人事件もやや大味で、合理性やフィージビリティの面では難があると言わざるを得ない。
それが両者が1個の事件として融合しきれていない、1つのプロットとしてこなれていない印象を生んでいて、減点材料とした

No.6 6点 D機関情報- 西村京太郎 2018/12/07 20:16
作品の主題を考えれば、やや冗長さも感じるところだが、リーダビリティの高さも加味すれば、これまで読了した著者の作品の中ではベストの評価

No.5 3点 終着駅殺人事件- 西村京太郎 2018/07/02 18:37
作品の底流をなす抒情性等、全体としてのテイストは決して嫌いではない。
ただ、全登場人物が殺されることによって真犯人が判明するプロットとはよいとして、その間実証的な捜査を全く行なわず、情緒的な言動に終始する捜査陣の無能ぶりはいかがなものか。
その他、犯行プロセス全体の合理性・フィージビリティの低さ、トリックのレベルの低さなど、本格ミステリとして評価できる点がない

No.4 5点 天使の傷痕- 西村京太郎 2017/11/06 20:55
著者の他の作品にも言えることだが、本作は「描写に無駄がない」というより、「単に描写がなさすぎる、直接的すぎる」だけだろう。
全体として描写が極めて少なく、登場人物の心理描写が直接的すぎることが、高いリーダビリティを生んでいる反面、プロットのリアリティの欠如や作品の奥行きの無さ、言葉を選ばずに言えばテレビの2時間ドラマ的な安っぽさという副作用につながっている。
メイントリックも非常にチープで、フィージビリティは大いに疑問。
全体として見るべきところもある作品だが、それ以上に欠点が目に付く印象

No.3 4点 赤い帆船(クルーザー)- 西村京太郎 2017/09/22 19:43
ハリウッド的なビジュアル映えするプロットではある。
しかしながら、プロットから真犯人が容易に推定できる点、犯行プロセスが綱渡りすぎるうえに、サプライズに乏しい点、犯行プロセスが論理的に特定されておらず、真犯人の自供に頼っている点で、評価することはできない

No.2 4点 七人の証人- 西村京太郎 2015/08/27 18:08
プロットは極めてトリッキーで興味深いのだが、看過し得ない瑕疵があまりにも多い。
まず無人島に犯行現場を再現し、関係者全員を昏倒させてそこに拉致したという舞台設定が、あまりにも無理筋。
獄死した犯人の父親による真相解明は、非常に強引で論理性に乏しいにもかかわらず、その誘いにまんまと乗って真相を吐露する証人たちの愚かさ・不出来さにも強い違和感。
そのうえ、無人島で連続殺人事件が勃発するのであるから、その犯行の杜撰さもさることながら、発生の事実自体が真相を強く示唆するヒントとならざるを得ない。
以上、着想の妙は買うのだが、華麗なる失敗作と評価

No.1 5点 殺しの双曲線- 西村京太郎 2011/12/23 19:54
さすがに読ませる作品に仕上がっているがkanamoriさんのご指摘に全く同感。
冒頭に宣言しておきながら連続強盗事件が単なるミスディレクションであり必然性が欠如、重要人物が終盤に登場する点で納得感に乏しい点が減点材料

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いいちこさん
ひとこと
評価にあたっては真相とトリックの意外性・納得性を最重視しつつ、プロットの構想力・完成度、犯行のフィージビリティ・合理性に重点を置いています。
採点結果が平均6.0点前後となるよう意識して採点するととも...
好きな作家
東野圭吾、麻耶雄嵩、京極夏彦、倉知淳、奥田英朗。次点として島田荘司、有栖川有栖、法...
採点傾向
平均点: 5.70点   採点数: 525件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(30)
島田荘司(20)
麻耶雄嵩(20)
奥田英朗(15)
宮部みゆき(15)
倉知淳(15)
京極夏彦(14)
有栖川有栖(13)
アガサ・クリスティー(13)
西村京太郎(11)