皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1667件 |
No.247 | 6点 | 倫敦時計の謎- 太田忠司 | 2012/07/25 12:27 |
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ロンドンオリンピックもまもなく開幕なので・・・。モチーフは泡坂妻夫氏作品(1977)と同様な気がします。構図は良くできているし、面白いとは思うのですが、犯人の設定自体が好みではないので・・・評価が難しいですね。 |
No.246 | 7点 | 女囮捜査官 5 味姦- 山田正紀 | 2012/07/23 10:39 |
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本作のメイントリック3つのうち、2つ(トンネルでの密室・DNA鑑定)はあまり一般受けはしないと思います。このシリーズでは、トリックが盛り沢山ありましたが、どうもそれをメインとはしていないような気がしてきました。おとり捜査官という女の性(結構エロティックな表現あり)を主体に、警察内部の葛藤、そして最終回の謀略小説的な要素に+トリックといった感じがします。シリーズは、触・視・聴・嗅・味を副題とし、ミステリーの要素(密室・見立て・アリバイ・多重人格・サイコスリラー等々)がてんこ盛りで楽しめました。最終回は、何故、特被部(女おとり捜査官)を設立したかという謎がどんでん返しで明らかにされます。 |
No.245 | 5点 | 女囮捜査官 4 嗅姦- 山田正紀 | 2012/07/21 10:38 |
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見立て殺人のほか、てんこ盛り(詰め込み過ぎ?)でややピントがずれてしまったように感じました。見立て殺人一本の方がインパクトがあったような気がします。そうすれば犯人の心境や異常性、並びに意外な真相が際立ったような気がします。 |
No.244 | 8点 | 007/ゴールドフィンガー- イアン・フレミング | 2012/07/19 15:50 |
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007シリーズの映画化第3作目(1964)、本の方は7作目(1959)。スパイ小説の古典ですが、スリル・スピード感(賭博対決、ゴルフ対決、飛行機内対決など)があり楽しめた。映画とは違いボンドの内面の弱さが垣間見れて面白い。愛車アストンマーチンのカーナビ追跡システム搭載(本では発信音波追跡)は、当時絵空事と思ったものですが、そのカーナビが実用化されるなんて夢のようです。解説(ハヤカワ・ミステリ)は若竹七海氏でシリーズ中本書が一番とのこと。直近読んだ山田正紀氏(おとり捜査官)は映画では本作が一番とありました。ちなみに7のつく日にIMAGICA BSでシリーズ放映中です。 |
No.243 | 7点 | 女囮捜査官 3 聴姦- 山田正紀 | 2012/07/17 21:43 |
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誘拐+二重人格と、それぞれ別の物語として、成り立っているようですが最後はひとつに纏ってきます。なかなか見事な構成だし、誘拐犯の計画も凝っていると思います。おとり捜査官・北見志穂の孤軍奮闘の物語といえると思います。 |
No.242 | 7点 | 僕の殺人- 太田忠司 | 2012/07/16 10:30 |
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一人六役という物語の構成、人物の配置など、すごく計算されていて高評価なのですが、ややインパクトに欠けた印象ですね。ラストはどんでん返しのままで終わらせ、その後の行方は読者におまかせ・・・の方がインパクトが強いような気がしました。作者のやさしさが、にじみ出ているラストではあるのですが・・・。 (ネタばれ)「僕」が伯父に似ているというミスリードが2か所くらいあったと思いますが、やや反則?気味のような気がしています。ストレートな表現でなく、匂わす表現であればもっと効果的であったと思います。 |
No.241 | 6点 | 聖女の救済- 東野圭吾 | 2012/07/14 11:05 |
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トリックは、湯川の言葉通り「理論的に考えられても、現実的にはありえない。」ということでしょう。アイデアは面白いと思いましたが、やはり現実味がないので、感心することはありませんでした。ストーリーテリングはうまいといつもながら感心します。内海薫は、テレビと違い切れ者の感じがし好印象でした。 |
No.240 | 6点 | 007/ロシアから愛をこめて- イアン・フレミング | 2012/07/12 22:33 |
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007シリーズの映画化第2作目(邦題は「007/危機一発」)、本の方は5作目。原作者イアン・フレミング氏はこの作品が映画化されたあと逝去。映画はボンド=ショーン・コネリー氏の7作品(1作品はシリーズと別の映画)+αしか観ていないのですが、この作品が最高傑作であると思います。ダニエラ・ビアンキさんの色気に圧倒されました。映画は原作に+αがあり、派手な感じがしますが、本作はスパイ同士の恋愛を中心に描かれています。ラストは映画とは全く違うものでした。採点は甘めで・・・。 |
No.239 | 7点 | 誘拐者- 折原一 | 2012/07/11 19:01 |
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長編ですが、だらけることもなく謎とサスペンス感を保ちながら物語は進行しています。普通の誘拐物と違って、事件(誘拐)の20年後から物語が始まります。中年の女性(元妻、元同棲者、現同棲者、元囚人、元妻と名乗る者、記者の恋人)が入り乱れ混乱(いい意味で)させられますが、最後は時系列でスッキリさせてくれています。中年の看護婦が男性主人公(偽名を使っている)を本名で呼ぶシーン(看護婦は本名を知らないはず)があり、これは犯人が看護婦であったという伏線?と思いましたが、関係ありませんでした。ただの誤記???。 |
No.238 | 6点 | 鳴風荘事件- 綾辻行人 | 2012/07/10 10:59 |
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(ネタばれあり)二つの事件のトリックを解明してゆくと、犯人には結びつかないというところがミソなのでしょう。読者への挑戦もあります。伏線はかなりちりばめられていたのですが、解りませんでした。今までも犯人が解ったことはありませんが・・・(笑)。 |
No.237 | 4点 | 眩暈を愛して夢を見よ- 小川勝己 | 2012/07/07 12:51 |
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須山は、高校時代の憧れの先輩・柏木美南(現在AV女優)と再会したが、普通の人と結婚すると言い残し失踪してしまう。美南の行方を探すが、やがて美南の悲惨な過去が浮かび上がってくる。そして美南に関わった人物が相次いで殺されてゆく・・・。 奇作というのでしょうか、一読ではよく解りませんでした。作中作が突然出てきて、その論評がなされたりするものですから・・・。けしてつまらなくはないのですが、ミステリーとして評価すれば、題名から推測できるように反則技?ではあると思います。 |
No.236 | 6点 | 卍の殺人- 今邑彩 | 2012/07/06 07:27 |
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デビュー作としては、展開もいいし良い出来だと思います。ただ、事件解決か?と思われた後の真相が簡単に判明し過ぎるのがもったいないように感じました。語り手・亮子の友人が話だけで・・・というのはどうも釈然としません。亮子があることに気が付き、そこから真相にたどりついてゆく、犯人を追いこんでゆく、とした方が盛り上がったような気がします。 |
No.235 | 5点 | 四神金赤館銀青館不可能殺人- 倉阪鬼一郎 | 2012/07/04 20:11 |
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バカミスといわれるものは読んだことがないので、どんなものかと手に取った1冊です。なるほど、こういうものをバカミスというのだなと納得しました。伏線もかなりあり楽しめましたが、マニアにはなれませんね。 |
No.234 | 6点 | 007/ドクター・ノオ- イアン・フレミング | 2012/07/03 11:09 |
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007シリーズの映画化第1作目(邦題は「007は殺しの番号」)青春時代、007=ショーン・コネリー氏に魅せられ、かなりハマったことを思い出します。当時映画館は何回観てもOKな時代でしたし、今でいうロードショーが終了すれば、場末の映画館で2本立てで、また観ることができました。何回観たことでしょう(笑)。本では映画と異なり、ボンドの人間臭さがよく描かれています。ノオ博士との緊迫したやり取りも楽しめました。好きなシリーズなので甘めな採点となります。 |
No.233 | 8点 | 女囮捜査官 2 視姦- 山田正紀 | 2012/07/02 15:40 |
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息もつかせぬサイコ・サスペンスという感じで一気読みできました。もったいないと思うのは、秀逸なトリックが影に隠れてしまっている?又はあえて流してしまっている?・・・という感じがしてしまう点です。某人気作家の超有名作品と本質的には同様なトリックと思いますが、私的には本作品の方がうまい扱い方だと感じました。 |
No.232 | 6点 | マリオネットの罠- 赤川次郎 | 2012/07/01 20:09 |
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物語と題名の意味が結びつかず、進んで行きます。そしてラストにその意味が分かるというもので中々凝っていると思います。サスペンスものとして読んでいたので、フェア・アンフェアを感じることはありませんでした(ただし、本格ものを意図していたら、アンフェアになると思いますが・・・)。スリル・スピード感もあり楽しめました。 |
No.231 | 9点 | ハムレット狂詩曲- 服部まゆみ | 2012/06/30 20:45 |
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裏表紙より『劇団薔薇』新劇場のこけら落としで、「ハムレット」の演出を依頼された、元日本人で、英国籍を取ったケン・ベニング。ケンにとって、出演者の一人である歌舞伎役者の片桐清右衛門は、母親を捨てた男だった。ケンは、稽古期間中に、清右衛門を殺そうと画策するが…。様々な思惑の交錯、父殺しの謎の反転、スリリングな展開。結末は…真夏の夜の夢!? サスペンスでこれほどの後味の良さを味わったのは初めてです。ハムレット上演の舞台裏が美しい文章で描かれており、どんでん返しも用意されています(さすが役者といったところ)。解説は俳優の江守徹氏ですが、ネタばれしています。 |
No.230 | 5点 | はじまりの島- 柳広司 | 2012/06/29 06:40 |
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動機や真相は、この時代の背景とガラパゴス諸島のシチュエーションをうまくミックスしていて面白いし、また新鮮さも感じられました。ただ、解説にもあるとおり、あえて翻訳ものの文章にしているせいか、硬い感じがし、恐怖感や緊迫感がどうしても伝わってきませんでした。 |
No.229 | 4点 | ぼくのミステリな日常- 若竹七海 | 2012/06/26 22:26 |
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骨組みは凝っていると認めざるを得ないのですが、短編はワクワクして読む雰囲気はありませんでした。”先に読んでほしい解説”(異例扱い?)に、「短編の形式を取っているが、後で全体に関わってくる」と記載されています。短編が面白ければ、このようなことは必要ないと思いました。 |
No.228 | 7点 | 写楽殺人事件- 高橋克彦 | 2012/06/24 19:14 |
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(再読)発売当時、ミステリーというより写楽は誰なのかの方に興味があり購読したものです。今回再読で、あらためて力作であるという思いを強くしました。ミステリー(事件)より写楽の謎を楽しむ作品だと思います。 |