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蟷螂の斧さん
平均点: 6.09点 書評数: 1633件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.233 8点 女囮捜査官 2 視姦- 山田正紀 2012/07/02 15:40
息もつかせぬサイコ・サスペンスという感じで一気読みできました。もったいないと思うのは、秀逸なトリックが影に隠れてしまっている?又はあえて流してしまっている?・・・という感じがしてしまう点です。某人気作家の超有名作品と本質的には同様なトリックと思いますが、私的には本作品の方がうまい扱い方だと感じました。

No.232 6点 マリオネットの罠- 赤川次郎 2012/07/01 20:09
物語と題名の意味が結びつかず、進んで行きます。そしてラストにその意味が分かるというもので中々凝っていると思います。サスペンスものとして読んでいたので、フェア・アンフェアを感じることはありませんでした(ただし、本格ものを意図していたら、アンフェアになると思いますが・・・)。スリル・スピード感もあり楽しめました。

No.231 9点 ハムレット狂詩曲- 服部まゆみ 2012/06/30 20:45
裏表紙より『劇団薔薇』新劇場のこけら落としで、「ハムレット」の演出を依頼された、元日本人で、英国籍を取ったケン・ベニング。ケンにとって、出演者の一人である歌舞伎役者の片桐清右衛門は、母親を捨てた男だった。ケンは、稽古期間中に、清右衛門を殺そうと画策するが…。様々な思惑の交錯、父殺しの謎の反転、スリリングな展開。結末は…真夏の夜の夢!?            サスペンスでこれほどの後味の良さを味わったのは初めてです。ハムレット上演の舞台裏が美しい文章で描かれており、どんでん返しも用意されています(さすが役者といったところ)。解説は俳優の江守徹氏ですが、ネタばれしています。

No.230 5点 はじまりの島- 柳広司 2012/06/29 06:40
動機や真相は、この時代の背景とガラパゴス諸島のシチュエーションをうまくミックスしていて面白いし、また新鮮さも感じられました。ただ、解説にもあるとおり、あえて翻訳ものの文章にしているせいか、硬い感じがし、恐怖感や緊迫感がどうしても伝わってきませんでした。

No.229 4点 ぼくのミステリな日常- 若竹七海 2012/06/26 22:26
骨組みは凝っていると認めざるを得ないのですが、短編はワクワクして読む雰囲気はありませんでした。”先に読んでほしい解説”(異例扱い?)に、「短編の形式を取っているが、後で全体に関わってくる」と記載されています。短編が面白ければ、このようなことは必要ないと思いました。

No.228 7点 写楽殺人事件- 高橋克彦 2012/06/24 19:14
(再読)発売当時、ミステリーというより写楽は誰なのかの方に興味があり購読したものです。今回再読で、あらためて力作であるという思いを強くしました。ミステリー(事件)より写楽の謎を楽しむ作品だと思います。

No.227 5点 水底の殺意- 折原一 2012/06/23 21:56
○○殺人の設定は面白いと思います。最初の死亡者が自殺と認定され、後半になって、もしかして生きているのでは?となりますが、これは前半から匂わせた方がサスペンス度はもっと盛り上がったような気がします。ラストについては、叙述の折原としては今一歩の出来といったところでしょうか。

No.226 7点 ルームメイト- 今邑彩 2012/06/22 14:45
多重人格物は好みではありませんが、本作は気に入り結構楽しめました。ミスリードが冴えていますし、叙述・どんでん返しもあります。読みやすいし、モノローグ4があってもなくても、どちらにしても後味は良かったですね。

No.225 6点 仔羊たちの聖夜- 西澤保彦 2012/06/21 20:00
シリーズ(前後?)を読んでいないので、タカチとタックの二人の状況は良く解りませんが、本作での二人の関係は、軽いタッチの青春小説のようであり面白く拝読。ミステリーとしては3つの事件の真相は、現実的な動機としてはどうか?・・・とやや納得性に欠けるような気がします。

No.224 6点 花面祭- 山田正紀 2012/06/20 20:47
各章での事件はその章で完結しますが、全体を通しては「しきの花」の謎が流れているので、連作ものという違和感はありませんでした。幻想的な雰囲気で物語は進んで良かったのですが、最後の探偵役の扱いはいかがなものか・・・。幻想の世界から打算的な現実へ引き戻された感じで残念です。

No.223 8点 殺しへの招待- 天藤真 2012/06/19 21:01
五人の夫達へ誰の妻からか不明の手紙が届く・・・ワクワクするような設定がいいですね。古さを感じるということはありませんでした。人間的にいわゆる「良い人」の登場が多く、そのことによってラスト(第3部)での「悪い奴」がよけいに際立ってきています。こういう終わり方は好みですね。

No.222 6点 館島- 東川篤哉 2012/06/13 09:00
ユーモアは笑うに笑えない中途半端な感じのものでした。相馬刑事のキャラクターをもっとドタバタにした方がよかったのかも。建築家・十文字和臣のアイデアと芸術性に+2点、住人の誰もが気がつかないという不自然さが-1点

No.221 7点 密約幻書- 多島斗志之 2012/06/12 08:03
歴史ミステリー+スパイ小説といった趣の作品です。どんでん返しも用意されており楽しめました。ただ、読み終わって、果たして主役は誰だったんだろう?と疑問がわきました。この点がマイナス要因です。

No.220 3点 アルファベット荘事件- 北山猛邦 2012/06/09 09:43
謎の物体「創生の箱」に係る三つの事件。①パーティの席上、空のはずの箱からバラバラ死体が出てくる②箱とは別の場所にいたはずの人物の切り取られた頭部がでてくる③箱と死体が別の場所から移動する(雪の足跡なし)。ライトノベルなのでトリック主体で、文章(人物・背景)に深みを感じることは全くできませんでした。読者は想像しかできませんが、現場にいたらすぐ解ってしまうトリックだと思います。

No.219 8点 監獄島- 加賀美雅之 2012/06/08 12:47
不可能殺人のてんこ盛りで、ややお疲れ気味です(笑)。物語の構造は良く練られています。中でも凶悪犯の脱走、およびメアり-(物語の語り手の妻)の登場に関しては秀逸であると感じました。やや不自然な点や、偶然(好みではない)があり8点止まりとなりました。

No.218 7点 ブルータスの心臓−完全犯罪殺人リレー- 東野圭吾 2012/06/01 21:41
倒叙物を一捻りしてあり、ストーリーの展開もかなり練られていて楽しめました。どちらかといえば、プロット中心のほうが、心理・心情を描いた作品よりも好みなので高評価となりました。

No.217 5点 さまよう刃- 東野圭吾 2012/05/31 18:22
(ネタばれあり)ラスト近くまでスピード感もあり、感情移入もでき、かなりの高評価(ミステリーとしてではなく)でしたが、ラストは肩透かしを食らった感じです。個人的には幼いころ時代劇(映画)をよく観て、仇討は当たり前と思って育ってきたので、この結末はかなり違和感がありました。江戸時代と、現代では法制度は当然違うのですが、心情的には今も昔も変わらないような気がし、小説なので何とかならなかったのでしょうか・・・(湊かなえ「告白」のようなラストを期待しすぎたのかもしれません)

No.216 5点 帝王、死すべし- 折原一 2012/05/30 07:41
さすが叙述の折原という感じです。見事に騙されました。いじめに合っている主人公に対する、いじめの張本人の言葉(ネタばれになるので書けませんが)は強烈な印象(ブラック)を残してくれました。ただ、物語の展開がやや緩慢な感じがしたのでこの評価です。

No.215 6点 再会- 横関大 2012/05/28 15:34
幼馴染の四人の誰かが犯人なのですが、誰もが犯人であってほしくないような気持ちにさせる描き方はうまいと思います。誰がタイムカプセルを開けたかという謎、殺人犯は誰、そして23年前の隠された事件の謎がうまく絡み合っており楽しめました。

No.214 6点 絶望ノート- 歌野晶午 2012/05/28 15:33
なんとなく予想していたので驚きはそれほど感じませんでしたが、読みごたえはありました。主人公、ジョン・レノンかぶれの父親、主人公を嫌う女子学生、異常に主人公に声をかける先生等々の性格がうまく描かれていたと思います。ブラックな味わいでした。

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蟷螂の斧さん
ひとこと
ミステリーは、作家中心では読んでおらず、話題作や、ネットでのお勧め作品を読んでいます。(2013.6追加~本サイトを非常に参考とさせてもらっています。現在は、読後、類似なトリック・モチーフの作品を探した...
好きな作家
ミステリー以外で「石川達三」、短編で「阿刀田高」、思想家で「荘子」
採点傾向
平均点: 6.09点   採点数: 1633件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(53)
折原一(48)
中山七里(34)
松本清張(27)
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