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蟷螂の斧さん
平均点: 6.09点 書評数: 1668件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.568 6点 春から夏、やがて冬- 歌野晶午 2014/03/07 12:39
救いようのない残酷な物語でした。ミステリー要素は薄いが、題名は秀逸。

No.567 7点 鏡は横にひび割れて- アガサ・クリスティー 2014/03/05 14:27
マープルものの最高傑作との評が多いので拝読。女性心理がうまく描かれたホワイダニットものですね。伏線はかなりあるのですが、その先(真相)までたどり着きませんでした。著者72歳の時の作品とのことで感心しました(老齢の遊び心も描かれています)。

No.566 7点 切り裂きジャックの告白- 中山七里 2014/03/02 20:11
~東京・深川警察署の目の前で、臓器をすべてくり抜かれた若い女性の無残な死体が発見される。戸惑う捜査本部を嘲笑うかのように、「ジャック」と名乗る犯人からテレビ局に声明文が送りつけられた。~             臓器提供の問題を扱った医療ミステリーです。医療倫理観に関し、僧侶と医学教授との討論は考えさせられるところが多かった。といっても「カエル男」と同様なサイコ系ミステリーでエンタメに徹しており楽しめました。

No.565 6点 マスカレード・ホテル- 東野圭吾 2014/03/01 18:30
舞台設定や犯罪構造はユニークであると思います。しかし、読後「しっくり感」がありませんでした。犯罪計画と犯人像が一致しない点か・・・。警察論理とホテル側論理の対立は楽しめましたが、サスペンスの盛り上がり、恋愛感情、刑事の捜査状況がやや希薄(中途半端)なように思えます。

No.564 7点 長靴をはいた犬 神性探偵・佐伯神一郎- 山田正紀 2014/02/28 14:32
著者自薦のうちの1冊。読後のすっきり感(証拠や論理)を求めるミステリーではないと思います。変格ミステリーというのでしょうか?。殺人犯人と思われる者(男)は釈放あるいは死亡してしまうので、明確な証拠が提示されないまま、あやふやな状態となります。そして、聖女と呼ばれている女性を、探偵役は神の声で「あなたが犯人だ」といい、読者は更に?となってしまいます。犬神伝説を絡ませながら、人間の精神(深層)に迫ってゆく独特の雰囲気や舞台設定は楽しめます。聖女が過去に暴行を受け、それを助けようとした夫が殺害されるという事件の真相(動機)も明らかになり、ラストの推理はインパクトがありました。(ただし、有名な前例がありますが)

No.563 6点 恍惚病棟- 山田正紀 2014/02/26 14:44
著者自薦のうちの1冊。認知症の患者を収容する病院での事件を扱った異色ミステリー。事件の真相自体はそれほどでもなかった。しかし、氏がこの手のトリックを使うとは思ってもいなかったので、そちらの方が驚きでした。完全に騙されました。ラストのオチも微笑ましい。

No.562 5点 蜃気楼・13の殺人- 山田正紀 2014/02/25 21:20
村おこしのマラソン大会で、13人が消失。その後、木に釣らされた死体が発見されたり、トラクターが空を飛んできたとしか思えないような事件が発生。これらは150年前の古文書に記載されていることと類似していた。さて、裏にはリゾート開発がからんでいるのか?といった内容。探偵役がいて、いないようなところが狙いであるかのようですが・・・。そのことで、ややピントがぼやけてしまったように思えます。

No.561 9点 女囮捜査官  触姦- 山田正紀 2014/02/24 09:12
著者が自薦するシリーズの第1作目。最終話(シリーズ5味覚)のインパクト(謀略)とは違う本格ミステリー的な衝撃を受けました。犯人像は秀逸です。サイコ系、本格系が融合されて読みごたえは十分。女おとり捜査官の本質的なところがよく描かれていたと思います。ちなみにシリーズのランクは、1.触覚(9)>2.視覚(8)>3.聴覚(7)>5.味覚(7)>4.臭覚(5)でした。バラエティに富んだエンターテイメント系シリーズで楽しめました。氏の作品は本シリーズ以外、2冊のみでした。SFものが専門?とのイメージがあったので敬遠していたのですが、これから徐々に読み続けようと思います。

No.560 5点 新車の中の女- セバスチアン・ジャプリゾ 2014/02/22 22:19
山田正紀氏が影響を受けた1冊ということで拝読。読後は、島荘氏の「高山殺人行」も本作をヒントにしているなあと思いました。主人公ダニー(タイピスト嬢)は社長が留守の間に、社長の車を拝借し旅に出かける。行く先々で昨日見かけたといわれ始める。自分は昨日パリにいたはずなのに・・・。そしてトランクの中に死体を発見する。記憶喪失、二重人格、または誰かの策略か?といった感じの展開で、彼女の心理を中心に描かれています。原文または翻訳のせいかわかりませんが、読みにくい文章でした。

No.559 5点 まほろ市の殺人 秋- 麻耶雄嵩 2014/02/20 15:39
「神様ゲーム」(ミステリーランド)と同様、著者らしい終わり方なのでしょう。本格部分は、サブメイン事件で若干味わえますが、メイン事件(サイコ系?)の取り扱いが中途半端で、オチだけを狙ったようにしか感じられませんでした。中編という縛りがあるので致し方ないのか?。動機の内容にはあまりこだわらない方ですが、なにも触れられていない点は納得性に欠けると思います。

No.558 5点 殺意は必ず三度ある- 東川篤哉 2014/02/19 13:04
(ネタバレあり)                      アリバイトリックのある動作は秀逸です。しかし、好みでない点が1つあり、残念ながらこの評価。ユーモア(ギャグ)については、天藤真氏を読んだ後なので、比較してしまい、ほとんど笑えませんでした。大人?のユーモアと高校生のギャグを比較してはいけませんが・・・(苦笑)。見立て殺人、アリバイトリックは高評価です。

No.557 7点 皆殺しパーティ- 天藤真 2014/02/18 08:52
あとがきに、「この図太く、あくどく、そして純粋な悪党たちに、ほとんど愛情を感じていたことである。」とあります。読者にもそのことが伝わってきます。描かれていることはドロドロで醜いものですが、ユーモアでオブラートし、爽快感さえ感じさせるところに、著者のセンス(最大の特徴)があると思います。性豪の主人公が語り部になっており、すべて自分の都合のいいように書いているところも面白い。なお主人公の家族からの手紙を載せることで、そのことは相殺させていますが・・・。「アクロイド」を連想させるところ(刑事の推理)もうまいと思いましたし、複雑な家族関係をうまく料理していました。しかし、秘書・早苗の性感覚は?(笑)。

No.556 6点 戌神はなにを見たか- 鮎川哲也 2014/02/15 18:13
地道なアリバイ崩し(著者の特徴でもある)のですが、やや冗長な感も無きにしも非ず。2つのアリバイトリックがありますが、一つは前例(1963)があり、いかがなものかと・・・。もう一方のトリックはよく考えられていて評価できると思います。逮捕された犯人?の従姉が、後半描かれていないのがやや不満点でもあります。

No.555 8点 館という名の楽園で- 歌野晶午 2014/02/14 08:31
館の主人に「夢が叶ってよかった・・・」と言ってあげたい気持ちになりました。自分が登場人物以上の年齢であるから、感情移入ができたのでしょう(苦笑)。ラストの描き方をみると、著者の原点(館)から、その後の変貌(ミステリーの多様性)にかかる過渡的な作品のように思えます。トリックと伝説がうまく融合していました。余談「夢」について・・・野球少年が甲子園の土を踏みたいのと同様に、サッカー好きの私は天然芝の球場で試合をしたいが夢でした。この歳までサッカーを続け、やっと最近念願が叶いました。なので次の夢は「ハット・トリック」(笑)。評価はトリック6+物語性(夢)2と甘くしました。

No.554 8点 兄の殺人者- D・M・ディヴァイン 2014/02/13 14:14
トリック自体はそれほどでもないのですが、それを解明する鍵(主人公が感じた違和感)が秀逸だと思いました。人物像もよく頭に入りましたし、構成もかなり凝っていて、非常に読みごたえがありました。今までの著者の評価は「悪魔」5、「ウォリス家」6「災厄」7でしたが、本書(デビュー作)を最初に読んでいれば、前者の評価も違ったものになっていたかも?。当初、作風がどうも・・・といったイメージを持ってしまったためです。物語全体のリーダビリティからすれば9点以上としたいのですが、トリックが好きなので、ポリシー通り8点としました。

No.553 5点 コンピュータの身代金- 三好徹 2014/02/11 12:03
①あまりにも簡単に共犯者になっているのでは?②なぜ、警察を早く呼ばないのか?(犯人対警察の構図の方が緊迫感が出るのでは?なんとなく甘い感じがしてしまいました。)③分配受け取り後、その処理の具体性は?等の疑問点はありますが、まあ、スラスラと読むことはできました。後半の犯人同士の疑心暗鬼部分とそれを追いつめる警察の部分を前面に打ち出せば、もっとサスペンスフルな仕上がりになったような気がします。当時としてのアイデアは評価したいと思います。

No.552 6点 動く家の殺人- 歌野晶午 2014/02/08 17:31
題名からして、トリックはあまりにも簡単すぎるので、その裏に何かあるのか?と期待してしまいました(笑)。別の意味で裏があったわけですが・・・。名探偵・信濃譲二シリーズを読む初めての読者にもわかるような伏線があればよかったのでは?と思います。登場人物が出演する舞台のドタバタ喜劇?部分は笑えないのですが、なんとなく不思議な魅力がありました。

No.551 6点 人それを情死と呼ぶ- 鮎川哲也 2014/02/07 17:18
あとがきに『600枚の長編を書き下すよりも、わずか数字の題名を考えるほうが困難である。』とあります。その通り、本題名は秀逸ですね。ラストでその深い意味が分かるというものです。読書中は、動機、アリバイよりも、なぜこの題名なのか?の方に興味をそそられました(笑)。

No.550 6点 灰色の仮面- 折原一 2014/02/05 10:23
オリジナル版で読了。改訂版とは結末が異なるらしい。本オリジナル版は、発表当時、結末がわかりにくいとの比評が多く、改定したとのこと。現在では叙述ものを、多くの作者が手掛けており、読者も免疫ができていると思うので、それほど難しくはないのでは?との感想。暴行摩は誰?だけではなく、最初の事件の真相も明かされ、楽しめました。

No.549 7点 丸太町ルヴォワール- 円居挽 2014/02/03 20:27
ルージュ(謎の女)とのやり取り、私的裁判(騙しありの何でもありルール)場面、ラストのどんでん返し、それぞれ十分楽しめました。あえて言えば、伏線なしの叙述部分(片方です)は感心しなかった。というより唐突で無駄なような気がします。私的に騙されたと感じるのは、読後、あれが伏線だったのかということないと・・・。まあ、気が付かなかっただけなのかもしれませんが。あとはルージュの○○。妖艶過ぎませんか?(苦笑)。

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蟷螂の斧さん
ひとこと
ミステリーは、作家中心では読んでおらず、話題作や、ネットでのお勧め作品を読んでいます。(2013.6追加~本サイトを非常に参考とさせてもらっています。現在は、読後、類似なトリック・モチーフの作品を探した...
好きな作家
ミステリー以外で「石川達三」、短編で「阿刀田高」、思想家で「荘子」
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平均点: 6.09点   採点数: 1668件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(53)
折原一(48)
中山七里(34)
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