皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1668件 |
No.1168 | 6点 | ゼロ計画を阻止せよ- 西村京太郎 | 2019/01/17 20:13 |
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1977年の作品。同年発表に「華麗なる誘拐」があります。同じ誘拐ものですが、本作の方がやや下回るかな?といった印象。といっても、スピード感はあり、大胆な発想など読みごたえは十分ありますね。まあ、左文字探偵の「読み」が当たり過ぎの嫌いもありますが・・・(笑)。 |
No.1167 | 8点 | TAS 特別師弟捜査員- 中山七里 | 2019/01/15 15:18 |
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~「ねえ。慎也くん、放課後ヒマだったりする?」演劇部のアイドル・楓から突然声をかけられたことで、慎也の胸は高鳴った。その彼女が校舎の3階から転落死してしまった。慎也は、楓が所属していた演劇部に入部し、楓の周辺人物に接触を図ってゆく。~
題名からは想像もつかない、コテコテの青春ミステリーです。事件よりも演劇にのめりこんでしまう主人公に好感を持ってしまいました。転落死は、事件ではなく実は事故であったというハッピーエンドを望んでしまっている自分がいました(笑)。著者が、そんな甘っちょろい結末を用意するはずはないのですが・・・。他の書評で、触れている人はいないですが、私はハウダニットとその大伏線に感心し高評価としました。 |
No.1166 | 4点 | 虹の歯ブラシ 上木らいち発散- 早坂吝 | 2019/01/11 20:08 |
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バカミスと多重解決が好みであれば、評価は高くなるのかな?といった印象。「青」の章~葛飾北斎の春画「蛸と海女」を思い起こさせてくれ、まずまずの評価。「紫」の章~らいちはコピーの現物を見ていない。にもかかわらずトリックを見破ってしまうのはいかがなものか。写真に興味がある等の伏線が欲しいところ。なお、藍川刑事は援交費をどのように工面しているのか?気になって仕方ない(笑)。「藍」の章~一見、指紋は逆になりそうだが、実はその可能性は少ないのでは?。「赤」の章~お遊びなんだろうけれど、理屈をこねくり回されただけでピンときませんでした。 |
No.1165 | 6点 | 札幌・オホーツク 逆転の殺人- 深谷忠記 | 2019/01/10 11:33 |
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著者の言葉に「今回は特に伏線に意をそそいだつもりなので、読者の挑戦を期待したい。」とあります。著者はある事柄にかなりしつこく言及していましたので、それでは伏線とはならず、読者に逆読みされてしまうのでは?と心配になりました。結果(真相)はその通りで、ドンピシャ(笑)。最近読んだN氏の作品で、同種のトリックがありましたが、そちらは読者が読み過ごししてしまうのではないかと思えるほどあっさりしたものでした。著者の性格が垣間見えた感じがしましたね。本トリックは、今のところ先駆的なものでGood。 |
No.1164 | 5点 | 殺人者は眠らない- ウィリアム・カッツ | 2019/01/06 09:49 |
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裏表紙より~『不眠症に悩むアンは向かいに住むマークに好意を抱いく。しかし、マークの正体は連続殺人鬼。「見張られている」と疑うマーク。なんとか始末しなければ。だが、マークの真意を知らず、アンは一人勝手な恋にのめり込んでいく。』~
ラストの方はサイコ系でお気に入りなんですが、途中が何とも言えません。本来ハラハラドキドキするはずが、主人公アンのお馬鹿さ加減にイライラ(苦笑)。ブラック・コメディ的要素があるので、もっとドタバタ系にした方が楽しめたかも?。 |
No.1163 | 5点 | ブルーローズは眠らない- 市川憂人 | 2018/12/28 20:36 |
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謎が次々と提示されるので、前の謎をすぐに忘れてしまいます(苦笑)。フー、ホワイ、ハウダニットとサービスのてんこ盛りですね。動機、密室、○○殺人、時間軸・人物に係るトリックなどと欲張り過ぎ?の感も。結局、何がメインなのか、的を絞れないままの読書となってしまいました。なお、○○アレルギーがあり、他作品の評価と同様に減点となりました。 |
No.1162 | 5点 | フェイスメーカー- ウィリアム・カッツ | 2018/12/22 10:08 |
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事故で顔面に重傷を負った女性記者。彼女の顔は天才形成外科医により見事に修復された。しかし、彼女と全く同じ顔の女性がいることが判明。その女性は行方不明になっていた。女性記者は真相を探りだそうとするが・・・。
恐怖小説としての展開は楽しめました。読者としては動機が気になるところですが、何となくうやむやとなってしまったのが残念。 |
No.1161 | 7点 | 下り特急「富士」(ラブ・トレイン)殺人事件- 西村京太郎 | 2018/12/16 13:46 |
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ミッションインポッシブルのような騙し合い。テンポもいい。題名(ラブ・トレイン)も気に入っているのですが、初刊のカッパ・ノベルスだけで、のちの徳間文庫ではカットされています(涙笑)。暗号の謎解きや、大仕掛けな真相は十分楽しめました。 |
No.1160 | 5点 | 半七捕物帳- 岡本綺堂 | 2018/12/14 18:55 |
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読み物としては楽しめました。ただミステリーとしてはどうなんだろうという疑問。「モルグ街の殺人」や「シャーロックホームズもの」と同様に、ミステリーとしての評価よりも歴史的意義に重点を置くしかないような(苦笑)。いわゆる探偵風味の「捕物帳」の嚆矢として。なお、解説の都筑道夫氏による「推理小説」説には抵抗を感じてしまいました。何故なら、「推理」というものがほとんどなく、閃きやハッタリ、さらに岡っ引きの立場を利用した強引さで事件を解決しているわけですから・・・。ミステリーという観点から辛目の採点となりました。悪しからず。 |
No.1159 | 6点 | 死にいたる火星人の扉- フレドリック・ブラウン | 2018/12/10 09:42 |
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登場人物表に「火星人・ヤッダン」とありますが、SFではありません(笑)。ただ、二つの殺人事件(密室、溺死)のうち、片方のハウダニットについては、私的には信じていないので、どちらかと言えばSF的発想と言えるのかもしれません。主人公の青年エドのキャラクターは捨てがたいい、いい味が出ていると思います。 |
No.1158 | 4点 | メーラーデーモンの戦慄- 早坂吝 | 2018/12/06 10:04 |
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過去の作品、特に前作を読んでいないと、どこがどう面白いのか分からない。特に主人公のキャラクターが不明。また休暇中の刑事が何を悩んでいるのかも分からない。 |
No.1157 | 6点 | スマホを落としただけなのに- 志駕晃 | 2018/12/02 15:57 |
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(ネタバレあります。)スラスラと読め楽しめました。ただ、チグハグした点(印象)があります。一つは犯人像が失敗では?という思いです。当初、彼女と付き合ってみたいという犯人の思いからスタートします。その為に色々工作をするわけですが、実はサイコキラーであったということです。サイコキラーなら、さっさと彼女を拉致して目的を達成すれば?と思ってしまいます。本書の目的は、落としたスマホから徐々に秘密を覗かれていくという恐怖感を描くことにあると思います。そして読者はどのような方法で犯人は彼女を自分に惹きつけようとするのか?と期待するはずです。結局、犯人がサイコキラーなので、色々な工作が無駄であったような気がして残念でなりません。いわゆる犯人像に関するギャップです。もう一点は、彼女の秘密が明らかにされるのですがインパクトがありません。秘密が暴かれるのではないかという心理描写がもっとあれば、ラストのどんでん返しが生きてきたと思います。非常に勿体ないです。なお、北川景子さん主演で映画化(未観)されており、彼女をイメージしながらの読書となりました(笑)。 |
No.1156 | 6点 | リアルフェイス- 知念実希人 | 2018/11/29 18:52 |
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裏表紙より~『美を創り出す芸術家のように、依頼者の顔を変える天才美容外科医・柊貴之。金さえ積めばどんな要望にも応える彼のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。いまの妻の顔を前妻の顔に変えろ、ある男を別人にしてほしいなど。さらに、整形美女連続殺人事件の謎が……。』~
登場人物のキャラクターがラノベ風?なのか、かなり軽めです。天才美容外科医・柊が引き受ける整形手術が3本。短篇風で、それぞれオチがありました。その背後で柊の弟子で連続殺人鬼である神楽という人物が動き出すといった展開。スラスラ読めます。 |
No.1155 | 7点 | 華麗なる誘拐- 西村京太郎 | 2018/11/25 15:29 |
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数ある誘拐ものの中で、これほど大胆なものはないのでは?。身代金の受け取り方法の発想も良い。犯人は早々に判明するので、フーダニットを期待する作品ではないと思います。探偵対犯人の頭脳戦を楽しむ作品ですね。 |
No.1154 | 7点 | チャイナ蜜柑の秘密- エラリイ・クイーン | 2018/11/19 13:13 |
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フレデリック・ダネイ氏の自薦ベスト3の一冊、かつニューヨーク・タイムズが著者の最大傑作と激賞しているとのことで拝読。激賞のポイントは「あべこべ」のトリックではなく、「密室」にあると思いましたね。なるほどと唸りました(笑)。二つのドアのうち一つが開いているので密室でない、あるいは準密室との意見もあるようですが、見方を変えれば完全なる「密室」ですね。なお、登場人物表(角川文庫2015版)が意味不明であること、また題名に騙されたような気がしたことで減点しました。 |
No.1153 | 6点 | 春にして君を離れ- アガサ・クリスティー | 2018/11/16 22:58 |
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ミステリーではないので評価が難しい。現代では、あえて心理ミステリーとでもこじつけることは可能かもしれません。著者自身はミステリーとしてとらえていなかったようですね。それは、別のペンネームで出版し、推理モノを求める読者を失望させないよう、クリスティと同一人物と分からぬよう箝口令を敷いていたということからも窺えます。また自伝によれば、「この小説に私は『春にして君を離れ』という題をつけた。シェークスピアの十四行詩の冒頭の語「われ、そなたと春に遠からざる」から取った。この小説がどんなふうなものかは、もちろんわたし自身にはわからない。つまらないかもしれない、書き方がまずく、全然なっていないかもしれない。だが、誠実さと純粋さをもって書いた、本当に書きたいと思うことを書いたのだから、作者としては最高の誇りである。」ともあります。名作、しかしミステリーではない。悩んだ挙句、6点としました。
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No.1152 | 6点 | Nのために- 湊かなえ | 2018/11/12 10:34 |
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ミステリーとしての結末(真相)は、それなりの出来だと思います。本作は「愛のカタチ」と「ボタンの掛け違い」がメインテーマのような気がします。文学青年の作品「灼熱バード」が挿入されるなど、文学的要素が強いのか?。純朴な「青春ミステリー」と作者らしい「イヤミス」が融合している印象。 |
No.1151 | 6点 | 超特急つばめ号殺人事件- 西村京太郎 | 2018/11/09 11:51 |
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裏表紙より~《「特急『つばめ』で、恐ろしいことが……」不可解な匿名の手紙が警視庁に届いた。往年の名列車を再現して走る特別列車(イベント・トレイン)での事件の予告、そして招待客の連続殺人! 十津川警部の推理は、43年前この列車内で起こったある事件に行き当たった。大胆な状況設定と意表をつくストーリー展開の、傑作トラベル・ミステリー!》~
昭和15年の記念列車「燕号」に関する手記と昭和58年の特別列車「つばめ号」(現在)が交互に語られます。「燕号」では、ある人物が車内から行方不明となった謎、「つばめ号」では連続殺人犯は誰かの謎で引っ張ります。時刻表トリックは無いので読み易かったですね。戦時下の物語でもあり、今では考えられないような事件(背景)で楽しめました。 |
No.1150 | 6点 | 恐怖の呼び声- ウィリアム・カッツ | 2018/11/04 10:43 |
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裏表紙より~『最初の夫を失い、再婚でつかのまの幸福を得ながら、今度は一人娘までも事故で失って悲嘆にくれるクリスタ。だが、死んだ娘の声が、思いもかけぬ事故の真相を彼女に告げる。しかも娘の溺死した湖には、まごうことなき殺人事件の証拠が残されていた。死者と交信してしまった彼女は、その告発をどう証明すればいいのか。犯人を暴くことはできるのか。恐怖と戦慄の長編小説。』~
三分の二を超えたところから裁判が始まります。‟死者との交信”を審判員がどう判断するのかが本作品(1979年)の読みどころです。検事と弁護士の駆け引きは楽しめました。「恐怖の幻影」(同著、1981年)に引き続き読んだため混乱をきたしました(苦笑)。内容が似ている点や、同じ人物(精神科医、新聞記者)が登場したためです。 |
No.1149 | 7点 | 恐怖の幻影- ウィリアム・カッツ | 2018/10/30 10:49 |
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~ヴェラは7歳の娘アニーと愛する夫ハリーと幸福な毎日を送っていた。ところが、夫が謎の失踪を遂げ、娘は高熱を出し失明の危機に。やがてアニーには予知能力があることが・・・。~
ジャンルがホラーであることを前提として読まなかったため、読後、やや違和感が残りました。しかし、筋の運び方は巧いし、反転やどんでん返しも用意されており十分楽しめました。 |