皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1660件 |
No.7 | 6点 | 眼の壁- 松本清張 | 2019/10/17 20:28 |
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(再読)手形のパクリ事件は2年後(1960年)に発表された「白昼の死角」(高木彬光氏)の方が印象に残っています。本作の印象はやはり死体トリック!!(笑)。この作品が経済犯罪ものの走りであったようですね。「点と線」と本作で著者の人気が不動のものとなり、この作品の背景が以後に発表された「砂の器」に発展していったものと思います。 |
No.6 | 8点 | 小説帝銀事件- 松本清張 | 2019/10/05 19:37 |
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(再読)「BOOK」データベースより~『昭和23年1月26日、帝国銀行椎名町支店に東京都の腕章をした男が現れ、占領軍の命令で赤痢の予防薬を飲むよう告げると、行員らに毒物を飲ませ、現金と小切手を奪い逃走する事件が発生した。捜査本部は旧陸軍関係者を疑うが、やがて画家・平沢の名が浮上、自白だけで死刑判決が下る。膨大な資料をもとに、占領期に起こった事件の背後に潜む謀略を考察し、清張史観の出発点となった記念碑的名作。』~
著者は、平沢氏には毒物の知識がなく犯行は不可能と冤罪を主張しています。そして真犯人は旧陸軍関係者である可能性を指摘しています。 読後の感想~平沢氏は実行犯ではないと考えますが、金品処理についての疑いは晴れないというのが正直な気持ちです。それは強奪された小切手の裏書の筆跡が本人とものと鑑定されていることや出所不明の預金があったことなどです。旧刑訴法により、自白と状況証拠のみで死刑確定しており、その後の再審請求はすべて棄却されていることは残念な点です。当時のGHQの圧力は相当なものであったと感じられます。 なお本作品(1959年)後の1985年にGHQの秘密文書が公開されました(読売新聞)。①毒殺犯の手口が軍科学研究所の作成した毒薬に関する指導書に一致。②犯行時に使用した器具が同研究所で使用されたものと一致。③1948年3月、GHQが731部隊の捜査・報道を差し止めた。 以上のこと、および生き残った目撃者の1人が一貫して氏は犯人ではないと証言していることより、実行犯ではないのは確実でしょう。しかし、この2年後の1987年5月、氏は刑務所で天寿を全うしました(享年95歳)。 |
No.5 | 7点 | 渡された場面- 松本清張 | 2019/10/01 20:22 |
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~同人誌評に引用された小説の一場面が、強盗殺人事件の被害者宅付近の様子と酷似しすぎていた。~
倒叙ものなので、犯人を追ってゆく警察の地道な捜査が中心です。文学青年の盗作が、まったく関係ない二つの殺人事件を結び付けてゆくというもの。プロットが楽しめる作品です。 |
No.4 | 8点 | 点と線- 松本清張 | 2012/12/07 20:23 |
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(東西ベスト100・既読分)松本清張にハマった一冊。4分間の空白とアリバイトリックは印象的。アリバイトリックは、現在では無理なのですが、当時はビックリしました。時代の流れを感じます。あと、動機にも重点が置かれていることが印象的でした。
(追加)甲は赤の他人の乙にうまく話しかけ、A地点に誘導することは可能である。現在なら、空飛ぶ自動車(開発済み)を利用したというようなもの(笑) |
No.3 | 8点 | 砂の器- 松本清張 | 2012/12/07 20:23 |
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(東西ベスト100・既読分)事件そのものより、背景にある差別を見事に描いていて、社会派たる所以か。映画では、加藤剛、加藤嘉(父親役)、テレビでは、田村正和ならびに中居正弘が印象に残っています。(敬称略) |
No.2 | 7点 | ゼロの焦点- 松本清張 | 2012/12/07 20:22 |
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(東西ベスト100・既読分)女性を主役にした旅情サスペンスのイメージが残っています。動機は描かれた時代を反映するもので、現在に置き換えることはできない。その点に価値があるのか・・・。 |
No.1 | 8点 | 影の車- 松本清張 | 2012/01/06 16:14 |
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邦画ミステリー(マイベスト2位)の「影の車」<1970加藤剛氏、岩下志麻さん主演>は、本作品の中の「潜在光景」(1961)が映画化されたものです。子供(6歳)の悪意が見事に描かれています。短編なので重厚さの点で若干物足りなさはあります。本作の前に発表された「天城越え(1959)<「黒い画集」に収録>も名作ですが、主人公の少年は16歳でしたので、私的には本作の方が強烈な印象があり、好みです。 |