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take5さん
平均点: 6.58点 書評数: 361件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.221 6点 運命の八分休符- 連城三紀彦 2023/03/05 11:03
人を待つ二時間で一気読み。
同じ男性を主人公とする連作5作品。
個人的には紙の鳥は青ざめてが一番
構図が全て反転する所は最盛期の名作を思わせるできでした。
しかし連城作品の五指に入るかといったら
難しいかも。
何を求めるかによりますが、
本短編集は、雰囲気も登場人物も
饒舌で軽めかなと感じます。

No.220 8点 希望の糸- 東野圭吾 2023/03/04 13:30
ミステリーの技巧はさほどでなく、
文体も連城作品等ほど流麗でなく、
状況設定も確率高いものではなく、
しかしこうして読後感が高い故は、
自分が親であり、また子でもあるからでしょう。
親子のつながりはよく糸に例えられますが、
本作品では、様々な糸が織り成す人間模様が、
書き込まれています。
東野圭吾氏も還暦なんですね。
テーマは年月と共に変遷するのですね。

No.219 6点 七つの危険な真実- アンソロジー(出版社編) 2023/02/26 12:11
アムネスティインターナショナルに賛同し、
印税の半分が寄付されるそうです。
既存の短編を集めた物ですが、
著名な方ばかりなので水準は低くないです。
個人的には乃南アサと宮部みゆきの作品が
さすがと思わせる物でした。
赤川次郎も雰囲気ありました。
ただ、後少しで7点。
タイトル通りでなくて残念。

No.218 7点 白鳥とコウモリ- 東野圭吾 2023/02/25 21:13
東野圭吾は読ませます。
更にこの作品はサイト内94作品中4位の高評価。
好みに差はあれど良作なことは納得。
WhoもWhyも強引に反転させず、
地道な捜査や気付きから成るのが好ましい。
刑事物として
社会問題物として
罪と罰をテーマに
被害者の遺族と加害者の家族が絡み合う
人間がよく書けている作品
500ページ一気読みでした。
清洲橋通り、清澄白河、隅田川、
城東の描写がまた刺さるんですよ。

No.217 5点 小さな異邦人- 連城三紀彦 2023/02/25 12:19
連城作品はたくさん読みましたが、
相対的にはいまいち。
生涯の時間軸をX
クオリティーをY軸にすると、
右肩上がりの人っていないのでは。
山形の頂上が何回か来る方もいますが。
最期の短編集としたらまあ読めますが、
やはり相対的に他の作品が凄いので。

No.216 6点 屍人荘の殺人- 今村昌弘 2023/02/19 21:30
鮎川哲也賞受賞作
オカルト+本格
大学生のサークルのノリが懐かしく
(しかし2017年の割りにかなり古い感じ
六人の嘘つきな大学生-
浅倉秋成の30年前位)、
途中に挟まる語呂合わせの
登場人物暗記法が秀逸。
しかし本格と●●ビってどうなんでしょう。
私の一作前の書評が
天使の登場する『カラフル』で好みでしたが、
個人的にゾ●●にしっくりこなかったです。
クローズドサークルのためだけではない
意味深い存在にしていますが、
私には刺さらなかったというだけです。
バ●オ●ザ●ドとかやっていた人には
よいのかも。
Who、How 、Why 全て網羅する力作なのに---

もうひとつ。 、、、、、、、
種明かしで文に点を打ち過ぎのきらいあり。

No.215 8点 カラフル- 森絵都 2023/02/18 18:25
300ページ足らず2時間程度
人が死に、
最後に反転する、
これはミステリーで登録して
いいですよね。
森絵都さんの作品全般が好きで
個人的な嗜好お許しください。
魂の仮住まい先で人生を再び生きる、
そんな主人公が見つけるものは?
私たちの生きる意味って---を
とらえ直すよい機会かも。
ちなみに最近流行りの
chatGPT に、
人生をとらえ直す感動作を思考させたら
5つ目にカラフルが挙がったんですよ笑
そんなchoiceもありと思う。私考です。

No.214 6点 ガーディアン- 薬丸岳 2023/02/18 15:19
中学生の世界に見え隠れする
自警団ガーディアン
主人公の教師、秋葉がその真意に
迫れるか?
学校現場に関係する生活を送る者なら
何か感じるものがあると思います。
錦糸町が舞台で夏目が少し登場するのも
よかったです。

No.213 7点 ブレイクニュース- 薬丸岳 2023/02/05 16:19
無駄にグロテスクでない、
辛い世界を書いていても、
読後感には希望がある
薬丸岳作品が好きです。
全7話がそれぞれ今日的なネット問題や
社会的問題を書いでいます。
一話の中でも反転があり、
最終作品に向かって主人公の
真相と生き直しが進む構成がよい。
自戒の念をこめて、
令和に生きる全ての人が
一度は読んでと
書き記しておきます。

No.212 6点 独走- 堂場瞬一 2023/01/29 15:40
ミステリーでないですが作者が登録されていたのでお許しください。
スポーツをしている人
スポーツをしていた人
スポーツに携わる人
スポーツノンフィクションが好きは人にお勧め。
もちろんこの小説はフィクションですが、
スポーツを国是と捉える役人が、
最終盤に価値観を揺さぶられるのは
ミステリーではないですが
反転物として気持ちよく読めるし、
何よりがちで体を動かしている身としては
大変共感できる点です。

No.211 6点 マザー・マーダー- 矢樹純 2023/01/14 21:30
連作の前半は
人間の悪い所が目立つ作品が続き、
つらかったのですが、
後半からミステリー感がしっかり出てきて
フーダニット物としても反転が効いていて
よかったです。
読後感は心地よくはありませんが---

No.210 8点 サクリファイス- 近藤史恵 2023/01/08 04:02
おそらくこのサイトに書き込みを始める前に
読んだ作品。
自身がロードに関わり、
グレッグ・レモン
マルコ・パンターニの頃から
ツールドフランス等に親しんでいたら、
これ以下はないかな。
反転もきちんと納得できるので。
近藤氏の取材力に感心します。

No.209 5点 本格王2022- 本格ミステリ作家クラブ 2022/12/11 17:43
道尾秀介さんや浅倉秋成さんなど
6名の作品集
浅倉さんの『糸の人を探して』は、
合コンパロディで面白かったですが、
『六人の嘘つきな大学生』の方が
はるかに読みごたえがありましたので、
まあさらっと暇潰しで読むオムニバス本です。

No.208 3点 スタフ staph- 道尾秀介 2022/11/23 14:39
図書館の返却日が来てしまい、
あわてて15分ほどで速読しただけなので
仮の評価です。
オフィス街でキッチンカーよく見かけますが
スタフに注意、大変なんですね。

No.207 6点 いけない- 道尾秀介 2022/11/12 12:04
道尾秀介作品は、
カラスもネズミも好きですが、
この作品は技巧が文体を越えて
章の最後の写真にも隠れているというものです。
このサイトでの作品の評価が低い理由は、
文章でカタルシスを得られないか、
技巧に凝りすぎていて理解できない自分に
納得いかないかのどちらかではないでしょうか。
二章終わりのビデオ映像の背景とか、
初見で気付く人います?
友達に薦める道尾秀介作品の五指には、
入らないなあ、私見ですが。

No.206 8点 かがみの孤城- 辻村深月 2022/10/26 02:56
ミステリーとして
登場人物の幾人かのWho
みんなの集まったWhy、When など、
分かりやすいものもありますが、
小説としての力が強いので
このサイトを備忘録としても使わせて頂いている私には
これ以上低い点数はつけられないです。

自戒の念を込めて記すのですが、
子をもつ者として子に関わる者として、
これを読んで伏線の回収にカタルシスを得る
だけではいけないと思うのです。
自戒の念なので声高に訴える気はないですが、
誤解を恐れずに、
中高生にお勧めの書評をよく見ますが、
むしろ大人にお勧めします。
辻村さんは子どもの心を素直に書ける
稀有な作家さんと思っております。

因みに後から調べたらマンガ(ジャンプ系)も、
今冬映画も!あるようですが、
小説として読めてよかったと
辻村深月さんの文章にふれて思うのです。

No.205 7点 invert 城塚翡翠倒叙集- 相沢沙呼 2022/10/10 18:25
medium 霊媒探偵城塚翡翠を
大変興味深く読みましたので、
次作を楽しみにしていました。
中編三作
結論から言うと前の二編はいまいちですが、
それすらも仕込みと思える作り。
シャーロック・ホームズっぽさや、
ディーンフジオカのシャーロックっぽさや、
古畑任三郎っぽさが、
力抜けていて駄作間を和らげています。
最後もなあ、と思いながら読み進めると、
やはり一筋縄ではいかない反転あり。
倒叙とそこら中に書いてある理由がよく分かりました。
※反転と倒叙は違います。
表紙の城塚翡翠の意味も最終作で分かりました。
本全体のクオリティーでは前作の方が高いかな。
インヴァートIIも楽しみです。

No.204 5点 クリムゾンの迷宮- 貴志祐介 2022/10/10 11:05
平均7*8というのが驚き。
子どもの頃を思い出すゲームブック!
サバイバルの臨場感もどこか作り物めいていて、
内容そのものがゲームブックっぽいのです。
娯楽としか言いようのない作品。

No.203 5点 葬儀を終えて- アガサ・クリスティー 2022/09/23 19:29
斎藤警部さん他幾人かが述べている通り、
家系図がミスリードの元としても機能しています。
私の癖でこういう作品は右手の指を
家系図と表紙裏の人物一覧の両方に突っ込んで
読み進めるのですが、
ミスリード防止に役立ったかなあと。
疑問なのは犯人の動機に対して行動の整合性がとれていないと感じます。
まあ殺人とはそういうものとも言えますが。
折原一さんはこれがベストワンだそうで、
私のクリスティランキングでは、、、
選外ですねえ。
まあ好みなので。

No.202 8点 六人の嘘つきな大学生- 浅倉秋成 2022/09/19 16:30
最近、当たりの作品が多くて嬉しい限りです。
大学生の性格の反転、
ナレーションの意味の反転、
主人公の一人の境遇に関する反転、
等々、
半分も読まないうちに反転の連続で、
この先どうする?の後からまた反転。
個人的には、上記3つ目の反転が
『赤毛の男の妻』的で好きです。
叙述の巧みさで読ませるのがやはり
ミステリーだと思うので、
これはレベルが高い作品だと思います。
装丁の絵から、どれが誰と考えてみるのも一興。
就活に対するアンチテーゼも効いていて、
軽い社会派的な面も。

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
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