皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
take5さん |
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平均点: 6.58点 | 書評数: 361件 |
No.101 | 5点 | 913号室の謎- コーネル・ウールリッチ | 2018/08/09 12:02 |
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ウィリアム・アイリッシュのコーネル名義の作品
フーダニット物ですが、途中までホテルの住人がよく書けているなあ と思っていたらエンディングがからくり物で少し残念。 でも80ページ位ならまあ楽しめました。 世界ミステリー全集4巻目に幻の女、死者との結婚、と一緒に掲載されています。 |
No.100 | 7点 | 死者との結婚- ウィリアム・アイリッシュ | 2018/08/09 11:48 |
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40年近く前の世界ミステリー全集で読みました。
幻の女も掲載されていますが既読なので、 死者との結婚を目当てに借りました。 ウィリアムアイリッシュ(と訳者)は、 やはり文体が素敵ですね。 設定は古いですが、情景描写が読ませます。 人間は弱い、 その葛藤が女性主人公のみならず脇役からも感じます。 タイトルの死者との結婚とは、文字通りの意味を越えて、エンディング後も作品に生きる大変合っている物です。 |
No.99 | 7点 | 変調二人羽織- 連城三紀彦 | 2018/08/05 12:21 |
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連城節炸裂、成る程!と唸る短編集。
40年近く前、初期の作品なのですが文章がとにかく練られています。 最後の作品、依子の日記は反転が鮮やか、恐れ入る出来栄えです。 |
No.98 | 6点 | グラスホッパー- 伊坂幸太郎 | 2018/08/04 22:15 |
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ミステリーの定義は人によりけりでしょうから、
あえてこの本がミステリーの代表的な作品とは申しません。 しかし、リーダビリティが高くカットバックも冴え、 読みやすい事この上ないです。 最後に全ての人生が交錯しますが、ここがもう少し意味が出てくると良かったです。 |
No.97 | 8点 | マリアビートル- 伊坂幸太郎 | 2018/07/28 21:54 |
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読む人によっては、
エンターテイメントの重奏曲。ハラハラドキドキが新幹線の駅毎にやってきます。 読む人によっては、 哲学の入り口。人は何のために生きるのか、悪とは死とは、をはじめとして考えるために。ドストエフスキーも出てくるので。 読む人によっては、 読者自身の在り方を省みる教材。現代社会の、特に政治に向き合う態度や諸問題に目を閉ざさないために。 という読み方ができると思わないと、自分が一気にページをめくった理由を正当化できないので(笑) ↑ 作中の人物、王子に嘲笑されそうな分析ですが 改めて読書は重要だと思いました。 |
No.96 | 7点 | 白光- 連城三紀彦 | 2018/07/17 06:32 |
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学生の時に芥川の『藪の中』を学びましたが、
正に多重の視点で物事を捉えると 真実と思われる物がいかに主観的かと気付かされます。 全ての登場人物に鬱屈、葛藤があり、 犯人の可能性がありますが、 この作品では、誰が犯人かよりも、 なぜこのような事が起こったのかに 重きを置いて読みました。 |
No.95 | 6点 | ダブル・ジョーカー- 柳広司 | 2018/07/15 07:51 |
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ジョーカーゲームの方をお勧めします。
近代の歴史をおさらいするのには、 こちらもよいのですが、 基本D機関が一枚上を行く話なので、 反対側から書くと当事者の 思い込みや失敗が当初から目立つのです。 でもリーダビリティはすこぶる高いです。 |
No.94 | 6点 | 死者との誓い- ローレンス・ブロック | 2018/07/08 17:35 |
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これまでのスカダーシリーズの中では、
事件が激し過ぎずに私は好みです。 その分、スカダーの葛藤がよく描かれています。 最後の所だけ、伴侶と被害者未亡人とどう折り合いをつけるかだけ、やや残念ですが。 展開途中の人間の描かれ方はさすがです。 スカダーの年齢が、やはり時代に伴って進んでいる印象を受け、そこは好ましいです。 |
No.93 | 5点 | ラプラスの魔女- 東野圭吾 | 2018/07/05 20:46 |
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東野圭吾さんの作品では、
五指には入らないですね。 私の中ではですが。 設定が一般の人間でないならば、 尚更悲哀をきちんと示さないと 入り込めないのです。 リーダビリティは相変わらず高いです。 |
No.92 | 7点 | 獣たちの墓- ローレンス・ブロック | 2018/06/26 23:01 |
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マットスカダーシリーズとして、時系列の中で紹介しますと、
スカダーが新たな相棒(TJ)と関わる中で事件を解決していく事と、 スカダーがヒロインと新たな関係を模索していく事が平行して描かれている作品です。 事件の内容そのものは、相変わらずグロテスク(私見)でアメリカって感じで好き分好きがありましょうが、やはりスカダー自身の人間がよく描かれているので読ませます。 |
No.91 | 6点 | 倒錯の舞踏- ローレンス・ブロック | 2018/06/08 20:16 |
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ぐいぐい読ませます。
登場人物の描写は分かりやすいですし、展開も早いです。 猟奇的な事件も、悪趣味に走らないので、社会の歪みとして真っ当に捉えられますし、 主人公のアルコール依存から脱却しようとする姿も話と平行して納得の描写です。 人物がかけている分、ラストのアクションが少し乱暴な展開かと…そこだけが惜しいかなあ。 しかし、読破後に「自分の人生恵まれているなあ」とか考えラれる位にはよい作品でした。 |
No.90 | 6点 | 限界点- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/05/13 12:26 |
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読みやすいジェフリーディーヴァーの作品で、
いつもながらのドンデン返しですが、 主人公の一人称で語られる所に、 一長一短というか好みというかが出ます。 葛藤から一番遠い所に自身を置く必要がある 主人公が、 ゲーム理論を絡めて事件にあたる訳ですが、 エピローグのエピソードが割り切ることの出来ない 矛盾をはらんでいれば尚よかったと感じます。 うまくやれていすぎという感じがします。 それよりも一人称の語りを生かす方を、 ディーヴァーが選んだという事でしょうか。 私の好みでは、『赤毛の男の妻』のように、 主人公の悲哀や矛盾を、 読者に投げかけたまま終わる事が よりよいと思います。 |
No.89 | 6点 | 顔のない肖像画- 連城三紀彦 | 2018/05/01 22:37 |
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連城三紀彦の短編集としては、
他の物よりもストーリーより 反転そのものに重きを置いたものです。 タイトルが既にparadoxですし、 技巧はうならされます。 ただ私には、戻り川の情緒とインパクトが強くて、 なかなかそれを超越するものがないというところが 現実です。 |
No.88 | 6点 | ナミヤ雑貨店の奇蹟- 東野圭吾 | 2018/04/15 08:07 |
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読後感が清々しいので、
お勧めできる良作です。 各章がきちんとリンクしていて、 回収も納得。 しかし設定が時空を越えるという点、 やはりエンターテイメントの域を出ない 感覚を覚えてしまいます。 作り物のミステリーだからこそ、 場面設定、更に作者そのもの 本当を考えてしまうものなのではないでしょうか。 |
No.87 | 6点 | もうひとつの恋文- 連城三紀彦 | 2017/08/16 22:01 |
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恋文とセットで。
楽しめた短編集でした。 場面終盤の反転が気持ちよい(気持ち分かる) ものでした。 いつでも人と人の関係はミステリー的に スタートして、やがて何かしらを得るものです。 |
No.86 | 6点 | 過ぎ行く風はみどり色- 倉知淳 | 2017/08/14 23:07 |
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まずタイトルが秀逸です。
そして叙述トリックとしてもなかなか読ませます。 しかし、私にはエンターテイメント性が高すぎて、 逃亡の仕方とかもうびっくり…です。 終盤、胡散臭いおじさんの人間をしっかり書いてくれようとしていて、 好感が持てるのですが、 もっともっと人物描写に走って欲しかったです。 リーダビリティーが高い分、 厚みが欲しかった。 |
No.85 | 8点 | 恋文- 連城三紀彦 | 2017/08/10 19:34 |
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後から真相が明らかになるものあり、
真相は藪の中のままのものあり、 人の心や生き様がミステリーなのだから、 これは下手なトリックを読むよりも、 ずっとずっとミステリーの採点が高くて当然かと思います。 主観ですが。 |
No.84 | 4点 | どんどん橋、落ちた- 綾辻行人 | 2017/08/05 07:31 |
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体調がよく、寛容な心があれば、もう少し高い評価でもよいのでしょうが、
ドンドン橋とぼうぼう森だけ読んで、図書館の返却日が来た、私にとって珍しい作品です。 叙述に驚きはあれど感心はしないのは何故でしょうか。主観です(o_ _)o いずれちゃんと読破して正当に評価致します。 |
No.83 | 7点 | 十角館の殺人- 綾辻行人 | 2017/08/05 07:25 |
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まず、構成が島と本土の往復で、とてもスピーディーに読めるところがよいです。(これってネタバレですか?)
しかしコナン君の相方にあの表記は、余りにも誤誘導狙い過ぎるかと。小学生でももっていかれますね。そこがいまいち…もう一人、島田+潔って最初から微笑ましいくらいです。 ラスト瓶のくだりは説得力が占星術ほど無いと感じました。主観です。 改訂版は読みやすく、3時間ほどで一気に読みました。 好みの問題で、東の島田に一票の私です。 |
No.82 | 5点 | 笑うハーレキン- 道尾秀介 | 2017/07/16 06:45 |
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道尾作品らしい反転はありますが、
ミステリーらしさは薄いです。 人の弱さはよく描けています。 まあ楽しめたの5点です。 |