皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
HORNETさん |
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平均点: 6.32点 | 書評数: 1121件 |
No.101 | 5点 | 手紙- 東野圭吾 | 2011/01/16 07:54 |
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とてもよい作品で,東野作品の中でも好きなほうに入りますが,ミステリの書評ということで5点です。(というかミステリではありませんので)
テレビドラマなどにある安っぽい感動もの,「家族とはこうあるべきだ」としたり顔できれいごとをアピールするものとは違い,当事者だけにしか分からない複雑な葛藤や本音,選んだ道が描かれていて,深く考えさせられます。 はじめに書いたように,とてもよい作品です。 |
No.100 | 5点 | ガリレオの苦悩- 東野圭吾 | 2011/01/16 07:48 |
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湯川に対して一方的な恨みをもつ者の犯行を描いたラストの話が印象に残っています。一つ一つの短編が,しっかりした構想で書かれている感じがして流石東野氏だと感じます。大ハズレはまずありません。
トリックは科学的なものが多く,ストーリー性のほうが重視された作品が多いとも感じました。 |
No.99 | 7点 | 私が彼を殺した- 東野圭吾 | 2011/01/16 07:44 |
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「私が彼を・・・」を読んだ多くの人が次にこの作品を読むことを踏まえて,容疑者の範囲,謎解きの質をレベルアップいます。そのように,読者に向けてレベルを上手に調整している所がすごいなと思います。前作が「物足りない」と感じた人も,とりあえずは読んでしまうでしょうし,多くの人が「前作よりも面白い」と感じるでしょう。
一人一人の容疑者主体で書かれている章があって,それぞれが「私が殺した」と言っている,その構成も面白かった。謎解きも前回以上に楽しめました。 |
No.98 | 6点 | どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 | 2011/01/16 07:35 |
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結末を描かずに読者に推理を委ねるというのが作品の趣旨でもあるので,容疑者や,犯人を特定する条件が絞られており,推理の筋道がある意味易しいのは致し方ないと思います。(そうでなければ「さっぱり分からない」という読者が増えてしまうでしょう)
犯人を示す決め手は,確かに現実としてこれだけで特定するのは弱いとも思いますが,ある意味昔の海外本格に出てくる探偵のような推理だとも感じました。 読後に,同じ作品を読んだ人とああだこうだと話せるのも,こういう作品の楽しさですね。 |
No.97 | 5点 | 聖女の救済- 東野圭吾 | 2011/01/15 21:03 |
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トリック以上に,トリックをなし得た犯人の執念というか徹底振りに驚愕。言われてみれば,確かにそう描かれており,その描き方にわざとらしさを感じさせないのはさすが著者といったところ。しかし,長編にしてこの仕掛けは物足りなさも正直あった。
むしろ,冒頭のシーンの意味が分かる所のほうがうまく騙された感じがする。 |
No.96 | 7点 | 新参者- 東野圭吾 | 2011/01/15 16:09 |
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「面白い」というより,「上手だな」という思いのほうが強く感じられる作品でした。アパートで起きた女性の殺人事件解明がメインですが,人形町での聞き込みで加賀刑事が遭遇する様々な小事件(?)がサイドストーリーとなり,一つ一つの章となっています。その構成がとてもうまく,流石だな,と感じます。といって,ミステリとしても質が低いわけではありません。 |
No.95 | 5点 | 黒笑小説- 東野圭吾 | 2011/01/15 16:07 |
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長い作品を読み続け,「ちょっと息抜きを・・・」というときに向いているでしょう。それぞれは面白いが,あとになってもどんな作品があったか思い出せない・・・ぐらいの軽い読み物集です。 |
No.94 | 7点 | 殺人ライセンス- 今野敏 | 2011/01/15 16:03 |
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会社をリストラされ,探偵になることを決意した中年男と,その娘のパソコン好きの同級生が協力して,ネットのゲーム上でターゲットにされた人が本当に殺されていく事件の解決に挑む。
探偵になるという決意をなかなか家族に言い出せずにいる男と,娘の同級生とが意気投合していく様子が面白いです。素人なりにデータを集めるなどして推理し,事件の真相に迫っていく過程も読み応えがあってよかったです。 |
No.93 | 7点 | 同期- 今野敏 | 2011/01/15 15:57 |
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宇田川が警察同期の蘇我を救うために,その思いに触発された植松や土岐らとともに,保身を捨て,正しい理念で生きようとする。その熱さと,同僚たちの絆に感動しました。
なかなか姿を見せない曽我がどうなっているのか,内部事情はどうなっているのか,その謎が解明される筋道だけでなく,人間ドラマとしての要素も楽しめます。 |
No.92 | 5点 | 壁抜け男の謎- 有栖川有栖 | 2011/01/15 15:50 |
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純粋なミステリの短編集ではありませんね。肩に力を入れずに時間を費やすのにはよいと思います。作者自身も,思いに任せて気軽に書いたものではないでしょうか。ミステリとして期待はしないほうがいいでしょう。 |
No.91 | 6点 | 悪の教典- 貴志祐介 | 2011/01/11 03:13 |
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<少々ネタバレ気味>
ミステリというより学園ホラーでしょう。2人が魔の手を逃れたからくりもその場面で即座に分かりましたし(道義的にはヒドイことをしてますが,生き延びることが最優先だから仕方がないでしょう)。 物語としてはむしろ,ハスミンの模範的教師としての仮面が剥がれていく過程のほうが面白いのでは。そういう意味では,「このミス」で予備知識がなかったほうが楽しめたのかも,と思います。ただ,後半に行くにつれ,ハスミンの手口としても「雑」になり,大味になっていく感じはしました。(そもそも,真実を知った者は消すという連鎖で,やりおおせると思っている時点で,本当にハスミンは頭がいいのか?) なんだかんだ書きましたが,ノンストップで読んでしまう筆力がありました。このサイトで字が大きくなっている著者の作品は読んでみたいと思います。 |
No.90 | 8点 | 生存者、一名- 歌野晶午 | 2011/01/11 02:58 |
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本格志向でありながら,常に新しいものを求める著者のスタイルが,うまい具合に着地した「絶海の孤島もの」です。ストーリー展開は「そして誰も・・・」や「十角館」を彷彿とさせますが,決して焼き増し感はありません。よく考えられたなぁと思います。
長さも無駄に長くなく,私としては「葉桜」よりも著者の代表作として推したいぐらいの気持ちです。 |
No.89 | 5点 | 長い家の殺人- 歌野晶午 | 2011/01/11 02:47 |
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いかにも,ミステリファンが作家としてデビューした作という感じで,トリックも分かってしまうため,ミステリとしての評価は辛くなってしまうと思いますが,それはそれとして,一ミステリファンとしてはうれしい作品でした。島田氏のこの作品にまつわる逸話を読むにつけ,推理作家として羽化するまでの歌野氏に「がんばれ!」と言いたくなります。
こういう,ミステリに対する情熱をもった作家さんは好きです。 |
No.88 | 4点 | 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 | 2011/01/11 02:40 |
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このトリックをなしえることを最大の目的として(というかそのためだけに)書かれた小説という気がします。確かに「そいういうことか!」とも思いましたが,そのためだけにここまで読まされたのか,とも思ってしまいました。ただ,私の狭いミステリ見識の中では誰もやったことのない方法だとは思いますので,それなりの厚みをもって提示したかったという思いも分かる気がします。良くも悪くもミステリ史上の話題としては残るでしょう。
歌野氏の作品を読むのはこれが最初でしたが,このあとしばらく間が空いてしまいました(そのあと「信濃譲二」のシリーズに会い,好きになりましたが)。そう思うと,これが著者の代表作という扱いをするのはどうかと思ってしまいます。 |
No.87 | 7点 | 犯人に告ぐ- 雫井脩介 | 2011/01/11 02:30 |
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理屈抜きに面白かったです。ヴァン・ダインの二十則にも思い切り反しているし,ミステリというよりエンタメ小説でしょう。主人公巻島の生き様には共感できますし,「劇場型捜査」と銘打った,小説の中でしか実現し得ない世界を味わわせてくれたのもよかったです。
きっと,ミステリではない普通の読書好きにも好まれる作品でしょう。(だから映画化までされて人気なのか。言うまでもないですね) |
No.86 | 5点 | 新宿鮫- 大沢在昌 | 2011/01/11 02:23 |
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「鮫島」のキャラクターがたっている。何よりもそれです。よって,自分としてはミステリの要素は薄いように感じました。
以前,何かのアンソロジーでこのシリーズの短編(タイトルは忘れましたが・・・何か雨の日にバーに立ち寄る話)を読み,そのかっこよさに魅かれてこの作品を読みましたが,そこでイメージしたよりも鮫島は軽い感じがしました。もちろんそれもまた魅力的でした。 |
No.85 | 5点 | 46番目の密室- 有栖川有栖 | 2011/01/11 02:04 |
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皆さんの評価に「無難」という言葉が多い,その通りだと思います。タイトルがそれらしく,長編なので本格的な密室ものとしての期待が高まってしまいますが,このトリックならいつものように短編でもよかったのでは,と思います。解明をしていく手順というか展開は,筋道だった論理が大切にされているとは感じました。 |
No.84 | 7点 | 毒物殺人- 今野敏 | 2011/01/11 01:59 |
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シリーズ最初の作品を読んで,期待してこの第2弾を読みましたが,期待を裏切りませんでした。フグ毒,ニュースキャスターの恋愛,全てが絶妙に結末に結びついていき,ミステリとしても一定の評価を得られると思います。基本的にキャラクターで楽しめるので,エンタメ小説としても「はずれ」はないように思います。 |
No.83 | 7点 | 黒いモスクワ- 今野敏 | 2011/01/11 01:54 |
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モスクワへ古武道の師範をしに行くことになった黒崎と,偶然そこでの爆弾テロ捜査に加わることになった百合根,赤城ら。今回は特にキャップ・百合根の推理が光ります。卓越した能力をもった5人だけれども,キャップの百合根に一目置き,立てているのが感じられてなんとなく嬉しい気分になります。 |
No.82 | 6点 | 黒の調査ファイル- 今野敏 | 2011/01/11 01:49 |
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<ネタバレあり>
中国マフィアが科学的な現象を利用した自然発火を利用した殺人を計画。そんなにうまくいくものだろうか・・・とは思いましたが,難しいことは分かりません。「人間ガスクロ」の異名をもつ黒崎の嗅覚が事件解明に大きな役割を果たします。それにしても黒崎は強すぎる。人間離れしていますね。 |