皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
虫暮部さん |
|
---|---|
平均点: 6.21点 | 書評数: 2015件 |
No.80 | 6点 | ベツレヘムの星- アガサ・クリスティー | 2025/07/05 11:56 |
---|---|---|---|
ゴリゴリの信者ではなく、“好意的” 程度の距離感を感じる聖書ネタ作品集。意外に楽しめた。
ミステリはどうしても悪意を扱った物語になりがち。それとは違う方向性で作家としての巧みさを発揮するのに “信仰” と言う題材は手頃なのかも知れない。言い訳不要で “いい話” を書いたり読んだり出来るからね。 水上バスから消えた男の謎は、キリスト教的にはフェア・プレイ? |
No.79 | 5点 | ブラック・コーヒー- アガサ・クリスティー | 2025/07/05 11:56 |
---|---|---|---|
「ブラック・コーヒー」。人物の出入りやコーヒーカップの動き等、観客席から見るとかなりコミカルなんじゃないかと思う。ヘイスティングズがくしゃみをするとかね。小説とは違う表現形態を模索したのかも知れないが、ミステリとしては本当に何も無い。
「評決」。成程、確かに “探偵小説的ではない”。ものの、各人の絡みや結末の意外な(だけど説明されれば理解出来る)選択がとても面白い。のだけれど、それこそ最後の1ページ、どうしてそうなる? これを入れちゃった作者の判断には納得しかねるなぁ。 |
No.78 | 5点 | ヘラクレスの冒険- アガサ・クリスティー | 2025/07/05 11:55 |
---|---|---|---|
全体的に、もっと膨らみそうなエピソードをせかせかと速足で通り過ぎてしまった感が強い。ネタバレありで幾つかコメントを。
「ネメアのライオン」。犬さらい事件。でも実演する必要は無いよね。単にそういう作り話をすれば事足りる。ずっと見張っていて “そんな出来事は起きなかった” と証言する人なんていないんだから。 「レルネーのヒドラ」。砒素が減った理由として、故人の詐病を疑っていた、と言うのが面白い。成程、猛毒じゃないからそんな使い方もあるんだ。 「エルマントスのイノシシ」。事件の真相よりも、下界への連絡方法の方が面白い。 「アウゲイアス王の大牛舎」。スキャンダル隠蔽。これは卑怯だ。“わざと疑われて、その疑いを晴らしてみせると、信頼度が高くなる” って手管、長編にあるな。ポアロは犯人が使った手をパクったわけである。 「ヒッポリュテの帯」。絵のクリーニングは特殊技術であって、素人が軽々に試みてはいけない。多分、ポアロのギャラは絵の修復費と相殺されたのであった。 |
No.77 | 4点 | 運命の裏木戸- アガサ・クリスティー | 2025/07/05 11:55 |
---|---|---|---|
連載漫画の最終回に古いキャラクター達が意味も無く再登場する、あの雰囲気。トミーはともかくタペンスに回想の殺人ものが務まるのだろうか。
案の定、巧みとは言えない聞き込み。しかも “余計なことを探ったせいで、死ななくて良い人が殺された話” に見える。だがそれに見合った真相だとも思えない。 総括すれば、愛犬ハンニバルの場面のみいいね、と言うことになる。彼の名が登場人物表に並んでいるのは全く以て正しい。 |
No.76 | 3点 | 黄色いアイリス- アガサ・クリスティー | 2025/07/05 11:54 |
---|---|---|---|
この中の一編が雑誌に混ざっていたなら、枯れ木も山の賑わいと言えないこともない(誤用ではない)。しかしこうして一冊にまとめて枯れ木だらけの山にしちゃうと……面白い部分が皆無と言うわけではないが、これがいいねとタイトルを挙げるほどのものは見当たらなかった。 |
No.75 | 6点 | 死への旅- アガサ・クリスティー | 2025/06/30 12:49 |
---|---|---|---|
冒険とかスパイとかはメインではない。トーンは違うが、江戸川乱歩『パノラマ島奇談』『影男』のような “大金持ちがユートピアを作る話” だな~と思った。
冒頭のひどいリクルート方法、私は面白かった。AC安定のキャラクター造形のおかげもあって、真相に納得し切れない幾つかの本格ミステリ作よりはこっちの方がアリではないか。気を抜いて読めると言う意味も含めて。 |
No.74 | 6点 | 死の猟犬- アガサ・クリスティー | 2025/06/30 12:48 |
---|---|---|---|
あまり期待していなかったが、神秘譚とミステリの融合、なかなか良い。特に「死の猟犬」。“選ばれた物” とか “円を閉ざす” とか思わせ振りな言葉だけで殆ど何も解明されていない点に、却って世界の広がりが感じられた。
「検察側の証人」。図らずも滲み出てしまったようなわざとらしさがあって真相は何となく見当が付く。後半は、如何にしてその着地点に落とし込むか、と言う意味での上手さ。 「青い壺の謎」のような御芝居のプロット、私は本来嫌いなんだけど、これは何故かオチで笑えたなぁ。 「赤信号」。城真子さん? 麻姑四郎さん? |
No.73 | 5点 | 死者のあやまち- アガサ・クリスティー | 2025/06/30 12:48 |
---|---|---|---|
作者は真相を知っているが故に、ついついそれを踏まえた語り方をしてしまった。
だって捜査陣のこの対応はどうなの。少女の死をあっさり巻き添えだと決め付けて、目の前の死体より行方不明者の人間関係にかまけている。最終的にそれで正解だったものの、年齢を理由に被害者個人のアイデンティティを軽んじてないか、と言う違和感がずっと付いて回った。 登場人物皆が、とある暗黙の諒解の下に、つまり作者が意図するレッド・ヘリングを際立たせる方向に、動いているみたい。その範囲が事件の直接関係者ならまぁ許容出来なくもないが、警察まで巻き込むのは行き過ぎである。まずお祭を封鎖して、人海戦術で変質者を捜索すべきじゃない? この三年前の長編では “ついつい” の軛から逃れられた反面その結果として見当違いな調査に終始した、のと対照的。その分あちらは真相がより唐突な印象だけど、本作の不自然さの方が長期に亘るから困るなぁ。バランスを取るのは難しい。 そう言えば、あちらは “殺されたんでしょう?” 、こちらは “人殺しをするのよ”。思わせ振り台詞対決か。 |
No.72 | 6点 | スリーピング・マーダー- アガサ・クリスティー | 2025/02/14 14:43 |
---|---|---|---|
てっきり “彼女自身が下手人だった” と言う真相かと思った。意図的な殺人かはともかく、子供の体重でも紐を伝わって首の一ヶ所にかかれば死ぬことはあり得る(そもそも死因は未確認だ)。記憶が曖昧なのはショックのせいだし、父の行動はそれを庇おうとした故である。調べが進むうちにそれに気付いた夫あたりが、調査を中止するにも遅過ぎてやむなく証人の口を封じた、と。
うーむ、そんな話、読んだ記憶があるような……その作者も本作を読んで私と同じことを思ったんじゃないかなぁ。 “猿の前肢” がどうもイメージ出来ない。画像検索して、結末で明かされる小道具を考慮すれば納得。“前肢” と言うか、腕は含まない手首から先、毛が生えていない掌の部分のことだよね。毛むくじゃらの腕をイメージしてたけどそこではない。作中の言い方でちゃんと通じてたんだろうか? |
No.71 | 6点 | アクナーテン- アガサ・クリスティー | 2025/01/31 13:01 |
---|---|---|---|
これは作者の趣味なのだろうか、結構リラックスして自由にポリティカル・ロマンの翼を広げた印象を受けた。台詞を通して現代社会に物申す、みたいな部分はまぁいいや。
知識が無い私にしてみれば、古代エジプトなんて或る意味で異世界みたいなものだから、『レーエンデ国物語』みたいな心算で楽しんだ。 友人たるホルエムヘブの存在感がやや薄いせいで、最後の決別の場面は必要以上に大仰な感じだ。前提として強固な関係性があってこそ、ああやって “引導を渡す” みたいな形が映えるのだけれど。アクナーテンに接する時は一歩引いていたから判りにくかったか。 アクナーテンが吟ずる詩はどうなんだろう。“格調高さ” って却ってビミョーな感じになることがあるし、へぼ詩人が得々と自己陶酔している喜劇にも見える。 訳文については、どういう基準で考えるべきか。古代の王宮だから儀礼的で品位ある言葉遣いなのはもっともだ。ただ、耳で聞いたときに意味が捉えづらそうな語彙(横溢、閑暇、咆哮……)がたまに現われるのは配慮が足りない。“読む戯曲” だと割り切れば無問題だけど……。 |
No.70 | 8点 | ねじれた家- アガサ・クリスティー | 2025/01/24 12:12 |
---|---|---|---|
語り手は、ねじれた家へ何をしに行ったのか。公か私か曖昧なスタンスで、事件に介入、と言う程のこともせず、その場にいて会話をしていた人。邪魔、ではないけど妙に気持悪かったなぁずっと。
それぞれキャラが立った関係者が噛み合ったり合わなかったりするが、書き方が説明的。将棋の盤面を見るようだ。一人称記述だから仕方がない? 例えば倒産社長の人柄を妻が滔々と語る。確かにああいう説明無しで自分があそこまで深く読み取れた自信は無い。しかし作者にはもう少し直接的な説明は控えて、言動から読み取るチャンスを読者に与えて欲しかった。曲解したっていいじゃない。 そして、犯人と語り手の遣り取りを読み返すと、八百屋お七じゃないけど、犯人は語り手に対して或る意味で “いいところを見せたい” 思いで追加の犯行を重ねたのではないか、と言う気がするのだ。 すると最初の疑問が再び頭をよぎる。今度はメタ的な意味で。 またはこうも考えられる。語り手にとって、ねじれた家の一族は未来の身内なわけだから、後顧の憂い無き着地が望ましい。副総監だって立場は同じだ。火の粉を避ける為に息子を送り込んで事態を収拾させた? 全くの部外者の犯行なら言うこと無しだがそうは行かず、しかし比較的穏便な形(あの人は “義理” だしね)で決着していると思う。語り手との会話が無意識のうちにあの行動を後押ししたのかも。実は操りテーマ? |
No.69 | 3点 | 海浜の午後- アガサ・クリスティー | 2025/01/18 14:07 |
---|---|---|---|
ネタバレあり。
「患者」が面白い。妙な機械が登場してクリスティっぽくないが、その点こそ作者の茶目っ気? 戯曲だからこういうリアリティの無さもアリだ。 戯曲では名前を省略する書き方は普通にあるので、アンフェアでも不自然でもない。戯曲であることを利用した或る種の叙述トリックである。 しかし、心情に矛盾があると役者は演じられない。本作はどうやって上演したんだろう? “B” は犯人を炙り出す罠であるから、本当に犯人を意味するメッセージではなくフェイクである。それを知っている筈の警部と医師が “つまるところだれなんです?” とか言って議論するのはおかしい。 (因みに、その議論の流れで “犯人に知られてはならない事柄” にも言及しているので、“犯人に聞かせる為の演技” との解釈は成立しない。) また、警部が最後の台詞で語る “証拠” によって、ロジックとしては弱いが一応犯人を推測出来ており、そこに “B” の件は不要である。 犯人の条件が “B” で、真相が明らかになった時に、そうかこの人も “B” だった、と驚けるなら美しいが、実際には “条件” ではなく単なる偶然みたいなものだ。 つまりこれ、罠ではなく、動けないフリではなく、あの電気装置を介したやりとりは本物で、被害者は犯人を知っているが、フェイクでないメッセージとして “B” 一文字しか伝えられなかった――とするべきではなかっただろうか。嗚呼勿体無い。 |
No.68 | 6点 | 親指のうずき- アガサ・クリスティー | 2024/10/10 12:01 |
---|---|---|---|
トミー&タペンスは、何処まで本気か判別しがたいと言うか “探偵ごっこ” のイメージが抜けないので、つい緩い気分で読んでしまった。謎の絵・謎の記憶・謎の人形ってサイコ・スリラーかい、あっはっは。と思ったら本当にそうだった。強引なこじつけもそういうことならOK。エピグラフもサイコっぽいし。
しかし作者の筆も若干緩んでないか。4分の3までは少々引き締めて、その分ラストのホラブルなパートをもう少し長く堪能出来たらベターなんだけど。 |
No.67 | 5点 | メソポタミヤの殺人- アガサ・クリスティー | 2024/10/10 12:01 |
---|---|---|---|
内容にかこつけて “なりすまし” について思うことを書きたい。本作に限らず私は肯定的である。
否定的な意見とは要するに “気付くだろう” と言うことだが、それは根拠薄弱だと私は思う。何故なら、実体験が伴っていないから。 誰かが他者になりすまして自分を騙そうと本気で仕掛けて来たのを、その正体は誰々だと見破った――と言う経験者はあまりいないと思う。 なりすまし(を見破ること)の難易度をイメージでしか示せない以上、疑わしきは罰せず式に許容しても良いのではないか。 寧ろ、見破った経験が無いと言う事実は、実は身近でなりすましが進行していて自分はそれに気付いていない可能性を示唆しているのである。 |
No.66 | 5点 | 謎のクィン氏- アガサ・クリスティー | 2024/08/09 11:47 |
---|---|---|---|
シリーズものとしての枠組みのヴァリエーションを工夫しているところが良いし(降霊術で呼び出すくだりが最高)、その中に収めた個々の事件も再確認してみると決して悪くないけれど、読み物としては淡々としているせいか結局クィン氏の印象しか残らず、しかしそれだけで良しと出来る程に素晴らしいキャラクターではないのである。 |
No.65 | 8点 | カーテン ポアロ最後の事件- アガサ・クリスティー | 2024/05/24 14:09 |
---|---|---|---|
【ヘイスティングズ大尉の告白】
ある人物の死に関して私が果たした役割を、ポアロはただの偶然だと説明している。ところが実のところ、その人が皆にアレを振舞ったあの時、何故か私には判ったのだ。 この人は何かをやった、と。 説明できる根拠は無い。言葉でも動作でもない何か、その場にいたからこそ伝わる雰囲気、第六感。そんなものだ。殺人者Xを意識するあまり、違和に対して敏感になっていたのかもしれない。 もとより100%の確信などは持ちようがない。それでもその場で騒ぎ立てるべきだったか。しかしそれがポアロの対X戦略にどう影響するか読めなかった。かといって座視するにはあまりに強い胸騒ぎであった。 なにより熟考する猶予など無かった。アレが飲まれるほんの数瞬後までに対応を決めねばならない。 と偶然にも、私以外の全員がバルコニーに出て、部屋には私一人が残されたのだ。その僥倖が背中を押した。私は素早くアレをまわした。二つのアレが入れ替わった。ただの思い過ごしなら、何も問題は生じない。仮に懸念が当たっていたとしても、それは自業自得ではないか! その後の成り行きは手記の通りだ。私はこれっぽっちも疑われず、ポアロでさえ私が意図せずにあの状況を作り上げたものと推理した。なにしろ全ては私の心の中のことであり立証しようがないのだから。 断っておくが私は手記に何も嘘は書いていない。語り手が自分に不利な事柄を省くのは前例があり、非難には当たらないはずだ。 してみれば、これは私がポアロに勝った、ということになるのだろうか? しかし今にして思えば、ちょっとした状況証拠がなくもない。 もしも入れ替わりに気付かなかったというならば、私は目の前を回転木馬よろしく流れるアレを全く見落としたことになる。自分の目の代わりとして呼んでおきながら、なんとも信頼してくれたものだ。 いや……それともポアロは、判った上であの推理を記したのだろうか? 誰も気付いてはいない、安心したまえ――と、敢えて勝ち逃げをしないことで最期のプレゼントに換えたのだろうか……? (※16-Ⅳ、18、19、後記、などを鑑みるに、『カーテン』は大尉の手記だとするのが妥当だと思います。) |
No.64 | 6点 | フランクフルトへの乗客- アガサ・クリスティー | 2024/05/09 11:49 |
---|---|---|---|
AC作品にはミステリ的なポカが結構あって、それが気になり素直に読めないことも少なくない。でも本作は冒頭の時点で “あ、これはそういうこだわりは不要な奴だな” と判ったので、本格ミステリ作より気楽に楽しめた。
作者は “社会風刺+戯画的で大仰なスペクタクル” でチェスタトンみたいなことをやりたかったんだと思う。しかし読み易く書くことに長けていたので、却ってああいうもっともらしさが出せなかった。人物造形が巧みなので、直線的なプロットや背景から浮き上がってしまった。 自分に対する無いものねだりが過ぎる。その結果、意図しないところで “風刺すること” に対する風刺になって自爆してしまった。 |
No.63 | 6点 | バグダッドの秘密- アガサ・クリスティー | 2024/04/11 13:21 |
---|---|---|---|
これは最初期のアウトテイクをリメイクしたものじゃないかと勘繰りたくなる。強引な真相(一目惚れに内実が感じられないのも読み返せば立派な伏線か)。“可笑しな理想に邁進する秘密組織” は大いにアリ。
異国情緒もそれなりに楽しめた。発掘現場に紛れ込んだりする擬似自分語りが或る種のファン・サーヴィスだと作者は認識していたのだろうか。 |
No.62 | 6点 | 象は忘れない- アガサ・クリスティー | 2024/03/21 11:28 |
---|---|---|---|
(多分ネタバレ)夫が妻を殺したのか、妻が夫を殺したのか。
例えば夫の親類が “彼が加害者か被害者か知りたい” と言うのは判る。しかし娘を経由してその件を見ているなら、どちらでも大して違わないじゃないか。 と思いつつ読み始めたが、真相に至るととんでもない大違いである。最初から答えを暗示する問いかけだったのである。本来の意図からすれば “第三者による殺人ではなかったことの確認” をこそ求めるべきだった筈で、依頼者はとても勘が鋭い(とでも解釈する他ない)。ヤブヘビになりかねない気もするが……それを踏まえて振り返れば、早々と真相に近付き過ぎないように、会話で或る部分を避けて通っているフシがあり苦しげだ(笑)。 Elephants Can Remember. 原題と邦題を見比べて中学校時代を思い出す。英和辞典で remember の意味として【覚えている】と【思い出す】が併記されていて、“それは別の意味では?” と戸惑ったものである。日本語なら “忘れねばこそ思い出ださず” と言うところなのに。 カップルじゃないけどデズモンドとモリーが登場する(「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」)。 |
No.61 | 5点 | ポアロとグリーンショアの阿房宮- アガサ・クリスティー | 2024/02/09 13:20 |
---|---|---|---|
(『死者のあやまち』は未読。)
基本的に手掛かりは事件直後に出揃っているよね。しかし二ヶ月何もせず、更なる死者がヒントになって真相に気付くポアロ。これは失敗談? オリヴァ夫人は何が気になってポアロを呼んだのか。グリーンショア周辺の人間関係から事件を読み取った夫人が、実は無自覚なまま名探偵だったと言う話? |