皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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kanamoriさん |
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| 平均点: 5.88点 | 書評数: 2475件 |
| No.1335 | 7点 | 世界短編傑作集3- アンソロジー(国内編集者) | 2011/01/01 17:47 |
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| 海外古典短編ミステリ・アンソロジーの第3巻。
収録作は、1920年代の後半いわゆる”黄金時代”の幕開けの時期の作品群で、先にこうさんが書かれているように、叢書の中で一番の名作ぞろいです。 有名なところでは、バークリー”毒チョコ”の原型「偶然の審判」、ダンセイニ”奇妙な味”の代名詞「二壜のソース」、アリンガム「ボーダー・ライン事件」、クリスティの傑作サスペンス「夜鶯荘」など。 しかし、個人的ベストは、なんといってもおバカなトリックのノックス「密室の行者」ですけども。 |
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| No.1334 | 6点 | 世界短編傑作集2 - アンソロジー(国内編集者) | 2011/01/01 17:47 |
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| 乱歩が選出した海外古典短編ミステリのアンソロジー。
第2巻は、1910年代から20年代前半の作品で、ホームズのライヴァルといえるシリーズ探偵ものが多く収録されていました。 ルブラン=アルセーヌ・ルパン、ポースト=アブナー伯父、フリーマン=ソーンダイク博士、ブラマ=盲目探偵マックス・カラドス、クロフツ=フレンチ警部など、錚々たるメンバーが揃っていて楽しめます(多くが有名作品のため、他の作品集で読める作品が多いですが)。 |
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| No.1333 | 6点 | 世界短編傑作集1- アンソロジー(国内編集者) | 2011/01/01 17:47 |
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| 日本で編まれた海外古典短編ミステリの路傍標的アンソロジー、全5巻の1作目。
本書には、19世紀後半から20世紀始め”ホームズ時代”の作品を中心に編集されています。 編中では、”思考機械”こと伴道全教授、もといヴァン・ドゥーゼン教授初登場の名作・フットレル「十三号独房の問題」と、昨年シリーズ連作が邦訳されたロバート・バー「放心家組合」の2作が双璧でしょう。 ウィルキー・コリンズやアントン・チェホフの作品は、さすがに歴史的意義しか感じませんでした。 |
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| No.1332 | 5点 | 猿の惑星- ピエール・ブール | 2010/12/31 12:24 |
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| 映画であまりにも有名なSF小説。特殊メイクに冒険活劇と、衝撃のラストシーンが印象に残る映画版に比べて、原作はあまり読まれていないのではないかと思います。
風刺が入ったSFには違いありませんが、ラストの処理が映画版と全く異なります。視覚的サプライズ・エンディングの映画版に対して、原作は映像化できないドンデン返しで終っていて、この一種の叙述トリックはミステリに通じるものがあります。 余談ですが、 以前、日本を舞台にした映画版のパロディ・コントを見た記憶があり、ラストシーンはたしか奈良の大仏でした(笑)。 |
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| No.1331 | 7点 | 折れた竜骨- 米澤穂信 | 2010/12/30 22:55 |
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| 中世イングランドの北海に浮かぶ島を舞台にした、歴史冒険ファンタジー風の本格ミステリ。
いままでの日常の謎タイプとは対極に位置するような、騎士と魔術師が跋扈する、”非日常の謎”を扱った意欲作なので、評価が分かれそうです。物語の視点人物が殺された領主の娘で、ラノベ風の語り口は異国の歴史ものにしては読みやすいと思います。 魔術という特殊設定はあるものの、終盤、関係者が集まった場面の消去法による真犯人の絞り込みは、フーダニット・パズラーの王道を行っています。 |
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| No.1330 | 6点 | 雷鳴の館- ディーン・クーンツ | 2010/12/30 13:02 |
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| 交通事故で記憶喪失になった女性が、ある病院で遭遇する悪夢のような体験を描いたホラー小説。
という感じで、終盤までは不条理なゴースト・ストーリーと思い読んでいると、最後にトンデモないカラクリが......。 小山正編「バカミスの世界」の中で、ホラーなのにバカミス・ベスト100に選ばれたというおバカ・ホラー。ホラーファンより本格ミステリ愛好者にお薦め。(本当か?) |
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| No.1329 | 7点 | 夜よ鼠たちのために- 連城三紀彦 | 2010/12/30 12:41 |
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| 騙し絵を見るようなミステリ6作品収録の短編集(新潮文庫版)。
ありえない不可能な状況を叙述の技巧で可能にする「二つの顔」と「化石の鍵」、手紙形式で過去の誘拐事件の構図が反転する「過去からの声」、逆説的で異様な殺人動機の表題作など、いずれも叙述による騙しの限界に挑んだような逸品が揃っています。 叙情的な文芸ミステリという点で、個人的好みでは「戻り川心中」に一歩譲りますが、それに並ぶ傑作短編集でしょう。 |
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| No.1328 | 6点 | 反逆者に死を- スチュアート・カミンスキー | 2010/12/29 12:11 |
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| 80年代の旧ソ連を舞台にした警察小説、ロストニコフ捜査官シリーズの第1作。
本書の段階では、主人公はまだ民警ではなく検察局の主任捜査官で、KGBとの関係も悪化していない。反体制学者の惨殺事件の捜査を命じられるが、政治がらみの事件にKGBではなく何故彼が担当となるのかが物語の肝です。 真面目な語り口の中に、時々軽めのくすぐりを入れているのが当シリーズの特徴。ロストニコフの趣味は重量挙げと米国の警察小説を読むことで、闇で手に入れたチェスター・ハイムズを隠れて読みながら米国社会の腐敗を嘆く描写などたまりません。 |
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| No.1327 | 4点 | 妻に捧げる犯罪- 土屋隆夫 | 2010/12/29 11:43 |
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| これはストレートな本格ミステリではなく、悪戯電話を楽しむ助教授が巻き込まれる犯罪という、軽犯罪者を主人公(探偵役)に据えた変化球のサスペンスでした。
悪戯電話の些細な手掛かりから相手を推理していくところに多少の面白味がありますが、自身の短編を長編化した小粒なネタなので、初期の本格編ほどの満足感を得られなかった。 |
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| No.1326 | 5点 | ねじれた家- アガサ・クリスティー | 2010/12/28 18:11 |
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| 本書も、作者自身の評価と一般的な人気に乖離があると思われる作品。
Amazonのネタバレ書評を見ると、プロットと犯人の設定が某名作に類似しているとの指摘が多く、それも一因かと思いますが、同じ”ねじれた家族”の遺産相続ものというだけで雰囲気やメインのアイデアは全然異なります。 むしろ、このノン・シリーズ作品では、一応の探偵役となる青年に魅力がなく、感情移入できる人物が見当たらないのが要因ではと思います。 |
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| No.1325 | 5点 | 白銀ジャック- 東野圭吾 | 2010/12/28 18:00 |
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| ご都合主義で予定調和の感もありますが、サクサク読めるのがなにより。
このジャンルの定型の仕掛けに、さらにヒネリを入れて真相を判りずらくしたところは流石です。 なによりも、新刊を文庫で出すという姿勢にプラス1点。 |
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| No.1324 | 6点 | クロエへの挽歌- マージェリー・アリンガム | 2010/12/27 18:28 |
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| 人気ミュージカル男優の館での、中年女優・クロエの不審死の謎を中核とした”館ミステリ”の様相から、中盤以降思わぬ派手な展開を見せるプロットは女史の作品の中では面白く読めました。
素人探偵キャンピオンは、同時代の名探偵と比べ個性に欠けるきらいがありますが、今回、当初傍観者を決め込む理由がミスディレクションになっている点はよかった。邦訳タイトルになったクロエの造形は、現代作家ならもっと書き込んだものになっていたと思えるのがちょっと惜しい。 |
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| No.1323 | 6点 | 裏切りの明日- 結城昌治 | 2010/12/27 18:00 |
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| ”悪徳警官もの”と明示すること自体がネタバレになるもう一つの作品と違って、本書の主人公・沢井は最初から悪徳警官として登場します。そのため、ミステリとしての意外性はあまりないですが、それを犠牲にしてでも、作者はこのテーマをさらに深く掘り下げたかったのかもしれません。
経済犯罪小説とも読める部分は、さすがに時代性ゆえの古臭さを感じるものの、このような人物を主人公とした小説は当時珍しかったでしょうから、国産ノワールものの先駆的作品といえるでしょう。 |
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| No.1322 | 5点 | 死の笑話集- レジナルド・ヒル | 2010/12/26 12:52 |
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| ダルジール警視シリーズの18作目。
巻頭に編集部から”「死者との対話」の続編”との注釈が付いています。 今作、聖三位一体のレギュラー3名は、それぞれ別々の事件に関わっていて、いつもにも増して物語の流れが把握しずらかった。ワードマン事件の後始末をするダルジールのパートはともかく、パスコーの”やっかい事”は、40年近く前にでたシリーズ第2作とも関わるとあってフォローできません。 結局、弁当箱のような正続あわせて1200ページを読んだという変な達成感だけが残りました。 |
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| No.1321 | 7点 | アルバトロスは羽ばたかない- 七河迦南 | 2010/12/26 12:14 |
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| 児童養護施設”七海学園”を舞台にした連作ミステリ・シリーズ第2弾。
高校の校舎屋上からの墜落事件の謎を本筋に、その事件のヒントとなるような4つの日常の謎系のエピソードを間に挿入した構成になっています。 評判どおり、終盤で主要登場人物たちの立ち位置が劇的に反転する仕掛けが素晴らしい。前作を読んでいれば驚きが倍増するでしょう。シリーズ2作目でこれをやられるとは思わなかった。 痛ましい過去をもつ子供が多数登場し、重たいエピソードが続くので、好みが分かれる作風かもしれませんが。 |
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| No.1320 | 7点 | クリスマス・プレゼント- ジェフリー・ディーヴァー | 2010/12/25 20:41 |
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| ミステリ16編収録の短編集。
各作品とも、ドンデン返しというより、原題の”Twisted”どおり、ちょっとヒネリを利かせたオチという感じで、スレッサーを思い浮かべました。 お気に入りベスト3は、「三角関係」「釣り日和」「ひざまずく兵士」の3作品ですが、ライム&アメリア・シリーズファンには、表題作が文字通りの「クリスマス・プレゼント」でしょう。 来年は、第2短編集の”More Twisted"に期待したい。 |
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| No.1319 | 4点 | クリスマスローズの殺人- 柴田よしき | 2010/12/25 20:17 |
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| 「Vヴィレッジの殺人」に続く、吸血鬼探偵メグ・シリーズの第2弾。
いちおう本格ミステリで、探偵の設定も最後に活かされている点は前作より好印象ですが、この吸血鬼娘探偵や別シリーズの猫の探偵って、まんま某国民的大衆小説の大家・赤川次郎先生の二番煎じじゃあないですか。 この作者の書くジャンルは、警察小説、コージー、恋愛ミステリ、ホラー、ハードボイルドなど幅広いですが、どうも器用貧乏という感じですね。 |
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| No.1318 | 7点 | クリスマスに少女は還る- キャロル・オコンネル | 2010/12/25 12:58 |
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| これは、ミステリの体裁を借りた一種の”クリスマス・ストーリー”だと思う。子供が主人公で最後に奇蹟が起るという、その定型にそっていますから。
二人の少女の誘拐・監禁事件、クリスマスをデッド・ラインとしたタイムリミット・サスペンスとして読んでいくと、解説で言うように最後に「こういう話だったのか!」と唖然とすることになります。 miniさんが書かれているように、文章がとっつきにくいのが難点(作者の持ち味?)で、地の文と内面描写が混然一体となっていたり、会話の意味が数行先まで読まないと分からないなど、最初はサクサク読めないですが、自然と読み心地がよくなるのが不思議な感じでした。 |
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| No.1317 | 5点 | クリスマス黙示録- 多島斗志之 | 2010/12/25 12:22 |
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| 復讐の鬼と化した米国人警察官、標的となる日本人留学生、警護を担当する日系人のFBI捜査官。3人の主要登場人物による冒険サスペンスで、3人がいずれも女性という点に新味があります。
「パールハーバー」を起点とするジャパン・パッシングが背景にあり、米国取材の緻密さを覗わせるところもありますが、プロットがありきたりで、初期作品のような荒唐無稽さがないのが物足りない。 |
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| No.1316 | 6点 | 眠れぬイヴのために- ジェフリー・ディーヴァー | 2010/12/24 18:36 |
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| 殺人容疑の男が精神病院を脱出し、裁判で不利な証言をした女教師の自宅を目指して逃走する、サイコ風のサスペンス。
この初期ディーヴァー作品は、ジェットコースターとはいかず、ドンデンはラストのみ。いわば”一発ネタ”で短編ででも書けるようなアイデアなので、この分量は少々きつかった。 文庫の内容紹介文にも問題あり。内容紹介でネタバレをよく目にしますが、このような読者を誤誘導する事実と違うアンフェアな記述はめずらしい。なお、本書はタイトル・内容ともクリスマス・イヴとは全く関係ありません、念のため(笑)。 |
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