皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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kanamoriさん |
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| 平均点: 5.89点 | 書評数: 2460件 |
| No.1380 | 6点 | ゲノム・ハザード- 司城志朗 | 2011/01/08 23:52 |
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| 発端から不条理な謎を提示したインパクトのあるサスペンス・ミステリでした。
帰宅した主人公がローソクに囲まれた妻の死体を発見し、かかってきた電話をとると、その妻の声が聞こえて来るという冒頭から、”いったい何が起こっているのか”という不可解な状況がつづき、最後まで読者を引っ張っていく構成がスリリングです。 10年以上前のサントリー・ミステリ大賞読者賞作品ですが、今年改稿文庫化されたようです。 |
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| No.1379 | 5点 | ピカデリーの殺人- アントニイ・バークリー | 2011/01/08 23:29 |
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| ピカデリー・ホテルでの毒殺事件の目撃者となった、チタウィック氏が巻き込まれる本格編。
数々の傑作群にはさまれて出版された本書は、作者の作品の中でも犯行トリックが工夫されていて、珍しくオーソドックスな本格ミステリといえますが、探偵役のチタウィック氏が(シェリンガムと比べると)個性に乏しく、いまいち面白味に欠けます。チタウィック氏の伯母や犯人像など面白い人物も登場しますが、全体的に地味な作品という印象です。 |
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| No.1378 | 6点 | 太鼓叩きはなぜ笑う- 鮎川哲也 | 2011/01/08 17:58 |
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| 銀座の会員制バー「三番館」のバーテンが安楽椅子探偵を務める連作ミステリの第1集。
このタイプの連作ミステリの不文律?に則り、「隅の老人」「ブロンクスのママ」「退職刑事」などと同様、バーテンの名前はありませんが、私立探偵や弁護士までレギュラー・キャラクター全員が名無しという徹底ぶりです。 ほとんどの作品でアリバイ・トリック(アリバイ奪取トリックも)を扱っているのは、いかにも作者らしい。 |
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| No.1377 | 7点 | 最上階の殺人- アントニイ・バークリー | 2011/01/08 17:25 |
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| これは、バークリー中期の佳作でしょうね。
マンション最上階に住む老女殺害事件自体はシンプルで地味ですが、終始シェリンガム視点で語られているため、迷探偵の推理過程や心の動揺がまんべんなく描かれています。とくに、被害者の姪・ステラがシェリンガムの秘書になっての二人のやり取りと、いつもの多重解決が読みどころで面白かった。 以下ネタバレになりますが、 本書で作者が意図したのは、名探偵像の反転と同時に、ミステリ愛読者の頭に染み付いた「意外な犯人」像の反転でしょう。 |
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| No.1376 | 5点 | 幸せの萌黄色フラッグ- 井上尚登 | 2011/01/07 21:56 |
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| 相模原のサッカー・クラブの用具係・坂上青年の事件簿第2弾。今作は、J2リーグ編です。
前作が面白かったので続けて読了。いきなり、坂上君のプライベート状況の微笑ましいサプライズで始まりますが、事件のほうは例によって非常に軽めです。 表題作でのスカウト担当・渡辺さんの”苦境ぶり”が一番笑える。 |
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| No.1375 | 6点 | 獣たちの庭園- ジェフリー・ディーヴァー | 2011/01/07 21:43 |
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| ナチス政権下のドイツを舞台にした歴史冒険サスペンス。
これまでのディーヴァーの作品と全く異なる設定ながら、ベルリン・オリンピックなどの情報を多く取り入れた当時の雰囲気創りは◎。なれないジャンルに取り組んだ意欲は評価したいです。 一方、そのため物語のテンポはやや悪いように感じました。主人公の経歴はユニークで面白いものの、こういった要人暗殺ものは過去に多く書かれており、先達の傑作には及ばないように思います。 |
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| No.1374 | 5点 | ホペイロの憂鬱- 井上尚登 | 2011/01/07 18:31 |
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| 相模原にあるJFL所属のサッカー・チームのホペイロ(用具係)坂上青年を主人公にした連作ミステリ。
どの作品も、たわいのない”日常の謎”が提示されており、ミステリ的には些か弱いのでこの点数ですが、Jリーグ昇格をめざすチームの裏方、サポーターなど登場人物が皆魅力的で、読み心地がよかった。 |
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| No.1373 | 6点 | 証拠が問題- ジェームズ・アンダースン | 2011/01/07 18:06 |
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| 殺人容疑で逮捕された夫の潔白を証明するため、被害者女性の兄とともに調査に奔走することになる妻・アリソン。
「黒い天使」を連想させるプロットで、天使の顔・アルバータと本書のヒロインが重なるところですが、アイリッシュ風の叙情性はなく、アリソンは現代的で芯の強い女性として描かれていて、小説のテイストも明るめです。 登場人物が限られており、途中真相はなんとなく見えてきますが、巧妙な叙述のテクニックで核心はうまく隠蔽されています。 小粒ながらスマートな叙述トリックものでした。 |
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| No.1372 | 6点 | T.R.Y. - 井上尚登 | 2011/01/06 18:48 |
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| 20世紀初頭、革命の気運高まる中国と日本を舞台に、日本人の天才詐欺師・伊沢を主人公にした謀略・コンゲーム小説。
プロットが複雑すぎるきらいはありますが、実在の人物を多数登場させ、虚実取り混ぜた構成と騙し合いの連続は、デビュー作とは思えない軽快なエンタテイメントに仕上がっています。 ラストの逆転につぐ逆転のドンデン返しは、お約束気味とはいえ、なかなか痛快でした。 |
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| No.1371 | 6点 | 音もなく少女は- ボストン・テラン | 2011/01/06 18:16 |
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| 聾唖に生まれた娘イヴ、ろくでなしの夫に耐えるその母親、ナチス・ドイツからの移民で女店主のフラン、この3人の女性を中心に、援け合い慰め合いながら40年に及ぶ女たちの非情な運命との闘いを綴った物語。
これはミステリか?と問われれば、答えに窮しますが、短く区切られた120以上の章立てのひとつひとつのシーンが、後に写真家になるイヴの手による写真のように思えてくるその筆力に圧倒されます。とくに、ラストの”創造者””保護者””破壊者”の聖三位一体像に見立てた表現が感動的。 |
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| No.1370 | 5点 | 南部殺し唄- 都筑道夫 | 2011/01/05 18:53 |
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| 滝沢紅子シリーズ、長編の第4弾。
シリーズ最終作となった本書は、メゾン多摩由良団地の集団探偵ものではなく、岩手県の旧家を巡る殺人事件に紅子と春江が巻き込まれるという本格編。 横溝風というか、旧家土蔵の密室殺人などの設定はどこか物部太郎シリーズを思わせますが、ロジックは例によって軽めでした。 |
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| No.1369 | 6点 | 聖なる怪物- ドナルド・E・ウェストレイク | 2011/01/05 18:35 |
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| ドタバタ・コメディの早川書房に対し、文春文庫は「斧」、「鉤」に続く本書と、いずれもノワールなクライム小説で対抗しているようだ。
隠退した老優がインタヴューに応える構成で語られる酒とドラッグにまみれた半生は、映画界の裏話・暴露話を交えて、むしろユーモアを感じさせるストーリーですが、そこはウエストレイク、最後にきて読者に戦慄を与えるトリッキーな仕掛けが炸裂します。 小粒ですが、読んで損はないクライム・ミステリだと思う。 |
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| No.1368 | 5点 | 踊るひと- 出久根達郎 | 2011/01/04 20:16 |
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| なんとも”奇妙な味わい”のある短編7作が収録された作品集。
ホラー&怪談噺が中心で、ミステリといえないものも含まれていますが、それぞれ内容に合わせて語り口を変え、読者を迷宮に誘う技巧を見せてくれています。 ミステリ的には、長期不在中に友人から届いていた複数の手紙文で構成しラストに戦慄をもたらす「踊るひと」と、女子高生二人の交換日記のみで構成し最後に二重のどんでん返しを用意した「くっつく」が印象に残った。 |
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| No.1367 | 7点 | 愛しき者はすべて去りゆく- デニス・ルヘイン | 2011/01/04 19:08 |
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| ボストンの私立探偵パトリック&アンジー・シリーズ。
このシリーズは現在まで5冊邦訳されていますが、1冊おきに出来不出来の波があるような気がする。第4弾の本書が個人的にシリーズ最高傑作だと思います。 毎回テーマは重たい。今作は児童虐待・親権問題を内包した4歳の少女誘拐を扱いながら、プロットを二転三転させて、予想外の着地を見せてくれます。探偵二人の関係にも大きな転機が訪れるという意味でもシリーズの分岐点の作品といえます。 |
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| No.1366 | 5点 | 殺人鬼2- 綾辻行人 | 2011/01/03 22:08 |
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| 今回はミステリ的仕掛けを半分放棄して、スプラッタ・ホラーに重点を置いた作品。
嫌いではないが、岡嶋二人の「クリスマス・イヴ」のスリル感には及ばない。 |
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| No.1365 | 5点 | 殺人鬼- 綾辻行人 | 2011/01/03 22:04 |
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| スプラッター・ホラーに叙述トリックを使用した意欲作。
ホラー部分は面白かったが、大技トリックのサプライズ効果は微妙です。 |
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| No.1364 | 5点 | 鳴風荘事件- 綾辻行人 | 2011/01/03 21:59 |
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| 殺人方程式シリーズの第2弾。
シリーズ・キャラクターは前作より馴染み安く感じましたが、今回は事件そのものに魅力がなかった。 |
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| No.1363 | 5点 | 殺人方程式- 綾辻行人 | 2011/01/03 21:55 |
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| 純粋なパズラー長編に物理トリック付きですが、パズラーなら法月綸太郎に遠く及ばず、物理トリックなら島荘のバカバカしさの比ではなかった。
物語にプラスアルファがなく、ロジック一本やりの作品が好みの方にはお薦めかも。 |
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| No.1362 | 5点 | 黄昏の囁き- 綾辻行人 | 2011/01/03 21:38 |
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| 囁きシリーズの3作目。
シリーズ最新作なのに、他の2作ほど内容を思いだせなかった作品。 幻想的雰囲気は、相変わらず好みですが、ホラーとミステリの融合というよりも、ともに中途半端な印象。 |
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| No.1361 | 6点 | 暗闇の囁き- 綾辻行人 | 2011/01/03 21:31 |
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| 囁きシリーズの2作目。
トライオンの「悪を呼ぶ少年」を意識して書いたというとおり、別荘地を舞台にしたある少年がキーとなるホラー・サスペンス。 前作同様に幻想的雰囲気創りに長けた佳作だと思う。 |
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