海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

kanamoriさん
平均点: 5.88点 書評数: 2474件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.1694 5点 迷宮の暗殺者- デイヴィッド・アンブローズ 2012/03/07 18:00
これはジャンル分類が困難な”トンデモ本”でした。
秘密工作員チャーリーを主人公とする暗殺ものと、脳神経科の女医スーザンが巻き込まれる陰謀もののパートが交互に同時進行で描かれ、途中まではなかなか読ませるのですが、二つのストーリーが統合される中盤でぶっ飛びの展開に突入します。ここで読むのを放棄する人が多数いそうです。

まあ、本書冒頭のエピグラフが、荘子の”胡蝶の夢”とジェームズ・ボンドですからね。ある程度変な話だと覚悟はしてましたが、ここまで”おバカ”をやってくれるとは・・・・・脱帽です。

No.1693 6点 奇面館の殺人- 綾辻行人 2012/03/05 23:10
久々の「館」シリーズの本書は、初期作を思わせるゲーム性が前面に出ていて懐かしい感じがした。「十角館」から四半世紀、齢50を過ぎた今でも、このようなモノを書いてくれたことに感謝。

季節外れの”吹雪の山荘”、仮面を付けた登場人物たち、首なし死体などなど、繰り出されるガシェットはいい。終盤の名探偵・鹿谷による重層的な推理の開陳もスリリングでよかった。
ただ、動きの少ない中盤の展開はじりじりさせ、招待客たちが名前でなく仮面の種類で紹介されるので分かりずらい面もあった。登場人物表があれば助かったのですが(笑)。
エピローグは蛇足の感。最後のジャック・フットレルの命日というのは何のつながりもないように思える。

No.1692 6点 タイタニック号の殺人- マックス・アラン・コリンズ 2012/03/02 22:48
豪華客船タイタニック号の最初で最後の航海に乗り合わせた”思考機械”の生みの親、米国の推理作家ジャック・フットレルが、メイ夫人とともに船上の密室殺人に挑む歴史ミステリ。20世紀に起きた大惨事を背景に、実在の作家が探偵役を務めるという、通称”大惨事シリーズ”の第1作です。

謎解きミステリとしては推理味が薄くあまり面白いと思わないが、作者の狙いは、登場人物すべてを実在の乗員乗客とするなど史実をベースにしたリアルな物語の構築にあるのでしょう。
沈没事故から生み出された幾つかの有名なエピソードがさりげなく挿入されているので、事前の知識があるとより楽しめます。たとえば、フットレルが船室で読んでいる実在の小説『愚行』の内容(=タイタン号という客船が氷山に衝突するストーリー)とか、殺害現場の客室番号に則り、事件を”C13号客室の問題”と称する遊び心などが微笑ましい。

大惨事シリーズは、第2作が飛行船ヒンデンブルク号事故と”聖者”サイモン・テンプラーの作者レスリー・チャータリスとの組み合わせですが、それ以降邦訳が止まっているのが惜しい。このあとの作品には、ヴァン・ダインやアガサ・クリスティなども登場するらしい。

No.1691 6点 聴き屋の芸術学部祭- 市井豊 2012/02/29 22:47
”聴き屋”体質の大学生「ぼく」が謎解く4つのミステリ。
殺人事件のフーダニット、日常の謎、安楽椅子探偵っぽいものと、それぞれ趣向を変えたミステリが収録されています。コミカルなエピソードに紛れ込ませる形で伏線を巧妙に張ったうえのロジカルな解法が基本になっていて、それが作者の持ち味のようです。第2話の「からくりツィスカの余命」だけは、ロジックよりトリックがキモになっていて、逆に個人的には編中で一番よかったのですが。
芸術学部の個性豊かな学生が多く登場するのだけれど、なかでも極度のネガティブ思考の持ち主である”先輩”が面白い。彼女のキャラで+1点加点しました(笑)。

No.1690 7点 犯罪- フェルディナント・フォン・シーラッハ 2012/02/27 22:43
刑事弁護士の「私」が関わった様々な犯罪者たちを描いたドイツ製の連作ミステリ短編集。

狂言廻しの「私」が淡々と語る犯罪と、その主人公である犯罪者たちの人生は実に多様で、物語のテイストもそれぞれ異なり、11編続けて読んでも飽きることがなかった。ノワール、グロテスクな話、奇妙な味、トリッキィな騙り、不条理な愛、ハートウォーミングな感動物語など、あらゆるタイプのミステリを取り揃えた感じ。
なかには、”日本のミステリや劇画からヒントを得ているのでは?”と妄想させる作品があった。アレとアレは、どうしても「ゴルゴ13」と「殺しの双曲線」を連想してしまう(笑)。
個人的な好みで、ベスト3は「ハリネズミ」「正当防衛」「エチオピアの男」を選ぶが、再読したらガラリと変わるかも。

No.1689 6点 憧れの少年探偵団- 秋梨惟喬 2012/02/26 12:14
乱歩の”少年もの探偵団”にあこがれる男女5人の小学生による連作ミステリ。
日常の謎が中心のお気楽なジュヴナイル小説と思いきや、密室殺人をはじめ凶悪事件が大半というのがやや意外でした。
第1話はクリスマス・イヴの密室殺人。この聖夜だから可能なトリックがなかなか。怪人二十面相=〇〇説とか、事件と関係ないウンチクも楽しい。ただ、小学生が名探偵であることを悩むというのは無理があるでしょう。
第5話の、町のケーブルカーから女性が消失する謎も単純ながら盲点を突いたトリックでした。
好みで言えば、手掛かり・伏線が巧妙だと思った第4話の「不愉快な誘拐」がベストかな。物語のホンワカした雰囲気もジュヴナイルらしくていいです。

No.1688 7点 真鍮の評決- マイクル・コナリー 2012/02/23 23:12
”人はみな嘘をつく。”
”警官は嘘をつく、証人は嘘をつく、依頼人は嘘をつく。陪審員ですら嘘をつく・・・・・・裁判は嘘のコンテストだ。”

リンカーン弁護士シリーズの第2弾は、ミッキー・ハラーとハリー・ボッシュ刑事との初共演という話題作です。
同僚弁護士が殺害されたことによって、ハリウッド映画界の大物の弁護を引き継ぐことになったハラー。上巻は、米国の司法システムを一通りなぞるようなスローテンポな展開だが、ボッシュの策略を見抜くハラーという形で二人が対峙してから面白くなる。
ハラーのいう「魔法の銃弾」(=一発逆転の決定的証拠)は推測できたのだが、そこからは意表をつく展開の連打。この反則気味の構図の反転、怒涛の展開がかなり読ませます。騙しの技巧が全開なうえ、今作はハラーと彼を取り巻く人々の造形もよく書き込まれており、これはリーガル・サスペンスの傑作でしょう。
エピローグに置かれたもうひとつの”サプライズ”は、初期のボッシュ・シリーズできっちりその伏線が敷かれており、思わずニヤリとさせてくれる。

No.1687 6点 鮫島の貌 新宿鮫短編集 - 大沢在昌 2012/02/19 17:55
新宿鮫シリーズ初の短編集。長編での流れがあるので、短編はどうしても外伝的エピソードになりますねぇ。
鮫島視点の物語と、上司の桃井、恋人の晶、"バーテン”などの第三者視点の話を交互に置き、”鮫島の貌”を浮き彫りにしていく構成になっています。

もともとの掲載誌の関係で、漫画(アニメ)の主人公とのコラボといった軽めのものもありますが、「雷鳴」「再会」「水仙」なんかは、鮫島の刑事としての鋭い感性が発揮された”ミステリ趣向”充分の好編でしょう。
あと、名前のせいで医者になるのをあきらめたという鑑識の藪の真実が、”こち亀”の両さんに暴かれる「幼な馴染み」が楽しい。「狼花」の後日譚である「霊園の男」など、シリーズ・ファンでないと話が見えてこない作品もありましたが。

No.1686 6点 王子を守る者- レジナルド・ヒル 2012/02/17 23:44
先月亡くなったレジナルド・ヒルのノン・シリーズ長編。(1982年刊)
タイトルは何かの象徴かと思っていましたが、小説の内容そのまんまでした。

もとロンドン警視庁の王室警護班で以前アーサー王子の警固を担当していたマクハーグ警部は、いくつかの運命のいたずらによって、ある組織から命を狙われる王子と再び関わることになる......。
男女の恋愛を絡めた謀略系の冒険サスペンスで、どちらかというとパトリック・ルエル名義の作風の方に近い異色作と言えるでしょう。
”ロミオとジュリエット”のようなアーサー王子と米国の富豪の孫娘との関係や、秘密結社フリーメイソンが関わった謀略などはちょっとベタ過ぎるかなと思いますが、残り40ページを切ってからの山荘の活劇は緊迫感があってよかった。
マクハーグ警部の口調が、ディック・フランシスの主人公を思わせて気になったのですが、訳者が同じ菊池光氏でした。

No.1685 5点 草津・冬景色の女客- 中町信 2012/02/15 18:06
推理作家・氏家周一郎シリーズ。
妻の早苗が所属するヨガ教室の合宿バス・ツアー途上、草津温泉で所属員が次々殺されていくというお馴染みのストーリー展開。殺人事件が連続して起こっても今回もツアーは中止にならず普通に継続しますし、被害者の一人が謎めいたダイイング・メッセージを残すのもいつもどおりです(笑)。
プロローグの死体発見シーンの叙述が絶妙のミスリードになっているのですが、ある人物の内面描写が真相と矛盾しており、そこはアンフェアじゃないかな。

No.1684 2点 装飾庭園殺人事件- ジェフ・ニコルスン 2012/02/13 23:53
内容紹介欄に”伝説のメタ・ミステリー”とあったので、ある程度の脱力感を覚悟していたのですが、許容範囲を超える真相でした(笑)。ミステリのプロパー作家が書いたものだったら最低点にしていたかも。
作者はミステリを書いたつもりはないと言うかもしれないが、発端の不審死から始まって、多くの関係者たちの脱線気味の語りによる真相解明へのプロセス、最後は一同を集めた謎解き披露と、いちおう本格ミステリの体裁をとっていて、このオチはないでしょう。

No.1683 6点 南神威島- 西村京太郎 2012/02/10 22:31
最初期の短編集(講談社文庫版)。本書の初版は’70年に自費出版されたものらしい。その5年前に乱歩賞を取った作家が....と思うけれど、乱歩賞作家といっても当時はそんなものなのかな。
自身の作風を色々模索している感じで、結果的にバラエティに富んだ作品が揃っている。共通するのは文芸寄りということで、作家名を伏せれば西村京太郎の作品とは誰も思わないだろう。

収録作の中では、南九州の離島に赴任した医師が遭遇する悪夢のような出来事、表題作の「南神威島」が一番印象に残った。これは閉鎖集団もの伝奇ミステリの傑作でしょう。
あと、「青の炎」を思わせる青春ノワール風の「幻想の夏」、大都会の孤独とやるせないラストの「手を拍く猿」、貧乏詩人の不条理な殺人動機「カードの城」など、人間の内面にせまる緊密度の高い作品ぞろいです。

No.1682 6点 破壊者- ミネット・ウォルターズ 2012/02/09 18:50
ウォルターズ8作目の邦訳作品。発端は陰惨な溺死体の発見ですが、いつもほどの重苦しい雰囲気はなくて、分量はあっても文章が平明なので比較的スムーズに読めた。

いつもの多視点ではあるものの、主に捜査陣側の視点で語られていて、鑑識の報告書や関係者の証言内容がそのまま列記された章もあり警察小説の趣がある。ドーセット州警察とは別方向から事件にかかわる地元巡査ニック・イングラムが魅力のある人物で、その不器用なロマンスも物語のアクセントとなっていて良。
容疑者は早々に被害者の夫と、愛人の売れない俳優の二人に絞られているが、捜査が進む毎にその一人の人物造形が揺らいで正体がつかみきれない所が面白い。
ただ、「〇〇(真犯人)のような人間のすることは、理屈では理解できないんだよ」という終盤のニックの台詞に象徴されるように、読者が論理的に謎解きに挑むタイプのミステリではないです。

No.1681 7点 明治開化 安吾捕物帖- 坂口安吾 2012/02/04 11:09
角川文庫版で8編は読んでいましたが、シリーズ全20編を通読したくなり、ちくま文庫の坂口安吾全集の中の「明治開化 安吾捕物帖(上・下)」を読んでみました。上下巻で900ページ以上あり読み疲れました。 

「安吾捕物帖」にしても学陽書房の別題「勝海舟捕物帖」にしても、このタイトルは誤解を招きそう。安吾は前口上を述べるだけで小説には登場しないし、勝海舟は安楽椅子探偵を務めますが、ダミー推理で名探偵を引き立てるだけの役割なので主人公ではありません。
また、時代設定は明治20年前後なので、同心や岡っ引きがでてくるわけでもなく、現代の感覚では”捕物帖”というのも違和感がありますね。本来は、”名探偵・結城新十郎の事件簿”とかにすべきでしょうが、それだとインパクトに欠けるかな。

”気楽に推理を楽しんで・・”と、前口上で作者が書いているとおり、最初の数作品はゲーム性の強い犯人当て探偵小説でした。
多めの登場人物で複雑な人間関係のものが多く、短編にもかかわらず結構読むのに苦労しました。「舞踏会殺人事件」や「ああ無情」が印象に残りましたが、いずれもロジック面は弱いです。
ところが、読み進めるにつれて明らかに作風が変化しており、徐々にゲーム性より物語性を重視したものになっているのが興味深い。
南洋の真珠採り漁船上の惨劇「血を見る真珠」や、幕末動乱によるある夫婦の数奇な運命を描いた「時計館の秘密」などが顕著で、パズラーとしてはアレですが読み応えはありました。
そのぶん、シリーズ・キャラクターの探偵集団、新十郎、ライヴァルの虎ノ介、戯作者・因果、勝海舟などの登場場面が最後の謎解きだけという作品が多くなり、探偵小説としては物足りないかもしれない。

No.1680 6点 フィデリティ・ダヴの大仕事- ロイ・ヴィカーズ 2012/01/31 18:23
淑女怪盗フィデリティ・ダヴ登場の連作短編集。
悪徳資本家や金融業者らを標的に、金銭、宝石、美術品などをいかにして盗むかという”ハウダニット”が読みどころに違いないのですが、堅牢な警備を出し抜く意外な手段といった趣向はあまりなく、詐欺的手法を駆使して、時には担当刑事まで利用するといったコンゲーム小説の趣が強いのが書かれた時代的にユニークだと思う。

各編とも20ページ余りと短めのため、変装名人の元俳優とか、物理トリック担当の科学者など、ダヴの部下たちのキャラがいまいち描けていないのですが、読み進める毎にレーソン警部補と同様にダヴの萌えキャラに魅せられていきます(笑)。ちなみに、レーソン警部は後の「迷宮課」のチーフと同じ人物らしい。
収録作では、食品会社まるごと盗む作品や、田舎の風景を盗む異色作が”大仕事”らしくていいのですが、コンゲームの騙しのテクニックとして秀逸な「本物の名作」や「一四00パーセント」なんかも印象に残った。

No.1679 6点 ユリゴコロ- 沼田まほかる 2012/01/28 20:32
読み始めと読み終わった時とで、これほど印象が変わる小説も珍しい。
タイトルも誤解を招きかねないが、描かれているのは”男と女”の恋愛であったり家族愛だったりします。

主人公が実家の押入れで見つけた4冊のノート、”病的殺人者の告白”がそのまま綴られた前半部は、そのノワールな内容とあわせて、誰が書いたのか?という謎でグイグイ読み進められた。
後半、手記の書き手が明らかになって、現在の物語が中心となると、テーマを読み誤っていたことに気付かされるが、やや物語の牽引力が弱まってしまった感もある。
ミステリとしては、カンのいい読者だと”多分そういう関係だろう”と察しがつく仕掛けですが、それがこの小説のキモではないのだろう。

No.1678 6点 奥様は失踪中- サイモン・ブレット 2012/01/26 18:47
引っ越してきたばかりの高級住宅地で、先住夫婦の行方不明が発覚したことから、またもやパージェター夫人が素人探偵に乗り出す、というシリーズの第2弾です。
前作は高級ホテルを舞台にした上流階級の老人たち相手でしたが、今作は6世帯が集まった住宅地で中産階級の奥様族を皮肉たっぷりのユーモアで描いています。小さな共同体のなかの限られた容疑者が皆秘密を抱えている設定とか、細かい伏線の張り具合なども前作同様で楽しめるのですが、解決がややあっけないかな。

このシリーズのユニークな点は、素人探偵の夫人には特殊技術をもつ協力者たちがいることでしょう。この、亡き夫・パージェター氏に恩義を感じている昔の仕事仲間(今は”かたぎ”の人もいれば、塀の中の人もいる、笑)は、作者にとっても便利な存在だけに、都合良すぎて受け入れられない読者がいるかも。

No.1677 5点 猫柳十一弦の後悔- 北山猛邦 2012/01/23 18:37
タイトルをみて連作短編集かと思ってましたが、孤島ものの長編ミステリでした。
「そして誰も~」風の見立て連続殺人で使われたアリバイ・トリックはそれなりに面白かったのですが、殺人の動機がもう無茶苦茶で一気に萎えてしまった。なんで殺人を選択する。他に手段がいくらでもあるでしょうに。
”不可能犯罪定数”や、それに関連するミッシング・リンクの要素は「物理の北山」らしいものの、いまいちピンとこなかった。作者の短編は割と好きだが、長編はどうも合わない。

No.1676 7点 変わらざるもの- フィリップ・カー 2012/01/21 21:56
あの”ベルリン三部作”の私立探偵ベルンハルト・グンターが15年ぶりに、スケールアップしてミュンヘンで復活!

単なる失踪人探しが、元ナチスの戦争犯罪人と依頼女性の夫の過去などが絡み、物語の様相が変な方向にずれていく、この展開には意表をつかれた。隠された企みもミステリ趣向充分。
グンターは今回も悲惨な目に合いながら減らず口も健在で、まさに”変わらざるもの”です。
私立探偵小説、警察小説、スパイ冒険小説と、これまでの3作は、同じ主人公を使いながら、それぞれ異なるタイプの小説になってましたが、本書も例にもれず、あるジャンルの要素(=これはネタバレになる)を取り入ており成功していると思う。
解説によると、シリーズは既に8作目まで書かれているらしい。すみやかに順次邦訳を期待したいが、本書のエンディングだと次作の物語設定が想像つかない。

(追記)2012.1.24
今年のMWA(エドガー)賞の候補作5冊の中に、フィリップ・カーのグンター・シリーズ第7作がノミネートされた。受賞に至ればシリーズの邦訳も進むと思うが、今年は日本人作家の強力なライヴァルがいるからなぁ・・・・(笑)。

No.1675 4点 千葉千波の怪奇日記 化けて出る- 高田崇史 2012/01/19 22:31
千波くんシリーズ連作短編の第5弾。
サブタイトルは「千葉千波の怪奇日記」だけど、実際は従兄の”ぴいくん”が大学生活で見聞きした怪奇事件をまったりと語る構成で、パズル好きの天才高校生・千波くんは解決編に登場するだけですけどね。
各編ともミステリ部分は微妙というかイマイチ(4点)。
でも、居酒屋仲間の女子大生2人、とくに海月ちゃんのとぼけたキャラが笑えるので加点(+1点)。
ただ、従来の割と難易度が高いパズルじゃなく、今回はとんちクイズみたいになったのは減点(-1点)。

キーワードから探す